とある転生者の憂鬱な日々   作:ぼけなす

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女神「やっほーこんにちわ。アタシよ、女神様よ」

女神「今日はあなた達に話があってきたのよねー。ズバリ言うとこの前書きの一言コーナーはこれで完結よ」

女神「えっ? 対して興味ないから別にいい? あら、一応これは私が作った物語のキーワードだったのよ。勿体ないわねぇ」

女神「それはさておき、なぜこの前書きコーナーを終わらせるのかって聞きたい人もいるでしょうから話すわ。興味ない人はさっさと本編に進みなさい」

女神「さて、理由はこの回をもってリリカルなのはの世界でのソラの話が終わるのよ。ソラの物語が終わるわけじゃないから安心してね♪」

女神「そして始まるのは彼の冒険。彼の本当の物語が始まるのよ」

女神「グダグダしたものじゃなく、ましてやだらけたお話じゃなくシリアスありシリアルありの本編ってわけね。まあグダグダもあるけど」

女神「だからここでリリカルなのはの物語はおしまい。一旦ピリオドをおくわ。空白期を期待していた人はごめんなさい。作者としてはなのは達を絡ませるのが難しいそうなのよ。絡ませたらまどかちゃん達のポジションがなくなっちゃいそうなのよ」

女神「そういうわけでこの前書きはおしまい。さあ始めるわよ。物語を」






「――――物語よ始まれ、そしてソラ。あなたの役目に死ぬまで終わりはないわ」



第五十一話

桜が舞う暖かな季節。今日はオレ達の卒業式だ。

 

彼女達と再会して早くて三年も経っていたんだな。

 

八神や衛は管理局に就職し、高町達も本格的入った。

そういえばオリ主くんは二年前に入っていて、今では部隊長らしいな。

 

どうでもいいが。

 

そんな新たな門出を迎えて、オレは校門を出た。

 

既にまどか達は学校を出て、それぞれ思い出の地に向かっていた。たぶん、ふけっているのだろう。

目をつぶれば、前世の記憶を今でも思い出せる。

 

あの頃はまだまだ青くさい少年だったが、それでも千香やまどか達と一緒にいた時の思い出がたくさんある。

 

笑って、泣いて、喜んで。

 

辛くて絶望して、それでも生きようとして、転生した果てに今のオレはここにいるんだ。

 

だから、これからもずっと彼女達と笑い合おう。

友人達と楽しもう。

 

――――それが今のオレの生きる活力だから…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、その考えは甘かった。

 

いやホントに甘かった。どうしてあの組織を放っておいてしまったのだろうか。

未知の力がオレ達が狙われるのは必然だったはずだ。

 

だからこそ、この目の前の光景が証明していた。

 

 

 

 

――――オレ達の家が管理局の魔導士達に破壊されていた。

 

 

 

結界はオレ達の家だけ張られておらず、そこだけを破壊できるように設定されていた。

 

 

 

オレ達の居場所と思い出が破壊されていく…………。

 

まどか達は?

みんなはいったいどこに行ったんだ?

 

そう思ってオレがその光景を信じられなくなり、フラフラとそこから去ろうとしたとき魔力弾がオレに直撃した。

 

オレはそこから壁に叩きつけられた。

 

「く、が…………」

「ようやく来たか神威。待ちくたびれたぞ」

 

オレ達の家を破壊することを指示していた男が起き上がるオレの前に降り立った。

 

オリ主くんだった。

オレ達の全てを破壊したその男が目の前にいた。

 

「ロストロギア不法所持の罪でお前()管理局に連行する」

「ちょっと待てここは管理局外――――――――」

 

オレがそう言いかけたとき、あることに気づいた。

そのことをオリ主くんに聞いてみる。

 

「オイ、まどか達は? みんなはどうした!?」

「神器使い朱美姉妹、友江三姉妹、そして天ヶ瀬千香は既に眠らせて、拘束してから管理局に連行した。今頃、独房の中だろう」

 

それを聞いてオレは愕然した。

管理局の独房ということは実験場に送られることは確定しているだろう。

 

神器を使えなくされ、非道な実験を行われて嘆きオレの助けを求める――――そんな最悪なビジョンが思い浮かんだ。

 

…………もはやオレには絶望しかなかった。オレにとって彼女達は本当にオレの生きる活力だったから。

 

「総員構え! 狙いは神威ソラ」

 

魔力弾一斉放射の号令を出すオリ主くん。

 

 

…………そうか。そうだよな。

 

 

所詮、オレは英雄の強さを持つ者だ。だから強い、恐れられる。

平穏なんて遠いかもしれない。

 

「撃てェェェェェ!!」

 

オリ主くんの号令で一斉放射が始まった。非殺傷なのか痛いだけの魔力弾だった。

 

死ぬほど痛いレベルらしいがあんまり痛くない。

なぜかって? それは簡単だ。もっと『痛い』のを味わったから。

 

だから痛くない――――むしろ鬱陶しい。

 

 

「なっ!? どうして魔力弾の嵐の中で平然と立って歩けるんだ!」

 

オリ主くんは狼狽するがもう遅い。

オレは神器を召喚し、オリ主くん達の部隊に剣先を向けて宣言した。

 

「お前らは逆鱗に触れた。オレの大切な者に手をかけた!! だから――――――――殺す。とっと死ね!!」

 

オレは涙を浮かべながら、駆け出す。

 

 

――――その涙は悲しみ故か、はたまた怒りなのかは…………もうわからない……………………。




ソラにとって彼女達はかけがえのない存在でした。だからこそ彼は管理局員を殺すことしか考えられなくなりました。

遂に彼はオリ主くんを敵と断定しました。もはや末路は…………いや、ネタバレになるので伏せておきましょう。

次回、皆殺し。

――――もはや彼に慈悲はない。蹂躙あるのみ

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