とある転生者の憂鬱な日々   作:ぼけなす

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ちょっと駆け足ぎみで短いです。

「――――さあ戦え。リベンジだ少年少女達」




第四十九話

折檻された後、オレ達はリンディ提督からお叱りを受けて、罰としてシステムU-Dの戦闘に参加するはめになった。

 

まあ、仕方ないか。好き勝手やったし、放っておくとここも潰されそうだし。

そんなわけでアースラ内の作戦会議に参加していた。

 

「先生ーその金髪ちゃんを着せ替え人形にしていいですかー?」

「千香、お前は黙ってろ」

 

千香が悪ふざけするやら、まどかとほむらは完全抹殺を推奨するやら、肝心のマミさんがお茶会で和解というなんともファンシーな解決方法を提案するというものがあった。

 

てか、マミさん。あなたは単にお茶会したいだけでしょ。

 

まあなんにせよ。

 

「いつも通りだな、アタシ達」

「そうだね。あ、杏子。そこ必殺技」

「おっしゃあ! 任せておけ!」

 

ゲームする二人がオレのセリフを言った。ちくせう、決めセリフとられた。

 

てか、お前らもゲームしてないで参加しろよ。

あと杏子、こいつら一緒に止めて。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

時間は進み、海上。オレ達はマテリアルズとアースラから勝手に出ていったキリエが独断で金髪ちゃん(システムU-D)に挑んだらしい。

無謀なその戦いでシュテルとレヴィはディアーチェに力を託して消えてしまい、キリエはアミタに自身の武器を託して失神した。

 

なんかこちらをそっち退けてドラマが始まっていることがちょっと不愉快だが、とにかく金髪ちゃんに挑もうと思った。

 

「お前達にはおもしろいものを用意してやる」

 

って口調が変わってね?

 

とそう言ったとき金髪ちゃんは手を掲げて次元の渦を生み出した。そこから現れたのは――――――――

 

 

「魔女!?」

「しかもあれって!」

 

マミさんとさやかが驚く中でオレとまどかは出てきた魔女を見て驚愕した。

 

 

――――救済の魔女。

 

最強にして最悪の魔女だ。

 

 

だが、魔女の姿はオレが見てきた中で小さくなっている。

 

「お前達の魔力の情報を元に造り出した闇の書の残倖だ。ただ、その魔女の生命を吸いとる力はないし、使い魔を生み出せない――――――――が、お前達には充分な相手だろ?」

 

嘲笑を浮かべる金髪ちゃん。お前の言う通りだ。

まさに相手は絶望の化身。

 

かつて世界の抑止力として現れた理不尽の権化だ。

 

だからこそ、リベンジが必要だ。

 

「衛、悪い。こいつは神器使い達だけでやる。これはかつて何もかも台無しにしたヤツなんでな」

「心得た! ならば金髪娘は我らでなんとかしよう!」

「パパ、手伝っていい?」

 

いいよと天気に答えて、オレ達は魔導士組から離れて救済の魔女に向かって行った。さあ、始めよう。

 

まどか「もういいんだよ」

杏子「充分だろ?」

マミさん「何も悲しまなくていいのよ」

ほむら「だけど覚悟しなさい」

さやか「後悔もしなさい」

千香「ボク達は遠慮しないよ」

オレ「だから…………」

 

 

 

 

「「「「「「「安心してとっと死ね」」」」」」」

 

オレ達がそう言って、奇声を上げる救済の魔女モドキに挑んだ。

 

最終決戦が始まったのだ。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

まずオレ達がすることはまどかの一撃必殺の殲滅だった。

 

触手で攻撃してくるが、オレと杏子、さやか、千香がまどかに触れさせないように切り捨てる。

 

マミさんとほむらは救済の魔女を牽制し、あえて防御させることをしている。

そしてまどかのチャージが溜まったところでまどかは最大の一撃を撃った。

 

「えっ!?」

「マジかよ…………」

 

一撃で葬ったはずが、なんとところどころ残ったところから再生していき、分裂していたのだ。

アメーバかこいつら。

 

だが、厄介な能力を持っているようだ。

 

「どうする?」

「どうするってわかってるだろ?」

 

オレがそう言うと彼女達は頷いて、今度はオレのサポートにまわった。

救済の魔女達の触手が襲いかかる中、オレはその一つを足場にして駆け出す。

 

やることはただ一つ。

 

機能停止させること。まどかの殲滅ではまた分裂再生するからオレの神器で再生機能と分裂機能を止める。

それしかこいつらを倒す方法はない。

 

「うぉ!?」

 

オレに向かってきた触手が足場にしていた触手を刺して、切り落とした。

 

ヤロー、オレを近づけさせないつもりだな。

 

落下していたところで千香が防壁を足元に作り、足場に確保させる。

オレはそこからジャンプして今度はマミさんのリボンで作られたネットの道に飛び乗った。

 

救済の魔女への一直線の道をオレは駆け走る。

そうはさせまいと触手が一斉に迫る。

 

「ほむら!」

「遅くなりなさい」

 

しかしほむらの神器でその動きはスローになる。

どうやら分裂したと言っても一つ一つに分かれたわけでもなく、魔女個人のリンクが繋がっているようだ。

 

つまりこの魔女の分裂体は木の葉っぱように、最終的にはその本体に繋がっているわけだ。

 

だから『対象の一つ』として触手の全てがほむらの神器で遅延することになったのだ。

 

「その触手邪魔だよ~」

 

いつもののんびりとした口調でオレ達は天気の神器を始めてみた。

 

 

彼女の背景には盾、槍、昆、剣、マスケット銃、弓、斧が花のように展開された。

 

「いくよ…………『七つの宝箱』」

 

天気はそう言ってオレに迫り来る触手を切り裂き、撃ち抜き、なぎはらってくれた。

オレは彼女にお礼を言って迷わず前へ進む。

 

「本体の再生が止まれば、お前の分裂体の機能も止まる…………ってか!」

 

遂に目の前まで来たオレは飛び上がる。

そしてその顔面に神器を挿し込み、回した。

 

ガチャリと扉が閉まる音がしたとき、分裂体も消滅した。

 

封印完了だ。オレはそこからそのまま落下して言った。

 

「マミさん、まどか。あとはよろしく!」

 

巨体なマスケット銃とその弓矢のような弾丸をセットしたまどかとマミさんが救済の魔女に向けて、技名を言って発射した。

 

「「ティロ・デュエット!!」」

 

分裂し、一斉に向かっていく弓矢のような弾丸は救済の魔女を覆い隠し――――――――ほとんど面影を残さない形で弱りきらせた。

 

「合わせろよさやか!」

「ええ! あんたもよ!」

 

とどめとばかりに杏子は自身の幻想を多数造りだし、さやかも無数のサーベルを展開した。

 

そして、さやかの無数の斬撃と杏子と多数の斬撃が救済の魔女を完全に細切れにすることができた。

 

「やったね!」

「そうだな」

 

神器でクッションをつくってくれた千香が寝転んだオレにハイタッチしてきた。

それに答えたとき、オレの苦渋の思い出の一つに決着がついた気がした。

 

 

それから金髪少女の戦いも決着がついていた。




救済の魔女はかつて抑止の存在としてソラ達に苦渋の敗北を与えました。
だからこそ、今回の戦いでソラ達に前世の一区切りを得ました。

今回は短い戦闘描写だったのはすみません。こちらの力不足です。
あと、いい加減に入らなきゃいけない章が次々話にあります。なのでGOD編は次回で終わらせます。

次回、エピローグと修学旅行。


――――そろそろ小学生もおしまいである

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