砂漠の世界で金属音が鳴り響く。
オレの偽者は神器の力は使えないのか、斬撃ばかりだった。
好都合。オレは偽者の斬撃をヒラリヒラリと回避し、右顔を殴る。
ズザザザと地面を滑らせ、止まったところでこちらが攻める前に偽者が攻めてきた。
「くそ！ くそくそ！ なんで当たらねぇんだよ！！」
「そりゃ、冷静じゃねぇから太刀筋が単純だもん」
だから簡単に避けれる。
オレは大振りになってできた隙を使って、斬り上げた。
そのまま偽者の神器は弾かれ、手から離れた。
「これぞまさしく『あっという間に』ってヤツだな！！」
オレはそのまま連続斬りを放つ。
「が、ァァァァァァ！！」
偽者はなりふり構わず飛びかかろうとしてきた。
オレは
偽者は糸が切れた人形のように力なく倒れた。
「これが今だ」
光の粒子となって消えていくそう呟いてオレはドコでもドアを展開し、その世界から離れた。
なんか昔の自分ってここまで弱かったんだなと少し懐かしく思った。
(まどかサイド)
昔の私はそこそこ強い。この戦いで少しわかった。
「けど残念。私はもう魔法少女じゃないし、人間じゃなくなってるから」
円環の魔力を使い、空へ飛んだ私は最大出力の弓矢を向けた。
ほむらちゃんの偽者はそうはさせまいとグロックを構える。
カチリ
「そうはさせないわ」
時計が止まった音と共にほむらちゃんの偽者は動きは停止した。そしてそんな彼女にほむらちゃんは容赦なくバズーカ砲を撃った。
爆発音と共にズタボロになった偽者のほむらちゃんに偽者の私が受け止める。
偽者であれ、傷つけたことに私は少し心を痛めた。ほむらちゃんも同じみたいだった。
「ごめんね…………」
そう呟いて弓の弦を離した。
矢は二人のところに向かい、凄まじさ音共に二人は消滅した。
「嫌な戦いだったね…………」
「ええ…………」
まるであったかもしれない未来を見た気分に私達は勝利に対して晴れやかな心になれなかった。
(千香サイド)
そして再びボクのターン！
ヤッホーみんなのアイドル千香ちゃんだぞ☆
ただいまボクの偽者がボクを殺そうと白兵戦を挑んできてます。マジもんのナイフでボクを猟奇的殺そうって話だね。
ところがどっこい、そんなちんけなナイフ技ではボクはあったりませーん♪
理由はまだまだ未熟で単純なんだもん。
「…………捕らえた」
「およ？」
どうやらマジックで手を捕らえられたようだ。そして顔面に向けてナイフを刺そうと振りかぶる。
ガキィンッ
しかしボクの顔面は鉄とぶつかったかのような音を立ててナイフを折った。
「っ！？」
「どうしてって顔だね～。答えは簡単。ボクの顔に神器を発動したんだよ♪」
謂わば、鋼鉄のフルフェイスマスクを着けた状態である。
ふふん、驚くのはまだ早いよん♪
「手が…………動かない？ なんで？」
「そりゃ、僅かに動揺した隙を狙ってバインドで捕らえたもん。捕らえられたのは君なんだよ～？」
と言いながらボクは容赦なく偽者の顔を掴む。
「いや…………まだ死にたく――――」
ズバッ！！
何かを言う前にボクは彼女の首を切り裂いた。
噴水のごとく噴いた返り血がボクの顔に当たり、彼女はそのまま事切れた。
「アハッ。死にたくないって何を今更。ボクは戦うときは常に命をかけているんだよ。…………ヌルイことを言うのは天ヶ瀬千香じゃない。No.１４だよ♪」
口についた返り血を舐めながらボクは、それを投げ捨てた。光の粒子になって消えていったからどうやら戦闘不能になればそうなるように設定されているらしい。
ボクは杏子やさやかの偽者が戦う元に向かう。
さあ…………もっと殺り合おうよ。
命のやりとりをね…………。
最後のあれが、千香の本性です。
師匠や戦争によって歪めれた人格が今の千香です。
変態だけど、凶悪。千香は元々人形みたいな女の子だったので殺戮人形になりやすいのです。
とりあえず、ソラや仲間を傷つける存在は問答無用に駆除します。
次回はソラの闇。
――――少年が最も憎むものは過去のおのれである