とある転生者の憂鬱な日々   作:ぼけなす

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「――――舞台はそろった。さあ、踊れ。役者たち」


第三十九話

クロノ少年やユーノ達がやって来たとき、銀髪女性ことリインフォースだったものは身体が変化し、オレ達の知る魔女の姿にになった。

 

ただの魔女ならよかったのにとオレは思う。

 

相手はどこから得た情報なのか――――舞台装置の魔女(ワルプルギスの夜)だ。

しかもバリアらしきものが張られており、パワーアップしているようだ。

 

「なんの冗談だよ…………」

「そだね。私としては久しぶりだけど」

「私もよ」

 

まどかとほむらの呟きに元魔法少女達はウンウンと頷く。

 

まさか相手は超弩級の魔女となるとは…………。

 

「ほえー、あれが魔女なの?」

「そういえば千香って初めて見るんだっけ?」

「うん。でもボクとしてグラマーなお姉様を期待したのに、現れたのキモい物体だなんて…………」

「がっかりするのは別にいいけどあれ一応魔法少女だったヤツだからな? キモいはさすがにひどいからな?」

「くっ、せっかく用意したカメラが無駄じゃないか! お姉様のアダルトボディを期待したのに!」

「だからカメラ持ってたのか」

 

ホント相変わらずな千香である。

 

にしてもこいつが相手か…………。

 

「ふるボッコに持ってこいだな…………」

「だね…………♪」

「ええ…………」

「ふふ…………」

「全くよ…………」

「そだな…………」

 

上からオレ、まどか、ほむら、マミさん、さやか、杏子である。

 

敵も味方も「え?」と唖然としていたが。

 

「アレと戦うん?」と八神が聞いてきたので神器使い達は「もちろん」と答えた。

 

「当たり前だ。久々の魔女退治だ。みんなグリーフシードほしいかァァァ!?」

「「「「「おー!!」」」」」

「魔女の裸体みたいかー!」

「「「「「それはヤダ」」」」」

 

「解せぬ」と千香は自分の発言に賛同してくれかった神器使いのみんなに対して拗ねた。

いや魔女って裸体あんの?

 

あれがデフォルトじゃないの?

 

まあそれはさておいて、続き続き。

 

「魔女をぶちのめしたいかー!!」

「「「「「おおー!!」」」」」

「よろしい。ならば始めらよう。魔女ふるボッコタイムじゃァァァァァァ!!」

「「「「「「レッツパーティィィィィィ!!」」」」」」

「もう八つ当たりよ、もォォォォォォ!!」

 

 

元魔法少女達のキャラ崩壊し、憤慨した千香を含めてワルプルギスの夜に向かっていく。

 

「んで、お前らどうすんの?」

 

「…………あ」と残りは呟いて気づいて向かって行った。

 

うむうむ、さてとオレも祭りに参加するか。

 

「というか、なんなんやこのメンツ。どういう組み合わせやねん」

「鬼畜、百合、変態、ロリ、筋肉、常識、なのなのを組み合わせたドリームチーム」

「カオスすぎるわ! 後、なのなのってなんなん!?」

「高松――――あ、間違えた。高町やまのの語尾だ」

 

「なのはなのーーーー!!」と聞こえたが気がした。。気のせいだと思うことにした。

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

その後、リンディさんの通達があり十分後に暴走するらしい。

 

その前にこいつを消さないといけないが、再生機能があるため、完全に消さないと危険らしい。

 

というわけで問答無用にぶっ潰せという話である。

 

ワルプルギスの夜は使い魔を出してきた。

久しぶりにみたがやっぱり不気味である。

 

そんな使い魔をさやかは切り裂き、杏子は串刺し。

まどかは射殺し、ほむらとマミさんは射殺する。

 

ホント容赦ないなオレ達。

 

首を飛ばしているオレも人のこと言えないけど。

 

「本当に久方ぶりだね!」

「あのときはまどかは戦えなかったな。どうだ今の気持ちは?」

「サイッッッコーーーーだよ!!」

 

いつも無力で儚げなだった彼女が今ではこうして戦っている。

そんな姿にオレは笑みをこぼす。

 

…………もうそんな面影全くないけど。いろんな意味で。

 

「開けろまどか!」

「了解!」

 

まどかが女神モードになって、チャージし始める。最大威力の弓矢を生成するためだ。

 

しかしワルプルギスは海中から大きな岩々を浮かび上がらせ、それをぶつけようとしてきた。

 

使い魔達だけでなく、厄介な物理攻撃を含めてオレ達に迫る。

 

魔法少女だった頃のほむらはこの圧倒的な攻撃に苦戦し、敗北してきた。

 

 

 

カシャン

 

 

 

だからこそ、彼女が止めるべき攻撃だ。

ほむらの時間停止でその攻撃は動きだけを止める。

 

神器使いとなった彼女はモノクロの世界にしなくても、一つの対象に絞って停めることができるのだ。

 

せめて使い魔達だけでもとワルプルギスは思ったのか、使い魔が一斉にオレ達二人に迫る。

 

「あらあら、ここから先は通行禁止よ?」

 

マミさんの一言と共に使い魔の脳天を撃ち抜かれた。

それだけでなく高町やフェイト、シグナム、ヴィータが使い魔達を退けてくれる。

 

「オラ、とっと道開けろ!!」

「まどかとソラのお通りよ!」

「新婚さん、いらっしゃーい!」

 

杏子とさやか、千香が背後からきた使い魔を退けてくれた。

ちなみに千香。誰が新婚だコラ。

 

「これが私とソラくんのバージンロードだね!」

「ほむらはどうするんだよ」

「大丈夫! 既に夫として入籍予約してるから!」

「浮気すんなよ婚約者」

 

サムアップするまどかに呆れながら、オレは神器の剣先をワルプルギスに構える。

 

「いっけー!!」

「デストロイアーチャー!!」

「その呼び方やめて!」

 

まどかがツッコミながら流星群のごとくの弓矢を放った。

ワルプルギスに張られていたバリアは破られた。

 

よし、道はできた!

 

「封印します、ってね!!」

 

封印の波動がワルプルギスに直撃する。マミさんが試しとばかりに巨大砲撃(ティロ・フィナーレ)を放つ。

 

ワルプルギスの腕が少し欠けていた。バリアが張られている代わりに身体の耐久力が弱くなってるのか?

 

まあなんにせよ。これで準備はできた。

 

「やっちまえ! 主人公共!」

 

オレの合図と共に、三人娘。

高町、フェイト、八神が最大魔法を撃った。

 

 

 

ドゴォォォォォォンンン!!

 

 

 

……………………うん、なんか原爆並みの爆発音が鳴った気がする。

 

というか未だに真っ白な光柱がワルプルギスにいたところに立っているし。

 

「魔女って使徒なの? なんか十字架の光柱が立っている気がするんだけど」

「んじゃ、あいつらはエヴァか。オイ、初号機。もう一発いけるか?」

「初号機じゃないもん! なのはだもん!」

 

膨れっ面にプンスカ怒る高町。冗談だって。

 

というか仕舞いに暴走状態や覚醒状態にならないだろうかと少し期待してたりする。

 

来る日は来なそうだが。

 

「若干残ってるな」

「うん、今も苦しそうだね…………」

「そりゃあ再生機能を封印したからなぁ」

 

といわけでまどか、と言って彼女の目を見る。彼女は無言で頷いた。

 

元の魔法少女の衣装に戻った彼女は弓矢を引いて「ごめんね…………」と呟いた。

やっぱり変わっていてもこいつは優しい女の子だと思った。

 

「もう充分だろ? 精一杯がんばって生きただろ? だからもう安心してとっと――――死ね」

 

オレの一言を最期に闇の書の擬似ワルプルギスの夜(暴走体)は完全にこの世から去った。

 

終わったのだ…………なにもかも。




はい、舞台装置の女性とは擬似ワルプルギスの夜でした。

ソラの推測ですが、魔法少女だった頃の魔力の記録やソラの吸収でたぶん最強の姿がワルプルギスの夜と判断してのことでそうなったと思います。

まあ、再来と言っても対して勝負にはならなかったと思うかもしれませんが。

次回、救済

――――求めること悪ではない。だってそれは幸せを求めているのだろう?

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