「――――報いの時だ罪人共。執行者はアレなことに同情するが」
シンシンと降る雪は止み、そして真っ暗な夜空となった。
本日はクリスマスイブである。
サンタという真っ赤に着た小太りのオジサンが白い袋に入れたプレゼント持って、良い子に配るという行事がある夜であるらしい。
オレも千香とその師匠と一緒にクリスマスパーティーをしたものだったがただのパーティーではなかった。
なんだよサンタコスで爆弾を敵陣に投げつけるって。どこのテロリストだよ。
八神に教えられて初めてサンタがテロリストではないことに気づいた。
顔をひきつらせていたなあいつ。
「というわけでまどかさんや。どうしてこう外が騒がしいのかね?」
「さあ? なんか魔女結界みたいなのも張られてるし」
「なんですと? それはまずい。早く魔法少女杏子たんを呼ばねば」
「のんきに言ってねぇで早く外に出ろ!! あと杏子たんって言うな!」
お茶を飲んでくつろいでいたら、杏子が扉を開けてシャウトしてきた。
やれやれ…………なにが起きているのやら。
そんなこんなでオレはダルい身体を動かすのだった。
と言ってもほぼ完治してるけどね。
閑話休題
外に出れば、高町と衛とオリ主くんが銀髪巨乳なお姉さんと空中戦戦していた。
「これはどういうことだ? よし、さやか。三十文字以内で説明せてみせよ」
「無理」
「ではマミさん」
「無茶ね」
「むむ、これは仕方ない。それではそこでリボンで縛られたロッテりあども。十文字で説明しろ」
「略すな! てか、なんであたし達だけハードル上がってるのよ!?」
「いやテメーらが原因だろ」
杏子がツッコんだ理由は、このロッテりあ姉妹が八神の目の前で守護騎士達が消える光景を見せて絶望させた。
結果、八神が銀髪お姉さんに変身し、全てぶっ壊してやるという願望の元でオリ主くん達に戦いを挑んだ。
フェイトもいたらしいけど、吸収されて銀髪お姉さんの中にいるらしい。
うん、とりあえず。
「八神って魔法少女だったの?」
「ツッコむところ違うし、魔女じゃないから、あれ。管制人格ってこの馬鹿猫姉妹が言ってるわ」
「なんでこんなことしたのか聞きたいんだけど、事態が事態だからスルーな。ぶっちゃけ、どうでもいい」
ほむらと会話しているとロッテりあ共が騒ぎだした。
「どうでもよくない!」
「私達にとってこれはお父様の悲願だった! それをどうでも――――」
アリアがそう言う前にオレはドコでもドアを展開。
彼女達の襟首を掴み、引きずってドアまで近づく。
「あのさ、オレにとってあんたらの悲願とかそんなもん関係ないし、どうでもいいんだよほんと。重要なのはお前らがオレの知り合いをヒデーことして泣かしたことで充分だ。ギルティ、有罪。さっさとどっか行ってろ、邪魔だから」
冷たい声でそう言うと完全に沈黙した。
ほんとはぶん殴りたい衝動に駆られているのだが、我慢。
それに事態は深刻化している。
オリ主くんや高町はボロボロだし、唯一まともなのは衛くらいだ。
だけど、ときたまにしてくるオリ主くんや高町への攻撃を守ろうとしているから体力の消耗が激しい。
そろそろ加勢しないとまずそうだ。
「んじゃ、行ってらっしゃい。アースラにご案内ってね♪」
「「んなっ!?」」
「あ。お前らのこと、さっきほむらがラインでリンディ提督に説明したから、今頃お前のお父様も捕まっているんじゃね?」
「おのれ!」と言わんばかりに睨み付ける猫姉妹。オイオイ、これでもまだ序の口だぜ?
「そんで千香。スタンバイできた?」
「オッケー! 猫姉妹の黒歴史は今管理局のホームページにアップロードしたから!」
「「にゃあァァァァァ!?」」
当然の報いである。オレはやかましい猫姉妹をドアに放り投げて、閉めた。
よし、うるさいのが消えた消えた♪
「ときどき、アタシはアンタら二人がこえーと思う…………」
「甘いな杏子。うちの師匠なら社会的に抹殺したら、今度は経済的に抹殺だぞ」
「あ。うちの師匠なら洗脳だねその場合」
「アンタらの師匠も師匠でこえーよ!!」
杏子はツッコむ。
そうなのかねー? まあ、なんにせよ。
「んじゃ…………行くかみんな」
「うん!」「ええ」「オッケー」「もちろんよ、ふふ」「さあ始めようか♪」
神器使いのオールスター達の舞台は幕をあげる。
悲劇的で、喜劇的で、笑劇的なシナリオですぜ、お客さん。
「あ。今ならオリ主くんもろとも殺れるんだよね。撃っていいかな?」
「手伝うわ、まどか」
「やめんかドS姉妹」
この二人がオリ主くんを陰で抹殺させないようにしようと思ったオレだった。
いくらなんでも必死に戦っているときに暗殺されるのは悲しすぎる。
というわけで原作通りロッテりあ共は護送。
たまたまネットで調べものしていたグレアムさんは姉妹の痴態写真に泣き顔。
そして真実を突き止めたクロノ少年はそんな状況に苦笑。
以上裏話でした。
次回、吸収。
――――彼は許さない。理想に盲目した自分を。