ではどうぞ。
第一話
ひらひらと桜が舞い散る季節。出会いがある季節がまたやってきた。
天気は快晴な青空だ。
だけど、オレの心情は曇天である。
どうも、オレの名前は神威ソラ。私立聖佯小学校三年生である。
リリカルなのはという世界に転生してきたオレはボチボチ生きているわけだが、
「あいつ…………あたし達を見てるよ」
「気持ち悪いね…………」
「そうだね…………」
このように人に嫌われている。高町なのはに出会ったときなんか、声をかけた瞬間、嫌われてたし、おまけに主人公っぽいヤツに誤解されてドロップキックされた。高町は王子様のように現れたそいつにホの字なり、公園に残された。
え、なにこれほんと。
その理不尽な扱いに全世界のオレは泣いた。
アリサ・バニングスと月村すずかのときなんかもっと酷い。いじめに救済に入ったのに、恩どころか仇で返されたし。
「なんでいるのかな?」
お前らこそ、なんでオレをそんな嫌悪な視線するんだと言いたいが、言ったところでオリ主っぽいヤツがまた誤解して制裁を加えそうだ。
誰もオレを助けてくれない四面楚歌。…………まあ、なんにせよ。
「死のうかな…………今日辺り」
ネガティブ? いやもう二年もこういう状況だし。
自殺を計画しておこう。元から未練ないし。生きる理由ないし。
(黒髪のヒロインサイド)
女神からやっと転生させてもらい、私達は海鳴という町に来ていた。ここに彼が…………。
「急いで見つけようよ! なんか嫌な予感がする!」
親友の言う通り、胸騒ぎがする。私達三人は散り散りに別れて、そして――――――――
「見つけた!」
学校の屋上で一人ポツンと立っていた。彼は手を肩までの位置に上げて――――――――!?
「まさか!? いけない!」
私はすぐにテレパシーで、彼女達二人を呼んだ。間に合って!
(黒髪少女サイドout)
もうここでいいか…………。きれいな青空が広がるこの屋上でオレは死ぬ覚悟を決めた。
ここなら誰も来ないし、見つからないだろう。
オレは一度死に、悔いのない終わり方をしたのだ。だからもう躊躇いもない。
戦争で生き抜き、仲間や敵が死ぬ光景を何度もみたおかげでオレにはもう死ぬ恐怖はない。
「来い…………『全てを開く者』」
オレは神器を召喚する。
黒いカギがそのまま剣となったような剣…………。今まで共に戦ってきた相棒である。
それを自らの胸に剣先を向ける。
この神器の能力は全てを開き、閉じたりする見た目通りの鍵のような力がある。概念すら干渉できるレベルため、魂を肉体から切り離すなど容易である。
「…………もし生まれ変わるのなら、彼女達に会いたいなぁ」
大切な人達を想いながらオレは神器を――――――――――――
ガシッ
――――――――――――刺す間際で誰かに手首を掴まれて止められた。綺麗な手の少女によって。
「馬鹿な真似はよしなさい」
「…………冗談だろ? だって……お前は……………………」
「ええそうよ。あなたの思う通り、私は別世界の住人
「だった?」
「天寿をまっとうできたのよ。私も彼女も。それからあなたを支えるために、修行して、やっと今日、この日にここに来れたわ」
「……………………」
「あなたは今、絶望しているのはわかるわ。けど、死ぬことを許さない。約束したでしょ? 彼女と私に」
……………………そうだ。彼女達と約束して、オレはこの世から消えた。彼女は背後からオレを抱き締め、耳元でささやいた。
「もう逃がさないわよ。あなたがたとえ死を望んでも、私が許さない。身体も心も、全て私達のモノよ。勝手は許さない」
「めちゃくちゃだなぁ…………。病んでないかお前」
「ええ、愛のために狂ってるわ」
「重たい愛だこと」
神器を消して、オレはふり返る。ああ…………やっぱ彼女だ…………。
「久しぶり、ほむら」
「ええ、久しぶりねソラ」
オレを
作者的には原作アンチのつもりはないけど、主人公は最初から嫌われてます。
理由? 見た目が踏み台っぽいし、呪いのせいで嫌われています。
ただし、ごく一部の人もしくわ彼を慕う少女達は例外です。
ちなみに某有名ゲームと同じに感じる人はいると思いますが全然違いますし、そのつもりもありませんのでご了承ください<(_ _)>