by神威ソラ
(??サイド)
フェイトはスカリエッティを捜していた。そうしていたら、待ってましたとばかりにアリシアが長方形の大きな部屋で待ち構えていた。
「姉さん……どうしてあなたはスカリエッティの味方をするのですか?」
「うーん、一応お世話になっていたならねー。ま、恩返しってのが妥当だね」
「それが例え犯罪者でも?」
「うん。罪があろうがなかろうが悪い人じゃない――――だから恩返しができる。わかるでしょ?」
確かにそうだ。悪い人ならば恩返しする気にはなれないがスカリエッティはどちらかと言えば良い人である。愉快犯だが、悪人とは言えない。だからこそ、フェイトはスカリエッティを
原作のフェイトならば悪人であれば問答無用だが、このフェイトは既に問答無用な鬼畜な人物を見ているため、自分はそうはならないように努力していたのである。
「でも私は局員ですから公共を優先するので姉さん、あなたを逮捕します」
「えぇー見逃してよー」
「いえ、被害総額がかなりあるのでタダ働きさせないと気が済みませんので」
「そっち!? 正義優先じゃなくてそっち!?」
「言っておきますけど、私はこう見えて二児の養子がいますから嫌でもお金のことを考えないといけません。あの被害総額では管理局の予算がヤバくなりますし」
アリシアは冷や汗を流す。フェイトが映したウインドには卒倒しそうな金額が提示されていた。まさかそこまでのことになるとは思いもしなかった。
「ええい、こうなったらとことん逃げるためにフェイトと戦ってやるゥゥゥゥゥ!」
「罪から逃げないでください!」
「なんかフェイトが言ってると違う意味で聞こえる!」
こうして二人はぶつかる。その様子をスカリエッティは見ていたのだが、後ほどわからなくなった。
どうやらヴィータが動力源を破壊に成功したようだ。
だが――――
――――そのときにはフェイトとアリシアは
☆☆☆
時間は進んで――――
ヴィータはやっとのことで動力源にたどり着いた。そこには大量のガジェット達がおり、ヴィータはいつでも戦闘体勢に入っていた。
『フハハハハ。現れたな、エターナルロリよ!』
「誰がロリだ! てか、テメーは誰だよ!」
『私こそスカリエッティ様に創られた人口AI、TAGOSAKUだ!!』
TAGOSAKUと名乗るAIはガジェット達を指揮する管制塔であった。そうとはつゆ知らずヴィータは勝負を挑む。
「テメーが何者か知らねぇがブチ抜く!」
『やれるものならやってみろ――――いくぞ! ガジェット達よ! 合☆体!!』
「んな!? 合体できるのかよ!」
そうガジェット達には合体機能がある。それこそがこの動力源の最終セキュリティである。
ガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャ――――
「ってどんだけ合体すんだよ!? うるせーぞ!」
『黙れ! 合計百体の合体には十分以上の時間がかかるのだ! 暫し待て!』
「合体にどんだけ時間かけているんだよ!?」
ヴィータのツッコミが続いているときでも合体は続く。一応、形はできているがもうぶち壊していいのだろうかと考えていた。
「ヴィータ、何してんだ?」
「ああ、四季――――って四季!? なんでお前がここにいるんだよ!」
四季は外のガジェットを殲滅を任せていたはずなのに、なぜかここにいた。
「十香に任せてきた。それよりも合体とは――――やるじゃんスカリエッティ。男のロマンをわかってやがる」
「感心してる場合か! てか、十香は無事なのか!?」
「まあな。快く引き受けてくれた。あ、帰ったらはやてにきな粉パン作れって言っておいてくれ」
「後半は買収じゃねーか! しかもきな粉パンの作り方ってアタシ達知らねぇぞ!?」
「チッ、役立たず」
「何様だよテメーは!」
ぶちギレるヴィータだが、その背後には合体が完了したガジェットがいた。
『フハハハハ! これで貴様らには勝ち目がないぞ!!』
偉そうに笑うガジェットはヴィータに向かって拳を降ろす!!
「まあ、ロマンがあろうがなかろうが俺は『切り裂く』だけだけど」
『は?』
四季が動き出すと手足が切り離れ、そして首が最後に落ちる最後をガジェットは迎えた。
TAGOSAKUとヴィータはその光景を見て唖然とする。
四季は錬成したナイフを球体状の結界を切り裂き、そして中にある立体正方形の前に立つ。
『ま、待て。取り引きしないか? 私と共に世界を支配し、その半分の領地を貴様に――――』
「どこの魔王だよお前は?」
呆れながら四季はそれを切り裂いた。それがTAGOSAKUの心臓にあたるものとはつゆ知らず、彼を殺った。
『青春しろよーお前らァァァァァ!!』
「どんな断末魔だよ!?」
最後の最後でネタにはしるのがスカさんクオリティである。
☆☆☆
ヴィータが動力源を破壊する前、アオとなのははヴィヴィオがいる玉座の間の扉まで来た。
「遂にだ」
「遂にだね」
「自分はこれから先生に千香さん達からいただいた最後の教えを与えます。なのはさんは?」
「ヴィヴィオを連れて帰ったらすぐに雷斗くんを探すの。そしてゴールインするの」
「いや、いろいろふっ飛んでませんそれ?」
なのはをツッコミながらアオは扉を開けた。そこには――――
「ダウト!」
「何!? バレた!?」
「フハハハハ! どうやらソラくんはこういう駆け引きが苦手なものなんだねー」
「純粋だもんねソラは♪」
「な、なんだと千香!」
ダウトをしているではあーりませんかッ。
「最終決戦前に何をしてるのォォォォォ!!」
なのはの凶悪砲撃魔法がヴィヴィオがいるのも関係なく放つ。「
「チッ、メガネを仕留めただけなの!」
「いやなのはさん、今の娘さんもろとも葬り去ろうとしてましたね?」
「ボクは何を言ってるのかわかんないのです。にぱー☆」
「中の人ネタを使うなよ十九歳」
アオの辛辣なツッコミがある中、ソラはクアットロの襟首を掴んでドコでもドアへ放り込んだ。
「クアットロをどうしたのかね?」
「イン・アースラ」
「ちょうどいい。全ての責任を彼女に押し付けよう」
「黒いなーこの人達」
なんというかシリアスがない。原因は千香が提案したトランプゲームであるが。
「さてよく来てくれたね。高町なのは、歓迎するにょ。…………」
「「「「……………………」」」」
「あ。オジサン噛んだ」
「いや仕方ないよ! 私だって緊張するよ! 私は本来ここにいるべきではなくてテスタロッサにやられて捕まるやられ役の悪役なのだよ! ラスボスという役割には些か程遠いのだよ、ヴィヴィオくん!」
「えー? でもパパいってたよ。『スカさんならできるやればできる子だって』」
「何を根拠に!? というかちゃんとパパをしていたね雷斗くん!」
スカリエッティのキャラ崩壊が半端ない。
「それより雷斗くんはどこなの? さっさと答えないとメガネと同じ末路なの」
「知らないさ。どうも彼の居場所が特定できないからこそ、私はビクビクしているのさ。一人のときに奇襲されそうで怖い」
「師匠ならやりかねないな。あの人色んな意味で怒らせたらヤバいから」
まあなんにせよ。スカリエッティは千香と一緒に傍観するだけらしい。ヴィヴィオとなのはを戦わせ、アオとソラで戦わせる。そう彼は説明した。
「なんでそんなことする必要があるの?」
「「面白いから」」
「よーし、ヴィヴィオが終わったら千香ちゃんとスカさんをぶっちkill」
なのはの殺気が高まったところでヴィヴィオに変化が生まれる。
身体は十代後半となり、髪がストレートからポニーテールとなった。
「これならパパもイチコロだね!」
「母が娘に負けるとでも?」
「えー? だって可憐なヴィヴィオと比べて凶暴なママだとパパは見向きもしないと思うけどー?」
「よろしい。戦争だ」
なのはがキレてヴィヴィオに向かっていく。そしてソラは神器を構え、アオもソラと同じようにする。
「これで終わり」
「ああ、終わらせる。だから――――」
「「安心してとっとくたばれ!!」」
偽物と本物。彼らの戦いはこうして始まった。
――――楽しい楽しいカオスだった。
――――馬鹿やって、それにツッコんで、それでもオレは楽しかった
――――なのに……なのになんでこうなったんだ…………!!
次回、前哨戦の幕引き
――――シリアスで終わってしまうことを申し訳ないと思う
とまあ、こんな感じで次回予告をしまして今回のお話の解説です。
フェイトとアリシアは敵側に堕ちます。グリードのような『所有権』は奪われてませんが彼女達は敵の力で身体の自由を奪われます。
ヴィータの戦いであったセリフは某忍者漫画からです。暑苦しさを感じさせるイロモノを作ろうかなと思いましたね。
そしてソラ戦――――ギャグです。はい、普通のヴィヴィオなら泣いてますがなぜかこのヴィヴィオは不安どころか略奪愛宣言しています。彼女の未来はある意味不安です。
そんなこんなで解説が終わりましたが、最終決戦では他の作家のキャラクターも参加させます。
Farushionさん、skyアイスさん 、ルミナスさん。楽しみしてください!