とある転生者の憂鬱な日々   作:ぼけなす

136 / 158
「グダグダやん……」

by八神はやて


第百十三話

復讐は果たした。

スカさんの目的も果たした。

 

師匠が六課にいると懸念していたが杞憂に終わった。どうやら何者かに襲撃されてどんな状態か行方不明らしい。

 

…………とりあえず、この戦いが終わったら師匠を襲撃したヤツらをぶちのめそう。そう決意した。

 

「ねーねー、なんでパパみたいにみえるのー?」

「パパってなんぞ? てか、師匠っていつの間に子作りしたの?」

「なんてこったい。まさか二つ下の若い子に先を越されるなんて。こうなったらソラくん、今すぐ合体しよう!」

「子どもの前でなに言ってんだ!」

 

ちっちゃい容姿の仮面ライダーがライダーキックでまどかの顔面を襲撃。ノリで「目がー、目がー!」と痛みを堪えていたりする。

 

「てか、ソラの旦那。誰が仮面ライダーだよ! あたしのどこにライダー要素がある!」

「主に名前とライダーキック。ちなみにスカさんはお前を変身できるように改造する予定」

「あの変人、なに考えてんの!?」

 

まあ確かにライダーに変身して喜ぶ女子はあまりいないと思う。どっちかと言うとぷりキュアという(物理的)魔法少女

が好きっぽいしな。

 

「にしても…………まどか」

「うん…………違和感あるね」

 

静かだ。静かすぎて違和感ある。杏子やさやか、マミさんにほむらがオレ達に絡むことなく時を待つなんてなんかおかしい。

 

いや変態達によって毒されてるのはわかってるけどいつもは騒がしいのが我が家である。なのに静かだ。

 

「最近、千香の変態もおかしいくらいに大人しい」

「富竹フラッシュが日常だったのはこれ如何に」

 

全くだ。だけどこの違和感にオレは気づけ、気づけと直感が言っていた。やはり嫌な予感がするのだ……。

 

 

 

 

(??サイド)

 

 

 

 

ヴィヴィオとギンガが拐われ、地上本部公開意見陳述会で多くの人が死んだ。一刀は多くの殺しで血で濡れ、ソラは返り血なく皆殺しにした。

 

鬼神と死神。まさに二つがソラ達に危害を与えた者への報いなのだとリンディは言っていた。

 

そして、多大な損害を受けた六課はかつて世話になったアースラを移動せざる得なかった。

 

「我が友が……こんな、こんなことを…………」

「隊長…………」

 

止めたかった。やめさせたかった。友達として彼の復讐を止めさせたかった。

 

しかし悲劇は起きてしまう――――これからも。

 

「衛くん! 今すぐモニター室に来て!」

 

はやての声で衛は前へ進む。それしか彼にはない。

 

 

☆☆☆

 

 

モニタールームにたどり着いた頃、スカリエッティが映っていた。どうもはやての話では全次元世界で公開されているらしい。

 

「ユー○ューブかな?」

「アオくん、黙っとき」

 

ともあれ、スカリエッティは演説を開始しようしていた。

 

『やあ、平和に暮らす諸君。ごきげんにょう。………………………………』

「「「「………………………………」」」」

 

『今日は君達にビックなお知らせが』

((((誤魔化した!))))

 

隊長だけでなくフォワード達も心でツッコんでいた。

 

『私達は今日この日をもって管理局を潰させていただこう。理由? ああ、それなら簡単だ。面白いからだよ。私は天才だ。造られた天才なのだよ。培養槽から造られ、管理局の駒として働く傀儡だったため、つまらない人生を送っていたのだよ』

 

意外な事実にはやて達は目を丸くする。

 

『ともあれ、準備は整った。長い間の夢がやっと叶うんだ。培養槽で生まれた時から変わらずに揺らめいていた私の願い。刷り込まれたものなのかもしれんが、それでもこの手で叶えたい夢に違いない。我々が望む、我々の世界。自由な世界。襲いかかって、奪い取ろうじゃないか。素晴らしき我々の夢を!

ハーハッハッハッハッハッハッ――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――ゴホゴホ、ゲホ…………あ、ヤベ。むせたッ。カットカット、ウーノ!』

『テイクツーいきますか?』

『うむ!』

『うむ、じゃねぇだろ! 台無しじゃねぇか!!』

 

 

局員全員の想いをソラが代表してツッコんだ。いや、最初はホントに悪人っぽかったのに最後で台無しである。

 

『これより君達のトップ――――最高評議会を紹介しようではないか!』

 

最高評議会。管理局の創始から君臨するトップ中のトップである。彼らは既に百歳以上のため生きてないのでは、と思われているがスカリエッティはいると言っている。

 

「ほ、ホンマにおったんか?」

「まさか、な…………」

『さあさあ、ご対面だよ!』

 

スカリエッティはある部屋の扉を開けた。そこには――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――それぞれのカプセルに入った脳ミソが何やら口論をしていた。

 

『貴様ら! それで恒久なる平和があると思っているのか!?』

『勿論でござる』

『小生としては書記と同意見だ』

 

あれ、なんかいきなり仲間割れしてる。局員達はそう思った。

 

『何を口論してるのかね?』

『ムッ、ジェイル。丁度よい! この者に教えてやるのだ。真の平和とはなんなのかを!』

 

まともな議長がどうやら残り議員を説得してほしいとお願いしているようだ。

するとBとCが答える。

 

『フッ、真の平和とは恒久ではない』

『そう真の平和とは――――』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『筋肉である!』

『いや萌えでござる!』

 

上から評議員と書記の答えである。はやては思う。

 

――――千香ちゃんの変態が感染しとる!!

 

『なぜ、なぜこうなった……かつては志を共にしていたはずなのに……』

 

『時代は変わるモノ。拙者達も変わらねばならぬ』

『故に小生は人類マッスル化計画を推奨する』

『いや拙者の人類萌え萌え化計画を推奨するでござる』

 

『貴様らなんて友達でもなんでもないやい!!』

 

もはや威厳もくそもなくなった評議長は子どもの口調となって余計にキャラ崩壊が激しくなった。

議員達の謎の三つ巴ができていた。というかどちらも嫌だ。マッスルも萌え萌えもなんか嫌だ。唯一まともな恒久なる平和も最悪なモノだが。

 

『ならば我々はもはや別れるべき、さらばだ!』

『うむ!』

 

さて、ここでカプセルが顔で身体が人間という奇妙な生き物がいた。あの有名な漫画ブリーチにも『アーロ・ニーロ』という仮面の者(アランカル)がいたようにだ。それと同じモデルと思われる身体が二人の議員の今の姿である。

 

球体状のカプセルとなり、それが顔の代わりとなり身体がくっついたのだ。おそらく人の身体の部分は機械だろう。

議員二人は「じゃあな、みんな! また会おうぜ!」と言って爽やかに去っていった。顔が脳ミソだけなのに。

 

それを見送ったジェイルと議員Aは終始無言だった。それからスカリエッティは小型の爆弾を評議長のカプセルに設置する。

 

『ま、待てジェイル。残った私をどうするつもりだ?』

『え、だって私の目的は君達の報復だし』

『いや、お願い。こんなオチ――――』

『えい☆』

 

 

ドガァァァァァン!!

 

 

カプセルが爆発して議員Aは消滅した。そしてスカリエッティは手を掲げて宣言する。

 

『さあ! 決戦といこうじゃないか!』

『無理矢理ですねドクター』

 

 

なんともグダグダな決戦合図だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あ、それから私は寿退社しますので降ります』

『待てウーノ。パパに説明なしに結婚したのかね?』

『はい。なんせ相手は教会の人でして』

『なんてこったい。パパはウーノなしでは噛んでしまうぞ。これ放送していたら緊張しちゃうんだぞ』

『上がり症は自分で直してください』

『ちくせう』

 

放送を切り忘れていたのかとんでもない事実が流れていたことをスカリエッティは知らない。




ちょっと駆け足気味ですが開戦です。そして次回もおもしろおかしくするつもりです。

次回、まだまだ続くネタ

――――やってしまった。でも後悔していない!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。