宇宙戦艦とは男子にとって心が燃える素材だったりする。
今まさにオレはちょっとだけ感激している。
現在、昨日出会った女性と取引してオレ達は管理局の艦にいた。オリ主くんはいるが寝ている。
え、なんでって? うるさいから杏子がワンパンしちゃった。
高町もそれを見て震えながらもオリ主くんを背負っているし。それからユーノくんというフェレットは人間だったと暴露された。
どうでもいいけど。
「ここが艦長室だ」
クロノ少年は扉を開けた。そこには見事なくらい似合わない和室だった。
なんか間違った知識外国人辺りが集めそうなものばかりだし。
「ご苦労様クロノ。ささ、座って座って。私はこの艦の提督のリンディ・ハラオウンよ」
そう言って艦長である女性はお茶を作る。…………緑茶に砂糖を大量に入れるものだっけ?
「少しいいかしら?」
「えっと、なにかしら?」
「あなた、お茶を馬鹿にしてるでしょ? そうでしょ。そうと言いなさい」
「あ、えっ、その…………」
まさかのマミさんガチギレ。
そういえばマミさんってお茶にはうるさかったな。
特に紅茶が専門だったりするが、リンディ提督が使う砂糖はそれなりのブランドだったはず。それが逆鱗に触れたようだ。
そして、小一時間経ってやっと終わった。
「で、ではロストロギアのジュエルシードの話に戻すわよ…………」
「休憩とった方がよくね?」
さやかの一言で休憩タイムに入った。
閑話休題
ジュエルシードの話を要約するとなんと願いを歪んだ形で叶える願望器らしい。
どこの聖杯だよ。
それからジュエルシードの案件は管理局が預かるらしくオレ達は帰っていいらしい。
高町達は納得してないみたいだが、別にいいや。
「よし帰るか」
「えーこの宝石貰っちゃだめなのかよー?」
「文句いわないの杏子さん。ここはプロに任せるのが一番よ」
「そーそー早く帰って大乱闘しようよ!」
「ほむらちゃん、帰ったら一緒にショッピングしに行こ♪」
「ええ♪」
満場一致。んじゃ、お疲れ様でしたー。
「ちょっと待ちなさい。あなた達はなのはさんの友人じゃないの?」
「「「「「「うん」」」」」」
全く部外者だし。それにしてもなんだ、その協力してくれないのって言う目は。
さやか「こんな頑固娘が友達なわけないでしょ」
杏子「どうでもいいし」
マミさん「関係ないし、ソラくんをいじめる子だし」
まどか「ちょっとね…………」
ほむら「生理的に無理」
お前ら容赦ないな。
ほら見ろ。高町が泣きそうだぞ。
ここまで露骨に嫌われたらなぁ。同情しないけど。
「もう少し残ってくれませんか。あなたに聞きたいことがあります」
とある映像がうつし出された。これはまどかのデストロイアローだな。
「その技名はやめて」
「事実だろ。調子に乗って円環の魔力を使ったからこうなったんだろ」
「はりきり過ぎちゃって…………ティヒ♪」
「許す!」
「ほむらが言うのかよ」
まあ、なんにせよ。説明しなきゃならないんだな。
「こいつは神器って言う武器の力だ」
オレは神器について語り始めた。
神器――――
自身の魂を武器にした姿で、召喚術によって初めて出せる。
武器それぞれの能力や形状は違うが、共通点があるとすれば身体スペックの上昇。超人クラスもなれないことはないが、召喚術という力で魔力の塊として具現化しているため、魔力が減り続けているし、尽きれば消えてしまうのも自明の理である。
例外としてあげると、まどかは元々神様みたいな存在だったため、円環という無尽蔵の魔力が使えるなのでいつまでも具現化できる。
そして、その力をフルに使ったので辺り一帯を吹き飛ばすことができたのだ。
「概念に干渉できる神器もあれば、時を操作する神器もある。それを使う者を神器使いと言われている」
「それじゃあ君達はロストロギアを所持しているのか!?」
「まあそうなるか」
方や時を操作できるし、方やリボンでいろいろできる人がいるしなぁ。
するとクロノの少年は立ち上がり、
「艦長、今すぐ彼らを拘束すべきです! ロストロギアの不法所持です!」
「不法所持って…………。仕方ないだろ。自分の魂を武器にした姿なんだから。壊れたり、奪われたりして死ぬリスクあるし」
「そんなことで許されるか! こんな危険な人物を、化け物はこうそ――――――――」
チャキ、カチャ、ジャキッ、スチャッ
オレ以外のみんな神器使い達が一斉にクロノ少年の頭や首を向けて武器を向けた。
杏子「オイ……今なに言おうとしたテメー」
さやか「いやーさっすがに今のはさやかちゃん的に見過ごせないなぁ…………」
ほむら「まどかを化け物呼ばわりとはいい度胸ね。あとソラも」
マミさん「ふふ、おイタする子にはお仕置きが必要ね…………」
まどか「ティヒヒヒ♪ 殺っちゃうよ?」ニコッ
千香「覚悟はできた? 懺悔は済んだ? なら死ねゴミ」
合計六人の殺気に囲まれていた。見事にぶちギレてるわこれ。
クロノ少年なんかめちゃくちゃ緊張した表情しているし。反抗しようと杖を取り出そうにも、取り出せる隙すらないしな。
戦ったとしてもこいつらには絶対勝てないのに。
やれやれ、仕方ない。
「はいはい。そこまでだみんな。若造をいじめてあげるな」
「ぼ、僕は君より歳上だ!」
「年齢の話じゃないって。戦士としての歴史さ」
オレの話を聞いてくれたみんなは武器を引いてくれた。クロノ少年は思わずへたりこみそれを見下ろす形でオレは言う。
「オレ達はこう見えても人間じゃない化け物や化け物以上の化け物を倒してきた」
オレは英雄と言われるなら、彼女達は歴戦の猛者ところだろう。
そして、何回も魔女という化け物戦ってきたその経験が彼女達には残っている。
だから勝てない。勝てるはずもない。
さて、その念には念を入れて。
「もしそれでもオレ達を管理とか抜かして、平穏を乱すなら覚悟しろ――――――――徹底的に滅ぼしてやるよ青二才」
凄まじい殺気を当ててからオレ達は部屋から出ていった。
(リンディサイド)
一瞬だけ殺された幻覚を見た。
息が詰まるところだった。
あんな殺気を持つ子どもがいるなんて…………。
「はあ……はあ……」
「クロノ、部屋に戻って休みなさい」
「わ、わかり……ました…………」
さすがのクロノもキツいか。唯一震えながらも正気だったのはなのはさんと草太くんだけだった。
何度かそういう経験があるのかしら。ならば協力を申請しよう。
もしかすると敵と神威くんが組むという最悪な未来が起こるかもしれないし。
私はそんなことを考えながら、事件の解決策を考えるのだった。
「あ、忘れてた。ジュエルシードを返した代わりにシュークリーム代の一万五千円を立て替えてください」
帰ってきた神威くんのその一言で全員がズッコけたのは言うまでもない。
次回、時の庭園へ。
もはや、これはやりたい放題な小説である。