とある転生者の憂鬱な日々   作:ぼけなす

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第百話

(??サイド)

 

 

温泉――――それは和の極楽。

 

女風呂――――それは男のユートピア。

 

男風呂――――誰得? 腐女子が得するだろうな、たぶん。

 

さてそんな温泉施設にきた我らが機動六課だが、ここで問題が起きた。それは十歳以上の少年を女風呂に同伴させるかどうかだ。

 

 

それどういうことを意味しているのか?

つまるところ、だ――――

 

 

 

 

 

 

 

「さあエリオ、私と一緒に入ろう。大丈夫。先っちょ、先っちょだけでいいから。ね? ね!? ハァハァ…………」

「フェイトさんの言う通りだよ。だから一緒に入ろうよエリオくん。え? このカメラ? それはエリオくんの裸体を…………ゲフンゲフン。エヘヘヘ…………」

 

フェイトは血走った眼でエリオを説得しようとし、キャロは妄想でにやけていた。ていうか、こいつらその者がオッサン思考である。

 

そんな彼女達に対する彼の反応は言うとどこか疲れた目をしていた。

 

「二次元が一番だよね……アオさん」

「いや全国と男性諸君にうらやまけしからん状況になに言ってやがる。美人と美少女と一緒に風呂が入れるんだぞ!? てか、自分と変わってくださいエリオ様!」

「僕には味方がいないや……」

 

ちなみにアオはこの後なのは様の『ディバインバスター』で真っ黒黒助になる。

 

要するにこの六課の状況は……。

 

「カオスだにょ!!」

「誰やねん、あんたは!」

 

ミルたん友情出演。

 

 

 

 

(雷斗サイド)

 

 

 

 

エリオが女風呂に拉致されそうなところを俺は助けてやり、今彼になつかれていた。

 

てか、コイツどんだけ味方いないんだよ。八神衛は「苦労を経験するのも成長なり!」とか言って助けてやらないし、アオは真っ黒黒助だし、四季は如何にしてエリオをモルモットしようか画策してやがったし、女性陣は論外。

エリオを子どもとしか見てないため、恥ずかしがる彼に味方するはずがない。しかも一部はヤバかったし。

 

オイ、誰かコイツを救えよ。今までのコイツ、めちゃくちゃ人生に疲れた目をしていたぞ。

 

…………やはり変態達は常人の天敵だ。

 

おかげでコイツは二次元が嫁という危ない領域に入っていた。逃避活動万歳はこれからの人生ではヤバいからやめましょう。

 

さてなぜ俺が六課と同じ銭湯にいるかと言うとエールの監視だ。ヤツは「カオスのニオイがするぜぇ~。にゅふふふ…………」と六課についていきやがった。

ヤツの被害を最小限に控えるために、俺はヤツと同伴することになったのだ。

 

まあ女風呂に入られたが向こうにはアリサとすずかなどの生け贄がいる。一般市民を守るための多少の犠牲だ。

あばよ、ダチ公二人。お前らのことは二分くらいは忘れない。

 

「? 雷斗さん。向こうが何やら騒がしいのですが……」

「ほっとけ。それよりエリオ、露天風呂行こうぜ。あそこなら静かだぞ」

「うん、あっちのことに関しては深くは追求しませんがわかりました」

 

「薄情者ーーーー!!」というアリサの悲鳴が聞こえたが気にしない。俺は常に前向きに生きていくのさ。

さて、露天風呂はどんなモノか――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「し、シキ……なぜここにお前が…………」

「知らねーよ。てか、混浴なのか? ここ」

 

四季と見知らぬポニテがいた。確か夜刀神十香だっけ?

てか、扉を確認したら『混浴☆』って書いてあったわ。

 

「きゃッ。な、ななな…………」

「あー。気にすんな。好きにちちくりあってろ」

「ちちくらんわ!」

「んじゃ、チチもみ合ってろ」

「誰が揉むか!」

「十香、お前の胸揉んでいい?」

「唐突に何を言ってるのだ四季!?」

「そこに乳があるから」

 

四季のボケに狼狽する十香。確かに四季の発言に一理ある。それは男の真理だ、きっと。

 

「さっさと出ていけー!!」

 

十香さんに怒られたのでスタコラ出ていくのだった。ちなみにアオがそれを聞いて突貫したが、扉が血で汚れていた。

 

カナカナカナカナー♪ ってか?

 

「あ。ひぐらしですね。わかります」

「そういえば高町なのはの声って梨花ちゃんとそっくりだな」

 

惨劇の運命を乗り越えろよ、六課女性陣。主に変態の魔の手から。

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

「なんだ眼鏡。いたのか」

「眼鏡じゃなくて美由紀だよ! ホント私に対して辛辣だね雷斗くんは…………」

「そうか。ならジミーと改めよう」

「待って! それは私が地味ってこと? 地味ってことだよね!?」

 

この人は高町美由紀。俺の中ではジミーと呼んでいる嫁ぎ遅れだ。一応、翠屋の従業員だ。

 

「私、まだ二十代だよ!?」

「嫁ぎ遅れは事実だろ。料理ができないとか駄目だろ」

「ぐっ…………だ、だけどきっと私を貰ってくれる猛者がいるはず!」

「お義姉(ねえ)ちゃん、自分で嫁ぎ遅れって認めてるよね、それ」 

「すずかちゃん、それは言わないで!」

 

というか同じ銭湯にいたのが意外なんだけど。

 

「そんなことより四季くんはどこや?」

「あれ? そういえば十香ちゃんもいないな」

 

八神はやてとフェイト・ハラオウンは四季達がいないことに気づいたようだ。ホントどこに行ったんだ?

 

と思っているとラインが届いた。なになに?

 

 

 

 

 

 

――――以下ライン――――

 

 

『青いスライムを発見。倒せばやくそうか、経験値が貰えるのか?』

『シキ、シキ! なんかこの青いの集団の中に灰色のすらいむがいるんのだが』

『なんだと!? メタスラもいるのかよ! こうしちゃいられない! 倒すぞ十香』

『うむ!』

 

 

――――以上ライン――――

 

 

 

 

 

 

「うん、なんか二人はリアルドラクエしてるみたいだから問題ないだろ」

「問題あるわァァァァァ!! それを俺達六課が探してるロストロギアだからッ!」

「てか、メタスラいたらはぐれメタルいるのかな」

「言ってる場合かよ! はやてさん!」

 

「はいよ、六課出撃や!!」と言って八神はやて達は現場に向かった。その途中、疲れた目をしていた一ノ瀬シイはきっと気のせいではない。

 

「あれ? エールは?」

 

そういえば見かけないな、どこ行った?

 

「エールさんなら六課について行ったよ」

「『魔法少女×スライム×触手=ゲヘヘヘな展開キタコレ!!』とか言ってビデオカメラを持って行ったわよ」

 

そのとき俺は全速力で六課を追いかけたの言うまでもない。

 

 

 

 

 

(アオサイド)

 

 

 

 

ロストロギア――――メンドイからロスギアでいいや。そんなこんなでスライムを見つけた自分達だが…………。

 

「どんだけいんねん」

「むしろ現在進行形で増えておるな」

 

八神夫婦のツッコミを合図にスライム達が襲いかかってきた。

隊長達の指示で気持ち悪いくらい分裂したスライムを役割分担して倒すことになった。。

 

「うへー、気持ち悪ぅ~」

「ぐじゅぐじゅするわね…………」

 

スバルとティアナが嫌そうにスライムを討伐する。まあ砲撃魔法で一掃できるからね。

 

「う、うわ! 離れてよ!」

 

砲撃魔法を使わないエリオはスライムのネバネバに捕まってしまい、R指定が付きそうな状態になっていた。誰得だよ、それ。

 

「ハァハァ…………あられのないエリオくん!」

「いいねいいね☆ 美少年がスライムに汚される描写を富竹フラッシュ!」

 

訂正。約二名が得していた。てか、エールさんいつの間にいたのだろう。

 

「とーりあえず、鬱陶しい!」

 

自分を捕らえようとしてきたスライムを火炎魔法で燃やす。スライムって熱に弱いのは常識である。

 

ちなみに自分の神器だが、どうも召喚には条件があるためまだ自由に召喚できない。

 

 

『危機的な状況』

 

 

それが自分が神器を召喚するための条件だ。

 

しばらく殲滅活動していると、四季が一匹のスライムをじっと目線に捉えていた。

 

そのスライムは金属的な色で如何にも固そうなスライムだ。

 

…………メタスラっていたんだ。

 

「見つけたぜメタスラヤロー。テメーの経験値をいただくぜ」

 

彼は地面を材料にして槍を錬成した。それを掴み、スライムを仕止める必殺の一撃を放つ。

 

 

 

キィン!

 

 

 

その突きは金属音と共に弾かれてしまった。やっぱり固いか。

 

「なら、ナイフを錬成して『切り裂く』だけだ!」

「させるか!」

 

行く手を阻むようにソラが四季に向けて斬撃を放つ。四季は舌打ちをしながら後退することとなった。

 

「邪魔するなよ『無血の死神』。そいつは切り裂いて解剖する予定なんだから」

「あいにくウチのマッドがこの珍しい分裂体を捕まえろって指示されてるんだ。そちらこそ邪魔するならぶちのめすだけだ」

 

一触即発。まさに何かの刺激を与えれば爆発しそうな空気となっていた。

ヤベー、ここにいたらぜってー巻き込まれる…………。

 

こっそり逃げ出そうとしたら――――『閃光』が通りすぎた。

 

 

キィン!!

 

 

その『閃光』が投げたと思われるクナイをソラは弾き飛ばした。彼はクナイを投げた人物を睨み付けていた。

 

「よお、俺も混ぜろよキチガイ共」

「……………オイオイ、マジか」

 

ソラは彼を見て苦笑を浮かべる。

 

そう、クナイを投げた男――――『閃光』のライトがそこにいたのだ。

 




ミルたん――――それは魔法少女服を着たどこぞの漫画に出てくる覇王みたいなスタイルした漢女である。
てか、ハイスクールに出てきてるキャラだけど。

さて今回で雷斗とアオVSソラとなります。昔の雷斗ならばソラを圧勝できますが、成長したソラとブランクある雷斗…………果たして?

次回、師弟対決

――――しかし、このとき誰も気づかなかった。誰かの危機に…………

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