とある転生者の憂鬱な日々   作:ぼけなす

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「さてさて、どうなることやら」

byアオ


第九十五話

(アオサイド)

 

 

新しく仲間ができた。

その人はなんと吸血鬼という種族で何百年をも生きている人外だ。

そして露出狂である。その名はサイトく――――いだだだだだ!

ごめんなさい。自分が悪かったからアイアンクローから解放して!

 

「よかろう。二度と言うな」

『相棒は容赦ないなぁ』

「当たり前だ。サーシャから譲られたお前を見つけて、あと数百年は寝ようと思ったがいきなり召喚されるわ、露出狂扱いされるわ、ワタシをなんだと思ってやがるって話だ」

 

スッポンポンだったサイトは今はワイシャツと黒のズボンという大人らしさを際立たせる格好をしている。てか、この人。執事服着せたら絶対似合う人だ。

 

「サイト、さんでいいかしら?」

「サイトでいい。お前らは何ゆえにワタシを呼んだ」

 

少し威圧的な目で自分達を見るサイト。ピリピリと肌で感じるほどの気だ。シイさんは尻込みすることなくサイトに話しかける。

 

「サイトさん、お願いです。私達に力を貸してください」

「断る」

「即答ですか……」

「当たり前だ。わけのわからない組織に手を貸せるほど、ワタシは貴様らを信用していない。…………ただでさえ、先の召喚で露出狂と言われて攻撃を受けたのだぞ」

「うっ……い、一応悪気があったわけじゃ。それに私の神器で傷を完治させましたし……」

 

じーとサイトは批難の目を向ける。それはシイさんが悪いので弁明してあげない。

だから涙目で「どうしよう?」と言われても自分達は目線を逸らすだけだ。

 

「まあいい。せっかく目覚めたのだ。しばらく遊んだら寝よう」

「フリーダムだな、お前。てか、その片手剣見せてくれない。神器とは違うモノを感じる」

「いいぞ。ワタシも仲間にプレゼントされたモノだからよくわからないが魔法を吸収して、その魔法を斬撃として放てるらしい」

「へぇ……解体して解析してぇーな」

『あ、相棒! こいつ、めちゃくちゃ怖い目でオレを見てるぞ!』

「よかろう。いつでも元に戻せるなら解体してもいい」

『相棒ォォォォォ!?』

 

四季とサイトがデルフを使って談笑していた。つーか、主に裏切られたでデルフ哀れである。

 

「はいはいー、みんな注目してなー?」

 

すると我らがタヌキのやが――――

 

 

ズドォン!

 

 

「なんか言った?」

「言ってません」

 

いきなり砲撃を撃たれたでござる。こやつはニュータイプじゃないのか時々思う今日この頃である。

 

「とりあえず全員ミーティングルームに来てや。明日の任務について話すことがあるんやから」

「てか、放送せずにわざわざここに来る必要があるのですか?」

「放送しても来ないやろ、この二人」

「「何を当たり前なことを」」

 

はやてさんに青筋を浮かんだ。この二人、ものすごくマイペースだ。

 

キリトは呆れて手に額を当てて嘆息を吐いた。

まあ、なんにせよ。この二人が素直に言うこと聞かすためにシイさんが説得に一時間くらいかかった。

 

彼らを動かすにはやはり好奇心ということを追記しておこう。

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

ホテル『アグスタ』。高級宿泊施設であり、本日は多くの宝物をオークションする会場である。

ロストロギアも秘密裏であるがオークションにかけられていたりする。

 

そんなホテルにて自分を含めた新人達は周囲の監視と守りという役割を与えられた。

ちなみに隊長達の役割はホテル内の守備だったりする。

なので、衛さんこと自分の隊長は黒のスーツを着衣していた。

 

金髪と黒のスーツって妙に合うよね。

 

「我としてはスーツは動きにくくてあまり好まぬ」

「マッスルモードになればスーツが悲鳴あげますしね」

「うむ。その際にスーツが弾け飛ぶがな」

「せっかく買った一着目スーツを破んなや」

 

はやてさんが半目で衛くんを睨みつける。小柄な彼女とドレスはマッチしており、普段では見せない美しさを醸し出していた。

 

「どうや。別嬪さんの晴れ姿は」

「馬子にも衣装」

「豚に真珠」

「うん、衛くん。旦那やったら奥さん誉めろや。そしてアオくん、あんたはそれはどういうことや? 価値がわからん豚って言いたいんか、ゴルァ」

 

そう言いながらアイアンクローはやめて。説教とお仕置きは辛いでござる。

 

「はやてさん、綺麗ですよ」

「エリオくんもいつか着ようね♪」

「いや僕は男だからね、キャロ。というか、何さりげなく写真撮ってるの!?」

「私のコレクションに新たなページが増えた」

「もう、二次元にはしろうかな…………」

 

エリオが達観し始めた。キャロの変態化のせいでなんか現実に嫌気をさし始めたのか、彼は二次元に逃げようと考え始めた今日この頃である。

 

ちなみに誘導したのは自分だったりする。

 

「アンタのせいか!」

「いたたた…………アイアンクローはやめるでござるー」

「余裕そうに言って何をいまさら!」

 

いや確かにそうなんだけど、痛いのは痛いのだから嫌だ。

すると、今度はフェイトさんとなのはさんが出てきた。

彼女達は元々スタイルが良いため、ドレス姿はモデルさんレベルである。

 

素晴らしい。というわけで自分の最初の一言は。

 

「なのはさん、なのはさん」

「何かな、アオくん」

「今日のパンツは何色?」

「ディバィィィィィンバスタァァァァァ!!」

「アーーーーーーーー!!」

 

今日も砲撃を撃たれるのだった。めちゃくちゃ痛いです、先生…………。

 

 

 

 

(なのはサイド)

 

 

 

 

アオくんの折檻を終わらせてから私達隊長四人はアグスタのオークション会場に向かった。そこには様々なオークションに出される品とテレビなどに出てきたりする多くの有名人が集まっていた。

 

「さすがアグスタやな。高級宿泊施設なだけあって色んな人が集まっとるなぁ」

「ねぇ、はやてちゃん。ここにいる人達吹き飛ばしていい?」

「いやなんでテロるねん。ここの守備するのが私達やろが」

「だってここにいる人達って大体違法犯してるじゃん。いっそのことぶっ飛ばしたらいいかなーって」

「本音は?」

「人をゴミのように蹴散らしたい」

「落ち着け砲撃魔。てか、なのはちゃんのせいで大体の犯罪者が桃や桜の饅頭を見ただけで逃げ出すようになってんねん」

「あ。私のOHANASHIがちゃんと効いてるんだ。よかった、よかった♪」

「よくないわ、どアホ」

 

むー、なんでわかってくれないかなー。私の砲撃による爽快感はいつになったら理解してくれるのやら。

 

「あ。もしかしてなのはにフェイトにはやてと衛さん?」

 

私がそう思っていると眼鏡をかけた優男が話しかけてきた。えっと、確かこの人は…………。

 

「「変態ユーノくん」」

「あふん…………」

「やめんか、二人共。てか、ユーノくんも相変わらずやな」

「いやーフェイトとなのはの罵倒はやっぱり心に来るね! こんなことだったらアルフも連れてこればよかった」

「私の心労が増えるからやめてや!!」

 

土下座しないばかりユーノくんにはやてちゃんは頭を下げる。変態が合計四人になればさすがに嫌だよね…………。

ちなみにアルフはユーノくんと付き合っている。まさかユーノくんにケモナーという新たな属性ができるとは思わなかった。

 

「歪んだ解釈するな、高町。それから貴様も変態だろうが」

「なんですと? 心外だよ。私は百八十度どこからどう見てもまともな別嬪さんだよ」

「砲撃魔がまともとら言えんだろう。いや、それよりも聞きたいことがある」

 

何かなと衛くんに聞くと彼は目を逸らしながら口に出す。

 

「貴様……下はどうした……?」

「なにセクハラ言っとんねん!! なのはちゃん、ビシッと言ってええで!」

 

…………………………………………。

 

「え? いや、その…………嘘、やろ…………?」

「はやてちゃん、世の中にはこういう格言があるんだよ」

「なんやねん」

「『パンツ 履かない』」

「なんでやねんッッッ!!」

 

はやてちゃんの今日最高のツッコミが炸裂した。

今ならシュテルちゃんの気持ちがわかる気がする…………!

 

爽快感がたまらない!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ま、まさかなのはちゃんに新たな属性が追加されるやなんて…………」

「ちなみに私は既に覚醒済みだよ、はやて」

「ここにも変態がおった…………」

 

フェイトちゃんの脱ぎ魔は元からだと思うの。




なのは様――――覚☆醒!!

というかコピーもコピーならオリジナルもオリジナルってことです。
さて、次回は『彼』が出てきます。

――――復讐者は来る

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