とある転生者の憂鬱な日々   作:ぼけなす

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すみません。ホテルの話は次の次です。
今回はリニアのお話が終わってから三日後のお話です。

ではどうぞ。

「感染源は他にいた……だと!?」

by八神衛


閑話 感染していく若者達

(キャロサイド)

 

 

最近、エリオくんを思うと胸がドキドキする…………。

あのリニアの戦い以来、私は彼をずっと見るようになった。彼と面に向かって顔を見ることができなかった。

 

…………なぜか仲の良い家族という関係が徐々に嫌になっていた。

 

私はおかしくなったのだろうか?

そしてこの気持ちはなんなのだろうか?

 

解決策を隊長達に聞いてみた。

 

 

 

『なのはさんの場合』

 

 

 

「それはあれだね。異姓を意識しているんだよ」

「異姓ですか?」

「うん、成長すると男と女という性別に関して意識するようになるんだ。だからキャロはおかしくなってないよ。それが当たり前のことだからね♪」

「それじゃあ、どう対処すればいいのですか?」

「撃てばいいよ♪ 爽快感がたまらないから」

「いや、それ……なのはさんオンリーの解決策ですよね?」

 

だから恍惚そうな顔で私に砲撃テクニックをレクチャーしないでください。

 

 

 

 

『フェイトさんの場合』

 

 

 

 

「異姓の問題かぁ…………。それは徐々に慣れていくしかないよ」

「そうですか…………」

「とりあえず、気分転換しようよ。ほら、これを着て私が指示するポーズをとって」

「?? よくわかりませんが、やってみます」

 

なぜかフェイトさんに写真を大量に撮られました。その時の顔はとても満足そうでした。

 

 

 

 

『はやてさんの場合』

 

 

 

 

「それは『恋』やね」

「恋、ですか?」

「せやせや。胸がドキドキして気になる異姓がいるっちゅうことはその人のことが好きやってことや」

「私はフェイトさんやみんなも好きですよ?」

「恋の好きは友達の好きとちゃうねん。せやから、キャロはエリオくんとどうなりたいかよく考えておいた方がええで。…………でないと放っておくととんでもないところにいくかもしれへんから」

 

なぜか達観していたはやてさんが印象に残りました。この人は過去に何があったのだろうか?

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

結局、答えなんてわからなかった。私はエリオくんのことが好きということ以外は…………。

 

なのはさんは砲撃しか教えてこないし、フェイトさんはよくわからないし、はやてさんは自分で答えを探すようにとしか言われなかった。

 

…………私は結局、どうすればいいのだろうか。

 

「あ、キャロ。なにしてんの?」

 

アオさんが私に話しかける。この人はあまりあてにできない人だけど、ダメ元で聞いてみようと思って聞いてみた。

 

「あー、なるほどね…………。面に向かって顔を見ることができなくなったんだ。それならこうすればいいんじゃね」

「え?」

 

私はアオさんの答えを聞いてビビッときた。そして後日、私は実行するのだった。

 

 

 

 

(エリオサイド)

 

 

 

 

最近、誰かに見られている。そんな気がして僕は周囲を伺っていた。けれど、誰もいない。

それに最近、キャロの様子がおかしかった。前は面に向かって話しかけられることが少なくなっていたが、今では積極的に話しかけるようになっていた。

 

まるで何かを悟って理解したかのように。

 

またキャロの視線がたまに怖いときがある。僕が女性に話しかけられたときにはいつの間にか後ろにいたり、隣に現れて会話を邪魔をしたりしてくる。

 

僕は怪しくなってキャロの部屋に侵入した。

僕はこれが最低なことだと自覚している。勝手に女の子の部屋に入ることは許されないことだとフェイトさんから教わっていた。

 

だけど、このままじゃ僕はいつかキャロにナニカされる気がしてたまらないのだ。だから僕はキャロが僕に対してどんなことをしていたのか調べることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――そして…………後悔した

 

キャロは既に僕の知ってるキャロじゃなかったということを…………。

 

壁には僕のポスターや写真がいたるところに張られており、DVDには僕のシャワーシーンや着替えているところが撮られていた。

日記には僕のことがビッシリと書かれていて、どんな女性に話しかけられてデレデレしていたのかも書かれていた…………。

 

僕はこのとき本能的にここが危険だと悟り逃げ出した。そしてしばらく訓練を休むことになった。

 

病んだ僕にアオさんは様子を見て来てくれた。

僕はアオさんにこのことを相談した。

 

僕はキャロがおかしくなったことが受け入れられなくなった。現実を否定したかった。

 

そのとき、アオさんは一枚のディスクを渡して言った。

 

「現実が辛いなら、ここへ逃げてもいいんだぜ」

 

彼が渡したのは恋愛シュミレーションのゲームだった。僕はそれをプレイしてだんだん心が晴れてきた。

 

 

 

――――そうだ。辛くなったらここへ逃げてもいいんだ

 

 

 

二次元なら誰も裏切らないし、辛いことはない。

だからいつでもここへ逃げてもいいんだ!

 

僕はアオさんのおかげで救われた。こうしていられるのも、アオさんが二次元を紹介してくれたからだ。

 

だから僕はもう一度現実でがんばってみようと思う。辛いときは二次元に逃げればいいんだしね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アオ、貴様。キャロになんとそそのかした?」

「面に向かって顔を見ることができないなら写真やカメラで慣れていけばいいんじゃねって言ったらストーカー化した」

「…………その結果がエリオの現実逃避に繋がったか。まあ、なんにせよ。貴様は今からお仕置きだ」

「あっれー?」




あっれー? なんでこうなったのかな(棒読み)

次回、召喚されし異世界の吸血鬼さん?

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