とある転生者の憂鬱な日々   作:ぼけなす

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「なんでやねん」

byはやて


第九十三話

(フェイトサイド)

 

 

「ヒャッハー!! 汚物は消毒なのォォォォォ!」

 

なのはがまた砲撃でガジェット達を蹴散らす。

歳を重ねるにつれて言動が凶暴化しているのは――――

 

――――あ。たぶん心当たりある。草太のせいだ。

 

初恋の人がニューカマー化しての再会だからヤケクソになってこうなった。

 

それはさておき、私の前には仮面つけた女性がいる。彼女は儀礼用のマントを羽織、そして手にはビリビリと電気を帯びた刀が握られていた。

私はバルディッシュで何度も打ち合ったが、魔力刃でなければあの電気の餌食になっていた。

 

 

――――その上、強い。私と同じくらいのスピードを持っているし、経験も互角だ。

 

 

油断ができない相手とはこの人のことだろう。私がそう思っていると彼女はクスクスと笑いだした。

 

「…………何がおかしいの?」

「だって、フェイトったらしかめ面で余計なことを考えていたんだもん。これが笑わずしていられないじゃん♪」

 

侮辱された。私はそう思いバルディッシュの握る力を強める。

するとその人は仮面を外した。

 

その顔を見たとき、私の中の怒りが消えた。そして動揺した。

 

そんな、まさか…………。

 

「 おっひさー(・・・・・)♪ わたしのかわいいかわいい妹くん♪」

 

 

その後の話をすると、私は彼女に負けた。動揺した私が勝てるはずがないのだから…………。

そう彼女は私の大切な家族(・・・・・)だったから…………。

 

 

 

(アオサイド)

 

 

 

ハリセン――――それは漫才に置いて究極のアイテム。

武器ではない…………はず。

 

有りとあらゆるボケをツッコむことができる。叩(はた)く者には爽快感を与え、叩かれる者に地味な痛みを与える。

 

…………つまるところ、叩かれたら痛いのだ!!

 

「くらえ!」

「あイタ! もうっ。お返し!!」

 

ハリセンでピンクの女性を叩くと今度は無数の弓矢を撃ってきた。

 

「フォアタタタタタタタタタタ!!」

「まどかの弓矢を全部叩いてキャンセルしてる!? なんてデタラメな!」

 

うん。ものスッゲーデタラメだと自分も思うよ。

魔力の弓矢を叩いてキャンセルし続ける。そして弓矢が収まったところで接近。

 

弓矢の魔力をチャージというインターバルを狙っての行動だ。しかし、そうはさせまいと黒髪の女性はグロックを発砲してきた。

 

自分は銃弾をハリセンを盾すると――――銃弾が弾いた。

 

「……ハリセンって紙でできてるわよね? なんで鉄の弾で弾けるのよ!?」

「知るか! こっちが聞きてぇよ!」

 

黒髪の女性が思わずツッコむのは無理もない。このハリセン、銃弾を受けたのにどこも破れてない。

どんだけ頑丈なんだよ、このハリセン。

 

銃弾を撃とうとする黒髪の女性に自分は路地にある壁を走りながら今度は黒髪の女性を叩いた。

「ほむんッ」と謎の悲鳴をあげて叩かれた頭を撫でながら後退する。

 

「ぶったわね? 親父にもぶたれたこともないのに!」

「ほむらちゃん、知ってるの? 機動戦士」

「創世記のアニメ見てたら、ちょっとロボットのアニメにハマちゃって…………」

 

なんでか知らないけど、ネタにはしる女性達。もうちょっとシリアスにしてほしい。

ほとんどの原因は自分だけど…………。

 

「というか、キャンセルは脅威だけどあの神器、殺傷能力はないだけであんまり怖くないね」

「そうね。叩くだけだし」

 

まさにその通りである。

 

剣ならば斬る、槍ならば突く、弓矢なら射るというふうに殺傷能力があるのに、これには全くない。

てか、棍棒以下の武器である。どうしよう…………一人で相手側したら全然勝てる気しないや。

 

なので――――

 

「キリト、たのまぁ」

「「な!?」」

 

敢えて自分から突っ込んだため、注意は自分に向けていた。その間にキリトが大技の準備に入っていた。

 

二刀の剣に青と赤の炎が帯びて、そして放つ斬撃。

 

「『クロス・ファイヤー』!!」

 

クロスを描いた斬撃が放たれて自分は身体を縮めて、当たらないようにした。

黒髪の女性はそのクロスを時を止めることで動きを止めたが、自分はハリセンをそのクロスに投げた。

 

 

では問題だ。

 

最初にキャンセルされるモノはなんだ?

答えは、『上書きされたモノ』。

 

 

そう自分が投げたハリセンにより、クロスの斬撃にかかった神器の力を解除したのだ。

 

「まどか!」

「うん!」

 

ピンクの女性が射た魔力矢とその斬撃が直撃して爆発が起きた。煙幕で見えなくなり、晴れたときには彼女達はいなかった。

 

――――逃げられたか。

 

そう思って女性がいたところまで向かう。そこには赤い結晶体が光帯びていた。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「ようやった。そう言いたいところやけど、言わせてもらうで――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――なんで連絡してくれへんねん!!」

 

レリックを確保という任務は確かに成功だったがどうも援軍を呼ばなかった自分達にこの平成ポンポンコさんはぶちギレてるようだ。

 

ちなみにキリトと自分は今、始末書を書いていた。ただいまので五十枚目を突破した。

 

全く……成功したのに怒られるなんて――――わけがわからないよ。

 

「やかましい。白いナマモノセリフをパクんなや。しかも覚醒したら、神器がハリセンやったって…………」

「イェーイ♪」

「サムアップすんなや、腹立つ!」

 

八神隊長に小突かれた。痛いでごわす。

 

「にしてもなんでレリックとか集めているのでしょうねー? 聖堂教会のお偉いさんからの情報ありましたか?」

「まだわからへんわ。せやけど、スカリエッティだけでなく千香ちゃんが関与しておるからただ事じゃないで、きっと」

 

ふーん、ただ事じゃない……ね。

 

でもなーんか、しっくり来ないなぁ。千香って人がスカリエッティと組んで管理局に混沌をもたらそうとしている。

 

それは前半の予言だ。

では後半の予言はどういうことだ?

 

シイさんやキリト、四季達がここに来たことに何か関係あるのか?

 

 

自分はそう思いながら始末書を書くのだった。

 

 

 

 

(千香サイド)

 

 

 

 

今日のレリック集めは失敗とほむらとまどかちゃんから通信は届いた。

けれど、進展はあった。

 

神器の出現――――つまり第一段階を突破したことだ。

 

 

「ふっふっふ……楽しみだなぁ……。『彼』はどのように進化して、どのような結末を迎えるのか♪」

 

 

ああ、ホントに…………楽しみだなぁ…………♪




千香ちゃんが何かを企んでいるそうです。彼女が関わるとろくなことはないでしょうねー。
ちなみにアオの神器ですが、これはまだまだ秘密が隠されています。

それは徐々に判明させていくつもりです。

さて次回は閑話です。

――――ヤベ、人選ミスった……

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