とある転生者の憂鬱な日々   作:ぼけなす

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「これ大丈夫かいな……」

by八神はやて


STS編 最終章だから時々シリアスになる
第八十三話


(はやてサイド)

 

 

「どうしてこうなったんや…………」

 

私こと八神はやては憂鬱な気分でため息を吐いた。

 

理由? そんなもん決まっとるがな。私の親友らと夫がまたやりおった。

 

まず親友第一号、高町なのは。時空管理局武装隊に正式に所属し、訓練学校を経て戦技教導官を務めている。階級は一等空尉。巷では『エース・オブ・エース』と呼ばれているが、それは世間の評価。

 

その実態は――――訓練学校ではやりたい放題に撃ちまくるトリガーハッピー。

 

彼女に舞い込んだ任務の大半が犯罪者と建築物が無事だった試しがない。なんでこうなったんや…………。

 

親友第二号、フェイト・T・ハラオウン。時空管理局執務官で、法務や事件捜査を担当している。

『黒い死神』と言われ、世間から美人執務官と言われている。

 

その実態は――――ロリとショタ愛好会会長。つまり幼い子ども達に萌えを感じる集団の長である。

前々から兆候があったが、気のせいだと思ってた。思いたかった。

 

気づいたときには既にもうある意味遠い存在になってもうた…………。親族であるアルフは変態のため、それが当たり前という認識があったため、気にしていない。

 

どないしよ…………。

 

今はまだイエス・幼児・ノータッチを貫いているがいつかシフトチェンジしてエリオとキャロの身に危機があるんやないか。

 

不安でいっぱいや…………。

 

最後に私の夫、八神衛陸戦少佐。彼は知っての通り変態の仮面をつけたチキンやけど、やるときはやる男やと私は思っている。

彼は問題を起こしそうで、実は起こしてない。変態の中では無害な方や。

 

せやけど、その周りに問題があった。めっちゃあった。

 

彼を慕う集団――――通称『マッスル連合』が筋肉について論議を起こしたり、争いを起こしてとる。彼らは実は闇の書の事件の被害者のほとんどやったけど、衛くんの熱い説得と筋肉演説で別の方向に悟りを開いてもうた。

 

話を戻すで。

 

争いが起こるその度に衛くんが一喝で黙らせるが、彼が遠征に行っていたら、彼らは衛くんが帰ってくるまで止まらない。

質の悪いことに猛者共の集まりやし、犯罪者の検挙率が高いから上層部は解雇できへんのや。しかも、住人達は彼らが行う争いを楽しんどる。

 

誰にも止められへん、やめられへん。まさしく、もうどうにも止まらへん。

 

なんやねん…………マッスル砲って。どこのヤサイ星人の必殺技やねん…………。

地球とかの惑星を滅ぼすつもりかいな。しかも、捕まえた犯罪者が筋肉に汚染されて、信者は増える一方や。

 

これがミッドが抱える三大問題の一つだったりする。

 

以上が、私はインターネットを開いた今日のニュースを見て思う感想や。

 

事件名が『エース・オブ・エース、今日も元気に建物モロとも一発一掃』『死神さん、ロリショタを熱く語る』『マッスル連合、今日も大暴れ。必殺、筋肉スパーク初披露』。

 

 

――――もっかい言うで。

 

 

「どうしてこうなったんや…………」

 

幼馴染み達がなんでこうなったんか、とても疑問に思う毎日である。原因は千香ちゃん達だと思うのは私の逆恨みやろうか…………。

 

 

 

 

閑話休題

 

 

 

 

本局遺失物管理部「機動六課」。これが私が四年かかって立ち上げた組織や。理由は聖王教会の騎士、カリム・グレシアが予知した来るべき破壊の運命を避けるためだ。

 

 

『古い結晶と無限の欲望が集い交わる地、死せる王の下、聖地よりかの翼が蘇る。

 

 死者達が踊り、なかつ大地の法の塔はむなしく焼け落ち、

 

 それを先駆けに数多の海を守る法の船もくだけ落ちる』

 

これが一年前から出た予言。そしてその予言に新たな一ページが生まれた。

 

『そして、その運命を越えるとき…………始まる絶望と恐怖。抗う術はなくここにはなく、ただ襲われる理不尽にて世界は終末を迎える。希望を望むならば主人公を。全てを開きし者、切り裂く魔人、怒りの帝王、異界の拳闘士、黒き剣士、せんこ――――――――』

 

 

とここで予言は途切れる。続きが気になるところだが、現在進行形に調べている。この予言は正しいかどうかは私にはわからないが、現にジェイル・スカリエッティが騒ぎを起こしている。

 

彼は違法研究で指名手配されてる犯罪者で、私はこの最初の予言に関わる人物だと思っている。だからこの組織を立ち上げた。

もう一つの予言は一応、対策は考えている。なんでも『彼と彼女達』と同じ存在がこのミッドにもいたのだ。

彼女は傭兵だったため、好都合だった。私は彼女のある条件を呑んで雇った。

しかし、それでもまだ不安要素はある。

 

「『無血の死神』…………か。ジェイル・スカリエッティと手を組んでいる噂がガセやといいんやけど」

 

四年前、管理内次元世界で初めて現れた少年で、管理局員達を蹂躙した。

彼は返り血を一切浴びず、汚れることなく、ただ蹂躙したことで魔導士達に恐れられ、こう呼ばれるようになった――――『無血の死神』と。

 

彼は気に入らない相手は殺し、気に入った相手は殺さないおかしな犯罪者だが、なにより、魔導士達が恐れらている理由が魔導士にとって残酷すぎる。

無惨に殺すことではなく、最低な行為ではない。

 

 

――――魔導士から魔法の力を封印する 

 

 

それすなわち、魔導士から魔法の力を奪うことに等しいことなのだ。

彼はその力があるため、管理局では『戦ってはいけない犯罪者』『絶対に遭遇してはならない存在』と言われている。彼の力で、何人もの優秀な魔導士達が管理局から去り、プライドの高い魔導士だったら最悪自殺してしまう人もいた。

 

それほど魔導士としては関わりたくないSSS級犯罪者だ。ゆえに正義感の強い者以外は誰も彼を捕まえようとしない。

 

「カギのような武器に、銀髪の青い瞳…………間違いなく彼やな」

 

…………衛くん、友達と戦うことになるかもしれへんで。

 

私はそう思いながら六課に来てもらう人材を探すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「八神隊長、ミゼット議長より推薦された隊員候補がこちはに移転してきました」

「え、もう来たん? てか、誰なんかわかる、グリフィスくん」

「例の問題児二人とあなたの旦那様です」

「ミゼット婆ちゃんェ…………」

 

こうして史上最強の問題児教官を抱える部隊が出来上がった…………。もっとまともか部隊がほしいで…………おばあちゃん…………。

 

 

 

 

(??サイド)

 

 

 

「~♪ ~♪っと」

 

機動六課の屋上にて、とある少年が首飾りを弄って鼻唄を歌っていた。

黒髪の紅い目で歳は八神はやてと比べると一つ下くらいだ。管理局の制服を着ているため、彼は管理局員であるだろう。

 

そんな彼の紅い瞳はこれから起きることに期待していてる子どものように、彼はここへ向かってくる人達を見ていた。

 

 

 

「さてさて…………先生、始まるみたいだぜ? ――――最後の戦いってヤツが」

 

 

 

そう呟いて彼はその場を後にした。彼の残した発言は今の誰にもわからない…………。

 

 

しかし、敢えて言うならこうだろう。

 

 

――――――――さあ、始めよう。終章の劇場を




まだまだ続く混沌化。序章の序章なのでこれから盛り上げていくつもりです。

次回、設立『機動六課』

――――しかし真面目では終わらないのがこの物語

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