コードギアス 反逆のルルーシュ Request C.C.   作:グリムゼン

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約四年待っていてくださった方もそうでない方もお久しぶりです。
グリムゼンです。

ここ最近のギアスラッシュでどうにかこうにかこの作品を完結させたいと思って、
またギアスをはじめから見直している最中です。

書き方とかだいぶ変わってくると思いますし、おそらく加筆修正も大いにあると思います。
復活のルルーシュもあったんで、大分脳内プロットの書き換えも起きます。

そんなこの作品ですが、お付き合いいただければ幸いです。


第五十四話 改変された過去と未来

僕たち二人は、過去のブリタニアから現在に戻ってきた。

そういえば、それほど長い時間を過去で過ごしてきていたわけではないけど、

過ごしていた時間はどうなっただろう。

 

確か、式根島でガウェインがアヴァロンから未完成のハドロン砲を撃って、

そこから過去に僕のギアスの暴走で移動したんだった。

いけないなぁ、もうC.C.としっかり一緒じゃないとどっかいっちゃうのが怖いよ。

 

 

式根島にグラシャ=ラボラスで戻ってきた。

まぁ、二人で過去に飛んでいたことでいくらか変わったこともあったろう。

リートは、まぁ無事だ。いや、私がいくらか無事じゃないんだが、精神的な意味で…

驚かされることが多すぎで、まだ処理できていないのだろうか。

 

ん、通信通知・・・

それはそうか、一時とはいえ同一時間上に私たちが居なかった時間が存在している。

やはりマオとシャーリーだな。

 

連絡しておかなくてはな…さて、どう言い訳したものか。

 

「聞こえるか?」

『C.C.!?どこ行ってたの、いくらかけても通じないし、心配したんだよ!』

「すまんな、少し急を要することがあってな、一時的に通信を切っていた」

『心配したんですよ!リート君は大丈夫ですか!?」

「なんだ、いの一番にリートの心配か?私の心配はしてくれないのか?シャーリー」

『セレスさんがいつもからかってくるのはもう慣れました!大丈夫なんですね?!』

「ああ、言わずもがなだ。私がいるんだ、リートには傷一つつけさせんさ」

「心配させてごめんねシャーリー、マオ」

『無事で何よりだよリート』

『早くこっちに来てくださいよ!』

 

ピクニックをしたところで探知防壁を展開していたダンタリオンとヴェパールを視認できた。

周囲のブリタニア軍のどうやら探索自体を終えているみたいだった。

アヴァロンというか空中から見えるけど式根島に滞留してる。

 

「C.C.これってつまり」

「ああ、ルルーシュと枢木、そしてカレンとユーフェミアがマリアンヌのせいで転移させられた時だ」

「でも、カレンの通信機の座標は、近海になってる。ということは」

「少なくとも枢木にカレンが拘束されることはなくなった。だが、これはこれで問題がな…」

「…ガウェイン、だね」

 

そう、黒の騎士団ゼロが使用したガウェイン

僕たちのナイトメア、グラシャ=ラボラスの複座型の原型機

だけど、それを手に入れた経緯がだいぶ行き当たりばったりだったらしいとC.C.から教えてもらった。

 

感じた限りでは思考エレベーターがルルーシュと枢木がそれに乗りV.V.が

ルルーシュのギアスに気づいて起動させたはずだ。

それがきっかけでルルーシュの存在がV.V.に知られてしまったからな。

だが、私たちの介入で枢木に対する間接接触を『私』がしていないことになっている。

さて、思考エレベーターによる介入で奴がどこまで耐えられるだろうか。

 

少しは僕たちがサポートをしないとルルーシュがガウェインを奪取できないだろうね。

カレンもいないし、おそらくユーフェミアと一緒ということは食料の確保も微妙なところだし…

ま、ルルーシュに体力を期待しちゃいけないとは思うけど。

 

おっと?

 

「ゼロからの通信ということは」

「聞いてくるかもな、私が言ったあの事を」

 

 

『・・・聞こえているかヴィエル』

「ああ、聞こえているとも。どうした、私に直接話しかけてくるとは」

『エイスもそこにいるんだろう』

「うん、いるよ」

『・・・お前たちは、いったいどれほど先を見ているんだ』

「質問が漠然としているな、お前らしくもない。それに黒の騎士団からも、

お前がどこにいるのか聞いてきているが、いったいどこにいるんだ」

 

そんなことはない、カレンは気が動転でもしているのか通信機に連絡はないし、

藤堂はじめ、黒の騎士団幹部連中に直通回線は教えていない。

あの時の状況はよく覚えているとも、ああ覚えているとも。

玉城のドアホウが私の事をダァーホと言ったこととゼロの愛人とのたまったことだ。

ああ、今のあいつは幹部ではなかったな、今言ってくれれば縊り殺してやるものを。

リートに要らん不信感を与えるのは当然阻止するし、万が一にでも耳に入ろうものなら…

……いや、リートならむしろ笑って聞き流すか?

それで、傷ついた私を・・・ うん、リートが過去にいたら、イイ展開だったかもしれん。

 

おっといかんいかん、ルルーシュとの通信中だった。

 

『・・・式根島ではなさそうだが、植生が似ている。おそらく近海の無人島といったところか』

「なるほど。今すぐそちらに行きたいところだけど、ユーフェミアも消えた影響もあって、

周辺の警戒レベルが高いんだ。黒の騎士団に連絡しておくけど、一日前後動けないと考えておいてくれた方がいいかな」

『・・・了解した。さっきの質問だが・・・いや、やはり取りやめる』

「はぐらかされそうとでも思ったか?」

『違う!』

「荒れてるね。そんなに使ったことを悔いてるの」

『当たり前だ!』

「意固地になるなと言ったはずだ。C.C.のスラングが効くぞ。坊やかお前は」

『茶化すな!やってしまったことに変わりない、それはわかっている!だが・・・友達なんだ』

「目の前に友達としていて、背中には敵としている。矛盾を抱えるなんて今更じゃない」

「チョウフで私たちはお前の願いをかなえることができなかったのは事実だ。

だが、お前が選択するのは果たしてそちらの選択肢であっているのか?」

『なんだと・・・過去とは連綿として紡がれる自らの道だ。後悔など・・・』

「してなきゃ今の君はいない。ゼロ、いいやルルーシュ。君の原点はいったいどこだい?」

『・・・原点』

「僕は君のことを知っている(知識として)君のことを知らない(君自身を)

ギアスを持っているのなら君自身は何かの願いを持っていたはずだ、違うかい?」

『・・・ああ、そうだ。・・・だから』

「吹っ切れたか?意固地のルルーシュ、二つ名としても案外あっているんじゃないか?」

 

『冗談じゃない。私はゼロ。世界を壊し、世界を作る者。もうすでに決めていたことだ。

今更どのような障害があろうと己の力で切り開く。私自身の願いのためにな。

手を貸してもらうぞ、エイス、ヴィエル』

 

 

「もちろんだよ、そのために今僕たちはここにいる」

「私もそうだが、リーシャの存在を忘れてやるなよ。この通信はつながっていないが、

後でお前のことを忘れていたとご当人に言っておいてやるからな」

『エイスはともかく、お前はからかわないで話を終わらせようとは思わないのか!』

「まぁな」

 

ルルーシュはC.C.のまぁなの「ま」の字の時点で通信を切っていた。

怒り心頭なのは言うまでもないけど、少しは頭が冷えたかな。

 

黒の騎士団には連絡を入れておこう

カレン経由でいいかな?

僕は通信機のコードをカレンにセットしてつないだ。

 

「カレン、応答できる?」

『・・・うぇ!?』

『上?』

「あ、ごめん」

 

どうやら黒の騎士団のみんなと一緒にいたみたいだ。

 

『ちょ、ちょっと失礼します!』

 

カレンの走っている声と鉄の通路を蹴る音

今は潜水艦に回収されてるか、良かった。

 

『はぁ、はぁ、ごめんなさい。通信機の事、すっかり忘れてました・・・』

「まぁ事態が事態だからね、息はゆっくり落ち着けて」

『はい・・・・・・はい、大丈夫です、それで・・・』

「ゼロの居場所が確認できた、無事だよ」

『本当ですか!良かった・・・』

「あの時よく我慢してくれたね」

『エイスさんに止められてなかったらゲフィオンディスターバーの

範囲内に入っていたところでした。こちらこそありがとうございます』

「それから、近海にいることはわかったんだけど、ブリタニアの

警戒が強くなっててね、ゼロを今迎えにいけないんだ」

『わかりました。ゼロが無事なだけでも十分です。

みんな喜ぶと思います』

「こっちで変化があったらまた連絡するよ、よろしくね」

『はい、それじゃあ失礼します!』

 

カレンとの通信を終えて、C.C.の方を向く。

終わったのを見計らってこっちを向いてきてくれた。

 

「終わったか?」

「うん、とりあえず黒の騎士団への義理は果たした」

「それじゃあ神根島に行くとしよう」

「そうだね、マオ、シャーリー、聞こえてる?」

『聞こえてるよ、地図データでは式根島の下あたりにある小さな島だけど、

そこにいると踏んでるんだねリート?』

「海流の問題もそうだけど、たぶんそれ以外の理由がありそうだしね」

『それ以外って?まさか、オカルトみたいなこと?さすがにそれは』

「シャーリー、ナイトメアでは観測できないこともある。

ヴェパールもそうだが、必ずしもナイトメアは万能じゃない。

まぁ私たちがその万能に近いものを使っている全能感は否定できんが」

『それは、そうですね。あ、でも全能感なんてないですよ?

ヴェパールさんの訓練データ見ました?仮想機体サザーランドに搭乗して、

5機のグロースターを損傷なく倒せっていうんですよ?!

ひどくないですか?!』

「ヴェパール、随分スパルタだね?」

一番初めにシャーリーに頼まれたのは、(The first reason Shirley asked me was)

|私を強いパイロットにしてとお願いされたからですが? 《to make me a strong pilot? 》

方針を変えてと言われていませんので、(I'm not told to change my policy,)継続しているだけです (so I'm just continuing)

「一介の高校が高望みしすぎたか?ヴェパールがついているなら問題ないだろう」

お褒めに預かり光栄です。私の造物主(I am honored to receive it as a compliment. My creator)|〉

「ますます人間味が増してきたというか」

「まぁそれはさておくとしよう、行くぞ!」

「『『うん!』』」

 

 

ダンタリオンとヴェパールが飛び一陣の風が吹く

近くにいたブリタニア兵たちはその風ですっころんでいた。

改めてみると風圧だけでも規格外かな。

ステルスを再度見直して僕たちは神根島に進路を取った

取ったといっても、目と鼻の先なんだけど

 

 

 

少しの間とはいえ、リートとC.C.そしてグラシャ=ラボラスが

目の前から消えたことに僕は動転しそうになった。

かつての僕なら、きっとダンタリオンと一緒に大暴れしていただろう。

でも、逆に思考がさえた。

それ以上にシャーリーの心の声を聴くことで落ち着くことができたといえる。

・・・彼女の名誉のためにいうけど、本当にすばらしい動転ぶりだった。

表では全く出してなかったけど・・・

おそらくリートのギアスが原因なんだろう。

C.C.も今はシャーリーがいるからそんなに情報を出していない。

考えるって本当に大事だ。

おっと、考え事をしすぎてもいけない。

もうすぐに神根島につく。あれ、ダンタリオンが熱源感知?人か?

ゼロと・・・ユーフェミア?

 

 

 

「・・・ルルーシュ?ルルーシュなのでしょう?」

 

えっ!ユーフェミア様がゼロがルルだって気づいた!?

 

「だれにも言っていません。本当です」

 

あれ、でもなんで、ルルがユーフェミア様とお知り合い?

ゼロが仮面を取った。あっ仮面の下はやっぱりルルだ。

 

「ルルーシュですよね?」

「・・・ああ、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア、君の知るルルーシュだ」

 

 

えええええええええええええええええええええええええっ!

 

 

 

 

 

―――――――――皇帝陛下、母が身まかりました

―――――――――・・・ああ、だからどうした

―――――――――だから?!

―――――――――・・・そんなことを言うためにお前は、ブリタニア皇帝に謁見をしたのか

―――――――――それは・・・

―――――――――次の者を、子供をあやしている暇はない

―――――――――父上!

―――――――――なぜ母さんを守らなかったんですか!皇帝ですよね?この国で一番偉いんですよね?

         だったら守れたはずです。ナナリーのもとにも顔を出すぐらいは!

―――――――――・・・愚か者に用はない

―――――――――愚か者・・・

―――――――――それが皇帝というものだ

―――――――――なら僕は、皇位継承権なんていりません!

―――――――――死んでおる、お前は生まれた時から死んでおる。

―――――――――何を・・・

―――――――――その服、家、食事、命ですらすべて儂が与えたもの

         生きたことが一度もない愚か者が全く持って何をのたまうかぁ!!!

         部屋に放り込んでおけ、一歩たりとも外に出すな

         次の者を・・・いや、10分ほど待たせておけ

         所要を思い出した。10分したら謁見を再開する よいなぁ!!!

 

 

 


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