東方孤傀劇/~Noキミョン?Noウドンゲ?Yesうどみょん!   作:因田司

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今回は、なんと……!
「東方麗霊想」「東方緑妖想」「東方月咲想」を
手掛けていらっしゃる和菓子屋蜜柑さんが
リリーホワイトとリリーブラックが初登場した前回のお話を
蜜柑さん風にアレンジして書いてくださいました!


それでは、ゆっくりしていってね♪



If;ブランとノワール

「妖夢、なんだか最近、春が遅くない・・・?」

 

「そう・・・ですね。春雪異変の時とはちょっと違うみたいですけど、春が少し遅い気がします・・・」

 

「・・・何か心あたりはある?」

 

「すいません、鈴仙さん・・・。春告げ妖精のリリー・ホワイトをまだ見てないくらいしか、わかならないです・・・」

 

「ん、そっか・・・。でも、旅に出て、そろそろ消耗品も切れてきてるし、1回人間の里に入って補給しつつ、情報を探ろうか」

 

「そう、ですね。医療品も少しずつですが、底が見えてきてますし・・・」

 

「それじゃ、決まり。一番近い人間の里は・・・」

 

「こちらですよ、鈴仙さん。」

 

「流石、妖夢!頼りになるね!」

 

鈴仙は妖夢に抱きつくと、妖夢はみょんな鳴き声を上げた

 

「みょん!?」

 

「ど、どうしたの?」

 

「な、なんでも、ないですよ!?」(れ、鈴仙さん、いい匂いするっ)

 

同じ女性としても羨ましい彼女の菫色の髪はサラサラでいい匂いがし、胸だって私よりも、大きい。それに、薬の調合だって出来る

 

「妖夢・・・?どしたの・・・?」

 

「な、なんでもないですよ!?そ、そんな事より、ほ、ほら、鈴仙さん!人間の里、見えてきました!!」

 

「あ、ホントだ!」

 

「は、早く行きましょう!!」

 

私たちは人里に付くと、まず消耗品から買い漁った

 

「おじさん、これ10個買うからおまけできませんか?」

 

「お、可愛い嬢ちゃんだから、それで売ってやるよ」

 

「みょん・・・そ、そんな可愛いなんて・・・あ、そうだ、おじさん。最近何か気になることってありますか?」

 

「そうだな・・・。嫁の好きな花が咲かないし、何より、桜が咲かない・・・事だな。嬢ちゃん、妖怪だろう?リリーちゃん、見なかったか?」

 

「リリー・・・って、リリー・-ホワイトの事かしら?」

 

「そうだぜ、兎の嬢ちゃん。まだ、あの子の春を告げる姿を見てないんだ」

 

「やっぱりそうですか・・・」

 

「まぁ、ただ遅いだけかもしれねぇしな。あ、そうだ、嬢ちゃん達、これやるよ」

 

渡されたのは、二枚の券

 

「ウチで大量に買ってくれた礼だ。この里の甘味処で使える券だ。甘い物でも食べてゆっくりしていってくれ」

 

「わっ!ありがとう!おじさん!」

 

「ありがとうございます」

 

「いいって事よ。それじゃ、まいどあり」

 

ーーー

 

「れ、鈴仙さん!「妖夢っ!」

 

店を出てすぐに私と鈴仙さんは同時に名前を呼んだ

 

「わ、わわ、れ、鈴仙さん、お先にどうぞ」

 

「よ、妖夢を方こそっ」

 

「い、いえ、鈴仙さんの方こそっ」

 

こんなやりとりが少し続き、「それじゃ・・・と」鈴仙さんが話を切り出した

 

「ね、妖夢。さ、さっきもらった券で甘味処・・・行きたいなぁ・・・なんて・・・」

 

ぴょこぴょこと兎の耳が私の反応を伺うよう、動いている

 

「も、勿論です!私も鈴仙さんと一緒に食べれたらいいな・・・って思ってたんです!」

 

そう、彼女に言うと鈴仙さんはまるで、向日葵が咲いた・・・かのように笑い、私の片手を取り走り出した

向かうは甘味処。

甘味処まで来ると、外からでもわかる餡の甘い匂いがわかった

上品な甘い香り。

店の中に入り、席に着くと、温かいほうじ茶が出された

 

「お茶なんて久しぶりだね、妖夢」

 

「そうですね、鈴仙さん」

 

ずずず・・・と飲むとほうじ茶の独特な渋みとうまみの味。

幽々子様もお好きだったなぁ

 

「ね、妖夢。注文何にする?」

 

「あ、そうですね。それじゃ、私は白玉ぜんざい・・・にします」

 

「外からでも餡のいいにおいしてたもんね。んー。妖夢が白玉ぜんざいなら、私は、あんみつにしよう」

 

注文して、しばらくお茶を飲んでいると白玉ぜんざいと、あんみつが出てきた

 

「「いただきます」」

 

一口、白玉と粒あんを口の中にいれると、餡の上品な甘さが口の中に広がる

もちもち、と白玉が口の中で良い塩梅の甘さ。

ふと、向かい側に座っている鈴仙さんを見ると、手で頬を押さえながら幸せそうに、あんみつを頬張っていた

 

「ね、妖夢。そ、その白玉ぜんざい、一口・・・くれないかな・・・なんて・・・」

 

「あ、どうぞ、どうぞ」

 

皿を差し出すと、美味しそうに食べる鈴仙さん

 

「んー!妖夢の白玉ぜんざい、美味しい!ね、妖夢、こっちも食べて見て?」

 

鈴仙さんは何気なく、匙にあんみつを掬い私の口元に運んできた

 

(こ、これって!!え!?か、間接キス(接吻)!?)

 

ぷしゅう・・と音がするような勢いで顔が赤くなっていくのがわかる

 

「わわわわ、、、れっ、鈴仙さんっ!?」

 

「はい、妖夢」

 

多分、鈴仙さんは気がついて居ないなのだろう。

わ、私だけが意識してるの?

でも、こ、ここで食べなかったら、多分鈴仙さんは悲しそうな顔をするかもしれない

そ、それだけは避けないと

 

意を決し鈴仙さんの匙からそのままもらう

その瞬間、餡の甘さと密の甘さが口の中で広がるが、同時に熱くなった頭もどんどん、更に熱くなっていく

 

「お、美味しいです・・・」

 

その一言が精一杯

 

「でしょ!全部終わったら師匠や姫様、てゐを連れてこよう。あ・・・でも、妖夢と二人だけの秘密なのもいいかも」

 

身体が熱すぎるのを自覚しながら無心で白玉ぜんざいを食べ終わる頃だった

何かに見られている

熱かった身体が一気に冷え、ピリリと嫌な視線に反応すると、鈴仙さんも同じだったらしい

小声で話しかけてくる

 

「妖夢。気づいている?」

 

「はい。急いで支払いして、出ましょう」

 

「そうね、急ぎましょう」

 

券を店員に渡し、すぐに店を出る。

ねっとりとした嫌な気が私たちを見ている

 

「・・・鈴仙さん、走りましょう。里の外まで」

 

「了解。妖夢」

 

なんとか、里に被害が無く里の外まで出ると、その瞬間、黒い弾が私たちの方に放たれた

 

「っ!!」

 

反応し、抜刀と同時に、弾を切り裂く

 

「・・・出てきなさい」

 

鈴仙さんも同時に構え、背中合わせでフォローする形で陣形を取る

 

出てきたのはリリーホワイトの服をまるで墨で染め上げたかのような真っ黒な服を着たうり二つの人物と、マリス。

 

「アンタタチ、ナニイチャツイテンノヨ!!」

 

「あんた達の春も黒くしてやるっ!!」

 

「マリスっ・・・。それに、リリーホワイト・・・?」

 

「やっぱり、あんた達だったのね!春を奪っているのはっ!!」

 

「アンタタチ、バッカリニ、イイオモイナンテサセナイッ」

 

リリー(仮)とマリスが間髪入れず弾幕を撃ち込んできた。

リリー(仮)の弾幕は凄まじく、大量の弾幕を放ってくる

それだけならいいのだが、複数のマリスが逃げ道に弾幕を張り、除除に追い詰められた

なんとかかいくぐってきたが、鈴仙の背中に黒い弾幕が迫る

 

「鈴仙さん!避けてっ!!」

 

駄目だ。間に合わない

 

鈴仙さんが被弾する直前、他の弾が黒い弾を弾いた

 

「っ!?」

 

「春ですよー」

 

「「リリー!?」」

 

「私はリリーホワイトですよー。ブラック、いい加減諦めたらどうですか?」

 

「五月蠅いっ!今度こそお前を倒し、黒い春を幻想郷に届けるんだっ!」

 

「ど、どうなってるの・・・?リリーが二人・・・?」

 

「も、もしかしたら同じリリーさんでも、別人なのかもしれないです・・・」

 

リリーホワイトがリリーブラックの弾幕を邪魔してくれたおかげで、離れていた鈴仙さんと急いで合流し、彼女の怪我を確かめる

よかった・・。大きい怪我はないようだ。

本当に良かった

 

「・・・はぁ、えーと、妖夢さんに鈴仙さん。彼女の世話は私が引き受けますので、そちらの顔色の悪い方をお願いします」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「ありがとう!」

 

「いえ、こちらにも彼女を放って置いた非がありますからねぇ~。それでは、始めましょうか」

 

再びリリーブラックはもの凄い量の弾幕を張り、それを迎撃するかのように、リリーホワイトが弾幕を張る

完全にリリーブラックを、りりーホワイトが押さえててくれ、マリスに集中することが出来た

 

「コノ、リアジュウガアアアアアアア!!!!」

 

マリスの弾幕は避けづらいものが多く、二人で背中合わせで弾を捌き、弾幕が開けた瞬間、妖夢がマリスに突っ込み、周囲の弾幕を鈴仙が打ち落とす

増殖していくマリスをリリーホワイトとブラックの弾幕の残滓に飲まれ、上手いこと増殖が出来ていないようだ

 

「マリスっ!これで最後っ!」

 

妖夢と鈴仙が同時にマリスと撃ち、そして切り刻み、最後のマリスを滅ぼす

 

「クソッ!オボエテロ!!」

 

「ちくしょ・・・また、負けた・・」

 

そのときには既に、リリーホワイトの方もブラックに打ち勝ち、戦闘が終わっていた

チンッと、鯉口をならし、威嚇しながら被弾し、落ちたブラックに妖夢は近づいた

 

「ひぃ!」

 

「・・・リリーホワイトさん、彼女、切りますか?」

 

「いえ、大丈夫ですよ、これから、レティのとこに連れていって、お仕置きしてもらいます」

 

そのとき、ホワイトの笑顔がブラックに見えた・・・

 

「それでは、そろそろ私はいきますね~。春ですよ~」

 

リリーホワイトはブラックを小脇に抱え、そのまま去っていった

 

「は、春の件は、これで解決・・・かな?」

 

「そ、そうですね・・・」

 

「ね、妖夢。今度こそゆっくりお茶しに行かない?」

 

「そ、そうですね!今度は何食べようかな・・・」

 

里に戻るため、走ってきた道を戻り、二人は甘味処に戻っていた




如何でしたか?

Ifにするのがもったいない……
素晴らしいです!砂糖が……!
そして、とても分かりやすいです……!
僕も挑戦してみましょう!

和菓子屋蜜柑さん、
本当に、本当にありがとうございました!

それでは、次回もゆっくりしていってね♪

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