東方孤傀劇/~Noキミョン?Noウドンゲ?Yesうどみょん!   作:因田司

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今回は、マリスによって恐ろしい変貌を遂げていく
リリーブラックとの戦闘を紹介していきます。

原作とは少し異なる点があるとは思いますが、
暖かい目見てくださると、幸いです。

それでは、ゆっくりしていってね♪




浸食の脅威

REISEN

VS〈影を告げる妖精〉ケイオスブラック・アルフ

~人間の里

 

 

私達は、黒い霧から立ち上がった妖精を見据えていた。

 

 

その姿は、妖精の時とは比べ物になれないほどに大人びていて、身長も私達を

遥かに上回っていた。

リリーホワイトさんが見せてくれた、あの写真と同じくらいの頭身だった。

 

だが、その長く伸びた両脚は不自然に紫色に染まっていた。

切り落とされた筈の両手は、更に人の様な手ではない異端の化け物のものに

なっていた。

 

透明の妖精特有の羽も大きくなり、うす紫色に変わっていった。

 

 

「グギヒヒヒヒヒヒ………」

 

 

小首を方にむかって少し左に曲げ、ニヤリと邪悪に笑ってきた。

顔の左半分が髪ごと、両腕と同じ紫色に染まっている。

 

其の時、私達は其の浸食された目の部分を見てしまった。

 

 

 

 

 

ありえない……左目の眼窩に、目玉が三個も入っているなんて……!?

 

まるで無理やり押し込んだ様に入れられた其の左目達は、

充血したリリーブラックのものではなく、瞳が青かった。

其等がそれぞれ違う方向を見ていた。

 

思わず口を押さえて吐き気を堪える。

あれが、マリスに身体を委ねた結果……?

 

 

「!大丈夫ですか、うどんさん……!?」

 

 

前にいるみょんさんが心配そうに声をかけてくれた。

 

私を面白そうに見ながらマリス妖精が言った。

 

 

「癒着って言葉ヲ知っテるカ?アレっテ便利だよナぁ??…治りを早メテくれル…妖精ノとろい

自然治癒よりもナ……妖精でアる事を忘れさせてクれるゼ」

 

「…自分で…マリスを摂取したのですか…!??」

 

 

よく見ると両腕には、さっきまで持っていた剣と盾の特徴があった。

 

さっき持っていたマリスの剣と盾を、自分の腕代わりに…!?

大人の体形になったのは、おそらく其の浸食での変異が原因……

 

なんて…馬鹿な事を……!

 

 

「……オぉおォ……俺が醜いカ?馬鹿ナ事をしタと思っテるか?

だがナ、変貌ハ其なりニ覚悟してイたし、私にとっテ得にナルなら、其は馬鹿ナ事にハ

ナらねぇヨ」

 

 

そう言うと黒妖精は姿勢を低くし、

 

 

 

ビィィィイィイィィイィィーーーーーーー!!!!!!!!

 

 

 

羽音を立てながら飛んで来た。

 

 

「グヒヒヒヒ……モう雑魚だなンテ呼ばセて堪ルか!!

俺ハ……妖精とイウ枠を……越えテ見せタんだよォぉお!!!!!」

 

 

そう喚きながら右手の、剣を四方向に分けた様な四本爪を突き出してきた。

 

するとみょんさんが私達の前に進み出て、

 

 

 

「『炯眼剣』!!」

 

 

カキィィィーーーーーン!!!!!!

 

 

 

即座に抜いた白楼剣で、爪を受け止め、

 

 

 

「カウンターです!!」

 

 

 

もう一方の楼観剣で其の肘を叩き切った。

 

 

 

キィィイィィーーーーーーン…………!!!!!!

 

 

 

だが其の刃は、魔精の肘に喰い込まず、弾き返された。

 

 

「!?堅い……!」

 

「へっ……ソウ何度も腕ヲ斬リ落さレるとでも?」

 

 

今度はリリーブラックの盾の様な左腕の先が割れ、四本の指の様に折れ曲がり、

其をみょんさん顔に突き刺そうとした。

 

今のみょんさんは剣を弾かれて隙が……危ない……!!

 

 

私は思わず指をピストル状にして、敵に弾を撃った。

 

 

 

ガガガガガッッッッッッッ!!!!!!!

 

 

 

売った五発は全弾、黒妖精の頭を正確に撃ちぬいた。帽子に穴がその数だけ開く。

 

 

「!!!カッ…………」

 

 

マリス妖精がよろめいた。

 

 

「みょんさん、今のうちに此方に…!!」

 

「!助かります…!」

 

 

みょんさんが隣に戻ってくる。

其の間も、私はみょんさんを後ろから襲わせないように敵をマークしていた。

 

魔精はしばらく痙攣してたが、すぐに体勢を立て直した。

 

 

「…フゥ…刺激的な五発ダッタな……エ?オイ」

 

「頭を撃ち抜かれて平気でいられるとは…驚きですね……」

 

「ア?妖精とイう種族でハ、日常茶飯事だろウが??」

 

 

そして、左目の三つの蒼眼が一斉にこっちを向き、

 

 

「一匹ずつハ面倒ダが……コイツはどウダロうなぁ!??」

 

 

バキバキバキィィイィイィ…!!!!

 

 

黒妖精の紫色の右腕が肘まで四方向に裂けた。其の腕を此方に向けると、

 

 

 

 

「末永ク……爆散しやガれぇエぇエエーーーーーー!!!!!!!!!」

 

ドォォォオォォ!!!!!!!!!

 

 

 

其処から紫色の大玉弾幕を一発、発射してきた。

 

 

「うどんさん!もう一度任せて下さい!!」

 

 

みょんさんが再び前に来て、

 

 

「『反射下界斬』!!!」

 

 

青白い結界を発生させ、大玉を弾いた。

 

 

「!!」

 

 

弾いた大玉は上空に飛んでいき……

 

 

 

ドッカァアァァァアーーーーーーーーーーン!!!!!!!!

 

 

大爆発を起こした。

 

黒妖精は舌打ちをしながら、

 

 

「そウか……やッぱり私ノミサイルの弾イたのハ、お前か…」

 

 

其の言葉に私はピンときた。

 

みょんさんが放った言葉から、みょんさんも同じ考えだった様だ。

 

 

「!あの急襲してきたマリス…貴方の仕業だったんですね!?

リリーホワイトさんは、アレのせいでショック症状を起こしたのよ!?」

 

 

だが、

 

 

「!ソリャァ、俺様ニとってハ朗報だ!!アハァハハハハッハッハ!!!!!!!!!」

 

 

里に、哄笑が響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

バンッッッッッ!!!!!!!!!!!!

 

 

気がつけば、私は左手をピストルにして三個のうち、一番目尻側の左目を

撃ち抜いていた。

 

 

「アグァァァアァアオォオォオオォォ!!!!!!!!!!」

 

 

哄笑がたちまち悲鳴になり、左目を左手で抑えながら敵は跪いた。

 

 

「うどんさん……?」

 

 

みょんさんが私を心配そうに見ているのが判った。

でもその時私は、多分苦虫を噛み潰した様な顔をしてるに違いない。

 

みょんさんが怒りで我を忘れていたのも判る気がする。

 

 

マリスは……本当に姑息で、狡猾だ。

自分の怨みを晴らすために手段は選ばない。

 

 

魔精が立ち上がった。手を離した顔左部分には元の様に三つ目玉が動いていた。

あの間にもう再生したらしい。

 

 

「~~~痛ってェな、クソガキがァ!……一度痛い薬ヲくれテやラネぇといけネえ様だナ!?」

 

 

そう言うと、右手の砲台を真下の地面に向けた。

 

 

「さぁて、コイツを最大パワーデ撃つト、どうナるのカな…?」

 

「!?何を……」

 

 

私は言葉をよどませた。地面を撃とうというの…!?

でも…其の体勢では、撃つ自分ごと……

 

リリーブラックの腕の砲口から、黒色の光が漏れてきた。

 

 

 

「!!」

 

 

嫌な予感がした。

 

 

「まさか………道連れ!?」

 

「ソウ……忌々しイ妖精トマリスの驚異ノ再生力デ、俺様は完全ニ死なナくナった……

死ぬノハ……オ前達だケだァあ!!!」

 

 

其を聞いた周りの住民達がパニックを起こしていた。

 

 

 

 

 

「そんな事…させませんよ!!」

 

「!みょんさん!!」

 

 

みょんさんが走りだした。手には白楼剣が握られている。

 

向かってくるみょんさんに向かって、半分化け物の妖精が吠えた。

 

 

「モウ遅い!!直接マリスヲ取り込んダ、此のリリーブラック様がァ…!!

貴様等をぉ…里ゴトあノ世マで送っテやるよォお……!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「其処までだよ」

 

 

声が聞こえた。

 

そして次に聞こえたのは、

 

 

 

 

 

 

 

ズァアズウゥゥウウゥゥ!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

魔精の身体が、頭から真っ二つにされた音だった。

 

みょんさんがあと少しのところまで迫った瞬間の出来事だった。

 




如何でしたか?

突然の乱入者です。が、リリーブラック……改め、ケイオスブラックを
攻撃したところから味方だと思うのですが、或いは……

次回でマリス達との戦いも終わり、此の章は終結します。

其では、次回もゆっくりしていってね♪

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