道を外した陰陽師   作:biwanosin

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三日は続きました。
三日坊主にならないようにしたいなぁ。

では、本編へどうぞ!


第三十七話

「で、コウコウ?カズ君を退室させてまでしたい話って何なの?」

 

 コウコウは今、わざわざ式神まで使ってカズ君がここでの話が聞こえないところまでいったことを確認してた。

 そこまで聞かれたらまずい話なのかな?

 

「さて、では話をはじめさせて頂きます。・・・と言いましても、ちょっとした確認なのですが」

 

 わざわざそう一拍置いて言う事なのかな?

 

「この種目に出ていただきたいのですが、どうでしょう?」

 

 そう言いながらかばんから出した書類の種目名は・・・『呪戦』。内容は確か、何でもあり、一対一のガチンコだったかな?ベストエイト辺りからは結構激しい、見ごたえのある試合になるらしい。見たことないけど。

 

「どうでしょう、と言われてもですね・・・私たちが出ると言えば出さないことはないでしょうし、何で出てほしいのかを言っていただけないと判断できないのですが」

 

 と、何だったかを思い出していたらリンリンが聞いてくれていた。

 うんうん、それが分からないと判断できないよね。

 

「そうですね。賭博がしやすいなど、少々黒い理由もいくつかあるのですが・・・」

「それ・・・やってていいんですか?」

「大丈夫ですよ、匂宮さん。実際のお金をかけるのではなく、配布されたポイントをかける形・・・という建前になっていますから」

 

 なんかさらっと建前とか聞こえたけど、聞こえなかったことにした方がいいのかな?

 

「まあ本音としては、ここで席組みの人たちがぶつかってくれると楽しいなぁ、と言うのと・・・ちょっと皆さんにも面白みを増やそうかと思いまして」

「面白みを増やす?つまり、私たちに本気でやるだけの理由を与えると?」

「そうなりますね。星御門さんにはちょっと物足りないかもしれませんけど」

 

 リンリンには物足りない・・・つまり、私やみゃんみゃん、もんめんにとっては十分ってこと?私達三人に共通する要素ってあったかな・・・?

 

「では、内容を発表させていただきますね。寺西さんとの一日デート権でいかがでしょう?」

「「「乗った」」」

 

 異口同音だった。いつもはオドオドしているみゃんみゃんの即答にはちょっと驚いた。

 でもうん、仕方ないよね。もんめんはまだ自覚してないみたいだけど。首をかしげてるし。

 

「では、星御門さんはどうですか?」

「ふむ・・・荷物持ちが一人手軽に手に入る、と言うのはいいな。ええ、それでいいですよ」

 

 リンリンが乗ってこないんじゃないかと少し不安だったけど、よかったよかった!

 

 

 

  ========

 

 

 

 ついつい本を三百冊ほど選んでしまったが、まあ深くは気にしないことにする。

 うん、大丈夫。ラノベ、マンが、小説の娯楽関係だけじゃなくて陰陽師、妖怪関係もそこそこ選んだし。俺はかなりの知識量があると自負してるけど、まあ今回の件について頑張るならどれだけ知識量があっても足りないだろう、と言う事で結構選んだ。一番重点的に選んだのは妖力と呪力、魔力(人間)、魔力(魔物)の違いについて調べるために、その類の物を。まあ、呪力と魔力(人間)は基本的に同じものなんだけど、念のために。

 

 今回決められた縛りは、出場種目一種目のみ、と言うだけ。なら、自由にできる範囲で自由にしなければ。

 

「さて、と・・・さすがに目立ってるよなぁ・・・」

 

 まあ、これだけの本を一人で運んでたら仕方のないことではある。ここの本屋ではカゴのほかに台車を借りることができるので一度にたくさんの本を買う人が多いんだが・・・さすがに、ここまで買うやつはいないだろうし。

 

「さて、あとは・・・そうだ、混じり血の関係も探さないと・・・」

 

 一番のイレギュラー要素を忘れてた。これについては俺も知識が不足してるし、買わないと辛いどころじゃない。そう言うわけで、その辺の本のコーナーに向かうと・・・

 

「・・・あれ?二人とも、何やってるの?」

「・・・こっちとしては、一輝が何をしているのかと聞きたいんだが」

「何なのよ、その本の量は・・・」

 

 二人に俺のおしている台車×2を見て軽くひかれた。解せぬ・・・

 

「ここ一年くらい、なんだかんだで忙しかったから・・・そろえてる本とか結構たまってたんだよ。それに加えてアニメを見て買いたいと思ってたやつに、好きな作家の新作に、今回零厘を優勝させるための資料でこうなった」

「あぁ、なるほど・・・それでこのコーナーに来たのね」

「そう言うこと。ラッちゃんから見ても細かく書いてある本ってある?」

「ラッちゃん言うな。そうね・・・」

 

 そんなことを言いながらも、ラッちゃんは本を探してくれる。こういうのの細かさや正確さは本人に聞くのが一番だろう。そんなことを考えながら、隣でなにか珍しい物でも見たように驚いている雪姫に視線を向ける。

 

「どうかしたか、雪姫?」

「いや・・・あれだけ面倒そうにしていたのに、そこまでするんだな、と」

「・・・?だって、どうせやるなら勝たないといい気はしないし」

「凄く納得した。そう言えば、一輝だったな」

 

 そう、俺だ。負けるなんて認められるものか。さらに言うなら、普通に勝ってもつまらない。常識とかいうくだらない物を全部ひっくり返して、最高の形で零厘の優勝を掴まないと。呪術とかの権威も見に来るらしいし、そいつらの定説を全てひっくり返して恥かかせてやる。

 

「とりあえず、人間と妖怪の混じり血だったらこれね。他のは分からないけど」

「ありがとう。となると、他のは・・・テキトーに選ぶか」

 

 分からないのを悩んでもあれなので、しっかり書かれていそうなものを数冊選んで台車に乗せる。どうせ学校で相談が来たりしたら必要になるんだし、多めに買っておいても損にはならないだろう。

 

「これで・・・よし、と。レジ行ってくる」

「あ、カズってそのまま帰る予定?それとも、まだ何か用事がある?」

「いや、そのまま帰る予定だけど?」

 

 他に回っておきたかったところは、もう行ったし。後は帰って情報をまとめ、色々といたずらの準備をするだけ。ふっふっふ、当日が楽しみだ。

 

「なんか、嫌な予感がする顔をしてるわね・・・なら、三人で帰りましょ。私たちの用事はもう終わってるし。雪姫ちゃんもそれでいい?」

 

 雪姫が頷いたのを見て、俺はそのままレジに向かった。

 

「すいません、会計お願いします」

「はい、少々おま・・・」

 

 その店員が振り向いて絶句したのを見て少し面白がりながら、台車からレジカウンターに本を移していく。

 見たところ、アルバイトみたいだけど・・・あ、奥から店員がもう三人来た。これなら、カバーまで頼んでも大丈夫かな。

 

「文庫本はカバーもお願いします。支払いはライセンスで」

 

 最後にそう言ってから、緑色のカード・・・第十五位のライセンスを、そこに置いた。

 現金への変更をしていなければ、退治した妖怪やこなした依頼の分の報酬が入ったクレジットカードとして、世界中のどこの店でも使える。このシステムに関しては陰陽師をやっていてよかったと心から思える便利な点の一つだ。

 そして、このカードの登録は『型破り』の方とリンクしているので、席組みの報酬や白澤の報酬分が入っている。今回の買い物、ほとんど減らないで済むんだろうなぁ・・・一部、経費で落とせそうだし。

 

 かなり時間がかかった会計が終わってから全部しまい、店を出る。

 さて、どれだけ面白い物を作れるだろうか・・・楽しみだ。

 




こんな感じになりました。
文字数減り始めたかな?それについては勘弁してください。

では、感想、意見、誤字脱字待ってます。

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