道を外した陰陽師   作:biwanosin

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短いです、今回。


では、本編へどうぞ!


第二十七話

 クラスで担任からの話や明日からのことについての話が終わると同時に、俺は窓から飛びだした。

 そのまま屋上まで跳びあがり、校庭全体を見渡せるようにする。

 ここなら、どれだけ集まったのかを見るのは簡単だし。

 

 そして、十数分がしてある程度集まったので、学校の放送を利用して全体に連絡をかける。

 

『あ、あー。テステスマイクテス。お集まりの皆さん、ルールを説明するから少し黙りやがれ』

 

 言った瞬間、すぐ隣にいる雪姫にハリセンでたたかれた。

 いい音なったなー。そして、雪姫もこの立場に慣れてきたみたいだ。

 ちなみに、殺女はその隣で今にも大笑いしそうになっている。

 

『じゃあ改めて、ルールの説明だ。ルールはいたって単純。まずお前らの勝利条件だが、俺にまともな攻撃を一発入れればいい。俺にガードされたり、大したダメージもないようじゃダメだぞ。上級の妖怪くらいは消し飛ばせるくらいじゃないと、』

 

 再び、ハリセンでたたかれた。

 そして、少しばかりの口論。

 

『ちょ、なんですかスタッフの雪姫さん。え?さすがにそれは無理だ?いやいや、この間俺と殺女で呪力戦をやった時それ以下の攻撃とかしてないし・・・え?一輝や殺女を計る対象にするな?ひどいなー、まるで人間やめてるみたいに・・・』

 

 再び、ハリセンでたたかれた。

 

『あー、はい。分かりました。ではこうしましょう。せめて下級くらいは消し飛ばせる、で。これなら問題ないでしょう?・・・はい、雪姫さんのOKもいただけたので、これで行きたいと思います。勝つためには、下級の妖怪を消し飛ばせるだけの攻撃を俺にぶつけるよーに』

 

 うーん、上級でもかなり譲歩してるんだけどなぁ・・・本音としては、妖怪の中でも最高クラス、最上級を消し飛ばせるくらいにしたいんだし。

 さすがに霊獣はあれだと思うから、考えもしなかったんだけど。

 

『で、次に俺の勝利条件だ。それは・・・全員の無力化』

 

 ざわめきが走ったが、気にせず話を続ける。

 

『単純でいいだろ?一人残らず、審判が戦闘不能だと判断するまでに出来れば俺の勝ちだ。ただし、殺すような技は使わないし、基礎的な術しか使わないから安心しろ』

 

 オリジナルの術とか異常能力とかは使わない。

 まあ、少しはハンデとして成り立つだろ。

 

『あ、そうそう。無力化したかどうか、俺が攻撃を受けたかどうかの判定をするのは殺女だ。こいつなら安心できるだろ?』

 

 俺がやるわけにもいかないので、名前が超売れている殺女に任せることにした。

 こいつの判定なら、全員納得するだろう。

 

『とまあ、基本的なルールはこれで終わりだ。ここからは、注意事項になるぞ』

 

 ルールはあれでいいんだが、他のところでいくつか言っておかないといけない部分がある。

 いくつか、本当に気をつけない部分はある。

 

『まず、俺に攻撃する分には何を使ってもいいが他の参加者を極力巻き込むなよ。審判が意図的に巻き込んだと認定した場合、キッツーい罰が待ってるからな。生まれてきたことを千回後悔させてやる』

 

 少し殺気を込めなだらそう言ったら、ハリセンではたかれた。

 やりすぎたかな?

 

『まあ、そんなことはしないと思うけどな。何せ、そんなことをしたら・・・』

 

 最後は濁してから、次に進む。

 

『次に、戦闘不能と判断されたやつはこっちに運び出されるから、運び出されてるやつの方へは何もしないように。運び出す役目は知り合いに頼んであるから、そろそろ来ると思うんだが・・・』

 

 と、そのタイミングで校門から豹の式神に乗ってかけてくる人影があった。

 お、付いたか。

 

『ついたみたいだから、まあ間違いなく知ってるだろうけど自己紹介してもらおう。では、お名前とその他いくつかどうぞ』

 

 そう言ってから、壁を駆けあがり、すぐ近くまできたそいつにマイクを渡す。

 

『あ、えっと・・・私立憑人学院の、二年生・・・席組み第六席、『化け猫交じり』の、匂宮美羽・・・です』

 

 その瞬間、全体のざわめきが・・・と言うより、もはや歓声と言った方が近いかもしれない。

 仕方ないのかもしれないけど。今目の前に、席組みが二人も揃ってるんだから。

 

『と、いうわけで。戦闘不能になった人は美羽がばんばん猫操りで運び出すから、その状態になったら大人しく運ばれるように。他の人も、そうなったやつに攻撃するとかいうわけのわからんことはしないよーに』

 

 さて、これで全部必要なことは揃ったな。

 審判と運び出し役。この場での安全を確保できた以上、これ以上グダグダと話すことはもうないな。

 

 俺はマイクを横にいた雪姫に渡して、一気に屋上から飛び降りる。

 そのまま大量の生徒の中心に降り立って、声を張り上げる。

 

「さあ、ゲームスタートだ!」

 

 そして、その瞬間に九割の参加者が戦闘不能になった。

 




はい、戦闘開始です。


では、感想、意見、誤字脱字待ってます。

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