魔法少女LyrischSternA’s   作:青色

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30話 (Finsternis)

 『防御プログラムの暴走臨界点まで残り5分を切ったよ!』

 

 あと5分ですか。

 

 話し合った作戦は単純明快なものでした。

 

 防御プログラムが暴走を開始しましたら作戦を開始します。

 ハヤテの情報から防御プログラムのバリアは4層式との事なので、それをまずは破壊します。

 その後に一斉砲撃で防御プログラムの生体部分を破壊してコアを露出させます。

 露出した防御プログラムのコアをシャマルが捕らえ、シャマルと師匠とアルフがアースラの前にコアを転送します。

 アースラのアルカンシェルでコアを破壊して終結です。

 

 単純明快な個人の能力に頼っただけの大火力によるゴリ押し戦法。実に私好みな作戦です。偉大な人が言っていました。火力こそが正義だと。私は大艦巨砲原理主義過激派なのです。

 そもそも、この対防御プログラム戦を重要視していません。なぜならば破壊されることはわかっていますから。

 

「シュテルはさすがやな。よう落ち着いとる」

 

 ハヤテがこちらに近寄ってくる。初めての戦闘前というのに落ち着いているように見えます。ですが、ハヤテは隠すのが上手いですから、表面を見てもあまり当てにならない。

 

「まあ、そうですね。みなさんの力量は把握しています。これだけの戦力が整っているのですから、私達の勝利は約束されたようなものでしょう」

「そうなん? シュテルがそう言うなら私も安心やな。リインフォースも大丈夫やって言うとるよ」

 

 ええ、大丈夫です。膨大な魔力を持っていても所詮は自我の無いプログラム。しかもその場から動かないので砲撃は打ち放題になるでしょう。さらに私が加わる事で火力も大幅に強化されていますから、正しく一方的な展開が予想されます。

 クロノ執務官を含めたアースラの作戦能力にも疑いはなく、万に一つの誤りもない。

 完全勝利は約束されています。

 

「シュテルには緊張感が足りないんじゃねえの?」

「ヴィータちゃん、それはきっと私達の緊張を和らげてくれてるのよ」

「緊張していては普段の実力を発揮できないからな」

「適度な緊張は必要だが、緊張しすぎるのは良くないだろう」

 

 集まってくる夜天の書の騎士達。

 

「こうやってみんなで集まるんは久しぶりやね。まさか一緒に戦う事になるとは思わんかったけど」

「そうですね」

 

 感慨深いものがあります。蒐集が始まる前は、いつも皆が一緒でした。そして、これが終わればまた、一緒に過ごせることでしょう。

 

『暴走開始まで後2分!』

 

 アースラからの通信で一気に緊張感が高まる。皆の顔が引き締まり、ナハトヴァール(防御プログラム)に視線を向ける。

 これから始まる。しかし、どこか私だけ緊張感に欠けている。

 

「あ、そうや。シャマル、なのはちゃんとフェイトちゃんの回復をお願いしてもええ?」

「はい。いいですよ」

「おい、あんた。私達はサポート班だろ。一緒にあのうざいバリケードを止めるよ」

「わかった」

「僕もだよ」

 

 シャマルがナノハとフェイトを回復し、他の方達は互いに役割を確認し合う。

 防御プログラム側から見ていた時は、たしか、暴走開始とともに畳み掛けられて何も出来ずに終わった気がします。そういえば、みなさんは何か名乗りを上げていたような……私も考えるべきでしょうか。王やレヴィ達が侮られる訳にはいかないでしょう。

 

「始まる」

 

 ナハトヴァールの周囲に黒い閃光が走る。周囲を囲っていた触手達がうねる。本体を隠していた漆黒の闇が溶けるように消えていく。

 硬そうな外骨格。硬い岩のような胴体。背中には二対の巨大な羽。大きな口には鋭い歯が剣のように並び、頭の上には女性を模したフィギュアヘッド。そのフィギュアヘッドが叫んでいる。

 

「状況開始!」

 

 クロノ執務官の声と同時にナハトヴァールが羽ばたいた。

 

 は?

 

「ちょっ!? 防御プログラムが空を飛んどるよ!」

「あんな大質量がどうやって空を飛ぶんだ!」

 

 飛び立った。防御プログラムが飛び立った。

 二対の大きな翼を羽ばたかせて。一対は黒い鳥の羽。もう一対は赤い大きな被膜の更に巨大な羽。それがバサバサと音を響かせている。

 

 おかしい。こんなはずでは。

 

「防御プログラムは蒐集した対象のデータを参照に体を作りますよね。多ければ多いほど発現率は高まりますし、だから、その……空飛ぶ魔獣をシグナム達が沢山蒐集したんじゃないでしょうか」

「それって、もしかしてシュテルちゃんも……」

「シグナム……」

「あんたら、少しは後のことも考えなよ……」

 

 いや、羽は以前もありましたよ? たぶんそれは私のせいじゃないですよ。

 

「シュテルのせいじゃね? 反射神経が鍛えられるとか言って羽つきの魔獣を落としてただろ」

「そういえば以前、誘導弾の訓練に最適です、と言いながら魔獣達を落としていたな」

「証言を拒否します」

 

 違います。私のせいではありません。

 

「なんだよ、あのでけえ羽は? ドラゴンくらいあるんじゃねえか?」

「それはシグナムです」

「おい。あの時はシュテルも居ただろ」

「君たちはもう少し緊張感を持ってくれ!」

 

 そうです。今は緊張感を持つべきときです。意外な行動に余裕が消し飛んでしまいました。

 

 ナハトヴァールは空を飛んでしまった。足元からは触手が多数伸びている。胴体から出ているのですね……。

 

「今はまず捕獲もしくは足止めを優先する。ここから移動されて街に向かわれたら厄介な事になる!」

 

 防御プログラムの機能にはあらゆる物質を飲み込みながら増殖すものがあります。水では駄目なようですが、街に行けば。たぶん、とんでもない巨体になるでしょう。

 

「わかった。やるよ、ユーノ! チェーンバインド!」

「うん。ストラグルバインド!」

 

 アルフの掛け声に師匠が答えた。2人で拘束魔法を使う。伸びた魔力の鎖と紐が触手部分に絡まる。胴体に伸びた方はバリアに阻まれて届かない。触手を拘束するとわずかに止まる。しかし、触手が引きちぎられた。

 まるでトカゲのしっぽ。タコの足です。

 

「危ない、来るよ!」

 

 ナハトヴァールの周囲に魔法陣が多数浮かぶ。瞬殺できなかったので反撃されるわけですか。

 

「任せろ! この盾の守護獣ザフィーラがいる限り、味方には傷ひとつ付けさせん!」

 

 それを見てザフィーラが前に出て魔法を発動させる。私達を守るように魔力の渦が展開された。

 攻撃はすぐに来ます。

 

「各自防御!」

 

 クロノ執務官の声で全員が防御態勢を取る。ナハトヴァールが放ったのは純粋な魔力の砲撃。漆黒の槍がザフィーラの青く渦巻く障壁に突き刺さる。

 しばしのせめぎ合い。ザフィーラの障壁が漆黒の槍を押し返した。

 

「鋼の軛!」

 

 攻撃が途絶えるとすかさず、ザフィーラが捕獲魔法を発動した。海面から白い棘が伸びて触手に突き刺さる。やはり本体まではバリアに阻まれて届かない。しかも、これもわずかに留めることが出来ても触手が千切れてしまう。

 痛みも感じないでしょうし自我もありませんから、再生できる限り再生を続けるでしょう。しかし、有効な手段にはなり得ない。

 

「こりゃ駄目だよユーノ。触手を捕まえても、すぐに引き千切られてきりがない」

「本体は防御壁が張られているから干渉は出来ないけど、触手の再生は止まっていないよ。とにかく今は捕まえ続けるしかない」

「厄介だな」

 

 師匠たちは千切れるつど、触手が再生される度に拘束魔法で捕らえ続ける。ですが、これを永遠に続けるわけにもいかないです。限界はすぐに訪れてしまう。その前に対処しなければ。

 

 結局、邪魔なバリアを破壊しなければなりません。

 

「落ち着いてください。やることは変わりません。まずは4枚のバリアを抜きましょう。サポート班はそのまま足止めを。ハヤテ。私とナハトヴァールの上から砲撃で足止めをしてください。クロノ執務官は氷結魔法の準備を。残りの方は私達がアレの足を止めたらバリアの破壊に専念を」

「わかった。作戦は君に任せた。僕はここで準備にはいる」

「こっちは長くは保たないから早めに仕掛けてくれると助かる」

「まったく、面倒くさい相手だね!」

「最後に私とハヤテに加えてナノハとフェイトで止めを刺します。では、確実に作戦を成功させましょう」

「おう!」

 

 飛び立つのを気にせず有無も言わさず畳み掛けたかったですね。今更言っても仕方がありませんが。

 

「じゃあ、私とシュテルは先に行くな」

「はやてちゃん、気をつけて」

「シュテル、リインフォース。主を頼む」

「わかりました。お任せください」

「はやてちゃん達が配置につくまで私達が牽制してるね。そのままだと相手は待ってくれなさそうだし」

「行こう、なのは。私達でアルフ達の負担を軽くしよう」

「私も手を貸そう。ヴィータは待機して何時でも攻撃できる準備を。シャマルは皆のバックアップを頼む」

 

 

 2人が返事をしたのを確認して移動を開始します。また攻撃されるのも厄介です。

 移動中にもナノハ達を確認、ナノハとフェイトにシグナムが加わって攻撃を仕掛けていますが、防御を抜くことが出来ていない。魔力の光が到達寸前で阻まれている。やはり、あのバリアは生半可な攻撃では貫けない。逆に攻撃を受けると防御を貫かれそうです。

 

 ナハトヴァールの上空までハヤテと上空に到着。ここからならば全体を俯瞰して見れます。状況は……悪くはありませんが、良くもありません。しかし、意外にも足止めには成功している。ナハトヴァールはその場に留まって攻撃を防ぎながら反撃している。反撃も単調なもの。全員上手く避けている。

 

「シュテル、ここらでええやろ?」

「ええ。十分です」

 

 ここがベストな砲撃ポイントです。

 

「じゃあやろか」

「はい」

「リインフォースも、いくよ」

 

 管制人格、リインフォースと共闘する事になる日が来るとは、以前では考えられないことでした。こうなると頼もしく感じます。

 見せて貰いましょう。夜天の書の管制融合機とその主の力を。

 

「みんな、今から私とシュテルで砲撃を開始します。着弾予想地点からちゃんと撤退してな」

『了解!』

 

 直ぐに返事が返ってくる。足元の光が散開するのが見えた。

 

「蒼天に集え白金の本。連なり撃ち抜け」

 

 ベルカ式の魔法陣が形成される。ハヤテの周囲に白いスフィアが複数生まれた。

 杖が振り下ろされる。

 

「クラウソラス!」

 

 スフィアから一斉砲撃。幾つもの魔力砲撃がナハトヴァールが突き刺さる。守ろうとした触手を鎧袖一触(がいしゅういっしょく)、蒸発させる。

 凄まじい威力。これがハヤテの砲撃魔法。砲撃でナハトヴァールが押し戻される。

 初めてにしては上出来です。リインフォースのサポートがあるからでしょうか。

 ですが、砲撃ならば私も負けられません。

 

 ルシフェリオンから金属の打撃音を響かせる。カートリッジを装填。魔力の充填を開始。

 音叉状のヘッドから紅色の円環の魔法円を展開。

 目標補正。砲撃軌道修正完了。

 ハヤテの砲撃が止まる。

 

「次の砲撃を開始します」

『ヴィータちゃん! シュテルちゃんの砲撃が終わったら攻撃開始よ!』

『任せとけ!』

 

 ハヤテに砲撃とは何たるかをお見せしましょう。

 砲撃します。

 

「撃ち抜け。ブラストファイアーー!!」

 

 魔法陣から放出した紅の炎がバリアにぶつかり弾ける。私の魔力がバリアを押し退けんとせめぎ合う。しかし、やはりこの程度ではバリアは抜けない。

 だが、さらにナハトヴァール防御プログラムを押し戻す。もはやその高度は海面をわずかに浮かぶ程度。

 さらに残った触手を薙ぎ払う。そして私の砲撃が止まる。ヴィータが足元にベルカ式魔法陣を浮かべた。

 

 作戦の第二段階開始です。

 

「まずはあたしだ! 一番手、鉄槌の騎士ヴィータ。やるぞアイゼン!」

Gigantform(ギガントフォーム)

 

 グラーフアイゼンが巨大なハンマーに変わる。ナハトヴァール並の大きさ。

 

「轟天爆砕! ギガントシュラーク!」

 

 巨大なハンマーが振り下ろされた。ナハトヴァールのバリアと接触。バリアの魔力が飛び散る。

 バリアブレイクの効果で一瞬で破壊された。

 しかし2枚めで止められる。それでも、叩きつけた勢いでナハトヴァールを海面に叩きつけた。

 

「二番手、高町なのは。行きます! レイジングハート!」

Load cartridge(ロードカートリッジ)

 

 次はナノハ。デバイスのヘッドを私と同じように音叉状に変える。

 先端から桜色の円環の魔法円が浮き出て展開される。

 

「エクセリオンバスターー!!」

Barrel shot(バレルショット)

 

 魔力の波が起き、再生した触手が薙ぎ払われる。砲撃の射線を確保した。その道はまさしく銃身。

 

「ブレイクシューート!」

 

 ナノハの砲撃。桜色の濁流がナハトヴァールに突き刺さる。

 バリアと一時のせめぎ合い。バリアが弾け飛ぶ。さらに3枚目まで突き進むがやはり止められる。

 ナノハの魔力が周囲に弾けナハトヴァールの触手を更に吹き飛ばす。

 

「次、フェイト・テスタロッサ。バルディッシュザンバー、行きます」

 

 フェイトの声が響く。すでにデバイスは大剣の形状に変わっている。

 

「はあっ!」

 

 ナノハのように魔力の刃が再生する触手を薙ぎ払う。

 

「撃ち抜け、雷神!」

 

 魔力が増大し、大剣がさらに巨大化。

 

Jet Zamber(ジェットザンバー)

 

 フェイトが大剣を振り上げ、振り下ろす。3枚目のバリアに斬りかかり、切り裂いた。

 まさしく剛剣。一瞬とバリアは保たない。

 だが、やはり4枚目で食い止められる。

 

「これで止めだ。(つるぎ)の騎士シグナム。レヴァンティン!」

Bogenform(ボーゲンフォルム)

 

 シグナムのアームドデバイス、レヴァンティンの形状が弓に変わる。引き絞られた魔力の(つる)に矢が継がれる。

 魔力が一気に膨れ上がる。

 

「翔けよ、隼!」

Sturmfalken(シュツルムファルケン)

 

 最大まで引き絞られた弦から矢が放たれる。当たった瞬間バリアが弾け飛ぶ。

 四枚目が破壊され本体にまで突き刺さった。ナハトヴァールから爆発音がして体の一部が吹き飛ばされる。

 

 これで、4枚全てのバリアが砕けた。あとは、倒すのみです!

 

「彼方より来たれ、やどりぎの枝」

 

 ハヤテが杖を振り上げる。左手に持った夜天の書がページを開く。 

 

「銀月の槍となりて、撃ち貫け」

 

 魔法陣が浮かび、魔法陣を中心にスフィアが6つ発生する。

 

「石化の槍、ミストルティン!」

 

 スフィアと魔法陣から7本の針が放たれた。ナハトヴァールは迎撃も出来ない。

 7本全てが突き刺さると突き刺さった場所から石化していった。やがて全身が石と化す。

 ですが……これでもナハトヴァールは止まらない。

 

「やはり、駄目ですか」

 

 ナハトヴァールは自ら体を破壊して再生を試みる。コアが無事な限りナハトヴァールの再生を止められない。

 

『シュテルちゃん、やっぱり並の攻撃じゃ通じないよ! ダメージを受けた側から再生されて回復されてる!』

「だが、攻撃は通ってる。シュテル、プランの変更は無しでいい」

 

 クロノ執務官の周囲が白く凍てついている。彼は今までずっと魔力を練っていました。開始からずっと。

 

「行くぞ、デュランダル」

 

 振りかぶる杖は今までのデバイスではないです。しかも、あれはカートリッジ式。

 重い擦過音。排気熱を放出するようにデバイスが動く。

 

「悠久なる凍土 凍てつく棺のうちにて 永遠の眠りを与えよ」

 

 円形の魔法陣が展開される。周囲の気温が下がったように感じると、海面がナハトヴァールに向けて凍っていった。 

 

「凍てつけ!」

Eternal Coffin(エターナルコフィン)

 

 ナハトヴァールを中心に凍結していく。胴体も触手も全て凍る。

 さすが、闇の書の永久凍結に使おうとしたデバイス。威力は絶大。

 ですが、コアが凍らない限り、活動を止めることはない。

 

 再び凍った体を破壊して再生を試み始める。ですが、これで詰みです。

 

「止めを刺します。ナノハ、フェイト、ハヤテ」

「うん! いくよ!」

Starlight Breaker(スターライトブレイカー)

 

 ナノハが杖をナハトヴァールに向けて突き出す。周囲の魔力をかき集め始める。

 収束魔法は私と魔力の奪い合いが発生しますが、周囲は高密度の魔力で満たされている。なにより、ナハトヴァールは魔力の塊ですから、動くだけで魔力が撒き散らされています。燃料には困らない。

 

「全力全開、スターライト―!」

 

 桜の色の魔法陣が展開され巨大な魔力が収束される。

 

「雷光一閃、プラズマザンバー!」

 

 金色の魔法陣が足元に浮かび、プラズマが走る。

 

「響け終焉の笛、ラグナロク!」

 

 最も巨大な白銀の魔法陣が展開され、魔力が充填される。

 

轟熱滅砕(ごうねつめっさい)たとえこの身が燃え尽きようと撃ち抜いてみせます」

 

 私も準備を終える。さよならです。ナハトヴァール。

 

「真・ルシフェリオン」

 

 逝ったら王とレヴィとユーリを出してください。

 

「ブレイカーー!」

 

 4人同時の極大砲撃魔法が周囲の闇を薙ぎ払った。凄まじいエネルギーが流れ、視界が光で満たされる。

 周囲一体を全て焼き払われ、轟音と爆風が全員に襲いかかる。

 凄まじいエネルギーの負荷。大気にプラズマが迸る。

 そこに残るものは何も無い。

 爆風が収まれば、そこには巨大な穴が海に穿たれた。

 

『本体コア露出。捕まえた!』

『長距離転送開始!!』

『目標、アースラ軌道上!』

 

 サポート班の頼もしい通信が聞こえます。

 

『転送!』

 

 ナハトヴァールのコアは捕まえられ、宇宙空間へと転送された。

 しばしの沈黙の時間。ここからでは見えない。

 やがて、勝利の通信がアースラから届く。みなの勝利の声を聞きながら、私は胸をなでおろしました。

 

 少々、手違いがありましたが、これで無事終わりです。

 第一話完と言ったところでしょうか。

 

 そして始まるのです。

 

 本編が。

 

 皆の祝福の声を聞きながら、私は次の物語に期待で胸を膨らませました。


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