口で息しすぎて喉がやられました。
なのはのルシフェリオンブレイカーが封印された蛇の塊を焼き尽くす。氷の塊は消えるかのように溶けていく。それだけではない、その内に封じ込められた蛇の塊をも焼き消す。
その光景に誰もが見とれていた。太陽が落ちてきたかのような錯覚を抱かせるその魔法は防衛プログラムを焼き尽くすだけに留まらず、アンチマギリンクフィールドで覆われているはずのアースラの内部にまで影響を及ぼした。床を溶かし、その下からアンチマギリンクフィールドを展開していたガジェットも焼滅する。
何時の間にか展開されていたユーノの封時結界も破壊し、あわやアースラの船底を貫こうとしたところで、万が一に備えていたリンディのディストーションシールドで事なきを得ることができた。アースラから魔力のバックアップを受けていたにも関わらず、リンディは立つことが出来ないほど激しく消耗していた。次元震をも軽減させるリンディのディストーションシールド。以前PT事件で使った時でも、これほどまでに消耗しなかった。それだけなのはのルシフェリオンブレイカーが強力だったのだ。あまりの威力にその場に居合わせた全員が戦慄した。
▼
温かい。とても気持ちがいい。ここは天国なのだろうか?僕は死んでしまったのか。でもこんなに居心地がいいなら死ぬのも悪くない。そう言えば僕はTSしたはやてになったんだった。ということは一度死んだのではないだろうか?その時はこんなに気持ち良くなかった……覚えてないけど、きっとそう。僕はこの心地良さに身を委ねる。ああ……まるで母の胎内に還ったかのようだ。
「…………!」
何か聞こえる。知っている音だ。
「…………じ!」
これは知っている声だ。
「め……さ…して…………るじ!」
僕の好きな声だ。でも今とても気持ちがいいんだ寝かせてよ。
「目を覚まして下さい、主!」
リインフォースの声で目が覚めた。ここは何処だ?周りが真っ暗でわからない。だけどここは温かくとても安心できる場所だと確信出来る。リインフォースに現状の説明を求めるとここはリインフォースの中らしい(意味深)
防衛プログラムの暴走に飲み込まれた時、封印魔法により僕達は凍結された。外を覆う防衛プログラムが凍結して、機能を停止した一瞬の隙にリインフォースは格納領域へ僕を匿った。しかしそのまま封印されてしまうとリインフォースも機能を停止し、中にいる僕の生命維持が不可能となり死んでしまう。収集した魔力を保有した防衛プログラムが停止したため、使える魔力はリインフォースの保有する分と僕の保有する分だけだった。いくら僕達が膨大な魔力を有しているとはいえ、闇の書用の封印魔法を防ぐことは出来ない。何せプログラムごと凍結するのだ。そこでリインフォースは防ぐことを諦めた。
諦めたらそこで試合終了……とはならなかった。リインフォースは逆に考えた。封印されちゃってもいいと考えたのだ。何を言ってるのか僕にも分からない。けど超スピードとか催眠術だとかそんなチャチなものじゃ断じてない。最も頼もしいものの片鱗を味わったよ。
で、何をしたのかと聞くと封印されたそばから解いていったのだ。は?と思ったよ。防御出来ないのなら解除すればいい。千日手を続けるという、とんでもない手段にでた。そんなことをしていては魔力が持つはずがない。事実、リインフォースと僕の魔力はあっという間に底をついた。
では、何故今も生きているのか?それは僕が持っていたロストロギア・ジュエルシードのお陰だ。リインフォースはジュエルシードに内包された潤沢な魔力に目をつけ、そこから魔力を引っ張ってきて使用したのだ。普通ならそんなことは出来ないだろうけど、スカえもんが何か手を加えていたんだと思う……多分。まさか自決するために持っていたジュエルシードに命を救われるとは思わなかった。なんという皮肉。でも助かったから結果おーらいだよね。
だが代わりに犠牲となったものもある。守護騎士たちだ。封印を解除するスピードは封印する速さより遅かった。封印解除のリソースを少しでも得るため、守護騎士システムの維持を放棄したのだ。リンカーコアを還元出来なかったので、残っていた魔力は回収出来なかったがそのおかげで封印が進む速度は限りなく遅くなった。
しかしそれでも徐々に封印に押されていき、格納領域も危うくなって来た。そこでリインフォースは融合事故気味に僕を取り込んだ、子宮に。
「え? リイン、今なんて?」
「窮屈かと思いますが、主のおられる場所は私の
うわぁ…リインフォースの中…すごくあったかいナリ…
「あ、動いた……」
リインフォースは優しい声で嬉しそうに言った。でもこれどうやって出ればいいのかな?と疑問に思っているとユニゾンアウトするだけで出産出来ると言われた、出産て……。説明もそこで打ち切り、僕が囚われている氷の外で高魔力反応が発生。それで慌てて僕を起こしたらしい。
「……アルカンシェルかもしれません」
アルカンシェルとは空間歪曲と反応消滅で対象を殲滅する魔導砲だ。その範囲は着弾点を中心に100kmを超える。そんなものを撃たれては闇の書といえど対抗する術はない。
「そっか……」
「申し訳ありません」
「何でリインが謝るんだよ」
「防衛プログラムの暴走は無限再生機能が原因だと気付いていれば……」
「それをいったら防衛プログラムを修正しようって言い出した僕が気付くべきだよ。ごめんね、リイン」
見えないけど多分リインフォースは泣いてるんだろうなぁ。防御は出来ないのか一応聞いたけど、今は封印を抑えるので精一杯らしい。僕の生命維持を最優先に、後は全て封印解除へリソースを割り振ってる。
「お眠り下さい。主が痛みに苦しむ必要はありません」
寝てる間に逝くってやつだね。一番楽な死に方だ。でもねリイン、僕の目的は闇の書の宿命にケリをつけることじゃないんだ。僕は闇の書に今も囚われている人たちを解放してあげたいんだよ。勿論、過去の被害者、遺族全てをどうにか出来るなんて思ってないし、出来っこない。自分の程は弁えてるからね。でも近くにいる人くらいはどうにかしてあげたい。リーゼ姉妹、グレアムおじさん、そしてリインフォース、君だ。
「リイン、僕はね諦めたくないんだ」
この世界には不屈の
「だから最期まで付き合ってもらうよ、リインいいね?」
「……はいっ!」
アルカンシェルにより防衛プログラムが消滅した瞬間を狙って、管理者権限を取り戻し転移。転移出来なくてもシールドやバリアを張るくらいはしたい……意味ないかもしれないけど。転移出来ればそれと同時に無限再生機能の保持するデータを修正、それで解決。転移出来なかったら防御出来てる間に転移、その後修正。防御出来なかったら人生オワタだ。
「魔力反応増大停止、間も無く来ます…3…2…1…今です!」
「管理者権限発動!」
防衛プログラムと封印魔法が消滅した瞬間、僕は主導権を取り戻した。そしてリインフォースの視覚を通して見えたものは、アルカンシェルによる空間歪曲などではなく、視界を埋め尽くす焔だった。
「転移間に合いません!」
「防御だ!」
『Panzergeist』
『Panzerhindernis』
『Panzerschild』
『Panzerschild』
『Panzerschild』
『Panzerschild』
『Panzerschild』
フィールド、バリア、シールド魔法を展開。特に焔の向かってくる方向にシールドを重ねて展開。しかしそれはガラスが割れるような音と共に割れていく。焔は瞬く間に全方位型防御魔法パンツァーヒンダネスに到達。これもすぐにヒビだらけとなった。正直、この時点で防ぎきれないとやばい。一番初めに使ったパンツァーガイストはフィールドタイプの防御魔法で、魔力を消費すればするほど防御力が上がる。つまり大威力の魔法を防ぐには、それ相応の魔力が必要なのだ。防衛プログラムを封印ごと吹き飛ばすような魔法を防げるかと聞かれれば、無理ですと即答できる。
「リイン! 転移は⁉︎」
「結界が張られています! 出来ません」
「何⁉︎」
よく考えたら当たり前だ。転生機能で転移されないようにしておかないと、また同じことの繰り返しになる。パンツァーヒンダネスは今にも砕けそうだ。
「ジュエルシードを使えーーー!」
いつもの僕にあるまじき言葉遣い。それだけ焦ってます、許してね。リインフォースがジュエルシードを握り締めて魔力を吸い取り、パンツァーヒンダネスにつぎ込むとバリアは白く輝き周りの景色が見えなくなった。
バリアを揺らす衝撃と熱が徐々に小さくなり最終的に揺れは無くなった。
「……魔力反応消失」
「防げた……?」
「はい」
「はぁ〜〜〜」
僕は深くため息を吐いた。アルカンシェルかと思ったら火が迫ってましたとかどういうことさ?
「リイン、外の様子は?」
「バリアを解除します」
パンツァーヒンダネスを解除、パンツァーガイストは解除しない。何があるかわからないからね。バリアが割れたけど、見覚えのないところだここはどこ?時空航行艦?へぇ〜ここがそうか、凄いな。
「管制人格が……妊娠してるですって⁉︎」
声の聞こえた方を見ると緑色の髪をした美人さんがいた。額の特徴的な模様からリンディさんで間違いなさそう(確信)子供を一人産んだとは思えないほど若い、それにおっぱいも大きい!おしりも大きい!きっとあそこには母性がいっぱい詰まってるはずだ。触りたい!
「こんなこと今までなかったよ」
「こういうのっておめでたって言うんだよね?」
あ、リーゼ姉妹もいる。今、喋ったのはロッテの方だね。次に喋ったのはフェイトちゃん、それって今言うこと?あとデバイスは妊娠しません。周りを見るとはじめのリンディさんとリーゼ姉妹、アルフに取り押さえられているクロノにユーノくん。そして一瞬誰かと見間違えたけど我らが主人公のなのはさんが、何故かシュテルカラーでいらっしゃる。
『申し訳ありません』
ん?どうしたのかなリインフォース。
『無限再生機能が防衛プログラム側に持って行かれました』
え、それじゃ修正できないじゃないか。というか防衛プログラムは?
『あの攻撃で防衛プログラムは切り離されました。ですが一部がバリアの内側に残っていたらしく』
それは不味くないかな?また飲み込まれちゃうよ。もうああいうのは勘弁して欲しいね。
『この時空航行艦に取り付こうとしています』
ダニィ⁉︎それって僕達だけじゃなくて、この艦ごとオワタになるってことじゃないか!早く無限再生機能のデータを修正しなくちゃ!
『申し訳ありません』
え⁉︎どうしてまた謝るの?まさか、まさか。
『防衛プログラムに無限再生機能へのアクセス権限も移ってしまいました。修正は不可能、合わせて無限再生機能を失ったことにより修復不可能な損害を受けた場合消滅します』
それってつまり……
『管制人格である私と守護騎士達も死ぬようになるということです』
マジかよ⁉︎リインフォース死んじゃヤダー!
『ですがご安心ください、我々は主を残して死にません。それに悪いことばかりではありません。防衛プログラムに無限再生機能を持って行かれた代わりに、
一瞬何を言っているのか分からなかったよ。リインフォースが無限再生機能を失ったことで夜天の書に戻った⁉︎そういえば転生機能は?
『こちらにはあるようですが、最早機能することはないでしょう。しかし向こうにもあった場合、アルカンシェルで消滅させてもいずれ何処かで復活するかもしれません。何分このようなことは初めてですので、全て憶測になります』
そっか、取り敢えずは防衛プログラムをどうにかすればいいんだね。それじゃ外に出なくちゃ。
『ユニゾンアウト』
僕はリインフォースと融合解除すると横抱きになる様にした。いわゆるお姫様抱っこというやつですね。満を持してとはいかないけれど僕だって男の子、カッコつけたい時もある。足は動かないから勿論浮いてだけどね。
「あ、主」
リインフォースは驚いてる。ちょっと顔が赤いかな?照れるリインも可愛いよ。あと大発見、抱っこしてるリインの太ももがすげぇ柔らかい。おっぱいばっかりに気がいってしまっていたから、これは思わぬ見つけ物。今度から全身余すところなく味わうことにしよう(意味深)
「はやてちゃん!」
「はやて!」
なのはさんとフェイトちゃんが僕を見てる!僕を見てるぞ!うわあああ……っていかんいかん、危うくルイズコピペが始まりそうになった。先ずは現状の説明だ。
「何か知らんけど、助かったよ! ありがとう!」
「はやてええぇぇぇ!」
おわっぷ、アギトが顔に引っ付いてきた。ちっこいくせに結構柔らかいな、今度ペロペロしてやろう(ただしユニゾンはしない)
「八神はやて、恥ずかしながら帰ってまいりました!」
なのはさん、フェイトちゃん、ユーノくんは嬉しそうな表情。対してクロノくん、リンディさん、リーゼ姉妹の表情はどう反応していいかわからないような感じだ。
「貴方が闇の書の主ね」
リンディさんが確認してきた。リンディさんがいるってことは、この艦は原作に出て来たアースラか。
「そうです」
私が変なおj……おっとネタをやってる場合じゃない。リンディさんとクロノくんの顔がキッてなってる。思わずアヘ顔に変えてやりたくなる。クロノくんのアヘ顔とか誰得だよ⁉︎
「さっきまでは、という言葉が付きますが」
リンディさんと……めんどくさいんで、ハラオウン親子が怪訝な顔になる。
「誰か知りませんが、炎の魔法で防衛プログラムを吹き飛ばしてくれたお陰で、闇の書は以前の夜天の書に戻ることが出来ました」
炎の魔法はなのはさんがアギトとユニゾンして撃ったらしい。これだけは言いたい、殺す気か⁉︎
「ふ〜ん、僕以外とユニゾンしたんだ……」
なのでちょっとイジメる。アギトは泣きそうな顔になりながら、慌てて言い訳を並べる。
「ち、違うんだ。ロードを助けるためにしかたなくやったんだ! 信じてくれよ」
「アギトちゃんもノリノリだったの」
おおっと、なのはさんは擁護どころか悪化させるようなこと言ってますよ。
「しかたなくなのに、ノリノリだったんだ。ふぅん」
「一回だよ! 一回しかしてないし、相性だって悪かったんだ!」
アギトは必死に魔法一発しか撃ってないとか適合率が悪かったとか言ってるけど、解釈によってはなのはとは一回しかヤってない、(体の)相性は悪かったとも考えられる(ゲス)マジ泣きしそうなんでそろそろやめておこう。
「ふふ、冗談だよアギト。僕のために頑張ってくれたんだね、ありがとう」
半泣きだったアギトはパァっと顔を輝かせて、わかってくれたと喜んだ。僕はリインフォースを下ろすとアギトを手で包んで優しく頬ずりした。ついでにちゅっちゅした。あーペロペロしてぇ。リインフォースがちょっと不機嫌になった。
「すまないが、イチャつくのは後にしてくれないか。説明がまだだ」
「KY」
「KYだね」
「そこは空気読もうよ」
皆にKY扱いされるクロノくん。黒髪の子可哀想。略してくろかわ!
「ごめんね、続けるよ。闇の書は元々夜天の書という名前でした(略」
「なるほどなの」
「そうだったんだ」
「待て君たち! 今のでわかったのか?」
「何を言ってるのクロノ?」
「今のでわからないなんておかしいにゃー」
またも弄られるクロノくん。くろかわ!僕はリインフォースに聞いたこと等を一通り説明した。
「というわけで、あそこでこの艦と融合しようとしている防衛プログラムを何とかしたいんで手伝って下さい」
オナシャス‼︎
「それならちょうどいい」
声のした方を皆が一斉に見ると、そこにはグレアムおじさんが。アースラがいるこの場所は次元航路で虚数空間の存在するポイントらしく、元々そこに封印した僕をポイする計画だったそうだ。原作とあんまり変わらないね。防衛プログラムはそこにポイしようか。
「話は聞かせて貰ったよ、君の命を使って終わらせようとしたのは私だ。私達時空管理局の者を許せとまで言わない、私のことは好きにしていい。どうか他の者たちには手を出さないでくれないか」
なんかグレアムおじさんが急に謝ってきた。と言っても原作を知る身としてはグレアムおじさんを恨んでどうのこうのとはしないし、するつもりはない。罪悪感で悪者になったような気になってるね。悲劇のヒーロー気取りは流石の僕もイラっとするよ。でも許す(そのお陰でリーゼ姉妹とにゃんにゃんできたから)
「グレアムおじさん、リーゼお姉ちゃん……今まで僕の為に苦しんでたんでしょ? 知ってるよ。リーゼお姉ちゃん達とは何年顔を合わせてると思ってるの。それくらい僕でも気付くよ、だからこれ以上背負い込むことはないんだよ。闇の書は無くなった、それでいいじゃない」
グレアムおじさんはうおおとか言いながら号泣してるし、リーゼ姉妹はすすり泣いてる。ほらクロノ、エンディングだぞ、泣けよ。
「防衛プログラムが再生しきる前に凍結。その後、予定通り虚数空間に封印する」
クロノくんはお堅いね。もっとおっぱいみたいに柔らかくなるといいよ。泣き崩れてるグレアムおじさんとリーゼ姉妹はそっとしておこうね。
「でもさっき言ってた複合式四層バリアをどうにかしないと」
「一人一層だとしても厳しいな。余力を残しておかないと、後で何か起きた場合どうしようもなくなる。僕、フェイト、なのは、そして君とで一層ずつ破壊。グレアム提督が封印、母さ……艦長はなのはのお陰で戦力外」
ユーノくんは攻撃に向いてないからね。
「にゃはは……」
「クロノ」
グレアムおじさんがクロノくんを呼んだ。なんとグレアムおじさんは万が一に備え、再び封印が出来るようこの数日間デュランダルに魔力を込め続けていた!そのお陰で今は魔力切れです、グレアムおじさんのバカー!リーゼ姉妹はガジェットとの戦闘でガス欠。スカえもんェ……
「私の魔力を込めたデュランダルとクロノの魔力を合わせれば、より強固な封印が出来る」
いや、それバリアがなかったらですよね。そういえば、肝心のあれやってないわ、あれ。
「バリアは僕が全て破壊するよ」
「君一人でか? 不可能だ」
ふふふ、クロノくん。一人なら確かに不可能だ。しかし僕は一人ではない頼もしい騎士たちがいるのだ。説明に必死で出すの忘れてたわけじゃないよ、ホントだよ。
「リイン、守護騎士システムは?」
「いけます」
「じゃあやろうか」
「主の意のままに」
『ユニゾンイン』
原作とは違って僕が先に変身だよ。以前説明した通り、僕の騎士甲冑は原作はやてちゃんのスカートをズボンに変えただけだよ、半ズボンだけどね。ショタ好き歓喜。シュベルトクロイツの十字についてるリングは殴る時、邪魔だから外しました。結局魔力刃だすから除ける必要なかったね、今度付け直そう。
「リンカーコア送還、守護騎士システム再起動……おいで、僕の騎士たち」
闇の書に無理矢理蒐集されたわけじゃないからね、ただ単に維持を放棄しただけだから再起動だよ。
僕から4つのリンカーコアが現れて光と共に僕の騎士たちが姿を見せた。
「我ら、夜天の主の下に集いし騎士」
「主ある限り、我らの魂尽きる事なし」
「この身に命ある限り、我らは御身の下にあり」
「我らが主、夜天の王、八神はやての名の下に」
この辺は何もしなくても原作通りに口上を述べてくれた。いや、これ以外言われても困るけど。召喚が終わると皆こっちを見てるし、守護騎士たちは泣いてるしどうしよう。
「はやてええええええぇぇぇぇーーーーー!!」
ヴィータが号泣しながら飛びついて来た。ぽふっと受け止めて、頭なでなで。何でそんなに泣くの? というかザフィーラお前もか!
「ごめん、ごめんなさい……守れなくって、ごめんなさい」
「申し訳ありません、主。我ら守護騎士は役目を全う出来ず、むざむざ主を死の危険に晒してしまいました」
「私たちがもっとしっかりしていれば……」
「おめおめと恥を晒すくらいならば、いっそ……」
何かすげー重い話になってるんだけど、どういうことなの?あ、そうか!守護騎士たちはリインフォースがシステムの維持を放棄したことを知らないんだ。だから僕が死んだと勘違いしたんだ。うわー、どう説明しよう。
『守護騎士たちよ、気に病むことはない。あの時、主の命を優先するために騎士たちを放棄したのは私だ。罰を受けるべきは私であり、騎士たちに罪はない』
リインフォースが説明してくれたけど、守護騎士たち相手にいや私が、いや我々がと責任の取り合いをしている。あー、ヴィータの泣き顔可愛いなぁ(現実逃避)
「あー、すまない。水を刺すようで悪いが、時間がない」
空気読んだクロノくん!いいぞもっとやれ!
「なんだ貴様! 管理局の者か! 主には指一本触れさせん!」
激おこになるシグナム。切り替え早いっすね。でも今はやめようね。
「シグナム、その人たちは敵じゃないよ。それに今は争ってる場合じゃない。防衛プログラムが暴走しようとしている。あれを止めるには皆の力が必要だ。頼りない主だけど、力を貸してくれないかな」
シグナム達はピシッと居住まいを正して返事してくれた。それでこそ僕の騎士。
「それにしても凄い格好なの……」
「そうかな? あれくらい普通だよ」
なのはさんとフェイトちゃんのヒソヒソ話にシャマルが気付いた。
「ヴィータちゃん、凄い格好よ」
「な、なんじゃこりゃあ!」
ヴィータは自分の格好を見て驚いてる。それもそうだ。以前デザインした騎士甲冑のオーフィスドレスは前を閉じられた。よく考えたら(考えなくても)B地区を絆創膏で隠すだけってのはなかったなと思った(今更)、反省反省。なのでデザイン変更だ。今回は某デモンベインのアナザー○ラッドさんのドレスを拝借しました。頭の帽子にはちゃんとのろうさ着けてるよ。よかったねヴィータ。
「はやてぇ! これパンツ丸見えじゃねぇか」
「ヴィータこれは見せパンと言って、見えてもいいパンツなんだ。パンツじゃないから恥ずかしくないよ! それに大人っぽくて似合ってるよ」
「そ、そうかな……はやてがそう言うなら」
チョロい(ゲス顔)!しかもパンツと言ってるのにパンツじゃないから恥ずかしくないは意味が分からない。でも容姿から子供扱いされるヴィータに大人という言葉は抵抗出来ない魔法の言葉だ。大人っぽいというだけでヴィータは納得する。
「シャマル、お前も変わってるぞ」
「ええ⁉︎」
シャマルはヴィクトリアメイド服をモチーフにしてある。ちょっとドジなところがあるシャマルにはドジっ子メイドになって、主である僕のお仕置きを受けてもらおうと思う(変態)
ついでにザフィーラも変えてある。シンプルにガントレットとグリーブを追加した。あと守護獣モードは大きさ変更できるように先に追加しておいた。後でアルフに仔犬モードを習うかどうかわからなかったからね。主な使用法は僕が成長しても乗れるようにサイズを大きくする為だけど。ガントレットとグリーブも僕が乗る鞍になるよ。残念ながらシグナムは変化なし。期待したドクシャ=サンごめんね。
あとヴィータの姿を見て普通と言ったフェイトちゃんのセンスに脱帽。真ソニックモードはよ。
「シグナム、ヴィータ、ザフィーラ、そして僕。一人一層だ。これで問題ないだろう執務官殿?」
「ああ、というか出せるなら始めから出してくれ」
「私たちは?」
「何かあった時のために待機しておいてくれ」
「了解なの」
守護騎士たちの為に一部を変更してもう一度説明するよ。防衛プログラムは物理と魔法の複合式バリアを四層張っている。これをバリア破壊系、貫通系の超威力魔法で破壊。勿論こんな魔法をバカスカ使ったらアースラが沈んじゃうから、ユーノくんとシャマルで結界を張るよ。変更点はここだね。そして無防備になった防衛プログラムを凍結。結界を解除、その後、虚数空間にポイグシャ(ありすちゃん)で終了。ほらね、簡単でしょ。
「よっしゃー! 一番手行くぜ! アイゼン!」
『Gigantform』
ヴィータは僕を守れなかった分かなり張り切っている。いや、ヴィータだけじゃない。守護騎士全員だ。
「轟天爆砕! ギガントシュラーク!」
ヴィータが巨大なハンマーを振り下ろすとパンツがお尻に食い込んでよく見える。A's第一話のヴィータちゃんを思い出して欲しい。んん、想像出来たかな?僕の言いたいこと分かるよね?素晴らしい威力だ。勿論、魔法の話だよ?
「アギト!」
「おう!」
『ユニゾンイン!』
シグナム一人でもいいような気がするけどまぁいいか。威力があるに越したことはない。
「レヴァンティン!」
『Bogenform』
「羽ばたけ、不死鳥!」
『Kaiser Phoenix』
続いてシグナム。だけど、あれ?これ違くね?何だよ、カイザーフェニックスって。メラゾーマか。ユニゾンしてるから変化したのかな。ところで弓って胸当てがないとおっぱいが大変なことになりますよね。アマゾネスは弓を使うのに邪魔だからっておっぱい取るらしいよ、怖いね。
「ておああああああああああ!」
ザフィーラ人型モード。なんとただのパンチでバリアを粉砕。やっぱり筋肉は最高だ!後でわかったことだけど、あのパンチには名前があったよ。滅牙って言うらしい。知らなかったよ。なんて言うか、かっけーと思う。いや、マジで。僕も使いたい。リインフォースにダメですって言われたけど。
そして真打登場!僕の出番だ!ビシッとキメるよ!
『来よ、夜の帳』
「夜天の祝福」
『今、ここに!』
「撃ち抜け、夜天の雷!」
結界破壊と言えば取り敢えずこれ。ラグナロクは後に取って置きたいしね。どちらにせよ、ページ減るけど。防衛プログラムことボエ子ちゃんがいっぱい魔力持って行ったのが悪いんだ。
さぁ次はクロノくんの出番だ。でかいのお願いしますよ。
「悠久なる凍土 凍てつく棺のうちにて 永遠の眠りを与えよ 凍てつけ!」
『Eternal Coffin』
流石クロノくんだ!僕たちに出来ないことを平然とやってのける!そこにシビれる、あこがれるぅ!防衛プログラムはカッチンこっちんだ。
「ふぅ……皆、お疲れ様。シャマル、結界を解除して」
「はい」
シャマルが結界を解除すると、ユーノくんもそれにならう。リンディさんがスタッフに指示を飛ばし、虚数空間への投下準備は瞬く間に整った。
「スタッフは貨物室から退避。魔導師のみなさんは万が一に備えて下さい。ハッチ開放!投下開始!」
リンディさんの命令でアースラが傾く。次元航路にも重力あったのか?それとも艦内だけ発生させてる?巨大な氷像と化した防衛プログラムは傾斜の角度に耐えきれず滑り落ちて行く。後はこのまま落ちて行くのを眺めるだけだ。その時、誰かが呟いた。
「やった!」
おい、ばかやめろ!それはフラグだ!誰かがフラグを立てたのが原因か、元々そうだったのか、防衛プログラムが完全には凍結しておらず触手を伸ばしてアースラにしがみついていた。嘘だろ?グレアムおじさんとクロノくんの魔力を合わせた封印魔法だぞ⁉︎
『……無限再生機能がある限り、完全な封印は不可能です。しかしこれは余りにも早すぎます』
リインフォースの言う通りだけど、復活が早いのは誰かがフラグを立てたからじゃないかな?まだまだ休めそうにはない。
僕達の戦いはこれからだ!
ご愛読ありがとうございました。