とある少年が、全女性ジムリーダーのおっぱいを揉むという夢を抱いたそうです 作:フロンサワー
アスナが難産すぎる。だったらリクエストにあったポケスペでも書いてみようかなー、と思ったらそれ以上に難産だった。もう絶対にポケスペは書きません。僕には荷が重過ぎます。だけど、ポケスペ屈指のヒロインのカガリさんを出せてよかったです。異論は認めない。
やって来ましたフエンタウン…… と言いたい所だけど、シダケタウンに着いてしまった。
多分、キンセツシティ辺りで道を間違えてしまったのだろう。7年も旅を続けている身で、まさかこんな初歩的なミスを犯すとは。
それにしても、暇だ。コンテスト会場はあるんだけど、女性ジムリーダーはいないんだよな。
まあ、来ちゃったものは仕方が無い。空気が美味しい良い町だから、休暇を過ごすにはうってつけだ。今日くらいはまったりと過ごそう。
そうだ、どうせならコンテスト会場に行こうかな。王子には可愛さ部門、アベサンには逞しさ部門も見せれば喜ぶだろうし。
さて、早速コンテスト会場に向かうとするか!
「と思ってたんだけど……」
カナシダトンネルで落石事故が発生した。偶然近くを通りかかっていた僕は、そのまま救助隊として駆り出された訳だ。
あまりに大きな事故だったので、僕以外の人は怪我人の手当てをしている。まだ要救助者が1名残っているけれど、僕以外の人が動けないのが現状だ。
「サッちゃん、お願い!」
『アイアイサー!!』
サッちゃんのサイコキネシスで手近にあった岩石をどかせる。くそっ! 要救助者の位置が分からないとキリがない!!
カナシダトンネルは暗くて危ない上、埃っぽくて息苦しい。癒しとは対極に位置する場所だ。
だけど、ここで諦める訳にはいかないんだよね。いくら僕でも、瓦礫に取り残された人を見捨てたりはしない。たとえ、それが大の男だとしてもだ。
……ん? 何故か、車が突っ込んでくる音が聞こえたような。僕は何気無く後ろを振り返った。
「のぉぉぉ!!!???」
本当に車が来てた。僕は咄嗟に右へと飛び込んだ。
いやいやいや、あと少しでも反応が遅かったら僕が病院送りになってたよ!? 何考えてんだ!!
急に停止したかと思うと、お姉さんが飛び出して来た。うん、お姉さんなら仕方がないよね。これで男だったらぶっ飛ばしてたよ。
「リュウジさん!!! リュウジさぁん!!!」
岩壁の前でそう叫んだ。もしかして、取り残された人の家族か?
『あの女、ライムさんになんて真似を……!!』
サッちゃんに目を向けると、明らかな怒気が全身から滲み出ていた。
「サッちゃん、抑えて! というかボールに戻って!!」
『却下です!!』
モンスターボールの光線を華麗に避け続けるサッちゃん。そこまで怒ってくれるのは嬉しいけど、あの人を酷い目には遭わせられない!
「かわいいね、サッちゃん♬」
『!!??』
サッちゃんの動きが固まった。
その隙をついてブチ切れ3秒前のサッちゃんをボールに戻した。ホント、間に合って良かった……!
さて、僕も急いでリュウジさんを助けないと…… って、もう救出されてんじゃん! しかも、さっきのお姉さんに抱きつかれてるし!! なんて羨ましいんだ!!
……って、嫉妬してる場合じゃないでしょ。
「あの、トンネルに取り残されていた人ですか!?」
「ああ、そうだが……。君は?」
「えっと…… 即席救助隊の一員みたいな感じですかね」
「そ、そうか。迷惑かけたな……」
ふぅ、やっと終わったよ。これでこのトンネルからも解放される。
それにしても、リュウジさんはどうやって助かったんだ? 彼の位置をピンポイントで特定するのは難しいだろ。
少し周りを見渡したら、視界の端に泥だらけになってるヌマクローを捉えた。ああ、成る程ね。ヌマクローの頭のヒレでリュウジさんの場所を探し当てたんだな。
ふむふむ、どうやら近くにいる白髪頭の少年がトレーナーらしいね。こういう機転が利くトレーナーって、十中八九かなりの実力者なんだよな。
「っ!」
目と目が合ったけど、白髪少年はあからさまに顔を背けた。
あまり詮索しないで欲しいのかな。まあ、僕も野郎に興味ないから別にいいけど。
さてと、僕はミニスカお姉さんの生足でも見てるとしますかね!
「!!??」
「どうかしましたか、マリさん?」
「い、いえ。背中に寒気が……」
それとなくリュウジさんの話を聞いて分かったけど、どうやら落盤事故は予想外だったようだ。
ゴニョニョを怯えさせない為、重機を使わず地道にトンネルを発掘していたらしい。だから、大きな衝撃なんて与えようがないんだ。
自然に発生した事故とは考えにくいよね。ホント、何で落盤事故なんて起きたん―――
「「「キャアアアアアア!!!!」」」
ゴニョニョ達が突然騒ぎだした。不快な耳鳴りが響く。あまりの大声量に僕は耳を塞いだ。
「ど、どうしたの!?」
「普段は囁き声のゴニョニョが大声をあげるのは…… 危険を察知したとき!!」
白髪頭の少年の手にはポケモン図鑑があった。初めて見たな、ポケモン図鑑。まあ、欲しいとは思わないけど。それにしても、察知した危険って何なんだ?
次の瞬間、耳をつんざく轟音が響いた。目の前の岩壁がガラガラと崩れたからだ。
「ケ(以下略)」
出てきたのは赤装束のおっさん達だった。これだけでもう話を聞く気すら失せる。
はあ、めんどくせ。アベサンに片っ端から掘ってもらおうかな。
「お前ら、ゴチャゴチャ喋ってんじゃないよ!!」
「―――!!!」
衝撃が走った。
キュウコンに乗った赤装束は女の子がいた。しかも、遠目でも分かるかなりの美少女だ。
普段の僕なら、偶然を装っておっぱいを触ろうと考えていただろう。だけど、相手が悪党なら? そう、揉み放題。警察なんて気にせず、心ゆくままに揉みまくれる。
やるしかない。これはきっと、神様が与えてくれた千載一遇のチャンスなんだ。ここで尻込みするようなら変態紳士の名折れだ。
モンスターボールに手を掛ける。しかし、赤装束の美少女は白髪頭を連れて飛び去ってしまった。オオスバメなんて小癪なポケモンを……!
「ホーカマ!!」
『ヒャッハァァァ!!! 今日は随分と愉快な祭りじゃねえか、兄貴ぃ!!!』
「赤装束のかわいこちゃんを追いかけて! 邪魔する奴は燃やしちゃえ!!」
『汚物は消毒だぁぁぁぁぁ!!』
ホーカマに掴まって赤装束の子を追いかける。待ってろよ、かわいこちゃんの美乳!!
★☆★☆★☆★
見えた、赤装束の女の子だ。
ホーカマをボールに戻し、膝と両手を使って衝撃を和らげながら着地する。
赤装束の子の視線が僕に突き刺さる。その目には明らかに苛立ちの感情が浮き出ていた。これはこれで快感かも……。
「とんだ邪魔者だね。あんた、何者だい?」
「僕は―――」
名乗ろうとした瞬間、半端ない音波が僕らを襲ってきた。
タイミング悪っ! 僕、凄く恥ずかしい奴じゃん!!
「あ、あなたは……」
「ん? 白髪少年じゃないか」
そういえば赤装束の子に連れていかれてたね。今気づいたよ。
激戦でも繰り広げていたのか、白髪少年と手持ちであろうポケモン達はボロボロになっていた。
「これは帽子です! いや、それより何でここに!?」
「んー? そこの赤装束の子に用があってね。だから、君はさっさと逃げちゃいなよ」
「……ッ! でも、この人は!!」
「ほら、ポケモン達もボロボロじゃん」
白髪少年は悩んだ表情を少し見せた後、手持ちのポケモン達をボールに戻してシダケタウンの方へと駆け出していった。
ふぅ、白髪少年が食い下がらなくて良かったよ。健全な男の子にはとても見せられるような光景じゃないと思うしね。
赤装束の子と向き合う。さてと、僕の戦いを始めるとしますか。
「あんた、あたしの邪魔をして無事で済むと思わない方がいいよ」
タレ目の美人、姉御肌な性格、スレンダーな体型、スカートのスリットからか覗かせる太もも……。
いいね、完璧だよ! これでこそ揉み甲斐があるってもんだ!!
「燃え尽きちまいな!」
キュウコンから放たれた九つの火炎弾が迫る。うわ、凄い威力。ジムリーダー顔負けだな。
モンスターボールに手を掛ける。炎タイプと言えばアイツを出すしかない。さあ、出番だぞ!!
「アベサン、ハイドロポンプ!」
『良い雄は…… いないか。残念だ』
アベサンは嘴を開き、大量の水を発射する。ホースから放たれたような大量の水は、九つの火炎弾を全て消火した。
「チッ! 炎の渦!!」
キュウコンの吐いた炎が僕とアベサンを取り囲んだ。
だけど、甘い! 僕はこの程度じゃ止まらないよ!! 炎が立ち昇ろうとする一瞬のタイムラグをついて、僕は赤装束の子へと駆け出した。
「なっ!!??」
赤装束の子が驚きの声をあげた。どうやら、完全に油断しきっていたようだ。
にしても、熱っ! だけど、まだ耐え切れないような熱さじゃない!!
赤装束の子まで駆け抜け、そのまま右手をおっぱいに向けて伸ばす。しかし、赤装束の子はその時点で大きく後ろに退いていた。目標を失った僕の右手は、虚しくも空を掴むのみだった。良い反射神経してやがる……!!
『相変わらず無茶をする漢だな、ライム。雄ポケモンだったら惚れていたぜ』
「いやちょっとやめてマジやめて」
呆れ顔のアベサンが僕の真ん前へと歩み出た。どうやら、炎の渦は消火し終わっていたらしい。
僕とアベサンは再び臨戦態勢に入る。1度目が失敗なら2度目、2度目も失敗なら3度目と、成功するまで何度でも立ち上がればいいだけだ。諦めない限り、夢は死ぬまで続いていくのだから。
「もう一度聞く! お前は何者だい!!」
赤装束の子がそう叫んだ。
何者、か。丁度良いタイミングだし、この辺で名乗っておくか。
「―――僕の名前はライム。年齢は17。出身はホウエン地方のミシロタウン。こんなんでも旅を続けて7年目でね、おかげで勝ち取ったジムバッジは7つだよ」
赤装束の子が不審な目を向ける。普通ならジムバッジの話なんてどうでもいい場面だ。そう、普通ならね。
「だけど、僕の目的は別にあってね。チャンピオンになりたいとか、最強のトレーナーになりたいとか、そんなに大層な夢じゃない。僕はただ、全女性ジムリーダーのおっぱいを揉みたいだけなんだ。というか、この際女の子なら誰でもいい」
「……………は?」
「つまりだ。君はジムリーダーじゃないけど犯罪者。だから、多少おっぱいを揉んでも警察のお世話にはならない。折角の機会だ、心ゆくまで揉ませてもらうよ。大丈夫、怖いのは最初だけさ。痛みなんて感じさせないよ」
手をワキワキさせながら一歩ずつ近づいていく。心なしか、赤装束の子の頬が赤くなってる気がした。いいね、そそるわ。
罪悪感は感じるけれど、相手は犯罪者だから別にいいよね!
(ヤバイ! こいつ、頭のネジが吹っ飛んでやがる!! 関わったら駄目な奴だった!!)
赤装束の子がオオスバメで何処かへと飛び去っていく。僕はアベサンをボールに戻し、彼女をダッシュで追いかけた。
「待てぇぇぇぇぇ!!!」
「こっち来るなぁぁぁぁ!!!」
★☆★☆★☆★
赤装束の子を追っては逃げられ、追っては逃げられを繰り返して、僕は女性ジムリーダーのおっぱいを揉む旅を続けた。
だけど、ある日を境にパッタリと会えなくなった。一応、収穫はある。旅の途中で見つけた他の赤装束(女)から、カナシダトンネルで遭遇した子の名前がカガリちゃんだと聞き出せた。話を聞いた後、赤装束の子はちゃんと解放してあげたよ。無論、おっぱいをじっくり揉んでからね。僕って超紳士!!
それからだろうか、ホウエン地方全土が異常気象に見舞われた。ヒマワキ側は日照り、カイナ側は大雨という未曾有の災害だ。この両極端な天気の境目が、ちょうどルネシティという町になっている。
そこに彼女が、カガリちゃんがいる、と僕の直感がそう囁いた。訳の分からないエネルギー波やら何やらを強引に突破してルネシティへと辿り着いた。
というか、やばい。カイオーガ、グラードン、レックウザの3匹が取っ組み合ってる。僕だけ場違い感が半端ないんですけど。
「うん、さっさとカガリちゃんを探そう! この辺にいると思うんだけど……」
ルネシティは廃墟同然だった。伝説級のポケモン3匹がぶつかり合っているから、当然といえば当然か。
それにしても、この瓦礫の山から探し出すとなると相当骨が折れ―――
「!!!」
カガリちゃんがドククラゲらしきポケモンの触手によって、崩壊しそうな遺跡に引き摺り込まれそうになってるのが見えた。
自分でも不思議に思っていた。どうしてジムリーダーでもないカガリちゃんを執拗に狙っているのかと。だけど、やっと分かった気がした。他の誰でもないこの僕が、カガリちゃんを救う役目を担うからだ!
やるしかない。僕はモンスターボールを宙に放った。
「王子、マジカルリーフ!!」
『囚われの姫君を救ってこい、ライム!!』
空中で華麗に舞う王子。両腕の花束をドククラゲの触手に向け、幾つもの刃のような葉っぱを放った。
葉っぱは容赦無くドククラゲの触手を切り刻む。そして、とうとうカガリちゃんの足に絡まっていた触手が千切れた。
その隙をついて、地面に倒れたカガリちゃんまで全力で駆けつける。触手の狙いが僕に変更したけど、構わず全速力を維持した。僕を叩き潰そうと触手が迫る。しかし、僕に届く一歩手前で王子のマジカルリーフが触手を切り裂いた。
流石は王子。普段はアレだけど、いざという場面は頼りになる雄だ。
カガリちゃんの傍まで駆けつけ、お姫様抱っこの要領で抱えた。驚いた表情を見せると思ったら、露骨に嫌そうな表情をしていた。ええ〜…… そんな顔をしなくても。
「やあ、カガリちゃん」
「あんた、どうしてアタシの名前を…… いや、それより何故ここにいる!!」
「君を助ける為、それだけさ」
そう、理由なんてそれだけだ。
カガリちゃんを優しく地面に降ろす。僕がいる限り、彼女には指一本たりとも触れさせはしない!!
★☆★☆★☆★
白髪少年とジムリーダーのセンリさんの活躍でカイオーガ、グラードン、レックウザは何処かへと飛び去って行った。
これで当面の危機は去った。しかし、結局は束の間の休息だった。一連の主犯格であるおっさん2人が僕らに襲いかかってきたからだ。まあ、こんなガリガリのおっさん2人に負ける気なんて更々ないけどね。フルメンバーでボコボコにしてやったよ。
チャンピオンのミクリさんも加勢に駆け付けたのもあって、あと一歩で諸悪の根源であるおっさん2人をぶっ潰せる筈だった。しかし、ジムリーダーのナギさんが人質に取られ、僕らは手出し出来なくなった。流石はおっさん、手段が姑息だ。
これで形成が逆転してしまった。ボール開閉スイッチは全て破壊され、ポケモンを繰り出す事すら叶わない。
ミクリさんは触手によって何度も岩場に叩きつけられ、とても再起できるような状態じゃない。かくいう僕も、絶賛触手に嬲られ中だ。
触手が僕の腕に絡み、そのまま僕は地面へと叩きつけられた。
やばい、視界が白黒にぼやけてきた。少しでも気を抜かせば意識が飛びそうだ。
「その薄汚い裏切り者を始末して最後とするか」
赤髪オールバックのおっさんがカガリちゃんに近づく。だから僕は―――
「行か、せないよ……」
「ッ!!? バカ、逃げろ……!!」
震える手足で立ち上がり、赤髪オールバックのおっさんの前に立ちはだかった。
こんな物騒なおっさんを可憐な美少女に近付けさせる訳にはいかないじゃないですか。
「ククク、黙って見てればいいものを。その愚行が貴様の最期となるのだぞ」
「そうかな? 女の子の為に命を張れるんだ。これ以上の死に様なんてないよ」
「なら死ね」
赤髪のオールバックが僕の脇腹に蹴りを叩き込む。体がくの字に曲がる。そのまま僕は吹き飛ば――― されずに、逆にオールバックの脚に腕を絡めて掴み取った。
驚愕の表情を浮かべた赤髪オールバックは、僕の腕を振り払って大きく退いた。
「何故だ……。何故、貴様は立っていられる! 何が貴様を奮い立たせる!!」
「……ハハ、お前なんかに教えてやらないよ」
単純さ。少し考えれば、誰だって分かる。僕をここまで奮い立たせているのは意地と見栄だけだよ。誰だって女の子の前ならカッコつけたいだろ?
いや、こんなにボロボロじゃあカッコつけるなんてありゃしないか。だけど、それでカガリちゃんを救えるのなら構いやしない。どんな無様だって晒してやる!
その後、応援に駆けつけたヒンバスがミロカロスに進化して形成は再び逆転。白髪少年と八重歯の女の子の活躍でおっさん2人を退けた。あのおっさん共は少年少女に任せるとしよう。
僕の役目はカガリちゃんとナギちゃん、ついでにミクリさんを病院に連れていく事だ。早速、鉛のように重い足を進めようとして―――
「……あ、あり?」
音もなく、当たり前と言わんばかりに、僕の体はゆっくりと地面に沈んでいった。
カガリちゃんを連れて逃げる。僕がすべきはそれだけなのに、手足は少しも動かなかった。
カガリちゃんが僕の上半身を抱え起こす。やれやれ、助けに来た僕がカガリちゃんよりも重傷なんて情けない。しかも、こんなに悲しそうな顔までさせて……。
「あんたは…… 大馬鹿だ!! 本当に大馬鹿だ!!」
「……カガリちゃん、最後に1つだけお願いがあるんだ」
「ッ……! これ以上喋るな!」
彼女の涙が僕の頬に落ちる。
最後の力を振り絞り、僕は―――
「えいっ」ムニュリ
「は?」
脇に右手を伸ばした。そして、服の中に滑り込ませた。勿論、狙いはカガリちゃんのおっぱいだ。
忘れちゃいけない。カガリちゃんは元々悪党で、僕はそんなカガリちゃんを助ける為に命まで懸けたんだ。生乳に手を伸ばしても、警察には突き出せない筈だ。
右手の全神経を集中させる。この感覚を一生忘れない為に。
その感覚は正しく異質。数多くのおっぱいを揉んだけど、これまでとは一線を画していた。
「お前、ここまで…… ここまでバカなの―――んんぅぅ!!??///」
言葉にできない。スベスベ、ムニュムニュ、コリコリ。僕のチンケな語彙では、こんな言葉しか出てこなかった。
ボロボロになった体に鞭打ち、凍ったかのように動かなくなった5本の指を動かしまくる。何と言えばいいのか、脂肪の動きがダイレクトで僕の手の平に伝わった。
欠けていたピースが嵌った気がした。僕がここに来たのはカガリちゃんを助ける為だ。だけど、それだけじゃなかった。どうして僕がここに来たのか? そう、生乳を揉むからだ!!
右手がゆっくりと地面に落ちる。だけど、悔いはなかった。僕の目からは自然と歓喜の涙が流れていた。
さてと、次は左手だね!
「……よほど、アタシを怒らせるのが好きらしいな」
その後、僕の顔面に拳が振り下ろされたのは言うまでもない。
シリアスブレイカー、ライム。余程でない限り、ヤツの意思はぶれません。ライムについては、時間軸やら何やらが違う平行世界にいるライムと思って下さい。
そういえば、ライムの容姿に一切触れていませんでした。僕的にはめだかボックスの球磨川禊をイメージしています。まあ、あくまで僕的にはですが。服装は制服じゃないです。