とある少年が、全女性ジムリーダーのおっぱいを揉むという夢を抱いたそうです   作:フロンサワー

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 みんな大好きナツメちゃん。僕も気合いをいれて書きました。


4歩目 ヤマブキシティ

 

 どうも、ライムです。とうとうヤマブキシティにやって来ました。

 それにしても、ヤマブキシティはいつ見ても凄い都市だな。周りにあるのは巨大なビルばかりだもん。流石はカントー屈指の近代都市。

 おっ! あの一際大きいビルはシルフカンパニー本社だな。そういえば、あのビルがロケット団に乗っ取られるって事件が数年前にあったらしいね。まあ、例の如く一人の少年に解決されたみたいだけど。

 さてさて、街の感想はこの辺にして、ヤマブキジムでも探すとしますか。ナツメちゃん、今日は帰っているといいな。この前はジムが休みだって聞いただけで、ジムにすら行ってないし。

 

『ライムさん、今日という今日は愛のホテルに泊まりましょう!!』

「却下でーす」

『ぶぅ~……』

 

 散歩中のサッちゃんが目を輝かせながら言った。なんだよ、愛のホテルって。

 やれやれ、サッちゃんは今日も平常運転か。いつも盛っているのは構わないけど、種族の壁を越えようとするのは勘弁してもらいたいね。僕が興味あるのは人間の女の子だけだし。

 

『あ、ジムってあそこじゃないですか?』

 

 サッちゃんが指(?)差した場所には、ジムらしき建造物が2つあった。え、なんで?

 近くに作られた看板を読んでみると、片方の建物は格闘道場だと分かった。うへぇ、なんてむさ苦しそうな場所なんだ。

 よし、格闘道場には死んでも入らないようにしよう。女の子の匂いがまるでしないし。

 間違えないように気を付けながら、ヤマブキジムに入った。しかし、ヤマブキジムで合っている筈なのに中は真っ暗だった。

 ……もしかして、ナツメちゃんはまだポケウッドに滞在中なのか!?

 

『こんな暗闇に誘うなんて…… ライムさんったらだ・い・た・ん♪』

「はい戻ってー」

 

 サッちゃんをボールに強制送還する。

 はぁー…… こりゃ、ポケウッドから帰ってくるのを待つしかないかな。仕方ない、街に戻って格安のホテルを探さないと。

 そう思って、出口へと向かった瞬間―――

 

「よく来たわね」

「ッ!!??」

 

 女性の声がジムに響いた。

 まさか、ナツメちゃんなのか!?

 振り返ると同時に、ジムの照明が次々と光りだした。うおっ、眩しい!

 改めて周りを見渡したけど、内装は至って普通のジムだった。だけど、人影らしきものは全くない。

 ……あれ、ナツメちゃんはどこにいるんだ? 声は聞こえた筈なのに!

 

「貴方が来るのは分かっていたわ。勿論、その先の未来もね」

「……え?」

 

 ナツメちゃんがバトルフィールドの中央で佇んでいた。うっひょお! ヘソ出しルックだ、ヘソ出しルックだ!!

 いやそれより、僕が目を離したほんの一瞬であそこに移動したっていうのか!?

 これはもう、テレポートしたとしか考えられない! それも、エスパータイプのポケモンにも頼らずに!!

 ……ん、待てよ? この先の未来も見えるって、僕が何を企んでいるかバレているんじゃ!?

 

「その通りよ。ていっ」

「うわぁ!?」

 

 衝撃波みたいなのが襲ってきたので、僕は咄嗟に右へと飛び込んで避けた。

 出会い頭にいきなりですか!?

 

「あら、良い反射神経ね」

 

 ナツメちゃんの笑みを見た瞬間、僕の背筋には滝のように冷や汗が流れていた。ヤバい、これは確実にバレている……!

 偶然を装っても予知されるから無理、強制突破しようとしても衝撃波があるから無理、土下座しても僕への印象は最悪だから無理。

 どうしよう、ホントどうしよう! アンズちゃんとは比じゃない難易度だぞこれ!!

 

「いやいや誤解ですよ! 僕はただ純粋にポケモンバトルをしに来ただけですって!!」

 

 もう嫌だ。いっそ、全てを忘れてナツメちゃんのおヘソをペロペロしたい。

 

「全てを忘れてナツメちゃんのおヘソをペロペロしたい…… ね」

「ばれてるぅーーーー!!!!???」

 

 ああ、詰んだかなこれ。

 警察に連行…… は、微妙なラインだな。あくまでナツメちゃんの超能力でバレただけで、物的証拠は無い訳だし。でも、これ以降はジムの出入り禁止に―――

 

「良いわよ。やってあげるわ、ポケモンバトル」

「えっ、いいんですか!?」

「あら、意外? 貴方みたいな人だって挑戦者だもの。目的はどうであれ、ジムリーダーの義務を果たして一応バトルはしてあげるわ」

「それじゃあ、1on1でお願いします!」

 

 く、首の皮一枚は繋がった……! 取り合えず、バトル中に対策を考えないと!!

 僕はモンスターボールに手を掛ける。けれど、ナツメちゃんは何故かボールに手を掛けようとしなかった。

 僕が疑問に思った瞬間、ナツメちゃんのモンスターボールがフワフワと浮いていた。きっと、彼女の超能力なのだろう。

 ……うん、この程度じゃ驚かないぞ。

 

「いけ! サッちゃん!!」

「お願い、エーフィー!」

 

 互いのポケモンを繰り出す。僕はサーナイトのサッちゃんで、ナツメちゃんはエーフィーだ。

 

『なんて美しい姫君でしょうか! 例えるなら、ポッポのさえずりで目覚めた朝に見る太陽のようだ!! どうです、御一緒に朝日でも眺めませんか!?』

 

 あれ、いつの間にか王子が!?

 やれやれ、またいつもの癖か。でも、今回は王子を闘わせる訳にはいかない。王子は毒タイプも併せ持っているから、エスパータイプとはすこぶる相性が悪い。

 という訳で、王子には大人しくモンスターボールに戻ってもらおう。

 

「ナンパは後でね、王子」

『待て、待つんだライム!! ポケモンの恋路を邪魔するとギャロップに蹴られて死んでしまうんだぞ!!』

「はいはい、気を付けます」

 

 王子をボールに戻した。そうだ、また出てこないようにテープでも巻いておこう。

 ……当たり前になっているけど、どうして僕のポケモンは勝手に出てくるのかな? 王子の入ったモンスターボールをテープでグルグル巻きながら、僕はそう思った。

 

『ホテルじゃない。ベッドもなし。敵トレーナーの小娘もいる。なんだ、バトルか……』

「露骨にガッカリするなよ!」

 

 こっちはこっちで何を期待してたんだ!?

 ああもう、ツッコミが追いつかない!!

 

「エーフィー、シャドーボール!」

「ふぃー!!」

 

 エーフィーの額にはシャドーボールが形成されていた。

 またいきなりですか!?

 

「サッちゃん! シャドーボールで迎え撃て!!」

『いけ! 私とライムさんの愛の結晶!!』

 

 余計な一言が聞こえた気もしたけど、サッちゃんも負けじとシャドーボールを形成する。

 ほぼ同時に両者のシャドーボールが放たれた。一直線に互いの倒すべき敵に飛んでいき、バトルフィールドの中央でぶつかり合う。大きな爆発と共に、土煙が舞い上がった。しかも、その土煙はエーフィーの姿を覆ってしまった。

 くっそ! エーフィーを見失った!!

 いやでも、向こうだって条件は同じ――― いや、違う!!

 

「サッちゃん! 瞑想!!」

『ライムさんとお料理、ライムさんとお風呂、ライムさんとベッド……』

 

 次の瞬間、どこからともなくシャドーボールが飛んできた。サッちゃんにシャドーボールが命中する。サッちゃんは苦しそうな声をあげたが、倒れずにどうにか踏ん張ってくれた。

 やっぱりな、僕の予想通りだ……!

 彼女は言わずと知れた超能力者。蔓延した土煙を透視するのも、ポケモンにテレパシーで指示を出すのも、彼女なら不可能じゃない!!

 つまり、ナツメちゃんはサッちゃんの位置を丸分かりなんだ! 対して僕らは、エーフィーの位置も、シャドーボールが飛んでくるタイミングすら分からない!!

 どうする!? 瞑想で特防を底上げしているとはいえ、シャドーボールはゴーストタイプの技だ! サッちゃんに対しては威力が二倍! 貰ったダメージは寧ろ大きい!!

 

「あら、鋭いじゃない。最初は気づかせる為に声を出して指示したけど、まさか私がテレパシーで指示を出せると気づくなんて」

「そりゃどうも!! サッちゃん、シャドーボールの準備だ!」

 

 サッちゃんはシャドーボールを形成し、そのまま胸の前で留める。

 さあ、ここからは僕の仕事だ! シャドーボールが迫る方向を特定する!!

 五感を総動員させろ! シャドーボールを目視してからじゃ、指示が間に合わない。土煙の微妙な変化を捉えるんだ!

 感覚が研ぎ澄まされ、頭がクリアになっていく。その直後だろうか。ブワリ、と右側の煙が奇妙な変化を見せた。

 

「サッちゃん! 右だ!!」

 

 サッちゃんが右を向いた瞬間、土煙の乱れが顕著になる。いよっし、ドンピシャ!

 

『てぇい!!』

 

 サッちゃんがシャドーボールを放った瞬間、土煙からエーフィーのシャドーボールが現れた。

 両者のシャドーボールがぶつかり合う。今回は相殺せずに、サッちゃんのシャドーボールが相手に押し勝った。これも瞑想で特攻を底上げしていた効果だろう。

 シャドーボールは一直線に進んでいき、何かに衝突する音をたてた。

 暫くして、土煙が晴れていった。そこには、目を回しながら倒れるエーフィーの姿があった。ナツメちゃんは大きく目を見開きながら、エーフィーをボールに戻した。

 

「完敗よ。まさか、予知が外れるなんて……」

「僕が、勝った…… の?」

 

 思わずそんな言葉が口をついた。

 ……しんどっ!! いや、マジで超能力者とのポケモンバトルしんどっ!! なんだこりゃ、戦術が鬼畜過ぎるだろ!! 四天王よりも強いんじゃないの!?

 いや、よく勝てたよ僕とサッちゃん。7年も修業したら変わるもんなんだね!

 ……あれ、バトルに勝っても進展なくね? 結局、おっぱいは触れなくね?

 まあ、取り合えず勝利を喜ぼう!

 

「ナイスファイト! サッちゃん!!」

『いえいえ。ライムさんのサポートが有ってこそですよ』

「いやでも、サッちゃんもよく頑張って―――」

 

 

 

「「「ギャハハハハハ!!!」」」

 

 

 

 下卑た笑い声が聞こえた。誰だよ、勝利の余韻を邪魔する奴は!

 振り返ると、新品らしき空手着を着た3人の男がいた。なんだこいつら……?

 

「おいおいナツメ様よぉ! あれだけ大口を叩いておきながら、不様に負けてんじゃねえか!!」

「そうだそうだ! ジムリーダーとしての実力を見せてやるだっけ? 笑っちまうよな!!」

「こりゃあ、俺たちの道場がもう一度ジムになるのも遠くないな!!」

「「「ギャハハハハハ!!!」」」

 

 これだけ言われても、ナツメちゃんは悔しそうな表情のまま何も言わなかった。

 ……OK、大体の事情は把握した。

 なら、僕のするべき行動は決まっている。

 

「試してみるかい?」

「「「あ?」」」

 

 よし、食いついた。だけど、まだ事情が呑み込めないって顔をしているな。

 仕方ない、もう少し説明するか。

 

「だからさ、試してみるかって言ってんだよ。お前らが僕に勝てるかどうか」

「てめぇ、何言って……」

「ルールは1on1。僕はこのままサッちゃんで相手をしよう。不安だったら3人がかりでも構わないよ? まあ、僕の勝利はそれでも揺るがないだろうけどね。僕とナツメちゃんが雲の上の存在って分からせてやるよ」

 

 出来るだけ馬鹿にしたかのような、とにかく見下したトーンで語りかける。だからだろうか、男たちの肩がワナワナと震えていた。

 

「「「フッざけんなぁぁぁぁぁ!!!」」」

 

 男たちは簡単に挑発に乗った。ボールに手を掛け、各々のポケモンを繰り出す。

 成る程ね。あいつらのポケモンはワンリキー、カポエラ、バルキーか。

 やれやれ、これでナツメちゃんを馬鹿にしていたんだから、呆れるのを通り越して哀れにすら思えるよ。

 

「ごめんね、サッちゃん。連戦で辛いだろうけど、もう少しだけ力を貸してくれない?」

『勿論です。ライムさんのそういう所が、私は大好きなんですから』

 

 さあ、やるか。この勝負だけはジム戦よりも負けたくない。いや、負けられない!

 

 

 

 

★☆★☆★

 

 

 

 

 最後に残ったバルキーがサッちゃんのサイコキネシスで吹き飛ばされる。勢いそのまま壁に衝突し、目を回しながら地面に臥した。

 やはり、大した相手ではなかった。エスパータイプは格闘タイプに強いって事実も知らなかったぽいし。常識を知ってから出直してこい。

 サッちゃんに労いの言葉をかけ、モンスターボールに戻す。今日くらいは一緒に寝るのを許してやろうかな。いや、寝るだけだけど。

 

「……嘘、だろ」

「ボロボロの小僧に、3人がかりで、負けた?」

 

 呆然とする男たち。僕はその姿を見て、嘲笑うかのように広角を上げた。

 

「思いしったかい? 格の違いを」

 

 ポツリ、とそう呟く。決して声を張り上げた訳じゃないけど、その呟きはジム内に響き渡った。

 ブチリ、と何かが切れる音がした。

 

「うるせぇぇぇぇぇぇ!!!! 認めねぇ、認めねぇぞぉぉぉぉ!!!」

 

 男たちはいとも簡単に挑発に乗った。感情の赴くままにモンスターボールに手を掛ける。

 いいね、なら僕もそれ相当の手段で闘おう! 新たなモンスターボールに手を掛け、投げようとしたその時―――!

 

「何をやってるか!!!!」

 

 剣のように張りのある声が響く。

 ジムの出入口に目を向けると、初老の男性がドッシリと佇んでいた。いや、老人と印象づけるのは白髪だけで、その顔立ちからは老いという印象はまるで感じられない。

 え、誰だこのお爺さん? しかし、その老人を見た男たちの顔は次第に青白くなっていった。まるでゼニガメのようだ……。

 

「「「し、師範!!!???」」」

 

 男たちが叫ぶ。

 ああ~、成る程ね。アンズちゃんやナツメちゃんと同じように、何処と無く人外の雰囲気があるもん。

 

「全て見てたぞ、貴様ら。あのような行い、ワシの弟子として恥ずかしくないのかッ!!!」

「「「ヒィィイイィィイィ!!!???」」」

 

 恐っ!? なんだあの鬼の形相!!??

 よく見ると、ナツメちゃんまで震えている!

 

「迷惑を掛けたな、ナツメ殿。それに若いの」

 

 鬼のような口調から一転、孫と話すかのような口調に変貌した。しかし、直ぐに鬼の形相で弟子を睨み付けた。まるで蛇にらみや……。

 

「貴様らは罰として、これから1ヶ月は修業5倍だな」

「「「えっ……」」」

 

 男3人はこの世ににおっぱいが消えたかのような顔をしていた。いやいや、どんだけキツい修業なんだよ?

 男3人を引き連れて、師匠と呼ばれた年配の男性はジムを出ていく。さしずめ、死神とそれに連行される亡者のようだった。

 それにしてもかっこよかった。僕も年を取るなら、ああいうお爺さんになりたいなぁ。

 

「貴方、ホントに大馬鹿よ。あんな無茶をして」

 

 ナツメちゃんが話し掛けてきた。

 大馬鹿…… か。まあ、こういう夢を追いかける時点で、自分が大馬鹿だという自覚はある。

 

「アハハハハ…… 馬鹿なのは自覚してるよ」

 

 突然、ナツメちゃんが僕の手を掴んだ。

 おおっ……! スベスベの手で、心地い―――

 

「えいっ」

 

 ナツメちゃんは自分の左おっぱいに僕の手を突っ込ませ……え?

 

「◇◎≡♭♯ΨΟЙФУФ⑨э!!!??」

 

 ええええぇぇえぇえええぇえ!!!???

 え…… ちょっ、ま、ええぇぇえぇ!!??

 柔らかくて気持ちいいけど、脳の情報処理がまったく追いつかない!

 もしかして、これって幻覚!? ナツメちゃんが見せた幻覚!? うん、超能力者なら朝飯前だよね!! きっと幻覚だ!!

 ああもう幻覚でもいいや!! とにかく揉んでみよう!

 

「ぁっ…… んんっ///」

 

 顔を火照らせながら、ナツメちゃんは甘い声を漏らした。

 五指に押されたおっぱいが元の形に戻ろうと反発する。その感覚に惹き込まれる中、コリッとした異質な感覚を手の平に覚える。

 うん。これ、幻覚じゃないな。

 ええええぇぇえぇえええぇえ!!?? 何でええええぇぇえええええええぇぇえぇえぇえ!!!??

 困惑半分・快感半分という感情を抱いたいる内に、ナツメちゃんは僕の手をおっぱいから引き離した。

 ああっ!? もうちょっと堪能したかったのに!!

 

「んっ……はい、終わり。あと、私に勝った証に受け取って」

 

 ナツメちゃんからゴールドバッチを渡される。

 けど、僕はそれ所じゃなかった。

 

「ど、ど、ど、どうして?」

 

 あまりの動揺にどもる。

 いやいやだってね、あれだけ僕におっぱいを触られまいとしてたんだよ? 超能力まで使っていたんだよ?

 

「……私の為に戦ってくれたお礼よ」

 

 ナツメちゃんは顔を赤くしながら、目を逸らして言った。どうしてなのか、僕にはそれが可笑しくて堪らなかった。

 

「……は、ははっ! ありがとう、ナツメちゃん」

 

 僕は笑い、ナツメちゃんは恥ずかしそうに顔を背ける。

 さて、目的も果たせたし、次のジムに挑戦しますか! カントーはもう制覇しちゃったし、次はジョウト地方にでも行こうかな。丁度、ヤマブキシティにはリニアがあるし。ジョウト地方のコガネシティまで一直線だ。

 

「それじゃあ、僕はもう行くよ」

「貴方の未来に、栄光があるのを願ってるわ」

「そういえば、僕の未来ってどうなってんの?」

 

 正直、僕の未来がどうなっているのかとても気になる。もっと具体的に言えば、警察のお世話になっていないかとても気になる。ここは一つ、ナツメちゃんに予知してもらうのも良いかもしれない。

 しかし、ナツメちゃんは非常に言いづらそうな顔をしていた。え、嫌な予感しかしないんだけど……!?

 やがて、意を決したようにナツメちゃんは口を開いた。

 

「どこか薄暗い牢獄みたいな場所で泣いている未来を視たわ」

「ブフゥッ!!!??」

 

 春真っ只中のように受かれていた頭が、一気に真冬へと変貌した。

 いやいやいや、確実に逮捕されてるじゃないですか!!??

 僕の7年の修業は無駄なのか!? やっぱり、警察の手からは逃げ切れないのか!?

 いや、まだ望みを捨てるな!! ナツメちゃんの未来予知だって確実ではない筈!!

 

「……あの、その予知は何%で当たるんですか?」

「99%よ。あれだけハッキリ見えたもの」

「ギャッボゥ!!!!」

 

 さよなら、僕の春。ようこそ、氷河期。

 なんかもう、僕のメンタルが砕け散った。

 いや、止めないけどね。実刑が怖くておっぱいが触れるかよ。どうせ捕まるなら、最後のジムリーダーのおっぱいを触ってから捕まるようにしよう。そうしよう。

 いやでもやっぱ、前科持ちは嫌だなぁ……。

 

「僕もう帰ります……」

「気を付けてね、色々と」

 

 まあでも、ナツメちゃんのおっぱいに触れたから僕はもう幸せだな!!

 そう思いながら、僕はヤマブキジムを後にした。

 

 

 

 

★☆★☆★

 

 

 

 

「フフッ、さっきの話は嘘。本当は、貴方の優しさが沢山の女性を笑顔にする未来を視たのよ。頑張ってね、ライム」

 





 まさかの日刊二位。僕は夢でもみているのでしょうか? 感想、待ってます!!

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