とある少年が、全女性ジムリーダーのおっぱいを揉むという夢を抱いたそうです 作:フロンサワー
感想くれるとフォフォフォフォォォォォォォォイ!!!!!
やってきましたセキチクシティ。サイクリングロードを一気に駆け抜けたのは爽快だった。
え、次に行く町はヤマブキシティじゃなかったのかって?
行ったには行ったよ。だけど、ジムリーダーのナツメちゃんがポケウッドに行って留守だったんだ。懐かしいなぁ、ポケウッド。演技力の修業の為に半年くらいは滞在していたなぁ。
さて、どうでもいいからさっさとジムに挑めと思っている変態諸君。焦るなよ、もうジムの目の前だ。
どうやらこの町のジムリーダーは比較的新人らしい。強敵なんだろうけど、ポケモンバトルなら楽に勝てそうだ。
……ポケモンバトルはね。問題なのは、そのジムリーダーは忍者の子孫らしいんだ。しかも、修業を積んでいるという情報もある。 つまり、偶然を装っておっぱいを触るなんて出来そうにないって事だ。
おっぱいに触る方法が割りと本気で思い付かない。この旅が始まってから以来最大の難関じゃないか? エリカちゃんみたいに正面突破するのは厳しすぎるし……。
まあ、取り合えず情報くらいは集めてみた。
ジムリーダーの名前はアンズ。父親は四天王のキョウって人で、親子揃って毒タイプの使い手らしい。
そして、一番注目したポイントは極度のファザコンって事だ。強いて言えば、ここが攻略のポイントの気がす―――
「………ザシュッ?」
まるで、地面が固い金属で抉られたような音がした。
足元に目も向けると、地面にモンスターボールが刺さっていた…… 刺さっていた? 刺さっていたぁ!!??
よく見ると、モンスターボールから棘が出ている!! これ、手裏剣のつもりか!! 危ない! マジで危ない!!
この刺さり具合から察するに、ボール手裏剣が飛んできたのはジムの屋上だ。急いでそこに目を向けると、忍者装束に身を包んだ女の子が佇んでいた。
そうか、この子がジムリーダーの……!
成る程、成る程。忍者を目指すが故に女性らしさを捨てようとしているが、随所に年相応の膨らみがある。どうしても滲み出る女子らしさがエロくて堪らない。いいねぇ、最高だよぉ!!
死にかけたのも忘れて、僕の脳内ではアドレナリンがドバドバ放出していた。
「アタイを調べ回るなんて怪しい奴! さては、別の流派の手の者だな!!」
ピシャリ、と頭に冷や水を掛けられた気分になった。
その言葉が脳に届いた瞬間、アンズちゃんは頭が弱い子だと確信した。
相手を事前に調べるのは当然だし、あんたら以外の忍者なんて滅多にいないから。
「アタイは逃げも隠れもしない! さあ、かかってこい!!」
「あの、僕は普通に挑戦者なんですけど」
「………それではドロン!!」
アンズちゃんが投げたボール(モンスターボールではない)から煙が立ち上がり、アンズちゃんの姿を隠してしまった。間もなく煙は晴れたが、そこに彼女の姿はなかった。
……あ、煙に紛れて逃げやがった! まあ、美少女だから許すけど。
しっかし、煙玉やら手裏剣やら想像以上に忍者だな。生まれる時代を間違えたんじゃないの? これじゃあ、ますますおっぱいを…… あ、思い付いたかも。合法的におっぱいを触れる方法を!
★☆★☆★☆
ジムリーダーに挑む前に、多くの場合はジム内にいるトレーナーと戦う羽目になる。ジムリーダーに挑むだけの力量があるのか測る為、と捉えてくれれば良い。
このジムの場合はアンズちゃんに変装したトレーナーと戦わせるみたいだ。本物に間違えずに話し掛ければ直接闘えるようだが、逆に言えばそこまで変装に自信があるって事だ。
かなりの強運の持ち主でなければ、一発で本物に話し掛けるなど不可能だ。その全てがドッペルゲンガーと思う程の再現率なのだから。
つまり、何が言いたいかというと―――
「あの、何で真っ先にアタイの場所に来たの?」
それだけじゃ僕は騙されないんだよねー。
「気配で分かったからかな。まあ、特技って呼べるほど大層じゃないよ」
「あんた、もしかして本当は忍者なんじゃ……!!」
勿論、気配を感じ取るなんて人外染みた方法ではない。匂いでアンズちゃんを特定しただけだ。
「……さて、どうだろうね? それより、早くポケモンバトルを始めようよ」
事実は伏せ、敢えて思わせ振りに答える。
これは布石だ。おっぱいを触る為の、ね。
「っ!? 言われなくとも!!」
お互い、モンスターボールに手を掛ける。
「使用ポケモンは1匹で頼むよ。いけ、イケメソ!!」
『やあ、君が僕の相手かい? お互い、ベストを尽くして良い試合をしよう!』
僕が繰り出したのはマッギョだ。
……何だよその顔。イケメソったらイケメソなんだよ、心が! 僕のパーティーでもほぼ唯一の良心なんだぞ!!
まあ、時折うっすらと笑うのは寒気がするけど。いつも良いこと言ってんのになぁ。
「…………………………………イケメソ?」
「うん、イケメンじゃなくてイケメソだよ」
「ま…… まあ、人の感性なんてそれぞれだよね。いけ、マタドガス!!」
「どがー!!」
おおー、流石はジムリーダーのポケモンだ。前にタマムシデパートで見たマタドガスとは明らかに格が違う。
「それでは、セキチクジムジムリーダー『アンズ』対、チャレンジャー『ライム』のポケモンバトルを始めるで御座る! 使用ポケモンは1匹。どちらかのポケモン1匹が戦闘不能になり次第、バトルを終了するで御座る!!」
うわ、いつの間にか審判が。
「それでは、バトル開始で御座る!!」
イケメソは高い防御力を誇るが、その反面素早さはお粗末だ。
先手を戴くのは最初から諦めるとして、問題はどうやって上手くダメージを与えられるかだな。マタドガスの特性は浮遊だ。地面タイプの技はどうやっても当たらない。
こりゃ、多少無理してでもサッちゃんを出せば良かったかもな。まあ、負ける気は更々ないけどね。
「マタドガス、10万ボルト!!」
マタドガスから10万ボルトが放たれる。
寸分の狂いもなく、イケメソに10万ボルトが命中した。黒煙が舞い上がり、イケメソの姿が見えなくなる。アンズちゃんは勝利を確信したような笑みを浮かべていた。
イケメソの外見はどうみても魚。水タイプだと予想するのが普通だろう。そう、マッギョについて何も知らなかったら。
「いよっし! 効果は抜群!!」
「……ねえ、アンズちゃん。もしかして君、マッギョを初めて見る?」
「そうだけど、それがどうしたっていうの?」
やっぱり、か。カントーじゃあ生息していない珍しいポケモンだもんね。
「そりゃ甘いよ。イケメソ、10万ボルトだ」
「ッ!?」
黒煙を払い、一筋の黄色い閃光がマタドガスへと迫る。マタドガスにとっても不意の一撃だったのか、避けられずに命中した。
相当堪えたのか、マタドガスは痺れて動けなくなっていた。よし、今回も運が味方している!!
「畳み掛けろ! 熱湯!!」
「避けて、マタドガス!!」
イケメソの口から熱湯が吐き出される。
いつも思うけど、あの体積のどこにあんな熱水を隠しているんだろう?
麻痺して動けなくなっているマタドガスは満足に回避行動も出来ず、そのまま熱湯の餌食となった。
ボトリ、とマタドガスは地面に墜ちる。目を回して戦闘不能になっていた。
叫びたくなる衝動を堪える。感情を抑えろ! 勝って当たり前という表情を作るんだ!!
「マタドガス、戦闘不能! よって、勝者は挑戦者のライム!」
ふぅ…… と安堵のため息を吐く。
今日は安定して勝てたな。いや、運が良かっただけか。もしもジャイロボールなんて指示されたりしたら、負けていたかもしれないし。
まあ、なんにせよ僕が相当の実力者という印象は与えた筈だ。
「お疲れ、イケメソ」
『良いポケモンバトルだったよ! 相手の人にもそう伝えてくれるかい?』
「勿論」
イケメソをボールに戻す。流石はパーティー唯一の良心、最後までイケメンだった。
「そんな……! アタイのポケモンが、こうも一方的に……」
アンズちゃんは茫然とした表情でマタドガスをボールに戻す。どうやら、目の前の光景が信じられないようだ。
よし、STEP1はクリアだ。どうやら、僕の演技力も捨てたものではないらしい。
「1つだけ教えてちょうだい。そのポケモンのタイプは何なの?」
「地面・電気だよ。水だと思ったでしょ?」
「そっか。世界には色々なポケモンがいるのね」
イケメソことマッギョは地面・電気を併せ持つユニークなポケモンだ。魚みたいな見た目のくせに、水タイプに弱いというのも萌え(?)ポイントが高い。見た目と相まって、イッシュ地方では一部に宗教的な人気を博している。
さて、イケメソも頑張ってくれた。僕の勝負はここからだ。
「アタイに勝った証に、これをあげる!」
アンズちゃんがピンクバッチを渡そうとする。
僕はそれを――― 受け取らなかった。
「良いポケモンバトルだったね。だけど、僕がここに来た目的はそれだけじゃないんだ」
「どういう、こと……?」
上着に手をかけ脱ぎ捨てる。
いやいや、露出に目覚めた訳じゃないから。
「それは…… 忍装束!!」
『忍者コスプレのライムさん、萌えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!』
「はいはい、ボールに戻ってねサッちゃん」
観戦者の誰かが叫んだ。
上着の下に、その辺のフレンドリーショップで購入した忍装束を着込んでいたんだ。因みに、お値段は消費税込みで900円だ。中々のクオリティだから、よくよく見せなければ偽物だとバレないだろう。
さて、そろそろ忍装束を着た理由を教えよう。
知っての通り、アンズちゃんは忍者の子孫だ。訓練も積んでいるから、偶然を装っておっぱいに触ろうとしても、瞬時に気づいて避けられるのが落ちだ。
そこでだ。忍の特訓と称して、なし崩し的におっぱいを触らざるを得ない状況にするという作戦を思い付いたんだ。
忍者と張り合える訳がない? なめてもらっちゃ困る。警察に終われる状況も想定して、僕は基礎体力を鍛える修業も同時に行っていたんだ。特訓次第では、忍者と変わらないポテンシャルを発揮できる自信がある。
「そのバッチを戻してくれないかい? 最後にアンズちゃんと忍者の特訓をしたいんだ」
「……ええ、いいわよ! あんたなら学べることも多そうだし!!」
「「「アンズ殿!!!???」」」
いよっし! やっぱり、ポケモンバトルで圧勝したのが好影響を与えているね。
「それじゃあ、鬼ごっこでどうだい? アンズちゃんの持っているバッチを僕が奪えたら、ゲームは終了だ。ポケモンや道具を使ったり、殺傷するのは禁止ね」
「分かったわ! じゃあ、アタイが逃げればいいのね!」
「うん、三分経ったら僕も追いかけるよ。制限時間は30分、ジムの外に出たら駄目だからね」
これで大義名分ができた。よーし! 待ってろよ、アンズちゃんのおっぱい!!
「ホントにいいんで御座るか、アンズ殿? あの男、怪しさ満天で御座る」
「当たり前よ! ポケモンバトルでケチョンケチョンにされたんだか、今度は特訓でケチョンケチョンにしてやるんだから!!」
「ええ~…… で御座る」
☆★☆★☆★☆
正直に言おう、忍者をなめていた。
いやもうね、速いのなんの。もう少しで捕まえられるって所まではいくんだけど、そのあと少しからどうしても進歩しないんだ。この子、その辺のポケモンより速いんじゃないの?
制限時間も残り10分を切ってしまったし、ここらで決めないと体力的にもまずいぞ……。
「どうしたの? 忍者の腕前は随分とお粗末じゃない!」
そりゃ、僕は忍者じゃないですし。ただの夢見る健全な若者ですもの。
それにしても、勝ち誇った顔をしてるなぁ。ポケモンバトルの鬱憤をここぞとばかりに晴らされている気がする。
ああもう面倒だなぁ。使っちゃおうか、ポケモン? いやいや、女性との約束を破るのは紳士として許されない。いやでもこのままじゃ捕まえられない。
そうだ、僕の特技で何か使えそうなのがあるんじゃないか!? えーっと、何があったけ? 縄脱け、ピッキング、逃走、演技、変装…… って、ロクなのがねえ!!
「………あ、そうだ」
あったじゃん、必勝法が! それに、ルールにも違反しない!!
となれば早速実行だ。多分、あまり時間も残されていない。
「……ぐぅっ!!がぁあぁああ!!! あ、頭が割れるように………ッ!!!??」
地べたをのたうち回り、頭痛で悶えているように見せ掛ける。
驚いた表情を見せたアンズちゃんは、直ぐに僕へと寄って来た。流石は残念な子。
「ちょっ、大丈夫!!??」
計 画 通 り !
ヒャッハァ! カモネギがネギ背負ってやって来たぜ!! ……いや、普通か。
「痛くない」
「えっ」
アンズちゃんの腕を掴む。よし、ここまでいけば勝ちも同然だな。
……しっかし、ここまで綺麗に騙すと罪悪感を感じるな。しかも、おっぱいを触る為だし。
「あの、もうちょっと人を疑おうね?」
「……ムッキーーーー!!!! そんなのズルいぞーーー!!!」
「いや、こうしなきゃ勝てなかっただろうし。ゴメンね?」
さて、やりますか。
空いている手をワキワキさせる。
「じゃあ、バッチを取るね?」
「え、あっ…… 待っ―――」
右胸辺りを優しく触る。しかも、服の中で。
柔けえ、柔けえよ! でも、時折感じるコリコリとした感覚って何なんだろう!?
これの答えに至った時、僕の理性は跡形もなく吹き飛ばされた。ああ、そうか。きっとそういう事なんだね!
叫びたい、叫びたいよ! いやダメだ!! 叫んだら警察に連行されるぞ!! 取り合えず、心の中だけで叫ぼう!!
フォォォォォォォォイ!!!
フォォォォォォォォイ!!!!!
「あっ、違……左の胸に、っん!///」
「左だね」キリッ!
フォフォフォフォォォォォォォォイ!!!!!
いや、自重しろ僕!! ちゃんとバッチを探すんだ!!
ムッ、固い! いや違うこれはポッチだ!!
バッチは何処だ!? えぇーっと、あった!
ピンクバッチを受け取り、そのまま逃げるように出口へと走る。というか、逃げる。だって周りの忍者が手裏剣とか構えているもん。
「訓練に付き合ってくれてありがとう! それじゃあ、アディオス!!」
「……う、ぁぁん……///」
顔を火照られながらへたりこむアンズちゃんにムラッと来たけど、足元に手裏剣が刺さり始めたから退散しますか!! 流石に死にたくないしね!!
もう一度ヤマブキシティに行く予定だけど、今度はナツメちゃんが居るといいな!
ポケモン:マッギョ
ニックネーム:イケメソ
性別:オス
特性:静電気
性格:イケメン
備考:パーティー唯一の良心。ただしマッギョ。誰にでも平等に優しく接し、性格の裏表もない。ただしマッギョ。その性格はまさにイケメン。ただしマッギョ。