とある少年が、全女性ジムリーダーのおっぱいを揉むという夢を抱いたそうです 作:フロンサワー
最終回に覚醒するキャラって素敵ですよね。
何度も何度も深い雪を越え、ヒャッコクシティにやってきました。
さて、今回はさっさとジムに挑むとしようかね!!
僕の知る限り、ここが最後のジムだ。もっと言えば、夢の終着点だ。
やっとこさ、やっとこさ夢が叶うんだ。長かったよ、この7年とちょっと!!
「しゃあ!!! いくぜぇ!!!」
ヒャッコクシティへと全速力で駆け抜ける。周りの目なんか気にしないぜ!!
ヒャッコクジムに辿り着いた。ここのジムリーダーはゴジカさん。エスパータイプの使い手で、彼女自身も超能力を使えるらしい。だけど、今の僕には関係ない!! いくぜ、最後の闘いだ!!
「たのもー!!」
ジムの扉を開けると、よくある普通の部屋が出迎えてくれた。ジムトレーナーどころか、他の部屋に通じる扉すらない。
ま た こ の パ タ ー ン か !
あれ? でも、今回はワープ装置みたいな機械が無いぞ。
どうやってジムリーダーに辿り着けと? とりあえず、この部屋を調べてみるしかないな。隠し通路があるかもしれないし。
部屋の中央にある紋様を踏んだ瞬間、空間が弾けた。
「!!!???」
目の前に広がるのは真っ暗闇の宇宙だった。
いやいやいやいや、えっ? 今回のジムの仕掛け、技術の無駄使いなんてレベルじゃねえぞ!! 確実にオーバーテクノロジーじゃん!!
ずっと驚いても仕方ないので、突然浮かび上がった光の道を進んだ。多分、ゴジカさんまで繋がっている筈だ。
この仕掛け、科学技術っていうよりオカルトの方が近いのかも。ここ、エスパータイプのジムだし。
それに、この空間も妙に神聖な気がするんだよね。なんか、内なる自分が目覚めそうな気が――― あれ、意識がだんだん薄れて…… あ、れ………?
★☆★☆★
ジムの奥深く、険しい表情で光の道の先を見詰める1人の女性がいた。
彼女の名はゴジカ。ヒャッコクジムのジムリーダーである。
彼女がジムリーダーの職を勤めてから随分と長い時間が経った。チャレンジャーたちに勝利し続け、時には敗北を喫し、ジムリーダーとしてのキャリアを順調に積み重ねてきた。今ではすっかり古参のジムリーダーと呼ばれている。
しかし、今回は。
ジムリーダーになった今でも初めて経験したであろう、言いようのない不気味な威圧感が前方から絶え間無く放たれている。
ジムリーダーとしての勘が告げている。今、このジムで、おぞましき何かが目覚めてしまったのだと。
「ッ!!!」
カツン、カツンと。甲高い足音がジムに響き渡った。光の道の先から歩いてきたのは、何の変哲もない1人の少年だった。
とてもではないが、この少年が悍ましき何かとは思えない。密かに手を掛けていたモンスターボールを離し、彼に近づこうとし―――
「もませろ」
抑揚も、感情の起伏も、何もありはしない。水平線のように、その声は何処までも平坦だった。
能面の様に凍りついた表情で告げられた、たった一言。この一言だけで、彼が悍ましき何かだと本能で理解した。
モンスターボールを手に掛けようとするも、全てが遅すぎた。この少年を視界に捉えた時点でポケモンを繰り出していれば、あるいは彼を止められたかとしれないが。
一瞬――― 音すらも置き去りにして。その少年は幾ばくも開いた距離を詰め、ゴジカの腕を掴んだ。
ピクリとも腕は動かない。それでも、痛みを感じないのは何故なのだろう? この少年が気を遣っているのか。それとも、あまりの恐怖に痛点が麻痺しているのか。
少年と目が合う。遠くから見た限りでは、人畜無害の大人しそうな顔にしか見えなかった。しかし、この至近距離の今なら、その悍ましさが嫌でも分かる。
眼だ。
深く、冷たく、暗い眼。それだけが、この少年のおぞましさを如実に語っているのだ。
「もませろ」
少年の口から漏れた2度目の言葉。
この少年にマトモな対応をしてはいけないと、ゴジカは口を固く結び―――
「はい」
その答えに動揺しているのは、奇しくも発言した本人であった。
何故そう言ったのか、ゴジカには何も分からない。ただ分かるのは、思考よりも早く身体が動いたという事実だけ。
その答えを聞いた悍ましき少年は、その身から発するオーラには不相応な微笑みを浮かべた。
両手がゴジカの胸へと伸びる。もう駄目だ――― ゴジカはゆっくりと目を閉じた。
「ひゃっ///」モミュモミュモミュモミュ
ゴジカは覚悟していた。この胸が玩具のように弄ばれるのだと。
しかし、実のところは真逆。
ゆっくりと、焦らすように、どこまでも優しく、まるで紳士かのような揉み方だった。
痛みはない。それどころか、雪崩のように快感が押し寄せてくる。
予想外の快感に、ゴジカの足腰から力が抜ける。悍ましき少年はゴジカが地面に倒れる寸前で受け止る。
その行動はまさに紳士――― いや、変態紳士。
ゆっくりとゴジカを地面に下ろし、少年は再び胸を揉み始めた。
おっぱいを揉む力が、刺激を快感と感じるギリギリのラインの強さになる。口から漏れる喘ぎ声も、それに比例して大きくなった。
「くぅ…… ぅぅ、ぅぁぁぁ///」モミュモミュモミュモミュ
圧迫。寄せ上げ。つまみ上げ。様々な触り方に翻弄され、急速に理性は溶かされていった。頭がボーッとする。何も考えられなくなる。それでも、僅かに残ったゴジカの理性が告げていた。
―――この男を、このままにしてはいけない。
様々な偶然が重なり合い、変態紳士の終着点に至ってしまった男、ライム。彼自身がどれだけ変わろうと、その弱点だけは変わらない。
そう、その紳士さだ。
「お願い、ニャオニクス!!」
ゴジカが地面に倒れる寸前、ライムは受け止めようとおっぱいから手を離した。
自由になった僅かな時間に、ゴジカはモンスターボールを手にしていたのである。最後に残った力を振り絞り、ボールの開閉スイッチを押した。
「にゃにゃー!!」
主人の危機を救うため、ニャオニクスがボールから繰り出された。
「催眠術!!」
ニャオニクスの目から睡眠を誘う光線が放たれる。回避行動もせず、ライムはひたすらにおっぱいを揉んでいた。
催眠術が直撃するも、ライムはおっぱいを揉むのをやめない。もう駄目かと思ったそのとき、ライムは地面に崩れ落ちた。それでも、両手が未だにおっぱいを揉むように動いているのは驚異以外の何物でもない。
「終わったのね……」
そう呟いたゴジカの顔は、真っ赤に染まっていた。
★☆★☆★☆★
気づけば、灰色の殺風景な部屋が広がっていた。覚えているのは、何故か柔らかいおっぱい感触だけ。それ以外はどうにも思い出せない。
ほんと、どうなってんだ? ジム戦はやったんだ―――
「エスパーの余波で精神を狂わされたとはいえ、立派なセクハラよ。可哀想だけど、暫くここで反省していてね」
何故か、ジュンサーさんが哀れみに満ちた目でそう告げた。しかも、鉄格子の向こう側で。この鉄格子、なんかドラマで見たことがあるんですけど?
いやいやいやいや、いやいやいやいや、いやいやいやいや。
待て待て待て待て、ここってどこなんだよ。まさか、刑務所!!?
「それじゃあ、また後でね」
ジュンサーさんがくるりと背を向け、どこかに歩き去った。
ちょっ、流石に理不尽すぎるだろぉぉぉぉぉぉ!!!!! 僕、何したのぉぉぉぉぉぉ!!??
〜Fin〜
まさかの刑務所エンドでした。わるいことはしちゃだめなんだよ?
ヒャッコクジムのコスモパワーがいい感じになんかしてライムの変態紳士度が人類の終着点まで達しました。これでオーガにも勝つる!
ひとまずはこれでライムの旅は終了ですが、四天王やらチャンピオンのおっぱいにも勿論揉ませるのでご安心ください。
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