とある少年が、全女性ジムリーダーのおっぱいを揉むという夢を抱いたそうです 作:フロンサワー
どうも、ライムです。シンオウ地方のハクタイシティまでやって来ました。そんで、この街にいるジムリーダーのナタネちゃんと対峙しています。
ナタネちゃんはどんな子かって? ヘアバンドをしたナイスバディの女の子さ。注目すべきは、やっぱり露出したおへそだろうか。
それにしても、なんで女性ジムリーダーの方々はヘソ出しルックの服を着てるんだろう。嬉しいけど、どうせならおっぱいを露出した服を着てくれればいいのに。
「ズバリ、私の予感が的中したね! 君を一目見て、ここまで来る実力があるって思ったんだ! 君、名前はなんていうの?」
「ライムだよ。よろしくね」
「よろしくね、ライム君。よーし! それじゃあポケモンバトルしちゃおうか!!」
「1on1でお願いするよ」
「分かったわ!」
ナタネちゃんは草タイプポケモンのエキスパートだ。草タイプは弱点が多いけど、彼女はそれを愛の力で埋めてるとか。草ポケモンへの愛が溢れてるな……。
幾つか候補が有ったけど、僕が繰り出すポケモンはもう決まっている。炎タイプのホーカマだ。
ファーザーでもいいんじゃないかって? それはちょっと無理かな。ファーザーを頻繁に働かせたら最後、簀巻きにされてどっかの湾に沈められちゃうし。夢を叶えずして死ぬなんて真っ平御免だ。
「それじゃあ、私はこの子で挑もうかな?」
ナタネちゃんがモンスターボールに手を掛けた。さて、僕もそろそろホーカマを出すとしますか。モンスターボールのスイッチを押し、宙へと投げた。
「いけっ! ホーカマ!!」
「お願い、ロズレイド!!」
ボールが開き、2匹のポケモンがバトルフィールドへと降り立った。
それにしても、僕の王子と違って優雅なロズレイドだな。王子はあれだ、チャラ男な感じがする。マトモな性格ならモテたのにねぇ。
『火ャッハァァァァァァ!!! キャンプファイヤーの時間だぜぇぇぇぇぇ!!!』
狂ったように飛び回るホーカマ。ちゃんと指示を聞いてくれるのか心配―――
『ようやく見つけました、我が麗しの妃よ!』
「あれ、王子!?」
いたよ、問題児がもう1匹……!
毎度毎度、どうやって僕に気づかれずにボールから出て来るんだ!?
とりあえず、さっさと王子をボールに戻さないと。ナタネちゃんのロズレイド、どうしたらいいか分からないって顔してるし。
王子のモンスターボールを手にしようと少し目を離したら、いつの間にやらホーカマと王子が睨み合っていた。顔を合わせたら喧嘩しかしないんだよな、あの2匹。
『おいコラ、キザ野郎! 今回は俺のジム戦だ!! テメェは大人しくすっこんでやがれ!!』
『なんだと野蛮人? 貴様のような者を妃に近づける訳にはいかないな』
『馬鹿か! あの嬢ちゃん、明らかに困った顔してんじゃねえか!』
『違う! これはあれだ、照れてるだけだ!!』
今回の言い分は全面的にホーカマにあるな。王子には悪いけど、さっさとボールに戻ってもらおう。
僕は王子にボールをかざし、スイッチを押そうとして―――
「凄い! 凄いわ!! なんて良く育てられたロズレイドなの!!」
ナタネちゃんがキャピキャピと喜んでいた。これはあれか、ナギちゃんと同じパターンか。
「お願い、そのロズレイドと闘わせてくれない!? 何でも言うこと聞くからさ!!」
「はいはーい、戻ってねホーカマ」
『アニキィィィィィィ!!!?』
『はっはっは! 無様だなぁ野蛮人!!!』
ホーカマをボールに戻した。ボールをガタガタ動かして抗議してるようだけど無駄だよ。ロズレイドで闘えば、ナタネちゃんは何でもしてくれるんだもん。絶対に王子で闘うよ。
さあ、言質は取ったぞ。ジム戦を始めるとしましょうか。
『ライム、今回のジム戦はドレインキッスだけで乗り切ろうと思う。応援してくれるな?』
「オーケイ、好きにしてくれ」
今回ばかりは王子の好きにさせてあげよう。ぶっちゃけ、今回のジム戦に関しては勝とうが負けようが結果は変わらないし。
それに、相手は草・毒タイプのロズレイド。どの道、攻撃技に関してはドレインキッスに頼るしかない。
「これより、ハクタイジムジムリーダー『ナタネ』対、チャレンジャー『ライム』のポケモンバトルを始めます。使用ポケモンは1匹。どちらかのポケモン1匹が戦闘不能になり次第、バトルを終了します」
審判を務めるミニスカちゃんの声がハクタイジムに響く。
臨戦態勢に入るナタネちゃんのロズレイドとは対照的に、キザっぽいポーズを崩さない王子。少しはナタネちゃんのロズレイドを見習ってほしい。
「それでは、バトル開始!」
始まったか。手を抜いたと思われるのもあれだし、ちゃんと勝つ気で挑むとしよう。
ドレインキッスは相手の体力を吸い取るという利点を持つ技だ。しかし、技自体の威力は控え目という弱点もある。王子の特性はテクニシャンだけど、やはり大きなダメージを与えるのは難しい。
ならどうするか? 答えは簡単。ぶっ倒すまでキスし続ければいい。長期戦にさえ持ち込めば、ドレインキッスを使える王子に軍配が上がる筈だ。宿り木の種はお互いに効果が無いし、ドレイン系統の技の効果は今一つに抑えられる。マトモに体力を吸収できる技は王子のドレインキッスくらいだろう。
補助技を使えばもっと時間を稼げるんだけど、使ってくれるかな?
「王子、影分身!」
『……まあ、いいだろう』
王子がバトルフィールドを素早く駆け抜けたかと思うと、徐々に王子の分身体が現れていった。分身体はちょこまかと動き回り、あっという間に本物が分からなくなった。
いける……! ここからは影分身に紛れさせて、ドレインキッスでチマチマとロズレイドの体力を削らせるだけだ!!
しかし、この不利な状況でも、ナタネちゃんは不敵な表情を変えなかった。
「勝った気になるのは早いよ、ライム君。ロズレイド、日本晴れ!」
ロズレイドが両腕の花束を掲げたかと思うと、ジム内に日光が差し込んだ。
ソーラービームの布石か? いや、わざわざ草タイプの技を王子に使うとは考え難い。もう一つの可能性があるとすれば、それは―――
「そして、ウェザーボール!!」
ロズレイドが掲げた花束の先に、炎の塊が形成されていた。
ウェザーボール。使用時の天候によって技のタイプが左右される技だ。日差しが強いから、今のウェザーボールは炎タイプの技となっている。半ば僕の予想通りだけど、的中しないでほしかった……!!
ロズレイドは炎の塊を放った。地面に着弾したかと思うと、巨大な炎の奔流が次々と王子の分身を巻き込んでいった。
「熱っ!!」
炎が消えた頃には、王子の分身体の数は半分くらいまで減っていた。
なんて馬鹿げた火力だ……! 並の炎ポケモンより余程強力じゃないか!! あんな技、一撃でもくらったらアウトだぞ!!
『愛してるよ、マドモアゼル!!』
「きゅあぁ!!??」
戦慄している僕とは対照的に、王子は果敢にドレインキッスを仕掛けていた。あれだけの火力を目の当たりにしても、ナタネちゃんのロズレイドにキスしたいようだ。
やれやれ、なんて欲望に忠実なポケモンなんだ。どこの誰に似ちゃったのやら……。
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影分身をフル活用して何度もドレインキッスを繰り返した結果、ようやくナタネちゃんのロズレイドに勝利できた。やはり、このジム戦の勝敗を分けた要因は王子の執念だろう。瀕死になりかけようと頑なにキスを続けたその姿は、まさに漢の鑑だった。
さて、皆が気になるのはナタネちゃんに何をお願いしたかだろう。
どうせおっぱいを触らせてと頼んだんだろうって? 甘いね。そんな考えは甘々だ。エリカちゃんの場合は僕が命の恩人だからおっぱいを触らせてと頼めたのであって、普通に頼んだらソッコーでブタ箱行きだ。
だから僕は、ナタネちゃんと森の洋館を探索したいと頼んだんだ。森の洋館ってのは、ハクタイの森の奥にある無人の洋館のことだ。いかにもな雰囲気から、シンオウ地方屈指の幽霊スポットでもある。
ナタネちゃんはお化けの類いが苦手らしい。その弱点を聞いた僕は、即座にこれや利用したおっぱいを触る方法を思いついた。
適当な理由を付けて森の洋館を一緒に探索し、ナタネちゃんが僕に引っ付いた瞬間にさり気なく体をおっぱいに当てるという算段だ。勿論、日は落ちています。
ちなみに、森の洋館を住処とするゴーストポケモンにジムバッジケースを奪われたという設定だ。ジムリーダーがいれば心強いって理由で同行してもらったけど、今のナタネちゃんからはジムリーダーとしての覇気が微塵も感じられない。まあ、分かってたけどさ。
それにしても、本当に不気味な洋館だな。ゴーストポケモン以外にも色々と出たり…… なんてね!
「それじゃあ、中に入ろっか」
「うぅ〜…… 怖い、怖いよぉ……」
ナタネちゃんは既に限界寸前のようで、ずっと僕の手を握ってくいる。これだけでもう役得です。
さて、そろそろ行くとしますか。玄関の扉を開け、洋館に足を踏み入れた。
「うっわ、暗いな……」
懐中電灯を片手にグングンと奥へ進む。分かっていたけど、洋館の内装も酷く荒んでいるな。だけど何か不自然だ。時間が経っただけで、こんなに酷く風化するのかな?
まあ、どうでもいいか。それよりもナタネちゃんだよ。ずっと僕の手を握っているけど、僕に抱きつくまでの恐怖は無いらしい。あともう一歩だと思うんだけど……。
急にゴース系統のポケモンが飛び出てくれれば、ナタネちゃんのおっぱいを触れるんだけ―――
バタンッ。
背後から物音がした。反射的に振り返ると、開けっ放しにしていた筈の扉が閉まっているのが見えた。
「きっ…… きっと風で閉まったのよね!! そうよね!!」
うわずった声で叫ぶナタネちゃん。僕の手を引きながら、扉まで足を進めた。それにしても凄い力だ。足を止めても容赦なく引っ張られそうだ。
ナタネちゃんはドアノブを掴み、必死で押したり引いたりした。だけど、扉はビクともしなかった。
ナタネちゃんの顔から血の気が引いていく。どうやら、僕もふざけている場合じゃなさそうだ。
「開かない、開かないよぉぉぉ…… ライム君……」
「少し荒っぽいけど仕方ないか。ナタネちゃん、少し離れてて」
モンスターボールを投げ、ホーカマを繰り出した。
『おいおいおい! ジム戦じゃねぇのかよ、兄貴ぃ!!』
「悪いね、ホーカマ。代わりと言ったらなんだけど、あの扉を全力で放火していいよ」
『!!』
不満タラタラだったホーカマの目の色が変わった。あれはスイッチの入った目だ。
『久々の放火だぁぁぁぁぁ!!!』
最大火力のオーバーヒートを扉に放つホーカマ。しかし、扉には焼け後一つ残らなかった。
有り得ない……! ホーカマの炎で燃えないなんて、金属製の扉くらいなんだぞ!!
『……兄貴。こいつは普通の扉じゃねえ。明らかにポケモンの力が加わっていやがる』
「そうだね。そんじゃ、戻っていいよ」
『チッ! 久々の放火だってのに、白けるぜ……』
ホーカマをボールに戻した。
どうしてかって? ホーカマはゴーストタイプでもあるから、ナタネちゃんが怯えているんだよ。この状況じゃあ、彼女に余計な恐怖心を与えられない。
さて、これからどうするか。ホーカマの炎でも扉を破壊できないとなると、僕の持つポケモンでは手も足も出ない。
ああ、もう! ナタネちゃんのおっぱいを触りたいだけなのに、どうしてこんなハメに……。
「扉が開かないのはゴーストポケモンの仕業よね? そうよね?」
「……うん、きっとそうだよ。主犯格のゴーストポケモンを倒せば、この洋館から脱出できるさ」
口ではそう言ったけど、それだけじゃないと感じた。ホーカマの炎を打ち消す強力な野生ポケモンなんてそうそういない。もっと、別の力が働いてるような―――
『キャハハハ……』
ゾクリ、と背筋が凍った。
間違いない。女の子の声だ。年齢は10歳くらいだろうか。
こんな時間に、こんな場所で、女の子が笑い声をあげるだろうか? いるとしたら、それは幽霊以外に考えられない。
「ふぇぇぇ〜ん!!! ジムに、ジムに帰りたいよぉぉぉぉ〜!!!」
「落ち着いて! 落ち着くんだ、ナタネちゃん!!」
今は落ち着いてもらわないと! こういう状況でパニックになるのは一番マズイ!!
少しでも安心させようと、ナタネちゃんの肩に手を伸ばした。
「ありゃ?」ムニュリ
「ひゃあっ!!??///」
柔っこい感触が僕の手の平に伝わった。この感覚、幾度となく味わった覚えがある。間違いなくおっぱいのそれだ。
あれ、肩に手を伸ばした筈だよね? ナタネちゃんの胸元に目をやると、ナタネちゃんのおっぱいをバッチリ揉んでいる両手があった。
ああ、柔らかい……。やっぱり、おっぱいは偉大だ。こんな状況でも天国にいるかのような気分になるもん。
それにしても、恐怖でテンパっておっぱいに手が伸びるとは。落ち着くべきはナタネちゃんじゃなくて僕だったね。
もういいや。やっちゃったもんは仕方ないし、このまま満足するまで揉んじゃおう。
「うっひょいうっひょい!!」モニュモニュモニュモニュ
「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!???」
ぶん殴られました。まあ、当たり前ですけど。
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「ライム君、もう一度やったら絶対に許さないんだからね……」
「肝に銘じます」
そう言いつつも、僕の右腕にガッチリとしがみ付くナタネちゃん。現在進行形でおっぱいが腕に押し付けられています。
うん、ここまで言葉と行動が噛み合わない人は初めて見た。まあ、幸せだから別にいいけど。今なら幽霊だって平気かもね。
というか、是が非でも平気じゃないといけない。こうなった責任は僕にある。たとえこの身を犠牲にしても、ナタネちゃんを洋館から脱出させないと。両腕の感触を楽しみたいけど、今回ばかりはそうも言ってられな――― 待て、両腕?
左腕を見ると、いた。年端もいかない女の子が。
『遊ぼうよ、おにいちゃん』
「―――ッ!!??」
「きゃあ!!?」
ナタネちゃんの手を引き、全力でその場から飛び退いた。
幽霊の女の子は動きを見せない。ただその場に佇むだけだった。
それにしても、よく見たら可愛い女の子じゃないか。透き通るような白い肌。この暗闇に溶け込みそうな黒髪。あと10年もすればたわわなおっぱいが育っただろうに。
「ああああ、あの子がまさか幽…… きゅうぅ……」
気を失ったナタネちゃん。地面に倒れる寸前で受け止めたけど、当分は起きなさそうだ。
頬に冷や汗が伝う。あの女の子は突然僕の隣に現れた。それも、一切の気配を感じさせずに。果たして、幽霊から逃げる手段なんてあるのだろうか……。
『そっか……。おにいちゃんも、遊んでくれないんだ……』
「っ!!」
まるで、僕の心を見透かしているような発言だった。
彼女の哀しそうな顔を見た瞬間、僕は悟った。この子は幽霊である以前に、寂しい想いをしている女の子なのだと。
「いいよ。一緒に遊ぼう」
『ほんと!? やったぁ!!!』
うんうん。幽霊だろうと、女の子は笑顔が一番だね。というか、これを機に成仏してほしい。
『わたし、ポケモンバトルをしたいわ!』
「いいよー…… って、ポケモン持ってるの?」
『うん! みんな、でてきてー!!』
壁から、天井から、数多くのゴースト系ポケモンが現れた。よくもまあ、こんな数のポケモンと友達になれたものだ。
『それじゃあ、この子達でお願いします!!』
「えっ?」
何故かヤル気マンマンのゴーストポケモンズ。いやいやいや、この数を相手にしろっての!?
『みんな、いっけぇー!!』
「ぎゃああああああ!!!???」
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フルメンバーで挑み、どうにかゴーストポケモンズを全滅させた。
あー、疲れた。神経を磨り減らすから群れバトルは苦手なんだよな。まあ、幽霊ちゃんが喜んでくれてるみたいだから良いけどさ。
『ありがとう、おにいちゃん。私、産まれて初めて友達と遊べた気がするわ』
そう言いながら、宙へと浮いていく幽霊ちゃん。これから成仏するのだと直感した。多分、友達と遊べなかったのが唯一の心残りだったのだろう。
『おにいちゃん、また会えるかな?』
「うん。でも、次に会うときは多分しわくちゃのお爺さんになってると思うんだ。それでも友達でいてくれるかい?」
『うん! 待ってるからね!!』
満面の笑みを浮かべながら、女の子の幽霊は消えていった。少しだけ寂しい気もするけど、きっとこれで良かったのだろう。
さて、幽霊もいなくなったし外に出れるだろう。ナタネちゃんを負ぶって脱出しよう。そんで、ナタネちゃんが目覚める前に次の街に逃げるとしよう。そうしよう。
ナタネちゃんを背に乗せ、洋館の出口へと足を進めた。ここからハクタイシティとなると結構な距離があるけど、我慢するしかないか……。
「お疲れ様、ライム君」
「!」
そう言ったきり、ナタネちゃんは僕の背中に真っ赤に染まった顔をうずめた。
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「ライム君の背中、大きかったなぁ……」
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