「■■■■■ッ!!」
不快な音が鼓膜を叩く。時雨を刺した下手人ーーーーーーいや、それは人とは呼べなかった。陽炎のように黒い体躯を揺らめかせ、人と獣が交わったような形をした化け物。
「ーーーーーーイテェなぁおい」
それに対する時雨の反応は速かった。腹から爪が生えたままだというのにその場で半回転、腹部の半分が引きちぎられることを厭わずに化け物に向かって
「
振り下ろされた
「■■■■■■ッ!!」
「■■■■■■ッ!!」
「■■■■■■ッ!!」
「■■■■■■ッ!!」
「■■■■■■ッ!!」
「■■■■■■ッ!!」
「■■■■■■ッ!!」
化け物は一体だけではなかった。森からあたかも始めからそこにいたのではないかと疑ってしまう程に沸いてくる。
「■■■■■■ッ!!」
「■■■■■■ッ!!」
「■■■■■■ッ!!」
「■■■■■■ッ!!」
「■■■■■■ッ!!」
「■■■■■■ッ!!」
「■■■■■■ッ!!」
「■■■■■■ッ!!」
気がつけば今時雨たちのいる森の中にある開けた空間を化け物が群れをなして取り囲んでいた。
「・・・・・・萎えた、帰るか」
抉られた腹部をエーテルライトによる縫合で応急処置を済ませた時雨はさっきまで怒りに燃やしていた顔を無表情に変えてそう言った。確かに目の前には這いつくばっている
そう、相手が脆弱な化け物だけならばーーーーーー
「っ!!」
シグナムたちをーーーーーー正確にはシグナムたちの背後にある森を見た時雨は突然顔色を変えた。時雨の視線の先、化け物の群れの中、そこには【影】がいた。不快な化け物の群れの中で佇む【影】の様はそれだけで異質。しかしそんなことは些細なことだった。その【影】を捉えた瞬間に時雨の脳内に警鐘が鳴り響く。
「(なんだあれはなんだあれはなんだあれはなんだあれはなんだあれはなんだあれはなんだあれはーーーーーー!!あんなものが存在して良いのか!?それになんで誰もあれに気がつかない!?)」
戦闘経験が少ないであろう魔導師や魔術師たちはともかく、英雄であるサーヴァントですらあの森にいる【影】に気づく素振りを欠片も見せていない。そして【影】の人間で言うところの頭に該当するであろう部位が突然膨らみだした。
「ッ!!伏せろぉぉぉぉぉぉぉお!!!!」
警戒で固まる体を強引に動かして
それが分岐点だった。
もし、時雨の指示に素直に従っていれば。
もし、時雨以外に誰か一人でも【影】の存在に気がついていれば。
こんなことにはならなかっただろうに。
【影】の頭部が限界まで膨らみ、弾けた。そこから放たれるのは濃厚で無差別な呪詛。ただそこにいたからという理不尽な理由で此の世すべてを汚染する死の呪いがバラ撒かれる。
不幸なことに【影】に一番近かったのはシグナムたちだった。そして呪詛が届く前に時雨の放った蒼炎が彼女たちを守るための壁となって立ちはだかる。結果として時雨は意図していないがその行為がこの場にいる全員を守ることになった。しかしそれは咄嗟の壁、後僅かにでも間があれば時雨は完璧に守ることが出来たのだろうがその壁には穴があったのだ。そしてその穴から防ぎきれなかった呪詛が漏れだしーーーーーーシグナムの右手の小指に触れてしまった。
「あーーーーーー」
ただ存在するだけという理由で万物を汚染する呪詛は容赦なくシグナムを侵食する。
『憎い』
『醜い』
『恨む』
『怨む』
『何故生きている?』
『何故お前は生きている?』
『死ね』
『死ね』
『死ね』
『死ね』
『死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねーーーーーー』
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
まるで負の感情を煮詰めたかのような呪詛、それを受けたシグナムはーーーーーー迷うことなく自分の右腕を肩からバッサリと切り落とした。発狂したかと思われるような狂った行為であったがシグナムは正常だった。あの呪詛をあと一秒でも聞き続けていればーーーーーーシグナムは自分の首を切り裂いていたかもしれない。
「シグナム!!!」
呪詛から逃れられたことの安堵と腕を切り落とした激痛で崩れ落ちそうになったシグナムを時雨が抱き止めた。シグナムの切り落とされた腕を見ればどす黒く染まっていて見る影もなくなっている。これでは再び繋ぎ会わせることは不可能だろう。時雨は生きているシグナムを見て安堵し、落ちている腕を見て悲しそうにし、森の中にいる【影】を視線だけで殺せるのではないかという程に睨み付け、そして冷静に判断を下した。
「・・・・・・退くぞ。御門、シュテル、レヴィ、ディアーチェ、恭也、コトミネ、信喜、宗蓮、バゼット、ランサーはキャスターと共に退け。ワラキアを護衛に着ける。残りは一旦別世界に飛ぶぞ」
本当ならあの【影】を、シグナムに自分の右腕を切り落とさせた元凶を殺したい、グチャグチャの肉に変えてやりたい、四肢を切り落としてあの頭を踏みつけてやりたい、そう時雨は思っている。しかしそれは出来ない。この場には死にかけているシグナムがいるから。だから時雨は二手に別れるように指示した。そうすれば敵の追っ手も半減されるし、万が一があったとしても全滅は避けられる。それに追われるとすれば闇の書の主である時雨がいる方なはずだ。時雨の感情も、考えも理解した全員は時雨の指示に反対することなく頷いた。
「構わんがこやつらはどうするつもりだ」
「消し飛ばす」
それだけを言って時雨は
「
蒼炎が爆ぜて現れたのは十の蛇の頭。それらは荒々しく蠢きながら化け物を食い散らかしていく。蛇の顎に、蛇の胴体に触れた化け物は次々に燃えて消滅していく。
「散れっ!!!」
化け物の包囲網が崩壊した一瞬の隙、その隙を逃すことなく時雨たちは二手に別れて転移し、その場から逃げ去った。魔術師勢と魔導師勢が時雨たちが逃げたことに気づいたのは化け物の掃討が終わってしばらくした時だった。
時雨たちが転移した先は地球ではない管理外世界、そこはどこかの洞窟の中らしく視界すべてが石に覆われた広い空間だった。
「クソッ!!血が止まらねぇぞ!!」
「それだけじゃないわ!!傷口から魔力が放出していく!!このままだとシグナムが消滅しちゃうわ!!」
しかし時雨たちにとってはそんなことはどうだってよかった。今気にするべきことはどこに転移したかではなくシグナムの容態。時雨はシグナムの傷口を押さえて出血を止めようとするも止まらず、さらに追い討ちをかけるようにシャマルから魔力が放出していることが告げられる。闇の書の騎士たちは人間ではなく魔力によって構築された生命体なのだ。そ体の作りは人間に非常に似ており、出血しすぎれば死ぬが魔力が無くなっても消滅して結局死ぬ。
「やるしかないか・・・・・・おい、全員何があっても邪魔するなよ」
刻一刻と死が迫っているシグナムを見て時雨は覚悟を決めた。取り出したのはエーテルライト、時雨はこの場で手術をするつもりだ。欲を言えばもっと清潔な場所が良かったのだが今は一刻を争う、そんな贅沢を言っている余裕は無い。コートから一本の試験管を取り出して時雨はそれを口に含み、口移しでシグナムに飲ませた。試験管の中身は液体状の痺れ薬、麻酔代わりに使った。意識の失ったシグナムに飲ませる方法はこれだけしかなかった。
そしてーーーーーーシグナムを救う手段を選んでいる余裕も無かった。
「ふぅ・・・・・・血は止まったな。シャマル、魔力の放出は?」
「・・・・・・止まっているわ・・・・・・でも、でも!!!」
時雨の全神経を集中させて行われた手術は僅か二十分という考えられない程の早さで終えて、着ていたコートを地面に寝ているシグナムにかけた。これは時雨が人体に深い理解を持っていたこととシグナムを死なせたくない一心で限界を越えたからだろう・・・・・・ただーーーーーーーーーーーー
「
シャマルの言った通りに時雨の右腕のあった部分は無くなっていて空っぽのコートの袖が力なく垂れ下がっており、シグナムの無くなっていた右腕のあった部分には左腕とは長さの違う男物の腕があった。そう、時雨は自分の右腕を切断し、シグナムに移植したのだ。血も魔力の放出も止まらないのはあるべき栓が無くなっているから。ならば代わりの栓を嵌めてやれば良い。だから時雨は自分の右腕を切断し、シグナムに移植した。幸いなことに時雨は両利きだったので手術には支障は出なかった。
「シグナムが助かったんだから俺は満足してんだ。騒がないでくれ」
「・・・・・・シグナムが知ったら、悲しみますよ」
「泣くだろうな・・・絶対。それでも俺はシグナムに死んでほしく無かったんだけどな」
「クッ!!」
「ザフィーラ、そんな顔するな。これは俺が選んでやったことだ」
「・・・・・・帰ったら、絶対に説教しますからね」
「おぉ怖い怖い。いつもの変態っぷりが無くなるとシャマルは怖いねぇ・・・・・・“無事に帰れたら”いくらでも説教されてやるよ」
その時、この空間に突発的に圧力がかかる。突然重力が数倍強くなったこの圧力に時雨は心当たりがあった。
「あれが来るな・・・・・・おい、全員逃げろ。俺が食い止めてやるから」
「っ!!そんな!!私も残ります!!」
「私もだ!!」
「時雨さんを放って逃げれるわけないじゃない!!」
「ははっ・・・嬉しいねぇ・・・・・・ギル」
「あぁ」
共に残ると言ったリニス、ザフィーラ、シャマルの言葉に時雨は嬉しそうな笑みを見せた後、ギルガメッシュに指示を出した。そして三人は突然崩れ落ちて意識を失う。時雨が指示した通りに、ギルガメッシュが三人の意識を失わせたのだ。
「まさか英雄王様を顎で使える日が来るなんてね、感無量だよ」
「・・・・・・本当に良いのか?このような真似をして」
「ギルガメッシュ、俺にとって世界ってのは一枚の絵みたいな物なんだよ。はやてがいて、リニスがいて、シグナムがいて、ザフィーラがいて、シャマルがいて、ヴィータがいて、シュテルがいて、レヴィがいて、ディアーチェがいて、ギルガメッシュがいて、それで差ほど多くはないけど大切な親友たちがいる。そんな小さな集まりが俺にとっての世界のすべてなんだ。だから俺は俺の世界を守るために戦う。それだけの話なんだよ。俺は俺の為に、ほらそれが俺の行動理念、変わることのない不変の物だ」
「ならば教えてやろう時雨よ、それは大多数の人間からすれば誰かの為に戦うということになるのだ」
「ーーーーーーへぇ、これが、誰かの為にねぇ・・・・・・あぁ、弱い理由と責任転嫁と嫌ってきたけど、自覚してみればなんだ、悪かないな」
ギルガメッシュは自分の為と言い張る時雨にそれは他人の為であると教えた。そしてそれを指摘された時雨は取り乱すわけでもなく、静かにそれを受け入れた。
「そろそろ行くぞ、流石の貴様でもこやつらを守りながらでは分が悪かろう」
「あぁ待て、やり残したことがある」
ヴィマーナを取り出してリニス、シグナム、ザフィーラ、シャマルを乗せてこの世界から立ち去ろうとしたギルガメッシュに時雨が待ったをかけた。そして左腕のシャツの袖を噛み千切って二の腕を露出させる。そこにあるのは剣と二本の鎖が絡み合ったような紋様の令呪、サーヴァントに対する三度限りの絶対命令権。
「第一の令呪を持ってギルガメッシュに命ず・・・・・・ギルガメッシュよ、家族を頼んだぞ」
鎖が一本消える。
「続けて第二の令呪を持ってギルガメッシュに命ず・・・・・・ギルガメッシュよ、家族を見届けてくれ」
鎖が一本消える。
「最後に第三の令呪を持ってギルガメッシュに命ず・・・・・・ギルガメッシュ、はやてを、任せたぞ」
最後の剣を模した令呪が消える。令呪がすべて消費されたことでギルガメッシュと時雨との間にあったパスが無くなったがギルガメッシュは他のサーヴァントたちとは違い受肉しているためにマスターを必要とはしない。
「ーーーーーーその令呪、確かに聞き届けた。去らばだ、我がマスターよ。願わくば再び会えることを切に願おう」
ヴィマーナが浮上し、空間に穴が現れてその中に消えていった。恐らくギルガメッシュが持つ宝具で地球に帰ったのだろう。持ち主であるギルガメッシュですらすべての財宝を認識しきれていない程の財が納められた宝物庫なのだ。そんな効果の財宝があったとしても不思議ではない。
時雨は振り返らない。ギルガメッシュならば必ず守ってくれると信じているから。
ギルガメッシュは振り返らない。自分が主と定めた男の覚悟を汚したくはないから。
「ふぅ・・・・・・悪いなナハトヴァール、こんなのに付き合わさせてよ」
時雨以外誰もいなくなった空間で時雨はタバコに火を着けながら左腕の手首にあるデバイス【ナハトヴァール】に話しかけていた。
『いいえ、主と共にあることが私の役目。例え向かう先が死地だろうとも貴方とあれるのならばそれこそが本望です』
時雨の体はボロボロだ。右腕を無くし、エーテルライトで縫合したとは言えどただ繋ぎ会わせただけで癒着していない全身の傷、それに化け物に刺されたことで抉られた脇腹の傷、加えて傷が開いているのか傷口からは血が流れ出していて時雨の足元には赤い水溜まりが出来ている。血が足りないのか時雨の顔は青を通り越して白くなっている。
「いやでもさぁ、俺がお前を使ってやったことなんて片手で足りるほどしか無いぞ?それで良いのかよ、主にデバイスという道具兵器のアイデンティティーとして」
『確かに、貴方は私という存在を使うことは少なかった。でもそれは私を使う必要が無かったと言うこと。それがデバイスのアイデンティティーを損なうような行為であったとしても私はそれを嬉しく思います』
「そりゃそうかい」
タバコの半分が燃え尽きたところでかかっていた圧力がさらに強くなる。そして目の前の空間が砕けた。砕けた空間から這い出てくるのは森の中で見たあの【影】。化け物を率いてはいない、この世界にいるのは時雨と【影】だけだった。
「よう、お前はなんだ」
【影】が現れたことでさらに圧力は強くなる。だが時雨はその圧力を前にして臆することなく立ってさらに質問を投げ掛けていた。答えが返ってくることなんて期待していない、これはただシグナムたちを連れたギルガメッシュが逃げ切るための時間稼ぎに過ぎないのだから。
しかし、その質問を受けて【影】に動きがあった。幽鬼のように佇んでいるだけだった【影】、その姿が変わり出したのだ。まるで泥水の様に体を泥々に溶かし、そして新に人の形へと変わっていく。変貌した【影】の姿を見た時雨は予想外の姿にまだ燃え尽きていないタバコを落とした。タバコは時雨の足元にある血の水溜まりに落ちて消化される。
「あーーーーーーあっははははははッ!!そうか!!そうかそうか!!お前がそうなのか!!あぁそれなら納得だ!!お前が出たことも!!あの化け物たちが出てきたこともな!!」
【影】の正体に心当たりがあったのだろう時雨は白くなった顔を可笑しくてたまらないといった笑みで歪ませながら【影】に話しかけた。無論、【影】から返ってくる物はない。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・・・I am the bone of my sword. 」
一頻り笑った時雨は息を整えながら言霊を紡ぐ。時雨を中心に金色の炎が走り、世界が改変される。石で覆われた無機質な空間は剣の墓標が乱立する黄昏時の荒野にへと作り変えられる。
「まぁお前がそうだったとしても俺のやることには変わりはねぇよ。シグナムの為にリニスの為に、ザフィーラの為にシャマルの為に、お前を足止めするだけだ。あ?ギルガメッシュがいない?あいつは神様がいる時代に初めて人としての王となった英雄だぞ?そんな心配するだけ無駄ってやつだ」
【影】から返事が返ってくることはないと分かっていながら時雨は淡々と言葉を続けた。そして自身の左に鞘に納められた状態で刺さっていた刀を手に取り、口で鞘を押さえて引き抜く。その刀の刀身は殺してきた生命の血で漆黒。その漆黒が見えたのは一瞬だけですぐに刀身から蒼炎が生じて漆黒を隠した。
「さぁて!!お相手するは無限の剣製!!剣撃の極地!!この無限の剣を越えられる物なら越えてみやがれぇぇぇぇぇぇぇえ!!!!」
時雨は刀ーーーーーー
そうして時雨と【影】はぶつかり、
その後の時雨を知るものは誰もいなかった。