調律者は八神家の父   作:鎌鼬

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UAが23万越えてヒャッハー+シリアスばっかり書いて息抜きがしたいので八神家の日常を書いてみました。

時期的にはマテリアルズがやって来た頃なので夏です。

シリアスなんてナイナイ、あるのはシリアルだけです。


第弐拾参幕 とある日の八神家の日常

 

 

意外と思うかもしれないが時雨の朝は早い。大体季節の日の出と共に起きて行動を開始する。今の季節は夏なので早くて5時頃、遅くても6時前には起きていて何かしらの行動をしている。だが今日の時雨は違った。

 

 

「ーーーーーーー」

 

 

一心不乱、と言うのが合っているだろう。時雨は自分の部屋に置かれている机に向かっていてその上に置いた原稿用紙にひたすら文字を書き続けていた。床の上には隅の方に番号の振られた原稿用紙が散乱している。そして今書いている原稿用紙が一杯になったらそれを投げ捨て、新しい原稿用紙に手を伸ばす。それを繰り返して、最後の原稿用紙にEND (終わり)の文字を書いたところで時雨は手を止めて大きく伸びをした。

 

 

「あ゛ぁ゛~!!書いた書いた~久しぶりに書いた~!!最近はシグナムたちやシュテルたちの事でどたばたしてたから真面目に書いたのはホント久しぶりだな~」

 

 

長時間同じ姿勢だったのか時雨の体からはバキバキと間接から音が聞こえる。ふと時計を確認してみれば時刻は朝の7時になろうとしているころだった。

 

 

「今日の飯の当番ははやてだったはずだし・・・・・・ま、大丈夫だろ。眠気は無いし、ダラダラと怠惰な一日を過ごさせてもらうとするか」

 

 

そう本日の予定を決めて足元に散らばっている原稿用紙を振られた番号に従って集めていく。そうして数分の内にすべてを集めた時雨はその出来上がったばかりの原稿用紙を持って部屋から出る。すると扉を開けてすぐのところでエプロン姿のシグナムがやって来た。

 

 

「あぁ時雨、良いところに。朝食の用意ができたので呼びに来ました」

「ん、あんがとさん。朝風呂入ってからでいい?シャワーだけで済ますから」

「構いませんが・・・・・・その手に持っている物は?」

「これ?俺の書いた小説。見る?」

「良いのですか?」

「良いよ別に、まぁはやてにはいの一番に見せる約束になってるけど・・・・・・ま、大丈夫でしょ」

「はぁ・・・・・・ちなみにどのような話なのですか?」

「ん~・・・・・・人間が頑張る姿が大好きすぎて人類が滅びる一歩手前まで困難(しれん)を与えちゃう魔王の話と人間になろうとしている人形の話」

「・・・・・・好き嫌いが別れそうですね」

「まぁそういうスタイルでやらせてもらってますから」

 

 

そうだけ言って時雨はケラケラと笑いながら風呂場に向かっていく。

 

 

今回は闇の書の主の片割れ、そして過去に死神と呼ばれた八神時雨ーーーーーーー旧名皐月原時雨の一日を紹介しよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝9時、風呂に入ってサッパリしてから最近増えた新しい家族たちと一緒に朝食をとった時雨は自由な時間を過ごしていた。ちなみに用意したのはシグナム、はやてとリニスに教わりながら作ったことをはやての口から明かされた時の顔を真っ赤にしたシグナムは眼福だった。

 

 

そんな一日が始まってそう時間も経っていないころ、時雨はと言うと、

 

 

「はぁ・・・・・・朝から飲む酒が旨い」

 

 

庭に置かれている椅子に座って朝っぱらから缶ビールを飲んでいた。側に置かれているテーブルの上には吸殻数本が入れられている灰皿とすでにカラになった缶ビールが三本転がっている。否、今まで飲んでいた缶ビールがカラになったので四本だ。そして足元に用意された氷水の入った容器から冷やされている缶ビールをとってタブを引く。そしてそれを煽って一言、

 

 

「あぁ、平日の朝っぱらから他の奴等が働いていると言うのにそんな中でダラダラと飲む酒が旨い!!」

 

 

平常運転からすでに振り切れてやがるぞ、こいつ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝10時半、世の中の人々が暑い中で文字通り汗水垂らしながら働いているその姿を肴に缶ビールを計七本空けた時雨が家に入るとそこにはリニスから勉強を教わっているはやてとヴィータ、それと新しく家族になったシュテル、レヴィ、ディアーチェ、ユーリの姿があった。知っての通りはやては足が悪い為に学校に行くことが出来ないでいる。その為通信教育という形で勉強をしていたのだが時雨では教科書の範囲しか教えることができなかった。だがリニスがやって来て、フェイトに勉強を教えていた経験があることから時雨の代わりにはやてに勉強を教えることになっているのだ。そしてそこにヴィータ、シュテル、レヴィ、ディアーチェ、ユーリが加わることでその場はちょっとした勉強会のようになっていた。

 

 

「リニス~、ここなんやけど・・・」

「はやて、そこはここの数式を使うと良いですよ」

「え?違うよ、こっちのだよ」

「あれじゃねぇの?」

「何を言っておるか貴様ら、そちらのに決まっているであろうが」

「えっと・・・・・・私はあっちのだと・・・」

「リニス、正解は?うちはこれだと思うんやけど」

「はやてが正解ですね。この数式を使ってやれば求める数値を出すことができます」

「「「「「なん・・・・・・だと・・・・・・!?」」」」」

「お前らはどこのオサレな死神代行だ」

 

 

質問一つであちこちから声が上がって進まないように思えるかもしれないがこれもまた正しい勉強の一つである。下手に黙っていて理解できないでいるよりも、正しいと思って口に出して間違いを受け入れればそれだけ印象に残り、理解することができる。

 

 

「・・・・・・来学期、だと早すぎる。来来、は中途半端だな。なら新学期からの方がいいか」

 

 

そんな家族の姿を見ながら時雨は一つの計画を立てていた。それははやてとヴィータ、シュテル、レヴィ、ディアーチェ、ユーリたちを一緒に学校に行かせる計画。移動の際の不備などを考えてはやては学校に行けなかったがヴィータたちがいるのならその心配は解消される。学力の面では彼女たちは水準以上だとリニスから聞いているのでそちらの不安もなかった。

 

 

そうなるとコトミネの手を借りる必要がありそうだな~と考えながらもはやてたちが楽しそうに学校に通っている風景を思い描いて時雨は小さく笑みを溢した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝11時、テレビでニュースを缶ビール片手に見ていた時雨だったがザフィーラから誘われたことで今は庭に出て徒手拳の稽古をしていた。

 

 

「違う!!そうじゃない!!こうするんだ!!」

「こう、ですか!!」

「そうだ!!良いぞ!!それじゃもう一度だ!!」

 

 

 

「「流派ぁ!!東方不敗の名の元に!!」」

「俺のこの手が真っ赤に燃えるぅ!!!」

「勝利を掴めと轟き叫ぶぅ!!!」

「「ばぁくねつ!!ゴッド!!フィンガァァァァァァ!!!」」

 

 

かれらはいったいなんのけいこをしているのでしょうねぇ・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正午12時、はやてから「ご飯できたでぇ!!」という言葉が告げられたことでザフィーラとの稽古は強制的に終了となった。夏に思いっきり体を動かしたことで汗をかいたザフィーラと時雨だったが時雨は後で良いと言ったことでザフィーラが先にシャワーを浴びることになった。時雨は台所で水道から出た水を飲んでいる。そこにリニスがやって来た。

 

 

「家の中から声が聞こえたのですが・・・・・・一体何をしてたんですか?」

「ザフィーラに流派東方不敗を教えてた。なかなか筋がいい。デットリーウェイブ使えるようになったぞ」

「ガンダムファイターでも作るつもりですか・・・・・・他に何か教えていますか?」

「後は圓明流の触りを少しと虚刀流を本格的に。ザフィーラは無手だからどっちも合うんだが相手が武器を持ってることを前提で考えるなら虚刀流だよなということで深めに教えてる。東方不敗は息抜き程度だな」

「・・・ザフィーラ改造計画?」

「そんなどこぞのエヴァの人類保管計画みたく言うなよ」

 

 

時雨はそういうが実際のところ、このザフィーラは原作のザフィーラに比べてかなり強化されている・・・・・・完全に納めた訳ではないとは言え、流派東方不敗と圓明流、それに虚刀流を使えるとか・・・・・・

 

 

「お先にいただきました」

「お、上がったかザフィーブゥオ!?」

「ちょ!?しぐ・・・・・・ザフィーラ!!なんで服着てないんですか!?」

 

 

ザフィーラに声をかけられて時雨がそちらを向けば飲もうとしていた水を噴き出し、それに釣られてリニスがそちらを見たら驚くしかなかった。何故ならシャワーを浴びてきたザフィーラは

 

 

 

腰 に タ オ ル を 巻 い た だ け の 姿 だ っ た か ら だ 

 

 

これには流石の時雨もビックリで、流しに向かって必死に肺に入りそうになった水分を出そうと咳ごんでいる。ザフィーラはその時雨のことを不思議そうに見ながらも冷蔵庫から牛乳の入った紙パック(1000ml)を取り出して腰に手を当てて豪快に飲んでいた。

 

 

「ふぅ・・・・・・テレビで見たのだがこれが正しい風呂上がりの格好ではないのか?シャマルに聞いたが肯定していたぞ?」

「ゲホ・・・ゲホ・・・・・・シャマル、ギルティー」

「・・・それは男性がするべき格好ですよ。貴女がするなら責めてタオルは体に巻き付けてください。私が持っていった服はどうしましたか?」

「置いてある。暑かったからな」

「着てきなさい、すぐに」

 

 

リニスにそう言われてザフィーラは渋々といった様子で風呂場に戻っていった。

 

 

「リニス、ハバネロってどこにあったっけ?」

「そこの引き出しの中にあるケースの中です」

 

 

復活した時雨は台所を漁りながらシャマルへの罰の用意をしていた。そのとき、ふと思い付いたリニスは時雨にこんな質問をした。

 

 

「ザフィーラ、良い身体をしていたと思いませんか?」

「オッサンみたいだぞその質問・・・・・・まぁ、確かにな。全体的に細かったけど引き締まった身体だったし・・・胸も小さすぎず大きすぎず、腰の辺りも括れれてスタイル良かったな」

「私、戦闘に向いてそうなという意味で良い身体と言ったんですけど?」

「良い性格してるよホント・・・・・・俺だって男だ、異性をそんな目で見てしまうことが悪いか?」

「まぁオープンスケベよりはムッツリの方が良いと思いますよ・・・・・・時雨はそのムッツリの中でも紳士的なムッツリですけど」

「紳士的なムッツリってなんだよ・・・・・・元の世界(あっち)じゃハニートラップなんて日常茶飯事だったからな。男には美女を、女には美男を送ってホイホイ着いていったら人生終了、生き残ったらハニートラップに警戒することを覚えてレベルアップってな、一種の通過儀礼みたいなものだったよ」

「話聞く度に思うんですけどまるっきり裏社会ですよね、その世界」

「この世界の裏社会を表社会にしたらあら不思議、俺の世界みたいになっちゃうのよ」

「・・・・・・ヒャッハーモヒカンとかいましたか?」

「いたね~ま、器量がよろしくなければすぐに生ゴミになってたけど」

 

 

そんな話をしながらザフィーラに変なことを教えた罰を時雨とリニスは進めていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてそれはシャマルの昼食として出されて、シャマルの悲鳴が響き渡ることになるのだった。

 

 

 






~人間の頑張る姿が大好きすぎる魔王
台詞を小説より一部抜粋
「我も人、彼も人、故に対等そうであろう?」
「人間讃歌を歌わせてくれ、喉が枯れるほどにッ!!!」
「リトルボォォォォォォイッ!!!」
「ツァーリボンバァァァァァァァ!!!」
いったいどこのアマッカスなんでしょうねぇ・・・・・・←意味深

~平日の朝に飲む酒の味
作者も仕事が休みだった時の平日の朝に酒を飲みます。メチャクチャ旨いです(確信)。

~八神家式勉強会
分からないところは教えてもらう、分かるところは教えてあげる、そんな感じで勉強をしています。

~「「ばぁくねつ!!ゴッド!!フィンガァァァァァァ!!!」」
ガンダムは拘束具だと公言するガンダム乗りの一人が使う必殺技。効果、相手は死ぬ。

~流派東方不敗
~圓明流
~虚刀流
時雨がザフィーラに教えている流派。このザフィーラは間違いなく原作のザフィーラよりも強いな(確信)。

~風呂上がりのザフィーラ
まさかの上半身マッパ、下半身タオル一枚という女性にあるまじき姿で登場。みんな、想像するんだ・・・・・・銀髪のスレンダー美少女がBかCサイズの胸をさらけ出して腰タオル姿で風呂から上がってきた様を・・・・・・盛 り 上 が っ(ry

~リニスと時雨の会話
リニスはすでに時雨の過去について知っているので違和感無く会話することができます。シグナムたちが知るのはもう少し先のことです。

~シャマルへの罰
・生ハバネロ~ハバネロパウダーとハバネロソースを添えて~
・ハバネロハンバーグ~ハバネロソース掛け~
・100%絞りたてハバネロジュース
一口食べて拒絶したところ、時雨とリニスによって無理矢理詰め込まれた模様。シャマル死すべし、慈悲はない。


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