調律者は八神家の父   作:鎌鼬

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前回の裏話


はやて「なぁ、シグナムとザフィーラは何したん?お父さんがあぁ何なんてなかなか珍しいで」
シグナム「少しばかりはしゃぎ過ぎてしまいました。あのときの時雨は・・・・・・」ガタガタガタ
ヴィータ「あのときの父ちゃん恐かったもんな」
シャマル「時雨さんがあんなになるなんて何をしたのよ?」
ザフィーラ「・・・・・・もう一度してもらえないだろうか?」
はやて「え?」
シグナム「え?」
ヴィータ「え?」
シャマル「え?」
ザフィーラ「え?」




第6話

 

 

昨日のよくわからない奴との戦闘からあけた次の日の朝、俺は庭で木刀を振るっていた。右手に握るのは普通の木刀だが左手にあるのはそれよりも一回り小さい小太刀と呼ばれるサイズの木刀。それを振るう。ただただ振るう。想像する敵は人間。関節を叩き、急所を突き、時には蹴りを頭や金的の部位に放ちながら体を動かしていた。

 

 

思い描くのは昨日の夜の出来事。俺の勘にすぎないがまた昨日のような敵が出てくるような気がしてしょうがない。そんなときに体が動かないでは話にならない。コトミネの手伝いで代行者紛いの仕事をしているがそれでも全盛期の頃に比べれば実力は落ちてきている。それに俺はカードに頼りすぎていた。確かにあの英霊の力をそのまま使えるようになるカードは強いが土台になっている俺の実力がお粗末ではいけない。

 

 

「久しぶりに恭也のとこの道場にでも行ってみるか」

 

 

あの戦闘民族の道場に通えば嫌でも鍛えられることになるだろうしな、うんそうしよう。そんなことを考えながら小太刀で想像の敵の手首を払い武器を落とす。そして足払いをかけて体勢を崩して地に伏せる敵の心臓に木刀を突き刺す。手に伝わるのは突き刺さった土の感触、三十秒かけて敵が絶命したのを確認してから息を吐き出して鍛練を終える。時計を見れば始めてから一時間近く時間が経っていた。

 

 

「お疲れ様です」

「ん?あぁ、シグナムか」

 

 

声をかけられて振り向けばシグナムが手に水筒とタオルを持って立っていた。多分俺が木刀を振っているのを見て持ってきてくれたのだろう。

 

 

「烈火の将様から見て俺の剣はどうよ?」

「荒削りですが実戦では問題ないレベルだと思います。あとは経験を積めば嫌でも上達するでしょう。ただ・・・・・・違和感を感じますね。誰かの真似をしているような、本来の武器じゃないような」

 

 

それ正解。これは元々バトラーやら紅茶やら言われてる英霊の戦い方を真似している剣術だからな、歴戦の勇士であるシグナムから見たら違和感の塊でしかないだろう。まぁだからといってこの戦い方は気に入っているから変えるつもりなんて微塵もないけど。

 

 

「そうでした、こちらをどうぞ」

「あんがと」

 

 

シグナムから水筒とタオルを受け取り水筒の蓋を開ける。そして水筒に口を着けようとした時に中身から発せられる異臭に気づいた。なんというか・・・腐った卵のようで生魚のようで焦げた肉のようで溝のようで・・・・・・形容しがたい臭いが鼻についた。

 

 

無言のまま水筒を逆さまにするとズルンという音をたてながら中身が固形の状態で地面に落ちた。

・・・・・

水筒の中身に触れた草は一瞬で茶色くなり、瞬く間に液状化した・・・・・・。

 

 

「・・・シグナム、これは?」

「・・・先程シャマルからこれを時雨に持っていけと」

「シャマァァァァァァァァァァァァァァァァルっ!?!?」

 

 

何バイオウェポン作ってくれちゃってんの!?我が家の台所は大丈夫なのか!?

 

 

「はぁ朝から胃が痛い・・・シグナム、少し離れてて」

「何をするのですか?」

「いやね、こんな環境汚染兵器は存在しちゃいけないと思うんだ」

 

 

シグナムをシャマル印の環境汚染兵器から離しながら小石サイズの宝石(販売用には出来なかったサイズの宝石を安く売ってもらった。㎏で十万程)を兵器に向かって放り投げる。

 

 

「偉い人は言いました・・・・・・ヒャッハー!!!汚物は消毒だぁ!!!」

「偉い人はそんなことは言いません!!チンピラの発言じゃないですか!!」

 

 

俺の言葉がキーワードになり宝石の中に溜め込まれていた魔力が発現、即座に魔術として起動し青い炎となってバイオウェポンに引火した。

 

 

ギィィィイヤァァァァァァァァァ・・・・・・・・・っ!!!!

 

 

「うぉ!?気持ち悪っ!?喋った!?」

「・・・・・・これは本当に飲み物として作られたのでしょうか」

 

 

ア・・・・・・ア・・・・・・

 

 

ん?なんだ?

 

 

アイル・・・ビー・・・・・・バック・・・・・・!!

 

 

「火力増加!!」

 

 

透かさず追加の宝石を投入、炎は2m程の火柱となり消えた後には焦げた地面だけを残した。

 

 

「地球の平和は守られた・・・・・・」

「(すまんシャマル・・・流石にこれは否定できない)」

「はぁ・・・切りもいいしそろそろあれの練習して終わるかね、見てく?」

「邪魔でなければ」

「もーまんたいもーまんたい、んじゃ【投影開始】」

 

 

シグナムの返事を聞き攻刀莫耶だけを投影、それを両手で持ち地面と水平になるように構えて上半身を180°近くひねる。

 

 

そして起きたのは偶然か必然か、俺の目の前に一匹の燕が飛んできた。それを確認した俺は迷うことなく燕をターゲットにする。

 

 

この技はただただ純粋な研鑽が産み出した人の技にして魔法にすら届きうる魔技。『飛んでいるあの鳥(つばめ)を斬ってみたい』という戯れに人生を注いだ剣を振るう農民が会得したたった一つの技。初撃に放たれる第一斬、横から現れる第二斬、そしてそれらの穴を埋めるために振るわれる第三斬、これらの斬撃を一瞬の遅れもなくまったくの同時に放つ秘剣、その名はーーーーーーーーーー

 

 

「ーーーーーーーーーー秘剣・燕返し」

 

 

攻刀を振るう。一斬目は燕の正面に現れ、やや遅れて横から二斬目が顔を見せる。しかし三斬目は現れずに燕は一斬目と二斬目の間を縫って何事も無かったかのように空高く飛んで俺の目の前から姿を消した。

 

 

「うーんやっぱり駄目か・・・どうしたって三斬目が振れない上に一斬目と二斬目にラグが出来る。」

 

 

だからといって気落ちしている訳ではない。アサ次郎は生涯を賭けてこの秘剣を完成させたのだ、剣を振ってたかが数年の俺が簡単に出来るわけがない。

 

 

「まぁ先は長いんだし現存の模倣だからナンクルナイサーってね~・・・・・・ん?シグナム?」

 

 

反省を終わらせてからシグナムを見るとなんかものっすごいキラキラした目で俺を見ていた。なんか見覚えあるな・・・・・・欲しかった本を見つけた時のはやてのような、通販テレビを見てる時のリニスのような、愉悦対象人物を見つけた時のコトミネのような・・・・・・

 

 

「時雨!!御相談があります!!」

「OKOK、分かったからCOOLになろうぜ。BE COOLだ」

 

 

興奮した様子で迫ってくるシグナムを落ち着かせようとする。後日リニスからこのやりとりを見ていたシャマルが「騎士と主の禁じられた関係・・・っ!!薄い本が厚くなる!!」とか言っていたという話を聞いて頭痛が痛くなった。

 

 

「私と・・・・・・試合をしてください!!」

 

 

後日リニスからこのやりとりを見ていたシャマルが「私と愛し合ってください!?シグナムったら大胆ね!!」とかほざいていたという話を聞いてシグナムと一緒にシバきあげた。いいストレス発散になったが途中から「良いわよ・・・シグナムぅ・・・時雨さぁん・・・・・・!!もっと・・・もっとよぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!」とか叫ばれて余計にストレスが溜まった。シグナムもストレスが溜まって胃に来ていたようなので胃薬をプレゼントしたら泣きながら感謝された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ!!やりましょう時雨!!」

「どうしてこうなった」

「私に聞かないで欲しいです」

 

 

庭でやると被害がでかくなるということだったのでリニスの転移魔法で人気どころか生物の気配すら皆無な砂漠の場所まで移動した。どうやらここは管理外世界と呼ばれる世界のようでこの世界ならいくら暴れても問題ないとのことだった。ちなみに地球も管理外世界の一つにカウントされてるらしい。

 

 

「じゃあ軽くルールの説明をしますね」

 

 

この世界にいるのは俺とシグナムとリニス。リニスは俺たちが管理外世界で試合をすると聞いて「時雨の欲望が溢れだしてシグナムを性的な意味で襲わないように私も着いていきます」と言って審判役として着いてきた。リニスの言葉がゲイボルクとなって突き刺さった。俺ってば信用されてないなぁ・・・・・・

 

 

「シグナムは魔法ありあり、時雨も魔術ありあり、ようするに好きに殺っちゃってもらって構いません。ただし殺しは無し。違反をした場合にはヴィータのギガントによる千本ノック。ザフィーラの特訓のサンドバック、シャマルによる腐った汚話し講座六時間を予定しています」

「なんだその罰は!?私は聞いてないぞ!!」

「シャマルぇ・・・・・・」

 

 

シャマルが日本の文化に染まっていることを嬉しく思う反面、悲しくなってくる。最初の頃の清楚な御姉様キャラのシャマルはどこに行ったのだろうか。

 

 

「んん!!レヴァンティン!!」

『ヒャッハー!!バリアジャケット!!』

 

 

空気を変えようとしたシグナムが剣を模したペンダントを掲げるとそれから世紀末に出没するモヒカンのような話し方の機械音がして昨日のようなどこかずれてる騎士のような格好に変わる。騎士のような格好が言いとか言ってた割りには鎧は薄くて役割を果たしていないし大きな胸部は強調されて太股に至っては丸出しである。ちなみにデザインしたのははやて。一言言いたい、よくやった!!眼福です!!

 

      マテリアル・オン

「んじゃま、投影開始」

 

 

攻刀守剣を投影してシグナムを観察する。装甲の薄さから恐らく戦闘スタイルはスピード重視、武器は剣一本とそれに付属している鞘。シグナムの強さがどの程度のモノかは分からないが少なくとも俺よりも格上なのだろう。

 

 

「それでは・・・いざ尋常に・・・・・・勝負!!」

 

 

リニスの合図とともに俺たちは同時に飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飛び出したと同時にシグナムはレヴァンティンを抜刀、速度を保ったままに時雨へと斬りかかる。それに対して時雨は守剣でレヴァンティンを受け流し体制が崩れたと見ると即に攻刀の剣先をシグナムの腹部目掛けて突き出す。並の相手ならば即終了だろうが肝心の相手は闇の書の騎士たちを統べる烈火の将、崩れた体制から鞘で攻刀を横から殴り付けて軌道をずらしてこれを回避する。それを確認した時雨は突進の速度を維持したままでシグナムから距離をとる。

 

 

「(やっば、左手が痺れてやがる)」

 

 

先程の一撃は守剣を使うことで受け流したのだがそれでも左手には軽い痺れが残る。パワーはシグナムの方が上だと判断して剣による打ち合いを放棄する。

 

 

「ふっ!!」

 

 

短い掛け声とともに時雨は攻刀と守剣をシグナムへと投擲する。

 

 

「効かん!!」

 

 

何の工夫もなく放たれた二本の剣は容易くシグナムに弾かれる。しかし時雨の狙いは投擲によるダメージではない、ただシグナムの足を止めることが出来れば良かった。その点で言えば攻刀守剣は十分に役割を果たしている。

 

 

「I am the bone of my sword.」

 (我が体躯は剣也)

 

 

即座に新たなる攻刀守剣をその手に投影、次は横に向かって投擲し、二本は弧を描きながらシグナムへと向かっていく。時雨の使う武装守剣干将と攻刀莫耶は夫婦剣干将莫耶を元にして作られた物である。干将莫耶の特性は例え離れ離れになったとしても磁石のように互いを引き寄せあうこと。干将莫耶から生まれた攻刀と守剣にもこの特性は引き継がれている。

 

 

「これは・・・っ!!」

 

 

足を止めたことによる自らの失態に気がつくがもう遅い。弾丸の如く迫り来る投擲のスピードから回避は許されず防御することを強制させられる。

 

 

「Steel is my body,and fire is my blood.」

 (流れる血は焔、軋む骨は鋼)

 

 

さらなる投影、三組目の攻刀守剣も例外なく投擲され次は前後からシグナムに襲いかかる。それだけではない、弾いたはずの一組目と二組目も再びシグナム目掛けて飛びかかる。

 

 

「レヴァンティン!!」

『オゥイェイ!!カートリッジ!!』

 

 

レヴァンティンの柄のから薬莢が吐き出されシグナムの魔力が爆発的に跳ね上がる。さらにレヴァンティンの刀身が弾けて連結刃へと変わる。

 

 

「ハァッ!!」

 

 

連結刃を振り回すことで六方からの攻刀守剣の襲撃を防ぎきる。これこそが時雨の狙い、危機を乗り越えれば如何なる強者とて一瞬の緩みは生まれる。

 

 

「ーーーーー鶴!翼!三連!!」

「ッ!?」

 

 

上から現れた時雨の一撃をレヴァンティンで防ぐがそれも時雨の狙い、この一撃はシグナムではなく防御の手段を奪うための奇襲。時雨の一撃を受け止めたシグナムの手は時雨の全体重+落下のスピードにより凄まじい威力になっている。レヴァンティンを手離さなかっただけ良かっただろう。

 

 

「その身に刻む!!」

 

 

地面に着地して間を置かずに突貫、がら空きになったシグナムに二閃叩き込むが流石は烈火の将、必殺の一撃を鞘を楯にすることで防ぎ、さらにその威力を堪えることなく受けとめることによって時雨と距離をとることに成功した。

 

 

「(純粋な肉体のスペック的には私の方が上、技巧も私の方が勝っている。だが搦め手に至っては時雨の方が上か)」

 

 

呼吸を整えながらシグナムは時雨の戦闘力の測定を図る。恐らく普通のルールに乗っ取った試合であるのならば十度戦えば十度シグナムが勝つだろう。しかしこれはルールも反則もない純粋な戦闘、ゆえに時雨は勝つために手段を選ばない。相手の戦闘手段を削ぎ落とし、自分が有利な場面へと持っていく。相手の全力を引き出しその上で打ち勝つ騎士の戦い方ではなく卑怯者の汚名をつけられようが生き残り戦果を得ることを目的とした戦士の戦い方。事実、先程の攻防ではシグナムは一方的に攻め込まれて必殺の一撃を叩き込まれるまで淀みなく繋がれた。奇襲策略を良しとした手段は人によっては罵倒されてもおかしくは無いだろう。しかしシグナムーーーーーーーーーー

 

 

「おもしろい・・・・・・!!」

 

 

ニヤリと口角をつり上げて時雨を称賛した。僅か二十余年にしてベルカの騎士たる自分と互角に戦えるとはどれだけの研鑽を積み重ねてきたのだろうか。戦闘力が必要とされていない現代においてここまで実力をつけていた時雨と戦えることにシグナムは空想とされている神に感謝したくなった。

 

 

「(正直に時雨の戦闘に着いていけば絡めとられるに違いない)ならばレヴァンティン!!」

『オーイェイ!!』

 

 

レヴァンティンから薬莢が二つ吐き出され再び連結刃へと変形する。シグナムがとった手段は単純明快、相手がややこしい手段をとるのならばーーーーー

 

 

「正面から叩き潰す!!飛竜一閃!!」

 

 

振るわれる連結刃の先端が真っ直ぐに自身に伸びる中で時雨はただ一言、呪文ですらない自身と外界を切り離す言葉を紡ぎ出した。

 

 

「I am the bone of my sword. 」

(我が体躯は螺旋に至る)

 

 

投影されたのは遊び気のない黒塗りの弓、そして矢ではなく刀身が捻れ歪んだ一本の剣。迫り来る連結刃など意に介さない自然な流れで剣を弓につがえ、

 

レプリカント・カラドボルク

「劣・螺旋剣Ⅲ」

 

 

螺旋剣を放った。

 

 

螺旋剣と連結刃は二人のほぼ中間の距離で衝突しーーーーー中規模の爆発を起こした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「随分と派手にやりましたね」

 

 

被害が自分に及ばないようにこっそりと障壁を張っていたリニスは爆発が収まってから障壁を解除した。辺り一面は爆発の影響で砂ぼこりがたっていて視界が悪い。その中でリニスは一つの人影を見つけた。それは息を切らしながらも自分の足で立っているシグナムだった。

 

 

「お疲れ様ですシグナム、試合はここまでです。どうでした?時雨の実力は?」

「・・・強いな、正直なところここまでだとは思っていなかった。あの武器を出す魔術・・・あれを教えて貰いたいものだ」

「それは時雨に直接交渉してください。ところで時雨は・・・・・・」

 

 

そう言ってリニスは辺りを見渡す。しばらくすると砂ぼこりが収まり視界が開けて時雨の姿を見つけることができた・・・・・・仰向けで横たわりピクリとも動かない状態だが。

 

 

「「し、時雨ぇぇぇぇ!!!」」

 

 

最悪の事態を想像してしまったのか二人は高速で時雨に駆け寄った。

 

 

「時雨!!生きていますか!?」

「時雨!!確りしろ!!」

「あ~・・・生きてるよ・・・身体中あちこち痛いけど」

「良かった・・・シグナム、シャマルを連れてきますから時雨を見ていてください」

「あぁ、分かった」

 

 

時雨の意識がはっきりしていることに安心はしたが頭を打っているかもしれないと判断したリニスは時雨を動かさないでシャマルを連れてくることを選択、シグナムに任せて転移魔法を使い姿を消した。

 

 

「立てるか?」

「一人では無理っぽい、手ぇ貸して」

「ほら・・・・・・きゃ!?」

 

 

シグナムは時雨を起こそうと手を伸ばしたのだがここで予想外の出来事が起こった。原因は先程の戦闘と地面が砂地だったこと。戦闘の疲労と踏ん張りが効かない砂地ということもあってシグナムは足を滑らしたのだった・・・・・・時雨の方向へと向かって。

 

 

可愛い声を上げながらシグナムは時雨の上へと倒れる、しかもシグナムの胸が時雨の顔に当たるような形で。

 

 

「時雨!!シャマルを連れてきまし・・・た?」

 

 

このタイミングでリニスはシャマルを連れてやって来た。ここで問題、今の時雨たちの状態を何も知らない第三者が見ればどうなるだろうか?

 

 

A.シグナムが時雨を押し倒している。

 

 

「「お、お邪魔したした~」」

「ま、待て!!待ってくれ!!これは誤解だ!!」

「(早く退いてくれないかな?あ、でも気持ちいいからこのままでもいいか)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後シャマルとリニスの誤解をシグナムが必死に解いたり、シャマルからの治療を受けて完☆全☆回☆復した俺は地球にある我が家に戻ってきたのだが、

 

 

「・・・なんぞこれ?」

 

 

家の周囲を巨大な木の根っこが取り囲んでいる非日常的な光景を目にして思わずつっこんだ。

 

 

 

 






と言うわけで今回は時雨VSシグナムでした。


時雨の実力は何でもありならシグナムと互角に戦えるレベル、ルールありなら五分持つかどうかと言ったところですね。まぁ今回は切り札とも言えるカードは一回も使ってませんけど。


そして時雨に起こるラッキースケベ!!ドジッ娘シグナム・・・っ!!恐ろしい娘・・・っ!!


あとはどうしてこうなったシャマルぇ・・・・・・どんどん取り返しの着かない方向に全力疾走してやがる。


次回は原作でも重要な主人公成長のシーンです。もちろん時雨の介入はありますが(笑)



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