調律者は八神家の父   作:鎌鼬

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そろそろ原作に入ります。待たせたなっ!!


前回食事の時のNGシーン


ヴィータ「なぁ、この赤いのってなんだ?」
リニス「それは麻婆豆腐ですよ」
時雨「良かったら食べてみるか?」
はやて「お父さん冗談やろ!?」
ヴィータ「良いのか!!いっただきます!!」パクッ
リニス「あ」
はやて「あ」
ヴィータ「あ・・・あ・・・ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?!?!?」
シグナム「ヴィータ!!目を覚ませヴィータ!!」
シャマル「変わってシグナム!!・・・・・・み、脈がない・・・!!ザフィーラ、心臓マッサージ!!」
ザフィーラ「1!2!3!!1!2!3!!」
時雨「大袈裟だなぁ」パクパク
(((ふ、普通に食べてる!?!?)))





第5話

 

 

俺の誕生日に闇の書の騎士とかいう四人がやって来てからしばらくした四月の終わり頃。四人とも最初に会った時に比べて柔らかくなってきた。ヴィータは俺をはやてと同じように父ちゃんと呼んでくれるようになり、シャマルはリニスと一緒に家の家事を手伝っており、シグナムは庭で木刀を振り、ザフィーラは狼の格好になってはやてを楽しませたりしている・・・・・・うん、ヴィータは分かる、まだ子供だからな。シャマルも大丈夫、台所に立たせなければいいだけ。ザフィーラは狼になったときには驚いたが今では慣れた。だがシグナム、テメーはダメだ。なんでお前は木刀を振ってるだけなの?俺お前が家にいる時の姿木刀を振ってるか新聞や小説読んでるときしか見てないんだけど?やることがない?だったら探せよ。

 

 

当然コトミネには四人から話された内容を包み隠さずに伝えたが、『はやてが望んでいるなら私が否定してもしょうがない』といって許可を出した。そして僅か一時間足らずで四人の戸籍を作り上げた。四人とも名前も顔つきもアジア圏の人間の物ではないのでコトミネの欧州の親戚で八神家にホームステイしているという設定になっている。よくもまぁぽんぽんと思い付くよな。

 

 

「そして今俺たちは買い物をしているのであった」

「お父さん何言ってるん?」

「別次元の方々への説明」

「時雨・・・貴方は疲れているのです。帰ったら休みましょう」

「そうか?父ちゃんがこうなのはいつものことじゃないか」

「こらヴィータ、本当のことでも言ったらダメなことがあるのよ」

「いや、シャマルの方が酷いと思うが」

 

 

うん、シャマルの言葉が一番傷ついた。さっき説明した通りに俺たちは買い物をしている。ことの発端はリニスの醤油が切れてしまったので誰か買ってきてくださいの一言から。

 

時雨:俺が行こう

はやて:雑誌見たいからウチもついていくわ

ヴィータ:はやてが行くならあたしも行く!!

シャマル:あらあら、なら私も行くわ。シグナムもザフィーラも行きましょう

ザフィーラ:心得た

シグナム:恋の空騒ぎの再放送があるから私はいい

はやて:皆!!シグナムも強制連行や!!

時雨・ヴィータ・シャマル・ザフィーラ:イエッサー!!

シグナム:えっ!?ちょ、あぁぁぁ・・・・・・

 

 

みたいな感じで。そうしてスーパーにつき、リニスから頼まれていた醤油とはやてが見たいと言っていた雑誌、ヴィータにせがまれたアイス、ザフィーラが物欲しそうに見ていたビーフジャーキー、切れていたのを思い出したタバコ(ワンカートン)を買って帰ることにした。

 

 

「そんなにタバコを吸って・・・早死にしますよ」

「そんときゃそんときその調子ってね、俺は後悔はできるだけしたくないタイプの人間なもので。生きるなら後悔しまくって長生きするよりも一切の未練無く短命に生きたいのよ・・・・・・あ、少なくともはやてが結婚するまでは死にたくないな・・・いや、孫を抱くってものやってみたいし・・・」

「欲望しかないな~。それよりもウチはまだ八歳やで、結婚なんてはやいわ」

「娘の結婚姿を見たいのは全親共通の夢だと思うんだがな。あぁ、でも大丈夫かな?はやてが連れてきた男に『娘はやらん!!』とかいってコトミネ直伝の八極拳を叩き込みそう」

「あら大変、時雨さんが壊れてきたわね。ヴィータちゃん、アイゼンで叩いて直してあげて」

「うん、わかった。アイゼン!!」

《ヤヴォール》

「イィィィヤァァァァァ!!ロリっ娘に殺されるぅぅぅぅう!!助けてシグナム!!ザフィーラ!!」

 

 

シャマルに唆されてアイゼンを起動させたヴィータから逃げるようにシグナムとザフィーラの後ろに回る。ちなみにザフィーラは狼の格好ではなく人間の姿になっている。前に冗談で『狼の姿ばっかしてたらその内ガチでペット扱いされるかもな~』と言ったら慌てて人間の姿になった。あのときは笑ったな~そんな未来を想像したのか顔青くして少し震えてたし。

 

 

「ヴィータ落ち着け、アイゼンで叩いてしまっては流石の時雨殿でも死にかねない。シャマルもそんな冗談を言うのはよせ」

「し、時雨!?そんなに引っ付かないでください!!」

「・・・ロリ恐いロリ恐いロリ恐いロリ恐いロリ恐いロリ恐いロリ恐いロリ恐いロリ恐いロリ恐いロリ恐いロリ恐いロリ恐いロリ恐いロリ恐いロリ恐いロリ恐いロリ恐い。狂戦士にミンチにされたり蟲に貪られたり名前や存在までも忘れてしまう森に放り込まれる」

「お父さん!!しっかりしぃや!!」

「・・・はっ!?俺は何を・・・」

 

 

はやてに揺すられて正気わ取り戻す。シャマルは笑いながら謝っているがヴィータは何がいけなかったのか理解してないみたいだ・・・・・・ヴィータ、純粋であってくれ。

 

 

「ふざけるのは止めて早く帰るか、リニスも待ってるし・・・・・・っ!?」

 

 

帰ろうとした矢先に目の前の景色がいきなり変わる。さっきまで聞こえていた民家からの声は途絶えて人の気配も無くなった。

 

 

「え?なんなんこれ?」

「結界だな・・・それも外界と完全に隔離するタイプの」

「まさか我らに気づいた管理局か!?」

「・・・いいえ、管理局員らしき魔力は感じられないわ。どうやら違うみたいよ」

 

 

【裏側】に詳しくないはやてだけが取り残された感じになっているが俺とシグナムとシャマルは冷静に現状を観察、ヴィータとザフィーラは何も言わずに周囲を警戒していた。

 

 

「はやて、説明は後でしてやるから落ち着け。取り合えず、結界があるっつーことはどこかに術者か基点になっている物があるはずだ。俺とシグナムとザフィーラで結界の解除に向かう。シャマルとヴィータははやての護衛。質問意見文句はあるか?」

 

 

見渡して見るが誰も何も言わない。買い物袋をはやてに預けて俺たちは結界の解除に向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なーんも無いなぁ」

 

 

はやてたちと別れてから三十分近く彷徨いているが術者は愚か基点すら見当たらない。攻刀を肩にかけて辺りを見渡すがそれでも以上は無し。シグナムとザフィーラはさっきまでとは違いバリアジャケットとかいう服装になって俺の後ろにいる。

 

 

「ザフィーラ、これ張った奴は何を考えてると思う?」

「我々を閉じ込める為か、他の対象を捉えるための結界に巻き込まれたかだと」

「まぁそう考えるのが妥当だよな~クソ、空でも飛べたらもう少しは楽になるだろうに」

「?空を飛ぶことは出来ますよ」

「え?」

「え?」

「え?」

 

 

え、何この子達空を飛べるの?知らなかったわ~。ということなのでさっそく二人には空から探してもらうことにした。

 

 

「何か見つかったか?」

「いえ、特に異常は見当たりません」

「こちらもですーーーーーっ!?焼肉屋発見!!」

「シグナム」

「紫電一閃!!」

「っ!!待て!!シグナム!!話せば分かる!!」

「問答無用!!」

 

 

ザフィーラがふざけたことを言い出したのでシグナムに任せると剣から炎を出しながら切りかかった。対するザフィーラは話せば分かるとかいいながら障壁を出して逃げに徹している。ふざけなかったらよかったのに。

 

 

「さてーーーーーがふぉ」

 

 

空からの探索は二人に任せて俺は下から探索をしようとして踵を返した時に何かにぶつかった。感触はブヨンとしたものでコンクリートではないことは確か。てかこんなところに壁なんてあったか?そう思いながら視線を上に向けるとーーーーーー

 

 

「・・・・・・」

『・・・・・・』

 

 

不定形の異形と目があった。大きさは目測で4、5mくらいで赤一色の双眼が俺のことを見下していた。

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・こんにちは、僕○ッキーだよ♪」←精一杯の裏声

『■■■■■■■■ーーーーーッ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜の町の中を走る二つの影があった。一つは時雨で走るのの邪魔になると判断したのかさっきまであった攻刀と守剣は握られておらず素手である。もう一つの影は異形。陽炎のように揺らめく体から四本の足を生やして見つけた時雨を追いかけていた。

 

 

「ああクソもうっ!!不幸だぁって叫びたくなる展開だなぁオイ!!」

『■■■■■■■ーーーーーっ!!』

「うっせえよ!!テメエはバーサーカーかっての!!」

 

 

異形の足は見た目から予測ができないくらいに早く自動車並の速度で時雨を追いかけている。それに対して時雨は距離を離すことは無いが詰めることはさせずに一定の距離を保ったままで走っている。

 

 

「っーか何やってんだよ!!シグナムとザフィーラは!!」

 

 

助けを期待して空を見上げる。さっきまで空ではふざけた発言をしたザフィーラを折檻するためにシグナムが追いかけていた。ならばこの敵襲に気づいているはず。そうして空を見上げてみれば

 

 

「ウォォォォォォォォオ!!!!」

「ハァァァァァァァァア!!!!」

 

 

いつの間にか折檻はガチバトルにまで昇華されていた。

 

 

「ヲィィィィイ!!!あいつらなにしてんのォォォォオ!!!そんなのは後でいいからこっち助けてよ!!

Help me !!シグナぁム!!ザフィーラぁ!!」

 

 

放置されてる事実に気づきわりとガチで涙を流しながら時雨は助けを乞うがその声は二人に届くことはない。そして異形は時雨を潰すために跳躍、高度は民家の屋根と変わらないくらいの高さだが押し潰すには充分すぎる体格を異形は持っていた。たまたま空を見ていた時雨はそれを察知、素早く急ブレーキをかけながら今まで自分が進んでいた方向とは真逆の方向にモンハ○の緊急回避よろしく飛び退く。コンクリートを砕きながらも異形は着地し時雨の前に立ち塞がる、逃げ道は断たれた。

 

 

「・・・・・・あーシグナムとザフィーラは一回ガチでシバき上げる。テメエも泣いて謝られてもゼッテェ許さねぇからなぁ!!」

 

 

異形を睨みながら時雨は着ているコートのポケットから一枚のカードを取り出す。それはタロットカード程の大きさで絵柄には鉈の様なものを持った狼男の絵、下の部分には『Barserker 』とだけ書かれていた。

 

 

「【狂戦士・神話の英雄】!!」

 

 

躊躇いもなくカードを握り潰す。握り潰されたカードは硝子の砕けるような音をたて、粒子となって時雨の体にまとわりつく。そして半分の粒子は体の中に消え、残った粒子は時雨の手元に武器として形を作った。

 

 

それは岩をそのまま削り出したような石斧。サイズは2mを優に越え、そのサイズに比例して重量も大きくもはや人類が使えるような代物ではなかった。しかし時雨はそれを柄の部分を右手一本で持ち、感触を確かめるかの如く軽々と振り回していた。

 

 

軽く横凪ぎに振るう。それだけで空気が唸りを上げる。

軽く縦に振り下ろす。それだけでコンクリートの地面に一本の切れ込みが入った。

 

 

「ーーーーさて」

 

 

時雨が顔をあげて異形を見る。その目はさっきまでは黒であったはずなのにいつの間にか赤と金のオッドアイになって無表情で異形を見つめていた。

 

 

「やろうか化け物。」

 

 

一言だけ声をかけて突貫する。その速度はまるで砲弾。一秒もかけずに20mは空いていた距離をつめた。振り下ろされる石斧は容易く異形を両断する。空気を切ったかのような抵抗の無さに思わず体を硬直させるが異形はまだ死に絶えていない。二つに別れた体から十本ずつ、計二十本の触手が現れて時雨に襲い掛かる。その触手の攻撃をすべて受けた時雨は吹き飛ばされ、何事もなかったかのように立ち上がった。服に砂がついていることを除けば全くの無傷で無表情だった。

 

 

「全くもって面倒な」

 

 

やれやれだぜとでも付け足しそうな様子で時雨が呟いたのも無理はない。石斧によって真っ二つにされたはずの異形は半分のサイズになっている点を除けば元の姿に戻っているのだから。

 

 

『『■■■■■■ーーーーーッ』』

「ーーーーあぁ、なんて醜い」

 

 

二重になった異形の咆哮を耳にしながら素直な感想を口にし石斧を構え直す。

 

 

異形の片割れが突っ込んでくるがそれでも時雨は微動だにしない。そして異形が必殺の範囲内に時雨を納めた時、

 

 

「 射殺す百頭(ナインライブズ) 」

 

 

ほんの一瞬、一呼吸するよりも短い間に石斧は百度振るわれて異形の片割れを霧散させた。

 

 

射殺す百頭

 

 

とある英雄が不死身の怪物を倒す際に使用した弓矢の能力を模した攻撃方法。何度首を断ち切ろうが蘇生する九頭の大蛇を殲滅したその技は真っ二つに切り裂かれようが再生した異形を滅し、射た場所に蒼い宝石を遺した。

 

 

自らの片割れが消滅したのを見届けた残りの異形は迷うこと無く時雨に背を向けてその場から逃げることを選んだ。そう、それは間違いでもなく恥ずべきことでもない。死にたくないのは生物として当たり前のこと。勝てない相手に逃げることは当然のこと。

 

 

その場にいたのが時雨だけならば。

 

 

「紫電一閃!!」

 

 

逃げようとした異形の前に桃色の髪をした騎士が躍り出て炎を纏った剣を振るった。突然の乱入者に異形は反撃は愚か反応することすらできずバッサリと袈裟斬りに切られる。

 

 

「オォォォォォォォォオ!!」

 

 

動きを止めた異形の真上から銀色の髪をした守護獣が拳を振るう。如何なる守りであろうと正面から打ち砕かんと言わんばかりに放たれた一撃はその細腕からは信じられない威力で異形を叩き伏せた。

シグナムとザフィーラ、二人からの一撃を受けた異形は蚊の鳴くような声を発した後で体を液体のように崩し、時雨に滅された片割れのように蒼い宝石を遺して消え去った。

 

 

「あ、あの・・・時雨?」

「御無事ですか?」

 

 

シグナムは恐る恐る、ザフィーラは時雨の身を案じながら声をかける。そんな二人を見ながら時雨は石斧を肩に担ぎ上げ、最大級の笑顔を浮かべながら、

 

  ジャッジ・ギルティ

「・・・判決、有罪」

 

 

異形に襲われてるのに自分を放ってガチの喧嘩をしていた二人に対して判決を下した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、自分の体を抱えてガタガタと震えているザフィーラと虚ろな目をして人形のようになってしまっているシグナムを引きずって時雨ははやてたちと合流した。結界は異形が原因だったのか気がついたら消えてしまっていた。

 

 

合流した時の時雨の笑顔についてシャマルは、

『あんな寒気を催す程の笑顔は初めて見ました。でも、あれ?わりと悪くない?むしろ気持ちい(ry』

 

 

ヴィータは、

『笑顔が恐いだなんて初めて知った』

 

 

はやては、

『いい笑顔やったな~。あんな笑顔を見るのは久しぶりやで~♪最後に見たのはコトミネのおじさんと一緒にお父さんの友達を精神的に虐め抜いていた時やっけな?』

 

 

と、語っていたらしい。

 

 

ちなみにこの夜、一人の少女がフェレットに出合い、魔法少女として爆誕、魔法をつかい異形を封印した。

 

 

そんな側で黒髪の少年と銀髪の少年が原作がどうのこうのいいながら戦っていたらしい。

 

 

 





そんなこんなで原作の一話目です。影だけて姿も見せない主人公ぇ・・・・・・


そしてシャマルの性格が危ない方向に走りつつある。どうしてこうなった\(^o^)/



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