調律者は八神家の父   作:鎌鼬

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今回は大幅な原作崩壊が見られます。嫌な人はバックしてください。


第3話

 

 

「ぁ~疲れた~」

 

 

コトミネからの説明曰く封印指定を受けていた死徒研究第一員者の魔術師を処理を終えて疲れた体を引きずりながら家に帰宅する。時計を確認すれば時間は11時55分、言うまでもなく深夜で家は真っ暗。流石にはやてもリニスも眠っているだろう。鍵を使って玄関を開けて家の中に入る。渇いた喉を潤すためにリビングに向かいーーーーーーー

 

 

「「誕生日おめでとう!!!」」

 

 

パンパン!!

 

 

リビングの明かりを着けた瞬間、はやてとリニスが手に持ったパーティー用のクラッカーを鳴らして出迎えてくれた・・・・・・突然のことに思わず呆然としてしまう。え?誕生日?なんのこと?

 

 

「・・・・・・」

「見てみぃリニス、突然の出来事にお父さん鳩がアハトアハトもろうた見たいな顔してるで」

「どんな顔ですか・・・ごめんなさい時雨、明日の四月四日は時雨の誕生日でしょう?だからはやてと二人で相談してサプライズパーティーをやろうってことになったんです」

「サプライズパーティーねぇ・・・少し早かったんじゃない?」

 

 

今の時間は11時58分、ちょっとばっかしフライング気味だな。

 

 

「ええやん、細かいことは無やで。さぁ、こっちに座って」

「少し冷めましたけどまぁ細かいことは無しにしましょう」

「え?何?なんで俺の誕生日パーティーのはずなのに若干投げやり気味なの?」

 

 

父親の立場が家庭内で底辺クラスなのは知ってたけど少し心が痛い。せめてもう少し労ってください。

 

 

「さぁ!!明日まであと三十秒やで!!」

「クラッカー第二陣の用意は出来ていますよ!!」

「なんでパーティーの主役の俺よりもテンションが高いの?」

「「朝から休まずに準備したから!!」」

「あぁ、徹夜明けのハイテンション見たいなやつか、寝ろよ!!」

 

 

いくら張り切ってるからっていってそれは不味いだろう!!嬉しいから強くは言えないけど!!

 

 

「「はい10!!9!!8!!7!!」」

 

 

テンションが上がってきたのかはやてとリニスのカウントダウンに熱が入り始める。そのカウントを聞きながら用意されていたグラスにビールを注ぐ。

 

 

「「6!!5!!4!!」」

 

 

もはやカウントダウンが叫ぶような数えかたになってきている。どんだけテンション上がってんだよ。パーティー終わったら寝かせないと。二人が黒歴史を作らないために。

 

 

「「3!!」」

 

 

ビールが注がれたグラスを掲げる。

 

 

「「2!!」」

 

 

二人のクラッカーの紐を持つ手に力が入る。

 

 

「「1!!!」」

 

 

いよいよクラッカーが鳴らされようとした瞬間、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『封印解除』

 

 

最悪を冠する魔導書が開かれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

 

四月四日の午前0時、俺の誕生日になると同時に八神家の一角から通常ではあり得ない程の魔力を感じられた。あまりの魔力に家が地震にあったかの如く揺れている。この場所は・・・はやての部屋からか?

 

 

「きゃ!?なんなん!!」

「リニス、はやてを任せた」

「時雨!?」

 

 

コトミネの仕事を手伝わされた経験からか頭で考えるよりも先に体が反応、リニスにはやてを任せて俺は揺れの影響を最小限に受ける走り方でリビングを走破、そのまま魔力の発生源であるはやての部屋に向かう。

 

 クリエイト・オン

「投影開始」

 

 

呟くのはなんのへんてつもないただの言葉、ただしそれは世界と自分を切り離すために必要なキーワード。その言葉が囁かれた瞬間に俺の体の仕組みが切り替わる、八神家の父としての八神時雨ではなく魔術師としての八神時雨思考に。即座に戦うための武器守剣干将と攻刀莫耶を投影する。この剣は名前からしてわかるように錬鉄の英霊の持つ干将莫耶を元にして作られた剣で守剣干将は刀身の分厚い盾のような剣、攻刀莫耶は切れ味を追求した日本刀のような刀になっている。

 

 

はやての部屋の前に着き、内心で悪いと謝りながら扉を蹴り飛ばす。扉が無くなったことで蓋をされていた魔力がせきを切ったかの如く部屋の中から溢れだす。そして洪水のような膨大な魔力の中心にあるのは鎖で縛られ十字があしらわれた一冊の本。あれは確かいつの頃からかはやてが持っていた本。大事そうにしていたから両親の形見かと思って放置していたけど・・・裏目に出たな。

 

 

薄暗い紫色の光を放ちながら本は膨張して鎖を引きちぎる。そして本が開かれてその下には三角形を基点とした魔法陣が現れた。

 

 

『闇の書、起動開始します』

 

 

本から聞こえたのは聞き慣れない異国の言葉、パラパラと何も書かれていないページをバタンと閉じると魔法陣が四つに増えてーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「夜天の主の下につどいし者、ヴォルケンリッター。

主、御命令を」

 

 

桃色の髪をした女性が

 

金色の髪をした女性が

 

赤色の髪をした少女が

 

銀色の髪をした少女が

 

 

膝をつき、頭を垂れて、まるで物語で出てくる騎士のような雰囲気を漂わせながら現れた。

 

 

・・・・・・夜天の主?ヴォルケンリッター?いったいなんのこっちや?

 

 

聞き覚えのない単語と目の前に突然人が現れたことで一瞬怯んでしまう。誰も何も言わないので部屋を沈黙が包む中、敵意はまったく感じられないので守剣と攻刀を消して、

 

 

「あ~……とりあえず飯でも食う?」

 

 

頭をボリボリと掻きながらとても間抜けな提案をした。タイムマシーンがあるならこの時の自分を殴りたかった。

 

 

 

 






はい、三話目でした~。

原作だとはやての誕生日に闇の書起動だったのを時雨の誕生日の四月四日に。そしてリリなの随一の漢キャラ(作者の独断と偏見)のザフィーラさんがザフィーラちゃんになりました。


作中の表現では少女としましたが外見年齢はだいたい15~18才の高校生くらいだと思ってください。


ヴィータ?心配しなくてももちろんロリですよ?


すこし短い気もしますが今回はこの辺で一区切りしてもらいます。

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