調律者は八神家の父   作:鎌鼬

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番外編7の章 宝石魔法少女たちとの出会い

 

 

 

ファミレスの前でプリズマイリヤの主要キャラであるイリヤ、美遊、クロと出会いました・・・・・・なぜいるし。クロは俺を見た直後から警戒体制、イリヤと美遊は呆けたような顔をしていたが徐々に顔色を変えていく・・・・・・ルビーとサファイアから念話で俺がカードを持っていることを話されたのだろう。嗚呼この上なく面倒だ早く温泉入って酒飲んで寝たいというのになぜここに来て新しい問題が出てくるのかね。

 

 

「どうした?何故立ち止まる」

「あ、バカ出てくるな」

『っ!?イリヤさん!!あの金髪の人は英霊です!!』

「えっ!?」

 

問題事こんにちわ!!平穏よサヨウナラ!!

 

 

『半径2mで反射路形成!!鏡界回廊一部反転します!!』

 

 

グニャリと景色が歪み、言い様のない浮遊感を味わったあとで俺とギルだけが鏡で区切られた別世界に飛ばされた皆は離れていたから転移に巻き込まれなかったのだろう。それでもギルがいるから過剰戦力といえば過剰戦力なのだが。

 

 

「貴方は、クラスカードを持っているのですか?」

 

 

俺から距離をとり、表情を一切変えようとしない少女美遊が質問する。問われたのならはぐらかすか答えるのが礼儀だ、大人として答えてやろう。

 

 

「過去に偉業を為し遂げた英雄をセイバー、アーチャー、ランサー、ライダー、アサシン、バーサーカー、キャスターの七つのクラスに振り分け、それを英霊の座から力を借り受けるカードのことをそう言うのなら俺は持ってるな」

「それをこちらに渡してください」

「やだね」

「ならこうよ」

 

 

美遊の要求を一蹴するとやたら露出が多い赤い外套の姿になったクロが投影した剣を射出してきた。それを視認しても俺は行動を起こさない。なぜなら動かなくとも解決することを知っているから。

 

 

「身のほどを弁えろよ、雑種」

 

 

俺の背後にいたギルが蔵を開き、その中から投影された剣と同じ剣を射出した。ぶつかり合った剣群は拮抗など欠片も見せずに投影された剣を容易く打ち砕いた。当然のことだ、ギルの蔵にある財宝はすべての宝具の原典でもある、十全の投影ならばいざ知らず急拵えの投影で作られた剣など歯牙にもかけない。

 

 

「貴様ら、(オレ)の義父に剣を向けるとは・・・・・・死に急ぐなよ、雑種共!!」

「ちょっと待て、義父ってなんのことだ」

「マスターははやての父なのだろう?ならば我とはやてが結ばれればマスターは我の義父になる」

「はっはっは・・・・・・死に急いだな!!王様よぉ!!だぁれが貴様のような慢心野郎にはやてをやるものか!!」

「子供の我のころにはこの感情がいかなるものか理解ができなかったが精神が成熟した今ならばわかる!!我ははやてが好きだ!!お父さん!!娘を我にください!!」

「死に腐れ!!」

 

 

いきなりはやてへの告白とも言える叫びをして頭を下げてきたギルの顔面を思いっきり蹴りあげる。はやてはまだ九歳だぞ!このロリコンが!!子ギルならまだしも・・・・・・まてよ、受肉化しているのなら成長する可能性はある、子ギルの見た目ははやてと同い年に見えないこともないから・・・・・・ありか?イヤイヤイヤ!!はやてにはまだそういうのは早い!!せめて十五歳になってからだ!!

 

 

『・・・いきなりコントを始めましたよ、あの二人。今のうちに砲撃なりしてカード奪っちゃいません?』

「嫌々、それは流石に人としてどうかと思うよ!?」

 

 

っと、今はギルよりもこっちの問題が先だったな。明確な戦闘体制に入っているのはクロ、美遊は変身はしていないが警戒体制、イリヤにいたっては訳がわからなそうにオドオドしている。

 

 

「はぁ・・・・・・引いてくんない?ここであったことをなかったことにすれば面倒なことにならないと思うけど」

「クラスカードを集めるのは私の役目ですから」

「あんな物騒な物が目の前にあって見逃せるわけ無いでしょう?」

「と、とにかく!!それは危ないですからこっちに渡してください!!」

 

 

交渉の余地なし、というかこのカードはあちら側のとは違うからね~・・・・・・嗚呼この上なく面倒だ。

 

 

「ならこうしよう、お前たちが俺に勝てばカードを渡す。負けたら諦めろ」

「サファイア」

「ルビー!!」

 

 

はい、大きなお友達たち垂涎のローティーンズによる変身シーンですよ~・・・・・・興味ないからどうでもいいや。

 

 

『コンパクトフループン!』

『鏡界回廊最大展開』

 

 

はい、変身シーンしゅーりょー。あー不意うちしたくてたまんない。それ考えると特撮の悪役さんマジすごいな、だって変身最後まで律儀に待ってるんだもの。

 

 

「クラスカード『ランサー』限定展開(インクルード)

 

 

下らないことを考えていると美遊がステッキになっていたサファイアにカードを翳して赤い槍に変化させる。俺のやり方からすればあれはかなりパフォーマンスが悪いやり方だよな。

 

 

「にゃら、【槍兵・クランの猛狗】」

 

 

カードを取り出して握りつぶす、するとカードは美遊が持っている槍と同じものに変わって俺の手の中に納まった。

 

 

「っ!?どうして、貴方がそのカードを!?」

「さぁ?どうしてだろうな?」

 

 

そこから始まる槍同士の打ち合い。美遊は小さな体を活かした移動+槍の突きによる攻撃で攻め立てるが恭也や士郎さんとやり合った時に比べればそれは遅すぎる。俺は槍を使わずに回避を続け、タイミングを見計らい放たれた槍をつかんでがら空きになっている腹に蹴りをくらわす。

 

 

「隙だらけよ!!」

 

 

美遊が蹴られたことにも動じずにクロが上空から矢を放ってくるがそれを余裕を持って回避する。

 

 

「特大の、散弾!!」

 

 

そして避けた先に放たれるイリヤの魔力弾による広範囲攻撃、広範囲に広がりすぎているので一発一発の威力は低いのだがこの攻撃の目的はダメージを与えることではない。魔力弾によって巻き上げられた砂埃、つまりは目隠しこそが真の目的、ならばこの後に来るのは、

 

 

「必殺の宝具、だよなぁ!!」

「刺し穿つーーー!?」(ゲイ)

 

 

大きく飛び上がると同時に俺がいた場所に美遊が体制を低くして槍を突き出そうと構えるがそこには俺はいない。宝具であるあの槍の能力は因果の逆転、どのような過程が行われてもすでに心臓を貫くという結果が決められている、つまり放たれれば必中であり必殺の一撃なのだ。だからあの槍が放たれる前に範囲外まで遠く逃げた。そしてこの距離は俺の距離だ。

 

 

「この一投、手向けと受け取れ。突き穿つーーーーーー(ゲイ)

『魔力反応!!宝具、来ます!!』

 

 

サファイアが警戒を飛ばしているがもう遅い、本来ならばこの槍の真名を解放される前に警戒をさせなければならなかったが俺の体は弓なりに反れており、何時でも解放できる状態にある。

 

 

「死翔の槍!!!(ボルク)

 

 

体を戻す勢いに乗せて槍を投擲する。美遊が放とうとしたのは刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)、対人用宝具で因果の逆転により放てば必ず心臓を貫くという放たれれば例え真相だろうが何だろうが確実に殺す必殺の魔槍である。しかしそれ故に槍のリーチから出ていれば当たらないという弱点もあるのだが。それに対して俺が放ったのは突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)、心臓を貫く魔槍を投げることで放つという対軍用宝具。刺し穿つ死棘の槍のリーチによる問題は解消され、マッハ2の速さで一度ロックオンした相手を決して逃さず最後には目的である心臓を穿つ。完全に上位互換といってもよい突き穿つ死翔の槍を防ぐ方法は美遊にはなかった。そう、美遊にはなかった(・・・・・・・・)

 

 

槍を投げる直前で赤い影が美遊の前に立つのが見えた。そうだ、お前なら防ぐことができるだろ?槍を放つと同時に美遊とクロの前に七つの花弁を持つ盾が現れる。

 

 

熾天覆う七つの円環!!!(ロー・アイアス)

 

 

張られた盾の名はアイアス。投擲物に対して絶対の無敵を誇るとされている一種の概念武装とも言える盾である。確かにその盾ならば投擲物である突き穿つ死翔の槍に耐えられると思うだろう。だがな、

 

 

「だが、それでも槍は止まらねぇ」

 

 

槍と拮抗していた花弁の盾が一枚、また一枚と小気味のよい音をたてながら壊されていく。ただの投擲物なら防げていただろうがこの槍は因果を逆転しながら進んでいるのだ、概念武装とはいえども防げるはずがない。アーチャーは大半の魔力と腕一本を犠牲にして防げていたのだが、

 

 

「お前はどうだ?」

「ァァァァァァァア!!!!!」

 

 

獣じみた叫びと共に最後の一枚になった花弁に槍がぶつかる。そして爆ぜた。比喩表現ではなく爆発して二人は煙に包まれて姿が見えなくなる。そして投げた槍が手元に戻ってきて煙が晴れたときにそこにあったのは・・・・・・全身をボロボロにしながら辛うじてといった状態で立っているクロとその後ろからクロに魔力を渡している美遊の姿だった。

 

 

「なるほど、二人分の魔力で槍を防いだか」

 

 

防いだとはいえ全身ボロボロ満身創痍の状態である。オデノガラダハボドボドダといってもよい。

 

 

「さてっと」

「ヒッ!?」

 

 

二人から視線をイリヤの方に移すとそれに反応してなんとも可愛らしい悲鳴をあげた、しかしステッキになっていたルビーを構えたままで戦意は喪失している様には見えない。恐れはある、だがそれと戦える強さもあるか。いいね、流石は主人公、俺なんかとは違う心の強さを持っていらっしゃる。

 

 

「飽きた」

「・・・・・・はぃい!?」

「ギル、帰るからこの空間どうにかしろ」

「む、もう戯れは良いのか?」

「あぁ、こいつらの実力は大体分かった、俺の敵じゃない」

「はっ!何を言っている。たかだか人間程度がマスターの敵になれる訳がないだろうが。聞いているぞ?前に狂犬と打ち合って己が力で下しているそうではないか?」

「もーしたくないけどな。それに最後にはカード使ったから俺の力という訳でもないし」

「謙遜をするな。扱える物は全て己の力と思え。ならばそれがマスター自身の能力だろうが所有物による物だろうがそれはマスターの力だ、誇るがよい」

「そりゃどーも」

「待ってください!!」

「ん、どうかしたか?」

「どうして・・・私たちを見逃すんですか?」

「見逃す?何呆けたことを言ってるのか?」

 

 

ギルに向いていた体を三人の方に向けて俺が浮かべられる最上級の笑顔を向けて答えてやる。

 

 

「|道端の石ころを砕くようなバカがどころにいると思う?《・・・・・・・・・・・・・・・・・・》」

 

 

道に石が落ちていました、さて貴方はそれをどうする?

退けますか?

砕きますか?

アホらしい、そんなことをする労力が無駄だ。所詮石ころは石ころ、動くこともなく、こちらを脅かすほどてもない存在。なら放置する。俺からしたらこの三人はその程度だったっていうだけの話だ。

 

 

「(この人・・・・・・本気だ!?)」

 

 

俺の答えを聞き、イリヤは顔を青ざめて震えている。

 

 

「さてさて、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン、美遊・エーデ・・・なんとか、それに犬っぽい名前のやつ」

「(どうして私の名前を!?)」

「(・・・はしょられた)」

「(犬扱い!?)」

「パラレルワールドよりこんにちわ。わたしくは八つの神に時の雨と書いて八神時雨と申します。クラスカードというとんでもない物を集める使命を持った方々と比べるに値しない、平行世界で魔術師をしているものでございます」

 

 

言葉遣いを正し、被っていた軍帽を手に持って恭しく一礼をする。さて折角だ、俺たちが元の世界に戻れるまでの暇潰しの道具になってもらうぜ?

 

 

「それでは(えにし)がありましたらまたの御機会に、無ければせいぜい無様に今日という日を忘れなきように」

「それではこの虫籠を壊すとするか」

 

 

そう言いギルが蔵から取り出したのは刃の着いていない、三段階に別れたら円柱の刀身が特徴的な一本の剣。これの異常性に気付けたのはクロ一人だけ、他の二人はこの剣の用途すら分かっていないようだった。

 

 

「さぁギルガメッシュ、天地を切り開いたとされるその剣を見せてくれ」

「魅せてやろうではないか」

 

 

ギルが剣を翳すと刀身がそれぞれ別方向に回転を始める。それと同時に刀身から赤い魔力と暴風が吹き出し、それに当てられた世界が軋みをあげる。

 

 

「さらば平行世界の魔術師諸君、然らば我らの再会に相応しき舞台で巡り会えることを」

 

 

世界が砕けた。それは比喩表現などではなく本当にガラスが割れるような音をたてて世界が砕けた。イリヤたちが何かを言おうとしている様だったが砕ける音に遮られ、暴風に当てられてどこかに吹き飛ばされてしまった。そして俺たちは元の世界のファミレスの前に戻ってこれた。どこに飛ばされたかは分からないが俺たちが戻ってこれたならあいつらも戻ってきているはずだ。生死は不明だけど。

 

 

「あ、時雨にギル。探しましたよ、どこにいたのですか?」

「いやなに、下賤な輩に付きまとわれたからそれを払っていただけだ」

「あぁそうだ、ギルの言う通りだ」

 

 

あいつらが何かしらの目的があってこの世界に来ていたのなら 頭を下げてでもその方法を聞き出そうとしたがあの格好から察するにそうでは無さそうだった、多分俺たちと同様にハプニングでこの世界に来てしまったのだろう。それなら情報的価値を見いだせない。追っ払うことが正解だ。

 

 

「さて、早く車を調達して温泉に行こうか。いい加減寒くなってきた」

「申し訳ございません、少々よろしいでしょうか?」

 

 

突然背後からかけられた声は高町と同じ物、しかし彼女には感じられない落ち着きが感じられる。振り替えればそこにいるのは高町の白いバリアジャケットを黒く塗り替えた様な服に身を包み、髪型こそは違うが顔は全く同じといってもいい少女がそこにいた。彼女が何者かは分からないが・・・・・・どうして俺の顔をじっと見つめる?おい、目ぇ反らすなよ。

 

 

「えぇっと・・・どちら様ですか?」

「あぁ、申し遅れました。私は星光の殲滅者(シュテル・ザ・デストラクター)と申します。本日はその軍服を着ている男性に様があって参りました」

「俺?何の用で?」

 

 

俺は彼女、シュテルのことは知らない。だがシュテルは俺のことを知っており俺に用事があって話しかけてきたのだ。ならそれ相応の対応をしてらやないと申し訳ない。俺がシュテルに近づくとシュテルは目をキランと輝かせて俺に近づき、手を取って言葉を言い放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「惚れました。私と結婚してください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

脳が震えた。

 

 

 

 




シュテルん登じょオォォォォォォオォォォォォォオォォォォォォ!!!あ、あとついでにプリヤメンバーとも会いましたね。


いや~やっとマテリアルの一角を出すことが出来ましたよホクホク今はシュテルんだけですが近いうちに王様もレヴィも出すつもりです。(使命感)


ちなみに私は原作の三人組よりもマテリアルズの方が好きですキリッあ、はやてもマテリアルズと同じくらい好きです。なのは?フェイト?・・・・・・のーこめんとでお願いしゃす。


感想、評価をお待ちしています。



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