ヒャッハー!!原作なんて知るかー!!跡形もなく壊してやるぜー!!
「えーそれでは皆様、そこら辺に転がっているグラスに飲み物を自分勝手に注いでお持ちください」
「なんて投げやりな司会!!」
俺の指示に御門君が突っ込みをしてくれた。今日は六月の三日、つまりはやての誕生日の前日。その日に我が家には俺、はやて、リニス、シグナム、ザフィーラ、ヴィータ、御門君、ギル、コトミネ、へんた・・・・・・・・・・・・・・・・・・シャマルが欠けること無く集まっていた。今日することははやての誕生日の前夜祭、今年に入ってたくさん家族が増えたからどうせなら二日間使って歓迎会を含めて派手にやってしまおうという腹なわけだ。テーブルの上に並ぶのは和洋中華の料理の乗った大皿が複数枚、本格的な食材が届くのは明日になるので少し手抜きになってしまったが・・・・・・そこは許してほしい。
「今日は今年に入って増えた新しい家族であるシグナム、ザフィーラ、ヴィータ、変態の歓迎会です。存分に飲み食いして明日にあるはやての誕生日を祝うために力をつけてくださーい」
「どうしてだろう・・・明日を迎えることが少し怖くなってきた」
「御門君」
「シャマルさん・・・」
「安心して、その恐怖すらそのうち快楽に変わるから!!」
「ど変態!!しかもその無駄に良い笑顔が腹が立つ!!」
シャマルが変態なのは今に始まったことじゃないだろうに・・・・・・そう言えばシャマルと御門君はそんなに接点なかったな。言うのが遅かった、許せ。
「ザフィーラ、食欲を押さえるために上を向く努力は認めるがせめてヨダレは拭け」
「っ!!違います!!これは・・・そう!!唾液です!!」
「唾液=ヨダレだよ、バカヤロー」
「あれ、シグナムお酒じゃないんですか?」
「あぁ・・・私はアルコールに弱いからな」
「ふーん」キラーン
「あ、リニスがよからぬこと考えとるわ」
「良いんじゃない?面白そうだし」
「麻婆!!」キリッ
「おじさんそればっかりだな」
「味は保証するぞ」
あーなんかだんだんとカオスな具合になってきたな。
「まぁ面倒なんであとは以下省略して、カンパーイ」
「「「「「「「「カンパーイ」」」」」」」」
「ほんと雑ですね!!」
乾杯の音頭からそこそこ時間が経ち、食欲が満たされたのかはやて、ヴィータ、御門君、コトミネ、ギルはテレビゲームで遊んでいた。
「ハッハッハァ!!受けてみろ!!秘技、二十連鎖!!」
「うぬっ!?私の画面が埋め尽くされる!!」
「ギルすげー!!」
「ほんと上手やわ」
「いやいやそんなレベルじゃないですよね!?二十連鎖とかありえないですよ!?」
遊んでいるゲームはプヨプヨ、ギルの秘技を受けてコトミネの画面は石のような物に埋め尽くされてゲームオーバーの表示が現れる。
「なぁなぁ!!次は桃鉄やろうよ!!」
「ヴ、ヴィータ?他のゲームは無いかな?」
「んーあとあるのは・・・・・・スマブラとかマリパとかエアライドとか?」
「何て言う友情崩壊ゲーのラッシュ!!」
楽しそうで何よりだ。それにしてもギルとコトミネが胡座を組んでテレビゲームしている場面って中々にシュールだな。
「きゅう・・・・・・」
「こいつは放り出しておくか。教育上よろしくない」
部屋の片隅で気絶していたシャマルをこの部屋から放り出す。なぜシャマルが気絶していたのかというと乾杯から数分後で早速シャマルは出来上がってしまい、服を脱ごうとしたから腹に寸剄を決めて落としておいた。それを見ていた御門君は唖然、シグナムは申し訳なさそうに項垂れ、子供組+リニスは大爆笑。コトミネは薄ら笑いを浮かべてワイングラスを傾けており、ザフィーラは我関せずと言わんばかりにモリモリと料理を頬張っていた。マトモなのがシグナムと御門君しかいない。そしてザフィーラはぶれないな。
「しぐれーこっち来てくださーい」
「あーハイハイ」
リニスに呼ばれてテーブルに向かうとそこにはコップを片手に顔を赤くしているリニスと据わった眼をしたシグナムとザフィーラがいた。どうしてだろう、あそこに行かなくちゃいけないのに俺の勘があそこに行くなと告げている。
「もーしぐれってば飲んで無いじゃないですかー!!ほらほら、コップを持って」
「ん、ありがと」
リニスからコップを渡されてそこにビールが注ぎ込まれる。入れ方が雑だったせいで少し溢れてしまったが酒の席でそのことを追求するのは無粋だろう。
「時雨・・・・・・」
「どしたシグナム?」
「じぐれー!!」
「どわっぷ!?」
据わった眼をしたシグナムが俺を確認すると突然泣きながら抱きついてきた。それも俺の腹に頭が来るような形で。ちょ、シグナム、頭を腹にグリグリしないで、あと胸が下半身に当たってるから、太股とかマイサンとかに押し付けないで、り理性がガリガリと・・・・・・アバババババ
「わだしは!!烈火の将としで頑張ってぎました!!それなのに・・・それなのにシャマルがあんな奇行に・・・・・・!!」
「ああうん、シグナムは泣き御所なのね。ってか悩みがシャマル関係ならそりゃ泣きたくもなるわ」
グラスを持っていない空いた手でシグナムの頭をポンポンと撫でてやる。シグナムは少しばかり天然な所があるが基本は真面目な奴なのだ。それなのに奇行種シャマルの奇行に悩まされ続けて溜め込んで、それが酒で一気に溢れ出したといったところなのだろう。シグナムの悩みに比べれば俺の理性なんて安いもんだな。それでも正気は意地として保ってやるが。
「時雨・・・」
「ザフィーラか・・・どうしひゃ!?」
突然変な声を出した俺を許してほしい、でもこれはしょうがないことなんだ。何故ならば俺の背後から声をかけてきたザフィーラが俺にもたれ掛かり、あろうことか耳を舐めてきたからだ。
「ざ、ザフィーラさん?落ち着いて離れてくださいぃい!?」
「私は落ち着いています・・・・・・落ち着いて時雨に前戯をしています」
「チクショウガ!!ザフィーラの思考回路に追い付けない!!」
酒で酔っているからなのか、ザフィーラは優艶な笑みを浮かべながら俺の耳を舐め、耳たぶを甘噛みし、首筋を容赦無く舐めてくる。チクショウ!!どうして気がついたらこんなアダルティな雰囲気になってるんだ!!このままのザフィーラなら下手するとR十八に余裕で突入してしまうぞ!!
「って!ヤベッ!!」
俺たちがいる場所からテレビゲームをしてる奴らが丸見えなので逆に言えば向こうからも俺たちを見ることができる。その事に気がつき、あわててそちらを見れば、
「なぁ御門、父ちゃんたちは何してるんだ?」
「ヴィータ見ちゃいけません!!」
「うわ・・・ザフィーラったら大胆やな・・・それにシグナムとお父さんの下半身に抱きついて・・・・・・」
「」ニヤニヤ
「」ニヤニヤ
・・・・・・ヴィータ、御門君は許そう。はやても顔を手で隠しながら指の間からこっちを覗いているがグレーゾーンでセーフだ。だがコトミネとギル、テメーらはダメだ。何ニヤニヤしながらこっち見てやがる、そのビテオカメラはなんだ、どっから取り出した。以上の事柄より判決は、
「ギルティ」
そして俺はハンターになり、コトミネとギルは逃走者になった。
「あ、私も混じって4Pにしましょうか?」
「リニス、お願いだから黙ってくれ。じゃないとこの用意したアイアンメイデンに謝って入れてしまうかもしれない」
「全力でごめんなさい」