調律者は八神家の父   作:鎌鼬

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番外じゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!半分以上勢いだけだ書いてるけど番外編だから異議は認めない!!本編は真面目に書くから大丈夫!!





番外編
番外編1の章 ヴィータの友達


 

 

ジュエルシードとかいう訳のわからないものによって我が家の平和が著しく脅かされたあのときから時間が経ち、今は六月の一日。三日後の四日にははやての誕生日が控えているので表面上ではいつも通りの素振りを見せながらも裏では分割思考を使いながら誕生日の料理やプレゼントを考えていた。シグナムたち闇の書の騎士がやって来てから始めてのはやての誕生日だ、手を抜く理由など欠片もない。リニスに「祝うのは良いが・・・別に本気を出しても構わないだろ?」といったら「時雨貴方・・・えぇ、思いっきりやっちゃって下さい!!」と良い笑顔で言われた。なので個人的な財産を切り崩し金に糸目をつけずに最高級の食材を買い揃えた。到着予定日は六月の三日、それまでに出す料理の構想を練らなければ。

 

 

「父ちゃん!」

「ん?どうしたヴィータ、今日の分のアイスは食べただろ?」

「ねぇねぇ明日友達連れてきて良い?」

「友達?」

 

 

詳しく話を聞くとヴィータがよく顔を出している町内会のゲートボールの集まりで知り合った友達と遊びたいとのこと。ちなみにその子の年はヴィータと同じくらいだとか。

 

 

「別に良いよ。それでその子の名前は何て言うんだい?」

「鳳凰院御門(ほうおういんみかど)っていんだよ!!」

 

 

・・・・・・どこからどう見ても立派な厨二ネームです本当にありがとうございました。鳳凰院か・・・確か態度はでかいけどなんやかんや世話焼きな人で町内会の顔役の一人だった気がする。うん、あの人の息子さんなら心配いらないか。

 

 

「わかった。ならおやつの用意しておくわ」

「ほんと!?ありがとう父ちゃん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日(キートン風)

 

 

「父ちゃん!!連れてきたよ!!」

「は、はじめまして、鳳凰院御門です」

 

 

ヴィータに連れられてやって来たのは銀髪で目の色が赤と金のオッドアイのイケメン君、ただ気が弱いのかヴィータの少し後ろでビクビクしながら俺に挨拶をしてきた。

 

 

「はじめまして、八神時雨です。ヴィータと仲良くしてくれてありがとうね」

「と、とんでもないです!!むしろこっちが良くさせてもらっていますし!!」

「父ちゃんおやつは!?」

「台所に置いてあるから先に手を洗って来なさい」

「はーい!!」

 

 

おやつの在処を聞くとヴィータは靴を脱ぎ散らかしながら洗面所の方にどたばたと走っていった・・・・・・ってか御門君置いていくなよ。

 

 

「はぁまったくヴィータは・・・ごめんね御門君、さぁ、君も上がるといい」

「あの・・・一つ聞いても良いですか?」

「うん、なんだい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「時雨さんは・・・その・・・転生者・・・なんですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから時間が経ち夕暮れ時、俺は御門君を送るという名目で御門君と一緒に河川敷に来ていた。そして人がいないことを確認してから防音と認識阻害の結界を張る。

 

 

「これで内緒で話ができるな」

「わざわざありがとうございます、こんな子供の戯れ事に付き合っていただいて」

「子供のわがままを聞くのも大人の仕事だからね。それで、俺が転生者であるかという質問だったね。それが何らかの原因で死んで前世の記憶と誰かから送られた特典を持ってここにいるというのなら答えは是だ」

「やっぱり・・・はやてには父親がいないはずなのに」

「それのことを知っているということは君も同じなのかい?」

「はい、僕も前世の記憶と特典をもらってこの世界・・・リリカルなのはの世界に来た転生者の一人です」

 

 

詳しく聞くとこの世界は魔法少女物のアニメの世界で主人公格の人物は高町なのは、フェイト・テスタロッサ。しかもアニメは第三期までやったらしくはやては第二期に魔法少女として覚醒するらしい。

 

 

「・・・突拍子も無い話だな、この世界がアニメの世界だとか」

「時雨さんは知ってて転生したんじゃないんですか?」

「俺は無理矢理送り込まれただけだよ、この世界がどんな世界かすら聞かされないままにな。加えて言うなら俺はリリカルなのはなんてアニメは見たことはない」

「そこそこには知名度のある作品のはずなんですけどね」

「育ちの違いってやつだろ?それで、お前はどうして俺にそんな話を持ちかけてきた?」

 

 

身長差から見下す形で御門を睨み付ける。こいつが俺の家族のことをただのキャラクターとして見ているなら最悪こいつの記憶を書き換える。ここがアニメの世界だとしても俺からすれば現実の世界だ。加えて主人公格だというはやてと仲良くなることが目的でヴィータに近づいたのなら・・・俺はこいつを肉塊にすることを躊躇わない。

 

 

「・・・俺はこの世界に来たときは喜んだんですよ、アニメのキャラクターと仲良くできるってね。なのはたちと同じ学校に通って、会いにいって俺の嫁発言。僕は見た目だけは良いですから一目惚れしてくれていると思って色々調子に乗ったんですよ。そうしたら転生者の一人の相井神悟に目をつけられて決闘騒ぎになって、僕は転生してくれた人物からなのは並の魔力に高性能デバイス、あと英雄王の王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)をもらっていたんで負けるはずがないと意気がって負けたんです。しかもデバイスは再生不能なまでに壊されて、王の財宝はそいつに奪われました。僕はショックで何も食べられないほどに落ち込んでしまいました・・・何度か死のうと思ってしまうほどに。そんな時に彼女、ヴィータちゃんと会いました。本当ならいないはずの時間軸なのに彼女は楽しそうにゲートボールをしていたんです。そしたら彼女に一緒に遊ぼうと声をかけられて、一緒に遊ぶようになって・・・・・・それで気づいたんです、いくらこの世界がアニメの世界だといってもそれは元の世界の話、僕がいるこの世界は現実の世界なんだって」

 

 

そこまで言って御門は弱々しい態度を捨てて俺ににらみ返してきた。膝は少し笑っているが確固たる意思を持った表情でだ。

 

 

「だから僕はこの世界(リアル)で生きる。無意識でも僕を助けてくれたヴィータちゃんを守る。そう決めたんです。例えデバイスが無くても、例え特典を奪われたとしても・・・・・・僕は彼女を守ると決めたんです」

 

 

堂々と言い切った御門の目には嘘はない。それは例え戦う手段が全部失われていても守るべき人を守りたいと覚悟を決めた漢の姿だった。

 

 

「・・・・・・そうか」

 

 

その姿を見て僅かながら放っていた殺気を戻してできる限り柔らかげな表情で笑いかける。御門は自分の過ちを認めてそれでいてヴィータを守りたいと願っている。それならその覚悟を妨げるのはあまりにも大人気無さすぎる。

 

 

「なら俺からは何も言わないよ。御門君のやりたいようにするといい」

「・・・・・・良いんですか?」

「木の上に立って見ると書いて親と読むんだ。親はただ子供の行動を見守っているだけだよ。ただ一つだけ約束してほしい、君の力だけじゃどうしようもない困難に出会った時には遠慮なしに俺に助けを求めてほしい。君がヴィータを守りたいと願っているように俺も家族を守りたいと願っている。そらなら手を取り合って助け合えるはずだ」

「・・・・・・はい!!」

 

 

俺からの申し出に御門君は力強い返事で答えてくれた。あぁ、後一つだけ言うことがあった。

 

 

「言っとくがヴィータとの関係は友達までだからな!!そこから先に進みたければ俺に認められることだ!!」

「なっ!?ヴ、ヴィータちゃんとはそんな関係じゃないですよ!!」

「なにぃ!?ヴィータを異性として見れないとでも言いたいのか!?」

「この人家族関係になるとメチャクチャだ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして二人はヴィータの話題で口論になりながら帰路を辿っていった。

 

 

端から見れば大人と子供が喧嘩をしているように見えてもおかしく無い光景。

 

 

しかし二人の顔は笑いあっていた。

 

 

まるで年の離れた兄弟のように。

 

 

 





と、いうわけでヴィータちゃんの友達は“元”踏み台転生者の鳳凰院御門君です。


御門君は最初の頃はテンプレートな踏み台転生者の行動をしていましたがそれに相井神悟に目をつけられて決闘騒ぎになり、負けてデバイスを破壊されて特典である王の財宝を奪われました。


そして意気消沈しているところに本来なら存在しないはずのヴィータと出会い、強引に連れ回される形で遊ばされます。


無邪気なヴィータと触れ合っていく内に相井神悟に負けた心の傷は癒え、何時しか主であるはやてのために闇の書事件を起こすことになる彼女を助けたいと思うようになりました。


時雨のことをすぐに転生者と気がついた理由はヴィータと話していると出てくる父ちゃんの単語から、
本来ならいないはずのはやての父親がいる

それはもしかして転生者じゃないか?


と察したからです。


最悪消されると思っていましたがその時は刺し違える覚悟でいました。


その姿勢を時雨は認めており、御門君の好感度はそれなりに高い方です(あくまでヴィータの友達として)


最後に一つだけ


家の御門君はそこいらの踏み台とは違うのだよ!!



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