調律者は八神家の父   作:鎌鼬

10 / 111


今回から、第一部最大の目玉とも言える温泉回


行くぞ、読者たちよーーーーーー脳内保存の余白は十分か?


第10話

 

 

「はい、全員傾注!!」

「何故にナチス風なん?まぁえぇわ。はやて参上しました」

「ザフィーラ参上しました」

「シャマル参上しました」

「ヴィータ参上しました!!」

「そして参謀リニスは御身の御側に」

「・・・どうして皆そこまで乗り気なのだ?」

 

 

俺の傾注の呼び掛けにノリノリで反応してくれたシグナムを除く全員、シグナムのりが悪いな~。

 

 

「今回皆を呼び出したのは他でもない。数日後に迫った連休についてだ」

「連休か~、いつも通りにゴロゴロして終わるんちゃうか?」

「残念、今年は高町家から温泉に行かないかと誘われていてなそれに同行するつもりだ」

「」ガタッ

「」ガタッ

「」ガタッ

「」ガタッ

「」ガタッ

「あかん、立ちたいのに立てへん」

 

 

俺の温泉発言に驚いたのかはやてを除く全員が立ち上がる。はやても足が治ってたら立ち上がってたんだろうな。というよりもシグナムまで反応したのには驚いた、そう言えばシグナム風呂が好きだったよな

 

 

「分かるか諸君、温泉・・・・・・そうO☆N☆SE☆Nなのだよ。もくもくと立ち上る湯煙・・・こんこんと沸き上がる源泉・・・想像するだけで身が震えそうになるじゃないかっ!!・・・・・・ならば、君たちは何を望む?」

「温泉!!」

「温泉!!」

「温泉!!」

「温泉!!」

「湯煙ドッキリハプニング!!」

「ふんっ!!」バキッ

「あふん!!」

 

 

今の間抜けな発言は誰だか分かるだろう、俺は突っ込まない。あとナイスだ、リニス。俺のサムズアップにサムズアップで返してくれるリニスの存在が心強い。

 

 

「よろしい、ならば温泉だ。と、言うわけで今からデパートに乗り込むぞ~」

「「「「「おー!!」」」」」

 

 

何故かリビングで寝転がっていたシャマルを置き去りにして俺たちは温泉の準備のためにデパートに向かった。

 

 

 

 

 

 

キングクリムゾンっ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

過程は吹き飛ばされて結果だけが残る・・・・・・と、言うことで温泉当日。恭也に温泉に行く旨を聞かせて八神家だけ現地集合で先に温泉のある旅館に来ていた。他の魔導師連中にシグナムたちのことがバレるのはよろしくないので四人とリニスには魔力隠匿の魔道具を着けてもらっている。これで索敵に特化した奴か現れない限りバレることはないはずだ。

 

 

シグナムたちは早く温泉に入りたいのかウズウズしている。シャマルは防水機能付きのカメラを持ってハァハァしている。

 

 

取り合えずカメラを果たす落とす。シャマルは呆気にとられていた。愉快。

リニスがカメラを踏み潰す。シャマルは涙目になった。愉悦

シグナムたちが止めと言わんばかりにカメラを踏み砕く。シャマルは泣き崩れた。実に愉悦ぅ!!

 

 

「やぁ時雨君、待たせたかな?」

「あどうも士郎さん、こっちもさっき来たところなんで問題ないですよ」

 

 

車から降りて爽やかな笑みを浮かべながらこちらにやって来るのは高町家家長の高町士郎さん。三児の父なのに二十代と見間違えるほどの若さを保っている超人。どんなアンチエジングしてるの?え?してない?マジですか?

 

 

士郎さんと話をしていると他の車からも続々と人が降りてくる。高町家の母桃子さん、長男恭也、長女美由希、次女のな・・・な・・・なっぱ?月村家の忍に次女のすすか、それに従うメイド二人。バニシング家の長女のアリサ。そして金髪碧眼の男の娘(誤字に非ず)。これだけでも十一人に俺たちが加われば十八人・・・・・・多いな。

 

 

「良かったんですかね?俺たちが加わっちゃっても?」

「良いよ、こう言うのは大勢の方が楽しいもんだ。それに」

「それに?」

「恭也の友人である時雨君を誘わないのも気が進まないしね」

 

 

・・・・・・あかん、士郎さん顔だけじゃなくて心までイケメンや(確信)。マジでいい人。嫌味ったらしくないマジ物のイケメンや。

 

 

「それじゃあ部屋に荷物おいたら温泉に入ろうか」

 

 

士郎さんの提案に反対する人は誰もおらず、部屋に向かうことになった。シャマルは未練たらしくカメラの残骸に視線を向けていたが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして温泉前入り口。ここで俺は迷わず恭也たちと一緒に男と書かれた暖簾の方をくぐるつもりだった、というよりもくぐらなければならない。そうなのだが、

 

 

「父ちゃん一緒に入ろ!!」

 

 

そう、ここでのアクシデントはヴィータだ。ヴィータが俺の服の袖を掴みながら一緒に入りたいと女と書かれた暖簾の方に引っ張っているのだ。止めてくれヴィータ、俺を社会的に殺すつもりか。はやてがヴィータを宥めようとしているがヴィータは俺と入るの一点張り。父としてはこの反応は嬉しいのだが男としては不味い、俺に変態のレッテルが貼られてしまう。かといってヴィータを男湯に連れていくのも不味い。いや、親子が入る分には問題ないのだが 変態(ロリコン) が要るかも入れない場所にヴィータを連れていくのはよろしくない。そんな時に偶々通りすがった女将さんが事情を把握してくれて素晴らしい言葉をかけてくれた。

 

 

「こちらに混浴風呂がありますからそちらに入られたらどうでしょうか?」

 

 

何故あるという言葉よりもありがとうの感謝の言葉が出てきた。これならばヴィータのおねだりを叶えつつ 変態共(ロリコン) の目からヴィータを守ることができる。このことを告げるとはやても着いていきたいと言ったのではやてを抱っこ、ヴィータをおんぶで連れながら男湯と女湯の間にあった混と書かれた暖簾をくぐった。途中リニスの視線がやたら気になったが・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこからかカポーンというベタな音が響くのは女湯。時雨と別れたリニスたちは湯船に浸かってその心地よさに身を委ねていた。ただ、シャマルだけははしゃく少女たちと談話している女性たちを見てニヤニヤしていたが。

 

 

「気持ちよいな」

「そうですね~」

「時雨殿も一緒に入ればよかったのに」

「ザフィーラそれは駄目ですよ。貴女は時雨を社会的に抹殺したいのですか?」

 

 

リニスの言葉にザフィーラはどうしてだか分からないといった様子で首を傾げている。純粋って罪だな~と考えながらシグナムを見れば顔を俯かせて混浴と呟いていた。ほんと、乙女だな~この作品のシグナムは。

 

 

「(ん?あれは・・・・・・)」

 

 

うへうへとヤバイ笑い方をしているシャマルから目をそらすために向いた方向には木製の扉、そしてその扉には堂々と混の文字が書かれている。それから察するにあれは混浴の浴場に繋がる扉なのだろうと結論付けるとリニスは含みのある笑みを浮かべながらザフィーラとシグナムに提案した。

 

 

「ザフィーラ、シグナム、今から時雨たちのいる浴場に向かいませんか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カポーン

 

 

「ベタやな~」

「ベタだな~」

 

 

響く鹿威しの音にはやてと一緒に突っ込みを入れる。ここは混浴の浴場なのだが客の姿は俺たち以外に誰もいない。まだ女性が裸を見せたく無いだろうし男も堂々と入れば変態のレッテルを貼られるから入りづらいのだろうな。へ?俺?セーフですよ?未発達な体じゃ反応しませんから。

 

 

「すげー!!泳げるよ!!」バチャバチャ

「ヴィータ、飛沫がこっちに来るから止めなさい」

 

 

ヴィータがばた足で泳いでいるがはしゃく気持ちも分からないでもない。広い場所というのは心が開放的になりやすい。狭い場所も悪くないがたまにはこうやって開放的な気分になるものだな。

 

 

「時雨~遊びに来ましたよ~♪」

「ただしこう言うのはいただけない!!」

 

 

女と書かれた扉から堂々とリニス、ザフィーラが、そして少し遠慮がちになりながらシグナムがやって来た。見たときから予想はしていたがあの扉は女湯に繋がっているのだろう。にしてもリニスたちがこっちに来るとはな・・・・・・

 

 

「よう、早くお湯に入ったらどうだ?風邪引くぞ」

「あれ?思っていたよりも慌てませんね」

「予想はしていた。起きてほしくないことの第二位くらいに」

「ちなみに不名誉な第一位は?」

「俺が女湯に引きずり込まれる」

「・・・・・・それもありですね」

「勘弁してくださいマジ本気で」

 

 

湯船スレスレまで頭を下げるとやれやれといった様子でリニスが俺の右隣に座ってくる。ザフィーラは実に堂々とした態度で俺の左隣に座った。はやてはヴィータと一緒に水鉄砲で遊んでいる。シグナムは・・・・・・離れたところで顔を赤くしながらこっちを見ている、恥ずかしいならなんでこっちに来た。

 

 

「あれシャマルは?まさかあっちで一人にしたのか?」

「あぁシャマルなら頸動脈絞めて落としておきました。「イエス・・・ロリータ・・・ノー・・・タッチ・・・・・・っ!!」とか言っていい笑顔で気絶しましたけど」

「湯船に沈めておいてもバチ当たらないんじゃないか?」

 

 

考えたくもなかったがまさか両方いけるとは・・・・・・せめて紳士よりの思考だったことが救いなのか。

 

 

「それにしても・・・・・・」

「どうしたザフィーラ、人の体をジロジロと見て。見るんだったらシグナムみたいに恥じらいながら見なさい」

「なぁ!?し、時雨!これは違うんです!!温泉という場所なので裸でいるのは当たり前で!!これは不可抗力で!!」

「時雨殿の体は女性のようだと思って」

 

 

シグナムが赤い顔をさらに赤くしながら反論するがザフィーラはそれを無視して質問してきた。と言うよりもやっぱりそれか。

 

 

「ん~俺も詳しくは知らないけどガキの頃に十分な栄養が取れなかったことが原因じゃないかって言われたことがあるな。男性ホルモンと女性ホルモンのバランスが崩れているらしく体自体は男なんだけど女性っぽく見えるみたい」

「・・・・・・どんな幼少期を過ごされていたのですか?」

 

 

ザフィーラは少しためて俺に質問してきた。シグナムも空気を読んだのか少し顔は赤いが真剣な表情でこちらを見ている。リニスはこのことを知っているからかどこか暗い表情になっている。

 

 

「ガキの頃ね・・・あんまり思い出したくも無いが俺のいた場所は工場のガスの影響か毎日のように黒い雨が降る場所だったよ。そこは富める者がさらなる富を貯えて貧しい者は搾り取られて、今の暮らしからすればまるで地獄と言ってもおかしくない環境だったな。で、俺はそこの最下位から二番目の状況で生きていた」

「二番目?一番下は?」

「一番下は選ぶ権利すら与えられないただの人形と同じだよ。いや~あの頃が懐かしい、三日に一度少量だけでも食べられたらいい方だったからな」

「・・・」

「・・・」

 

 

ザフィーラとシグナムが沈黙する。反応的には唖然とするというよりも何か考えている物に近いな。

 

 

「はい、この話は終わり。もっと詳しく知りたいならもっと俺の好感度を上げて時雨√に突入することだな。ちなみにリニスはグッドエンディングをクリアしてスタッフロールまで見終わっているぞ」

「はい、私は時雨の過去を聞きました。だからといって軽々しく教えるつもりはありませんがね」

 

 

無理矢理な気もするが強引に話を切り上げて俺たちは温泉から上がることにした。温泉から上がった時の牛乳は驚くほどに旨かったことをここに記しておこう。あとヴィータ、アイスを食べ過ぎるなよ?欲しいと言われて買ってやった俺も俺だが。

 

 

 

 

 

 

 

 

温泉から上がって俺はリニスと一緒に辺りを散策することにした。ザフィーラはシャマルの回収に、シグナムははやてとヴィータを部屋に送っているのでこの場にはいない。すると少女三人組がオレンジ色の髪をした女性と何か話をしていた。

 

 

「あんまり調子に乗ってるとガブリといっちゃうわよ?」

 

 

訂正、何やら脅迫に近かった。言いたいことを言って満足したのか女性はこの場から立ち去ろうとする。しかし俺たちーーーーー正確にはリニスの方を見てまるで信じられない物を見るような目で立ち止まった。

 

 

「リ、リニス?」

「はいそうですけど・・・・・・どちら様ですか?」

「あたし、アルフだよ!!生きていたのかい!?」

「あー悪いがここじゃ人の目があるからな、人気のないところに場所移すぞ」

「そんなこと言って私に乱暴するつもりでしょ!!同人誌みたいに、同人誌みたいにぃ!!」

「・・・お望み通りにヤってやろうか?」

「ヘイカモン!!」

「え?リニス?」

 

 

なんか金髪の変態の 生き霊(スタンド) を後ろに従えながら暴走するリニスの首根っこをつかんで引きずりながらアルフと呼ばれた女性と旅館の庭園まで移動する。ここなら人気もないし嬉しいことに灰皿まで設置してある。ベンチにリニスを投げてタバコに着火、ニコチンとタールを味わう。

 

 

「はぁ美味い・・・・・・で、アルフって言ったっけ?リニスとはどんな関係?」

「えっと使い魔仲間というか・・・あたしのご主人様の教育係だったんだけど・・・本当にリニスだよね?」

「うんそうだよ、名前はリニスでうちで今家政婦してるの。あ、家政婦は見た的な展開は無いから安心して」

「アルフ・・・アルフ・・・あ、思い出しました」

 

 

ベンチに顔から突っ込んで悶絶していたリニスが復活する。

 

 

「トイレが我慢できなくてお漏らしして泣いたり、おねしょをして泣いたり、お風呂で溺れかけて失禁して泣いたアルフ出会ってますか?」

「ちょ!?リニス!?」

 

 

なんという恥部の暴露。というりよお前のアルフに対する記憶は上と下の大泣きの記憶しかないのか?まぁリニスが猫を素体とした使い魔だと知ってるからアルフも何かしらの動物を素体にした使い魔だと推測できる。動物なら子供の時間は人間に比べて遥かに短いんだが・・・・・・アルフの外見年齢は二十代といったところ、実年齢は知らないが精神年齢も外見に近い物になっているとすればこの手の話題は恥ずかしい。

 

 

「うん?アルフ?もうオシメは外れましたか?夜一人でトイレに行けますか?粗相をすることは無くなりましたか?」

「あぁ・・・!!あたしの知ってるリニスじゃない!!」

「リニス・・・いい具合に俺に染まってきたな!」

「あんたが原因かぁぁぁぁぁぁ!!!」

「秘技! カウンターヘッドバッド(ただの頭突き) !!」

「いたっ!?」

 

 

突然アルフが殴りかかってきたのでその拳を頭突きで迎撃してやる。こっちも痛いがあちらも相当痛かったらしく涙目になりながらしゃがんで痛みを堪えている。その際に激しく動いた為か崩れた浴衣から豊満な胸がコンニチワしそうになっていた。こいつはグレートですよ、承太郎さん(確信)

 

 

「はいはい、時雨も傷の手当てしますから動かないでくださいね」

「だからといって後ろから絡むように抱き付く行動の動機を答えなさい」

「私がそうしたいからです」

「なら仕方ない」

 

 

リニスの手が額にまで伸ばされて軟らかい感触と共に痛みが少しずつ引いていく。まぁ痛みなんて背中にリニスの胸が押し付けられた時からあまり感じなくなったが。

 

 

「・・・あんた、この間の変な仮面を着けてた男だね?」

「変なとはなんだ!! 不忍(しのばず) を侮辱するつもりか!!あとなんで分かったの?」

「普通は逆じゃないかい?あたしの素体は狼だからね、匂いで分かったのさ」

 

 

ピョコンと生える耳を見てザフィーラを思い出した俺は間違ってない。温泉から帰ったら久しぶりにザフィーラにブラッシングをしてあげよう、そうしよう。

 

 

「 不否定(ひていせず) 」

「やっぱり・・・あんたもここにあるジュエルシードが目当てかい?」

「へぇ、ここにもジュエルシードがあるのかい?」

「しまっ!?」

「ま、誰が封印しようが俺たちに被害が無いなら俺は手出ししないさ。好き勝手にやってくれ」

「・・・本当かい?」

「マジマジ大マジ。あとリニスの知り合いっていうことで一回だけ助けになってやるさ。んじゃ、俺たちはそろそろ行くね。ご主人様・・・フェイトって言ったっけ?その娘にもよろしく~」

 

 

フィルターまで燃え尽きて灰になったタバコを灰皿に押し付け、すれ違い様にアルフの頭を撫でて旅館に戻ることにする。

 

 

「珍しいですね、貴方がコトミネからの紹介以外で厄介事に関わろうとするなんて」

「誰でもいいからジュエルシードなんて厄介事の種を片付けてほしいってものあるんだけどね、リニスの知り合いっていうじゃない?だったら優しい対応しても損は無いからね」

「ふふっ、時雨らしいですね♪」

「そりゃあどーも」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、アルフとの会話から数時間たった夜。時間的に言えば夕食の時間帯。出された夕食は山の幸が多く味覚を非常に楽しませてくれる。そんな中、

 

 

「「「「アッハッハ~!!!」」」」

「貴様らは自重という言葉を知らんのか」

 

 

大人組は酒を飲んでスッカリ出来上がってしまっていた。シグナムとリニスはチビチビと飲んでいるからほろ酔い程度だろうけど高町組が酷い。恭也はグラス一気程度だが士郎さんに至っては瓶一気飲みである。桃子さん?あらあらとか言って微笑んでますけど貴女の後ろには大量の酒瓶があることを俺は知っていますからね?

 

 

「飲んでるか~い時雨く~ん?」

「あー飲んでます飲んでます。だから酒注がないでください」

「アッヒャヒャヒャ!!」

 

 

恭也壊れすぎだ。あれか、忍関係で疲れて酒に逃げているのか?だとしても自重しろよ、子供組ドン引きしてるじゃないか。

 

 

「シャマルさん、頼んでいたものは?」

「あああれですね?ここにちゃんとありますよ。じゃん!!高町恭也さんの湯上がり写真浴衣着崩れver!!」

「きた!!メイン恭也きた!!これでかつる!!」

「自重しろ変態共」

「「あふん!!」」

 

 

手元にあった割り箸を投擲、割り箸は吸い込まれるように二人の変態の額に突き刺さり昏倒させることを成功させる。ミッションコンプリート。

 

 

「あれ?シグナム。リニスとザフィーラは?」

「さぁ?先程部屋から出ていくのは見えましたが・・・」

「じゃじゃ~ん♪」

「「ぶふぉ!?」」

 

俺とシグナムが吹き出した酒が変態共にかかったとしても俺は悪くない。だって戻ってきたリニスとザフィーラが頭からネコミミとイヌミミ、腰の辺りから猫の尻尾と犬の尻尾を生やして戻ってきたのだから。つうかなんで生やしてるのさ!?子供組アボーンしてるぞ!?

 

 

「ふふ~♪どうですか時雨?ケモナーリニスちゃんとザフィーラちゃんですよ~♪時雨を悦ばせるために着けてきました♪」

「どうですか時雨殿、似合ってますか?」

「似合ってます似合ってます。わたしくの感性にどストライクでございます」

 

 

思わず敬語になってしまった俺は悪くない。だってリニスは酔いでか顔を赤らめながら着崩れた浴衣がいい具合でエロいし、ザフィーラはイヌミミがペコんと垂れて少し不安げな雰囲気が男心をくすぐるんだもの。これで落ちない男はいない(実体験に基づく確信)

 

 

「むむ!時雨、お酒が無くなってるじゃないですか!!ザフィーラ」

「どうぞ」

「ん、ありがとって待て!!だから口移しで飲まそうとするな!!リニスも真似してんじゃねぇ!!」

「・・・ねぇねぇはやてちゃん、はやてちゃんのお父さんが女の人に獣耳着けて侍らせてるけど大丈夫なの?」

「ん~?うちとしてはかまへんよ~。あれは二人の悪ふざけみたいなもんやし、それにお父さんには相手がおらへんからな。何人くっつくか見物やわ~」

「え゛、まさかの娘からのハーレムゴーサイン?」

「すずか、なんか口の中が甘い気がしない?」

「もうアリサちゃんったら、カップルのいるお酒の席にブラックコーヒーを用意しておくのは常識だよ?」

「「「そんな常識はない(なの)(わ)!!」」」

 

 

・・・美女と美少女に囲まれていい気分なのに子供組の風評が酷い件について。

 

 

まぁこんな感じでてんやわんやしていたが恭也といつの間にか酒を飲んでいた美由希が酔いつぶれたことで宴会は終了、就寝することになった。

 

 

「悪いねシグナム、手伝わせちゃって」

「これくらいなら問題ないです」

 

 

俺は酔いつぶれたリニスは抱えて(お姫様だっこ)、ザフィーラは背負って俺たちに宛がわれた部屋に向かっている。はやては仲良くなった子供組と就寝、シャマルは額から割り箸を生やした状態でシグナムに引きずられている、イッタイナニガアッタンダー(棒)

 

 

「重たくは無いですか?」

「このくらいなら軽いもんさね、あと女性に重いなんて言ったら八つ裂き通り越して十七分割されてしまう。まぁ酔っ払ってるからフラフラするといえばするけどにゃ~♪」

「・・・そう言いながらも、酔ってはいないのでしょ?」

 

 

シグナムの言葉に足を止める。どうして?どうしてーーーーー

 

 

「・・・どうして俺が酔っていないと?そこそこの演技は出来ていたと思うけど?」

「何となく、違和感を感じた物ですから。それで酔っていないと思いまして」

「はぁ~・・・・・・バレてないと思ってたんだけどな」

 

 

そう、俺は酒を飲んでも酔うことはできない。出来たとしてもほろ酔い程度で、少なくとも恭也のように酔い潰れるなんてことは体験したことがない。前に一度二十四時間耐久飲み比べレースというのに参加したがそれでも大して酔うことができなかった。

 

 

「体質っていうか生活習慣?どうもはやてと暮らす前には気を張りつめさせて生きていたからか酔うことが出来ないんだよ。これでもほろ酔い出来る程度には改善された方だからな?」

「・・・そうですか、習慣というのならどうしようもありませんね。でも」

「でも?」

「いつの日か、時雨と酔える程に酒を酌み交わしてみたいものです」

 

 

そう言うとシグナムは部屋の襖を開け、シャマルを放り込んでから自身も部屋の中に入っていった。

 

 

「・・・・・・俺もそうなることを期待してるよ」

 

 

誰に言うでもなくそう呟き、俺もリニスとザフィーラを布団に寝かせるべく部屋の中に入っていった。

 

 

 

 






・・・・・・すまない、読者諸君。私は(温泉の表現が)無力だorz


ていうかまさかの8500字越えという過去最大文字数。


今話を分かりやすく分割すると

①温泉へレッツゴー(シャマルは変態&時雨の過去)

②アルフとの対話

③宴会や~!!

ですかね?

時雨の過去については伏線的なつもりで書きました。これが何時生かされるのか・・・というか生かすことが出来るのか作者の作文力にご期待ください。


簡単でもいいから感想や評価をくれると嬉しいな~
(´・д・`)



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。