戦争を知る世代   作:moota

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こんにちは。mootaです。

更新が遅くなりました。ごめんなさい。
最近気付いた事、先輩方に比べると一話の文字数が少ない。
自分の思う通りにやってたら意外と少なかったようです。

ま、いいかな?
ぼちぼち考えていきます。


第八話 戦争の序章

第八話 戦争

 

 

 

 

 

 

 

火の国暦60年6月25日 火の国国境

小夜啼トバリ

 

 

 

上を見上げると、

 

そこには青い、ほんとに青い空が見える。

木々の間からだけど、広い空が見える。

 

 

大きいなぁ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「急げ!」

切羽詰まった怒号のような声が聞こえる。

 

 

木の葉の額宛を付けた5人の忍が木々の間を縫って移動している。

 

 

「隊長!間に合うでしょうか?」

 

「わからない、しかし、むざむざ帰れん!」

 

「はい!」

間に合ってほしい、淡い希望かもしれないが。

 

 

私たちは、援軍として急いでいる。

 

 

作戦は失敗した。

今回の戦闘は、岩隠れ8小隊、木の葉10小隊を動かしている。数では我々が有利であった。

 

作戦は前線3小隊が敵を引き付け、その間に残り6小隊を半分に分けて左右から回り込むというもの。

今回の戦闘指揮を執る大隊長は左手の中隊を直率する。

また、前線3小隊の中隊長は“木の葉の白い牙”と呼ばれるはたけサクモさんに任されている。有名な方を置いて、相手の意識をこちらに向けさせるという算段だ。

 

 

しかし、相手は乗らなかった。

前線3小隊はちまちまと遠隔攻撃にさらされ、その間に回り込んでいた小隊が各個撃破されつつある。

 

左手に回り込んでいた小隊はすでに全滅。

大隊長も戦死しているだろう。

 

今ははたけ中隊長が指揮を執っている。

そして、右手にいる部隊は壊滅しようとしている。

はたけ中隊長は右手の部隊も全滅してはいないのなら助けるべきとお考えで、私たちを援軍として遣わせた。それと合わせて、はたけ中隊長の部隊が攻勢をかける。

何とか右手の部隊を一人でも多く助け、撤退する、そういう作戦だ。

 

 

 

 

「いたぞ!まだ、生きてる!」

 

「10時の方向、岩の後ろに敵!」

 

そんなことを考えていると、緊張した声が意識を現実に引き戻す。

「カイ、ヤシマ、トバリはそのまま敵に攻撃をかけろ!私とミヤマは味方に合流する!」

 

「「はっ!」」

 

隊長の命令が飛ぶ。

 

俺は2人と一緒に敵に攻撃をかける。

まだ、敵は気づいていない。

人数は、5人・・・・人数はこちらより多いが奇襲をかけれれば問題ない!

 

「トバリ!上から火遁をかけろ!」

名前が呼ばれる。

言われなくても、そのつもりだ!

 

お腹の底からチャクラを練り始める。

相手の真上に飛び出る。

体を空中でうまくひねり、下にいる敵に顔を向ける。

そして、印。

 

 

「火遁 炎扇の術!」

 

口から炎を吐き出し、扇上に敵に襲いかかる。

 

敵がこちらに振り返る。

でも、もう遅い。

 

 

「な、ああぁぁ!」

「あぁああ!」

敵が炎に巻かれて、悲鳴を上げる。

 

2人は炎に巻かれている。

しかし、残り3人は間一髪で炎の範囲から逃れた。

 

!?

 

手裏剣が飛んでくる!

キン!

ヤシマが手に持つクナイで弾いてくれた。

そのまま、ヤシマは相手にクナイを投げる。

 

その間に俺も着地する。

心臓の鼓動が速くなる。

ドクッドクッ、ドクッドクッ・・・

 

 

「下がれ!」

いつの間にか隣にいたカイが叫ぶ。

 

 

目の前から土が盛り上がって津波のように襲ってくる。

 

くそ、相手の術か!

飛んで3mほど後ろに下がる。

 

一緒に飛んでいたカイが術を発動する。

「水遁 水鉄砲の術!」

 

 

口から吐いた水が丸く塊のようになって、眼前の岩の波に向かっていく。

 

バァン!

 

大きな音とともに前が見えなくなるほどの煙があがる。

俺はそれと時を合わせて手裏剣を投げる。

 

「ぎやぁああ!」

よし、当たった!

 

だが、煙で状況が把握できないでいる。

身構え、体を固くする。

 

どうなった?

当たったはず・・・

 

 

「かはっ・・・・っ!」

 

隣から鈍い音が聞こえた。

それと同時に視界が真っ赤になり、

何か生暖かい液体が大量に俺にかかった。

 

生臭い、それはとても生臭かった。

そして、ドロッとしている。

 

 

なんだ?

 

 

隣に目を向ける。

 

そこには、首から血を拭くカイがいた。

目の焦点が合っていない。灰色の目をしている。

口が何かを言うようにパクパクと、している。

 

 

ギョロっと焦点のあっていない目がこちらを見る。

目玉が飛び出すほど目を見開いている。

 

 

 

「あっ、あ、ああ・・・」

 

な、なんだこれ、なんだよ・・・

いつの間に・・カイが。

 

 

バタっ!

 

 

カイが倒れる。

カパっ、コポコポコポ、と血が流れ出ている。

 

 

「うわ、わぁぁ!」

横たわるカイから目が離せない。

カイの焦点の合わない目が俺をずっと見ている。

 

 

「トバリ!動け!」

叫ぶような声が響く。

 

 

それが意識を現実に戻す。

首を振り回して、周りを見た。

 

 

ど、どうなった!?

 

 

「あと2人だ!動け、動かないと死ぬぞ!」

また、ヤシマの声が響く。

 

 

周りを見ると少し離れたところに岩隠れの忍が2人いた。すぐ近くの木の上にはケガをしたのだろうか、右手を左手で押さえているヤシマがいる。

 

「ヤシマ、ケガをしたのか!?」

 

「あ、あいつらかなり強いぞ!気を付けろ!」

 

「あ、ああ、でも隊長達もいる。皆で囲めば・・・」

 

 

ヤシマの顔が曇る。

「あそこを見ろ。」

 

 

ヤシマが言った方を見る。

そこには血が水溜まりのようになっている。

人が・・・折り重なるように倒れていた。

 

 

「ま、まさか・・・っ!」

心臓がおかしいほどに鼓動する。

ドッドッド、ドッドッド・・・

 

 

 

「隊長たちは・・・もう」

ヤシマの声は抑揚がなく、ロボットのように聞こえる。

 

 

 

「そ、そんな・・・・」

信じられない。

隊長が、皆が、死んだ・・・バカな。

 

 

敵は5人だった。

 

助けに来た時、生きていた味方は3人。援軍として俺たちが来て、隊長とミヤマは生きていた味方と合流。俺とヤシマ、カイが敵に攻撃。この時点で味方は8人いたのに。

 

 

今では、俺たち2人だ。

 

 

 

敵を見た。

な、なんだあいつ?

一人は普通の岩隠れの忍だと思う。

もう一人の格好は確かに岩隠れだが、瞳の色が白い。

そう、瞳が白く、それ以外が黒い。普通の目と逆だ。

先程までは普通だったと思うけど・・・

 

敵の口元が動く。

「・・・の術。」

 

 

 

 

!?

なんだ?

 

なんだ、辺りが急に真っ暗になった!?

ま、周りが見えない!

 

なんだ、これ!?

くそ、全く見えない!

 

 

「トバリ、どうした!?」

 

ヤシマの声が聞こえる。

声しかわからない。見えないんだ、何も。

ヤシマは見えているのか?

どういうことだ?

あ、あいつだ・・・あいつの目を見てから・・か?

 

 

「トバリ!トバリ!どうした!?」

ヤシマの怒声。

 

 

「うわ!?なんだ、トバリ!?・・・あ、あ、や、やめろ!来るな!来るなぁぁぁ!!」

トバリの恐怖の色に帯びた声。

 

 

 

「ヤシマ!?どうした!何が起きてる!?」

 

 

 

・・・と叫びたかった。

でも、声が出ない。

 

 

「う、うわぁぁぁ!!」

 

 

グチョブ、グチャャ・・・バキバキ、ボキッ。

 

代わりに聞こえたのはヤシマのとても大きな、悲鳴。

それと何とも言い難い、何か色々と詰まったものが潰れる?壊れる?音だ。

 

 

「ヤシマ?ヤシマ!?」

声が出ないが、それでも叫んだ。

 

 

「ヤシマ!ヤシマ!ヤシマ!」

何度も、何度も。

どうしようもない不安がそうさせるのか。

 

何も見えない。

耳は・・・今、聞こえるのは、

 

 

ドッドッドッドッドッドッドッド・・・

 

 

今まで聞いたこともない速さで打つ心臓の音だ。

 

 

 

 

ドッドッドッドッドッドッドッドッド・・・・

 

何も見えない。

心臓の音が止まらない。

 

 

 

ーその時

急に静かになった・・・

 

 

 

 

“我々は岩戸より隠れ出る者であり、世を真に照らす者である。”

 

 

 

 

遠くから声が響いた。

 

 

と、同時に腹に鋭い痛みを感じた。

「あ、ぁぁあ、ぐぁぁあ。」

 

痛い、痛い・・・・

痛いのに、

少しずつ、少しずつ意識が遠くなる。

 

 

バタッ!

 

俺は体を支えられず、仰向きに倒れる。

上を向いているはずだが、何も見えない。

 

 

 

“俺は死ぬのか?”

ふと、そんなことが頭をよぎった。

 

 

いやだ、死にたくない・・・

死にたくない!

 

 

いろんな人の顔が頭をよぎる。

父親・・母親・・・妹・・・・恋人・・・・

大切な人たち、大好きな人たち。

 

会いたい、もう一度会いたい。

 

 

死にたくない

 

死にたくない

 

死にたくない

 

死にたくない

 

 

 

何も見えない。

 

怖い

 

悲しい

 

辛い

 

 

 

 

ーその時

 

小さい光が見える。

少しずつ少しずつ、その光が大きくなる。

 

 

 

青と白、そんな色が見える。

あぁ、空か。

 

 

いつの間にか景色が見えるようになっていた。

 

 

 

 

木々の間から、

青い、ほんとに青い空が見える。

遠い、大きい、空が見える。

 

 

手を空に伸ばす。

 

 

手は痛みでプルプルと震えている。

 

 

 

いつの間にか怖くなくなっていた。

その代わり、空から目が離せない。

 

 

もう、他に何も考えられない。

 

 

 

青いなぁ・・大きいなぁ・・

 

 

 

 

 

ーすっと現れた鳥が空に昇っていく。

 

 

 

あぁ、俺もそこに行きたいなぁ・・・・。

青い空に、その大きな空に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

火の国暦60年7月1日 木の葉隠れの里 アカデミー

 

ふしみイナリ

 

 

 

 

 

教室が静まりかえっている。

授業でもこんなに静かな事なんてない。

 

 

それだけじゃない、みんなの顔がひどい。

先生の顔はこれでもかと強張って、目をぎゅっと瞑っている。

一人の生徒は泣きそうな顔をしている。

また別の生徒は怒っているかのような顔をしている。

驚きを隠せない顔、不安でいっぱいの顔、理解できていない顔。

 

 

隣にいるハナは・・・心配そうな顔をしていた。

カタナは・・無表情だ。

 

 

 

「もう一度、言う。」

静かな教室に緊張した先生の声が響く。

 

 

 

 

 

「緊急学徒動員策が発布された・・・ここ、アカデミーの生徒も戦争に参加する。」

 

 




アクション難しいです。
文字にするのって難しいですね。

主人公全然出てこないですね。
じ、次回からは中心に動かしていきます( ・ε・)

あと、私事ですが、入院することになりましたので、更新が遅くなるかもです。ま、経験上いつも暇なので早くなるかも、の可能性も高いですが。


ありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。

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