黒のスピラ冒険記   作:通りすがりの熾天龍

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ティーダサイドです。
今回は短いですが自己ルールの3000字は超えてます。


流されてサヌビア砂漠

砂地。周りには誰もいない。

「くそ、結局はぐれるのかよ」

誰にともなくそう言った。

 

 

 

 

少し歩く。すると、前回も出くわしたでっかい鳥、ズー。

「今度は前回みたいにいかないからな」

そう言うが、まあ向こうは言葉がわからないからな。

ま、それはさておき、

「エナジークラッシュ!」

もはや定番となりつつあるえげつない内部爆破攻撃をぶちかます。

ズーは撃墜され地に伏せたが、

「・・・まだ生きてんの?」

奴は再び立ち上がった。

うーん、ここ数時間ほどで連続してオーバードライブ使いすぎたのかなぁ?

どう見ても威力が落ちてるし。

「そー考えるとやっと疲れてるって気づくんだから不思議だよな」

俺の後ろに居る誰かに声をかけた。

「そー考えるとってどう考えるとなんだ? そして気づくのが遅い」

アーロンがそう返してきた。

「てなわけで、交代してくれない?」

「ここ最近お前はオーバードライブを使いすぎだ。しばらく押さえろ」

「りょーかいッス」

俺が下がり、代わりにアーロンが前へ出る。

「さて、とっておきだ。《陣風》!」

アーロンの放つ闘気が竜巻となりズーを吹き上げる。

更に、この時のために携帯している油入りの酒壺を投げる。

すると、竜巻は炎の竜巻となり、ズーを焼いた。

 

「おー、流石アーロン」

と、その時、

「無事だったのね、ティーダ」

ルールーが声をかけてきた。またも俺の後ろから。まあいいけど。

「ちょっと疲れたんでアーロンに任せたところッス」

「そう・・・やっぱりオーバードライブ使いすぎじゃない?」

「俺もそうなんじゃないかって思ってたとこ。ところで他の皆は?」

「私が会ったのはあんたとアーロンさんが最初よ」

あ~、やっぱりか。

 

 

 

 

「ワッカ!」

またしばらく進み、記憶にある前回と同じ場所でワッカを見つけた。

「ユウナは?」

そう聞いてくるワッカ。俺は黙って首を横に振る。

「くそっ! あでぁ!?」

ワッカはすぐそばの機械を蹴って悲鳴を上げる。

「ユウナは見失うわ機械には襲われるわ・・・いてて・・・とにかくどうなってんだ!」

 

 

 

 

ワッカを加え、再び進む。

キマリが砂丘を登ろうとしているところに会った。

これも前回と同じだ。

キマリが砂に流され、ずり落ちてくる。

「ユウナは・・・居ない!」

俺達に気付き、絞り出すように叫んだ。

「キマリのせいじゃないって!」

俺も、前回と同じように叫び返した。

 

 

 

 

「あ! 皆~!」

リュックが俺達を見つけて大声を上げた。

「ユウナは?」

歩み寄った俺達に向け、リュックがガードとして一番気にかけるべき事を訊いた。

「居ない」

「・・・そっか」

リュックも俯く。

「最悪。ガード失格だわ」

ルールーもそう呟く。

そんな俺達にリュックは言いづらそうに、

「えっと・・・話したいことがあるんだけど何も言わずに聞いてくれる?」

そう切り出す。

前回は睨んでたワッカも今回は素直に頷く。

キリトの説教がだいぶ効いてるみたいだな。

「この砂漠はサヌビア砂漠って言って、ビーカネルって島にあるのね。で、この近くにアルベド族のホームがあるんだ。ユウナは、たぶんキリトやユイちゃんも、そこにいるはず」

キリトとユイちゃんはどうだろう?

でも行ってみるしかないよなぁ。

「それで、皆をホームへ案内したいんだけど、ホームのことは内緒にしてほしいんだ。アルベドは寺院から嫌われてるからね・・・バレたら何されるかわかんないんだよ」

全員が、もれなくワッカを見る。

「お、俺か?」

「他に誰がいるのよ」

ルールーにも窘められている。

「わ、わかった。誰にも言わない。だからリュック、案内頼む」

「まっかせといて!」

リュックが元気よく言った。

 

 

 

 

リュックの案内でしばらく進む。

と、進行方向の砂漠の中に何かを見つけた。

近づいてみると、なんとそれは赤く大きな結晶に閉じ込められたいくつもの機械。

「な、なんじゃこりゃ・・・」

ワッカが呆然と呟く。

「あたしにもわかんないよ。こんなの見たことないもん」

リュックも首を横に振る。

近づいて調べてようとしたルールーがその結晶に触れた。

「冷たい。これは・・・氷!?」

「ちょ、ちょっと待てよ、ルー。赤い氷なんて見たことないし、氷だったらなんで融けてないんだよ。ここ、砂漠のど真ん中、炎天下だぞ!?」

「わからないわ。でも、そうとしか・・・」

ふと地面に目をやると、そこには同じ赤い結晶でできた何かが。

拾ってみると、

「うわ、冷たっ。なにこれ・・・赤い氷の薔薇?」

「見せてみろ」

アーロンに手渡す。

「確かに氷としか思えないな。しかし、なぜに薔薇?」

・・・なんか、わかっちゃった気がする。

「これ、キリトがやったと思う人、挙手」

俺がそう自分も手を挙げながら訊くと、全員が無言でサッと手を挙げた。

・・・もうこれ確定ッスよね。

「キリトがここ通ったならたぶん一足先にホームに着いてるんだよ。急ごう!」

リュックの言葉に頷き、俺たちは先を急ぐ。

 

 

 

 

「もうすぐだよ! こっちこっち!」

そう言って一足先に砂丘を上るリュック。

しかし、

「あぁぁぁぁ!?」

砂丘の向こうを見て悲鳴を上げた。

「リュック!? どうした!?」

ワッカが訊く。

俺たちも急いで砂丘を上る。

見えてきたのは魔物の大群に襲撃されるアルベドホーム。

結局、これも前回と同じだ。

だけど、今回は前回より多くの人を救いたい。

手が届く範囲だけでも、人々の命は救うべきだ。

前回の旅を通して、俺が学んだことの一つ。

と、前回にはなかったものが見えた。

黒い服を着た人影。

・・・まさか。っていうか間違いなく・・・。

 

 

 

 

武装完全支配術(エンハンス・アーマメント)!」

走ってアルベドホームに近づく。

するとやっぱりキリトが無双してた。

っていうか・・・剣が宙に浮いている!? 何それ四刀流!?

キリトは両手に1本ずつ剣を持ち、更に宙に浮かせた二本の剣を操っている。

ちなみに手に持っているのはエリュシデータとダークリパルサー。

宙に浮かせているのは金木犀の剣と夜空の剣だな。

あ、金木犀の剣が分解した。

 

前回は俺達の目の前で死んでしまったケヤックはキリトのおかげで生きていた。

リュックがケヤックと話をする。

「襲ってきたのはグアドだって!」

「ってことは、エボンとアルベドの戦争・・・?」

リュックの言葉にルールーが推論を言う。

「そうじゃねぇ!」

そこに、やってきたのはリュックの父親、シド。

今回はアルベド語を使ってないのか。

直前にキリトと話していたのかな?

「グアドの狙いは召喚士だ!」

今回はケヤックの死を悲しむようなこともなく、続ける。

まあ今回は死んでないからな。

「キリトから聞いたがテメェらリュックのダチなんだろう? 手を貸してくれ!」

と、そこにキリトが戻ってきた。

「みんな無事か! シド、ここらはあらかた片付けた。この場は任せていいか?」

「助かったぞ、キリト! 俺はこれからこいつらとホームの中に入り込んだグアド族を叩き出しに行く。お前も手伝え!」

「わかった! ・・・ユイとユウナは?」

俺達の中にユウナとユイちゃんが居ないことに気付いたのだろう、キリトが訊いてきた。

「たぶんホームの中だと思う。オヤジ?」

「悪いが俺だってここに居る召喚士の全員を把握してるわけじゃねぇ。今のところその二人の名前は聞いてねぇな。しかし、ユウナ・・・か」

シドはユウナの伯父だからな。

「中にいる可能性は十分にあるということだな。シド、と言ったか。案内してくれ」

「おぅ!」

シドがアーロンの言葉に応え、キリトとシドを加えた俺達はホームの中に突入した。

・・・もし、前回の通りになれば、ユウナは連れ去られ、シーモアと強制的に結婚させられそうになってしまう上にエボンの真実を最悪の形で知ってしまう。

それだけはなんとしても避けなければ。急げ!




いい感じで進んできたと思います。
そんな感じでアルベドホーム到着までです。

ティーダはオーバードライブの使い過ぎで疲労が溜まってます。
そのせいでエナジークラッシュの威力低下。
代わりにアーロンが決めてくれました。

ワッカはかなり緩くなってます。
キリトの説教が効いてますからね。
但し信頼度は低いです(笑)

赤い氷は赤薔薇の剣の完全支配。
SAO14巻を読んでる人はわかると思います。
うわ~ん、ユージオ~(今更)
そんなわけでやったのはキリト確定。

キリト無双。今度は四刀流。
とんでもないことしてますがキリトなら間違いなくできる。
なぜならキリトだから(確定)
・・・もうキリト一人でシン倒せる気がしてきた。
あ、でもそんなことはしませんよ。
だってストーリー書けなくなっちゃうし(作者の実力不足)

キリトは無双始める前にシドと会話してました。
だから互いの名前を知っているんです。

次回! アルベドホーム爆破!
いや、それがメインってわけじゃないんですが。
キリトサイドになります。
それでは!

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