FAIRY TAIL~龍と妖精~   作:雲珠

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あ、ありのまま起こったことを話すぜ!小説を投稿したと思っていたら何故か反映せずに時間が過ぎていた!な、何を言ってるのか分からねーと思うが私も何をされたのか分からなかった…。
頭がどうにかなりそうだった。催眠術とか超スピードとか、そんなチャチなもんじゃ断じてねぇ。もっと恐ろしい力の片鱗を、味わったぜ…。

はい、予想通りいつもの如く保存し忘れて意気消沈している作者こと雲珠(うず)です。
ここ2日、あまりのショックにガチで寝込みました。


第九話 籠の鳥

エルザさんが全力を出してくれたお陰で、私達はあまり時間を掛けずにオシバナ駅へと到着した。

 

「なんだアレは!」

 

しかし、何故かオシバナ駅からは黒い煙があがっていた。

街の人達も野次馬の如く、駅周辺に集まっている。

 

「中の様子はどうなっている!」

「ん?なんだねキミは……グハッ!?」

「中の様子は!」

「え?……ガハッ!?」

「中の様子!」

「何を……グェッ!?」

 

駅員の人に中の様子を聞こうとしているエルザさん。

しかし、即答できない者は要らないとばかりに殴り倒している。

エルザさん、それじゃ逆効果ですよ。

 

「エルザがどういう奴か分かって来たろ?」

「何故脱ぐ!?」

「うお!」

 

私はもう慣れたのでグレイさんの脱ぎ癖に関しては突っ込みません。

第一、 私も人間の姿を解けば全裸ですしね。人のことを言えた立場ではありません。

 

鉄の森(アイゼンヴァルト)は中だ。行くぞ!」

「おう!」

『はい』

 

エルザさんの後に続き、私達は駅の中に突入した。

中はあまり人の気配がしませんね…。

まぁ、ある程度はいるようですけどね。足音とか聞こえますし。

 

「軍の一個小隊が突入したが、まだ戻ってこないらしい」

鉄の森(アイゼンヴァルト)と交戦した、と考えた方が良いでしょうね』

「恐らくな」

 

そのまま駅の中を走っていると、倒れている人を見つけた。

それも一人や二人ではない。

 

「あれは…!」

「全滅してるよ!」

 

軍の人たち全員がうつ伏せになり、苦しそうに呻いている。

良かった、死んではいなさそうですね。

血も出ていませんし、軽い気絶や脳震盪でしょう。

 

「相手はギルド丸ごと1つ。つまり全員が魔導師だ。軍の小隊では話にならんか…」

「やはり来たな、フェアリーテイルの蝿共」

「「!!」」

「な、何この数…!」

 

駅の中央に着くと、そこには大勢の人達がいた。

恐らく、鉄の森(アイゼンヴァルト)の魔導師達でしょう。

 

「貴様がエリゴールか!」

 

エルザさんが顔を上げた先を見ると、そこには巨大な鎌を持った人物がいた。

不敵な笑みを浮かべて、私達の方を見ている。

 

「ナツ、起きて!仕事よ!」

「う、うゥ……」

「無理だよ!汽車、魔道四輪、ルーシィ……乗り物酔いのスリーコンボだもん!」

「私は乗り物かい!!」

『大丈夫。そっとしておけばその内起きますよ』

 

少なくとも、戦闘が始まれば起きるでしょう。

ここはもう地面の上ですし。

 

「貴様等の目的はなんだ!ララバイで何をしようとしている!」

「分かんねェのか?駅には何がある!」

「飛んだ!?」

「風の魔法だ!」

 

ふわりと空中に浮かぶエリゴール。

そして彼はそのまま、駅内に設置されていたスピーカーの上に乗った。

 

「貴様、ララバイを放送するつもりか!」

「ハッハッハ!駅には何千にも野次馬が集まっている。いやぁ?音量を上げれば街中に響くだろう。……死のメロディがな!」

「何の罪もない人達に、ララバイの笛の音を聞かせるつもりか!」

「これは粛清なのだ。権利を奪われた者の存在を知らず『あ、1つ質問良いですか?』……なんだテメェは!」

 

台詞を途中で遮られたのが癇に障ったのか、私に対して怒鳴るエリゴール。

言っておきますが、私は敵と認識した人間には様なんて付けません。

どうせすぐに呼ばなくなる名前ですし、ね。

 

『あぁ、貴方ではありません。そちらの方々にです』

「は?」

「俺達…?」

 

私が質問したいのはエリゴールではなく、他の鉄の森(アイゼンヴァルト)の魔導師達。

基本的に、こういった質問は主犯格の人物にするとはぐらかされて終わりです。

 

『耳栓、持ってますか?』

「耳栓?」

「何言ってんだコイツ…」

「頭が可笑しくなったか?ハエさんよ~」

『もう結構です。その下種な口を閉じてて下さい』

「「っんだとコラァ!!」」

 

怒り狂う彼等を無視し、私は再びエリゴールに視線を向ける。

エルザさん達も私の真意が掴めないのか、無言のままだ。

そんなに難しい事では無いのですがね…。

 

『いい加減、本当の目的を言ったらどうですか?』

「……なんだと?」

「ルーツ、どういうことだ」

 

説明を求めてくるエルザさんに、私は自分の考えを話した。

 

『聞いた者全てを呪殺する魔法。スピーカーで流せば、鉄の森(アイゼンヴァルト)の方々も唯では済みませんよね?』

「!」

「…そっか、自分たちも音を聞いちゃうんだ……」

「耳栓の質問は、そういうことだったのだな」

『はい。彼等に音を防ぐ手段が無い以上、目的はここでララバイを放送することではありません』

 

私がそう言い切ると、エルザさんがキッとエリゴールを睨みつけた。

その顔は少しの嘘も許さない、とでも言いたげな顔です。

 

「ほお、蝿の中にも少しは頭の切れるヤツがいたか」

『お褒めの言葉は光栄ですが、ご褒美は目的を白状してくれた方が嬉しいですね』

「フン。……やれ!」

「残念だったな、フェアリーテイルの蝿共!」

 

エリゴールの言葉を切っ掛けに、一斉に攻撃を仕掛けてくる鉄の森(アイゼンヴァルト)

いつの間にか復活したナツさんが炎、グレイさんが氷、私が雷で攻撃を相殺する。

 

「ナツ…!ナイス復活!」

「おうおう、なんかいっぱい居るじゃねェか」

「敵よ敵!みーんな敵!」

「へっ、面白そうじゃねェか!」

 

ナツさんが凄みのある顔で、拳を作る。

いつもながらに悪そうな顔ですねー。

 

「あとは任せたぞ。闇ギルドの恐ろしさを分からせてやれ!」

「「逃げた!?」」

 

エリゴールは空中に浮かび、消えた。

あれも風魔法の一種なんでしょうね…。

色んな魔法があるものです。

 

「ナツ、グレイ。二人でヤツを追うんだ」

「「ん?」」

「お前たち二人が力を合わせれば、死神エリゴールにだって負けるはずがない」

 

エルザさんがそう言うが、お互いに無言で睨みあったまま。

返事が無い事に怒ったのか、エルザさんから激を飛ばされた。

 

「聞いているのか!!」

「「あいさー!」」

 

あまりの恐さにハッピーさんと化した2人は、そのまま凄いスピードでエリゴールを追って行った。

その時に鉄の森(アイゼンヴァルト)の方も二人ほど姿を消しましたが……まぁ、あの程度の魔導師なら問題ないでしょう。

 

「コイツ等を片付けたら、私達もすぐに追うぞ」

「この数を3人で!?」

「ヒッヒ、女2人に優男1人で何をしてくれるんだ?」

「羽を毟り取ってやるぜ、蝿共」

「イッヒッヒ!」

「可愛すぎるのも、罪なモノね…」

「ルーシィ、帰って来てー」

 

チラリとルーシィ様の方を見ると、どうやら自分の世界に入っているみたいです。

あまりの人数を前に現実逃避でもしたのでしょうか?

 

「下劣な…!」

「剣が出てきた!魔法剣!?」

『私も混ざらせて貰いますよ』

「ルーツさんもあんな大剣を片手で軽々と…!」

 

エルザさんが魔法を発動させると、空中に剣が出現した。

戦闘態勢に入ったエルザさんを見て、私も背負っていた【曉】を抜く。

久々の戦闘です。ワクワクしますね。

 

「これ以上フェアリーテイルを侮辱してみろ。貴様等の明日は保障できんぞ!」

『あぁ、私の場合は保障する気もないので悪しからずでお願いします』

「珍しくもねえ!」

「こっちにも魔法剣士はゾロゾロいるぜ!!」

 

そう言って、彼等は一斉に切りかかてくる。

私とエルザさんはその攻撃が当たる前に、相手の武器を破壊して薙ぎ払った。

 

「ハァッ!」

『次はこちらの番です』

 

私は左、エルザさんは右に向かってそれぞれ敵を倒していく。

同じ場所で戦うより、こちらの方が効率が良いですからね。

敵を薙ぎ払いながらエルザさんを見ていると、コロコロと武器を変えて戦っている。

アレでは相手も対処のしようがありませんね。

 

「余所見してんじゃねェぞ!クソが!」

『おっと、』

 

光系の魔法が飛んでくるも、持っていた【曉】を盾に防いだ。

その隙を狙って四方八方から武器を持った人たちが襲いかかってくる。

良い連携プレーですけど……遅いですよ?

 

「ぐはっ…!」

「な、なんだコイツ!」

「速いッ!?」

 

いえ、私が速いのではなくて貴方達が遅いのだと思いますが。

しかし数が無駄に多いだけあって、面倒ですね。

 

『エルザさん!』

「あぁ!分かっている!」

 

埒が明かないと思った私は、エルザさんに声を掛ける。

どうやらエルザさんの方も同じことを考えていたようですね。

1つ1つ潰すのなら、一撃で倒す方が良い。

 

「これで一掃する!」

『助力しましょう』

 

エルザさんが武器ごと鎧を換装した。

まるで天使のようなその鎧の名は、天輪の鎧。

そして彼女を中心に、数十本もの剣が円状に出現した。

その姿を見て、私も【曉】を構えた。

 

「舞え、剣たちよ!循環の剣(サークル・ソード)!」

『風を切り裂き地を焼け。災厄紅雷(さいやくこうらい)!』

 

エルザさんが剣を投げるのと同時に、私も【曉】から雷を相手に向かって放出させる。

相手はもれなく吹っ飛ばされ、ほぼ全員が口から黒い煙を吐いている。

ふう、我ながらよく手加減出来ました。殺さない様に調節するの、結構難しいんですよね。

 

「す、凄い。一撃でほぼ全滅…」

「あい!」

 

後ろから、ルーシィ様とハッピーさんの声が聞こえる。

あちらの方もどうやら無事のようですね。良かった。

 

「クソ!俺様が相手だ!」

 

私がルーシィ様たちの方へ意識を向けていると、生き残った2人の内の1人が殴りかかって来た。

そして私が反応するより先にエルザさんによって反撃された。

……此処まで来ると、同情の念を覚えますね。まぁ自業自得なのですが。

 

「ま、間違いねェ!コイツ等は妖精女王(ティターニア)のエルザと、白銀のルーツ!」

 

一人しか残っていないのに、一体誰に対して語っているんでしょうか?

私は構えていた【曉】を背負い、ゆっくりと相手に近付いた。

 

「相手が悪すぎるー!」

『あ、』

 

その速さを戦闘で活かせば良いでしょうに…。

と思うほどのスピードで相手は逃走した。

人間、いつの時代も逃げ足だけは速いですよね。

ある意味で感心します。

 

「エリゴールの所に向かうかもしれん。追ってくれ」

「私が!?」

「頼む!」

「は、はい!」

 

後ろに般若が見えるような顔で頼むエルザさん。いやそれ、若干脅しが入ってますよ。

ルーシィ様とハッピーさんはその顔に恐れをなしたのか、さっきの相手と良い勝負な走りで追いかけて行った。

 

「…ルーツ、何故お前も行かん」

『もう敵はいません。強がらなくても良いでしょう?』

「一体何の……ッ、」

『おっと』

 

ルーシィ様と共に行かなかった私を睨みつけるエルザさん。

しかし次の瞬間、力が入らなくなった膝が折れた。

私はエルザさんの膝が地面に着く前に、その身体を支えた。

 

『魔道四輪での全力疾走に天輪の鎧。魔力が枯渇しても可笑しくありませんよ?』

「フッ、バレていたか」

『いつもより魔法の威力も落ちていましたしね』

「そうか。……もう大丈夫だ」

 

そう言うと、エルザさんは自力で立ち上がった。

もう魔力が回復しつつあるのでしょうか?

若者は回復速度が速くて良いですねー。

 

『後は皆さんに任せて、少し休みましょう』

「あぁ。すまないが、ルーツは外にいる住民たちを避難させてくれ」

『分かりました。避難が終わり次第、すぐに戻ります』

 

魔力の回復に専念するエルザさんを残し、私は駅の外へと出た。

そうそう、来る途中に倒れていた軍の人達の回収も忘れてはいけません。

 

 

 




長くなったので分けます。
脱出まで行きたかったんですが…。

アカムトルムさん、ゲットだぜ☆
なんか友達がモンハンを始めたらしく、一緒に狩ることになりました。
初心に戻ってアオアシラ、キミを乱獲して進ぜよう。
ヒャッハー!絶滅危惧種になるまで狩りまくってやるわー!

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