FAIRY TAIL~龍と妖精~   作:雲珠

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書きたいことが沢山ありすぎてどこから手をつけていいのか分からずに迷走を繰り返す作者こと雲珠(うず)です。
感想では皆さん、鋭いことをビシバシと言って下さるのとても助かっております。
時には心臓がドキッとすることもしばしば。私の浅い考えなどお見通しということですね。



第七話 鉄の森《アイゼンヴァルト》

次の日、私達はマグノリア駅に集合していた。

 

「だァー!何でテメェと一緒じゃなきゃなんねェんだよ!」

「こっちのセリフだ!エルザの助けなんざ俺一人で十分なんだよ!」

「じゃあお前一人で行けよ!俺は行きたくねー!」

「じゃあ来んなよ!後でエルザにボコられちまえ」

 

相変わらず、ナツさんとグレイさんと喧嘩している。

私とハッピーさん、そしてルーシィ様はその様子を椅子に座りながら見ていた。

 

しかしグレイさん、私もいるのに一人で十分とは酷いですね。

悲しいです。シクシク。あぁ心が痛む。

これは車内で何か奢ってもらうしかありませんね。

 

「他人のフリ、他人のフリ…」

『何も壊さなければ良いのですが』

「なんでルーシィがいるの?」

 

魚をもぐもぐと食べながら、そう質問するハッピーさん。

そういえば、どうしているのでしょう?

 

「だってミラさんが“あの二人、絶対エルザの見ていない所で喧嘩するから止めてあげてね”って…」

「止めてないし」

「だって…」

『私は一緒に依頼が出来て嬉しいですよ?』

「あ、ありがとう。ルーツさん」

 

落ち込み気味のルーシィ様に、少しでも気分を払ってもらおうと声を掛ける。

ちょっとは気分が紛れたでしょうか?

 

「すまない、待たせたな」

「あ、エルザさ…、……!?」

 

やってきたエルザさんの姿を見て、ルーシィ様はカチンと固まった。

いえ、正確には姿ではなく荷物の多さに、ですが。

一体何週間分なんでしょう?

 

「今日も仲良く行ってみよー!」

「あいさー!」

「出た!ハッピー2号!」

 

どうやらエルザさんが来たことで喧嘩も一時的に休戦となったみたいですね。

 

「ん?キミは確か、昨日フェアリーテイルにいた…」

「し、新人のルーシィです。ミラさんに頼まれて同行することになりました。よろしくお願いします」

「私はエルザだ、よろしくな。……そうか、キミがルーシィか」

 

エルザさん曰く「傭兵ゴリラを指1本で倒した」とのこと。

成る程。エルザさんの方ではそんな噂になっているんですね。

 

『凄いですね』

「(違う違う!)」

 

ルーシィ様の方を見ると、全力で首を横に振られました。

大丈夫です。色々と尾ヒレが付いた噂だというのは理解していますよ。

まぁエルザさんの方は期待しているみたいですが。

 

「エルザ、付き合っても良いが条件がある!」

 

睨み合いが終わったのか、ナツさんは強気な様子でエルザさんに話しかける。

 

「なんだ?言ってみろ」

「帰ってきたら、俺と勝負しろ!」

「「えぇ!?」」

「おい早まるな!死ぬ気か!」

「前にやりあった時とは違う。今の俺ならお前に勝てる!」

 

自信満々にそう宣言するナツさん。

随分と良い顔をしてしますね。

今度、私とも手合わせして欲しいものです。

 

「確かにお前は成長した。私は些か自信が無いが……良いだろう。受けて立つ」

「おーし、燃えて来たァァ!!」

 

ナツさん、嬉しいのは分かりますけど口から炎は止めましょうね。

一応ここ公共の場ですから。弁償とか面倒です。

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「う、うゥ…」

「ったく、情けねェ奴だな。喧嘩売った直後にコレかよ」

『大丈夫ですか?』

 

汽車に乗った私達ですが、乗り物に弱いナツさんが早々に酔ってダウン。

何とかしてあげたいですが、私にはどうすることも出来ません。

 

「毎度のことだけど辛そうね」

「仕方ないな。私の隣に来い」

「あ゛い…」

 

エルザさんの隣に座っていたルーシィ様と席を代わったナツさん。

一体どうするのでしょう?と思って見ていると、エルザさんがナツさんの鳩尾に拳を一発。

そのままナツさんは倒れるように気絶した。

 

「これなら少しは楽だろう」

「「………」」

『確かに意識のない方が楽ですね』

 

グレイさんとルーシィ様は苦笑を浮かべながら、見てないフリを決め込んでいる。

まぁナツさんの為にも見てないフリをするのが一番良いでしょう。

 

「エルザ、そろそろ教えてくれても良いだろう。俺達は何をすればいいんだ」

 

場が落ち着いた所で、グレイさんがそう尋ねた。

 

「私達の相手は闇ギルド、鉄の森(アイゼンヴァルト)。ララバイという魔法で何かしでかすつもりらしい」

「ララバイ…?」

「って、この間の…!」

 

グレイさんにルーシィ様、それからハッピーさんは“ララバイ”という言葉に聞き覚えがあるのか、顔を合わせていた。

ララバイ……そのまま言葉通りに受け取るのなら子守唄、ですね。

歌、もしくは音の魔法でしょうか?

 

「何か知っているのか?」

「えっと、前に依頼の後に……」

 

ルーシィ様曰く、前回の依頼の帰り道で鉄の森(アイゼンヴァルト)の魔導師と戦闘になったとか。

そしてその時、彼等が“ララバイ”という単語を口にしたらしい。

 

「その連中、鉄の森(アイゼンヴァルト)の脱落組だな。計画について行けず、逃げだしたのだろう」

「その計画が、ララバイと関係あるのか?」

「想像だがな」

「計画って、一体…」

「順番に説明しよう。この間の仕事を終え、帰る途中のことだ……」

 

次はエルザさんが、こうして事をするに至った理由を話し始めた。

 

事の始まりは、依頼があったオニバスという街で魔導師の集まる酒場に寄ったことだった。

その酒場に鉄の森(アイゼンヴァルト)のメンバーがおり、ララバイという魔法の封印を解こうとしている会話を聞いた。

そして不覚にもその時は鉄の森(アイゼンヴァルト)のことを思い出せず、後になって思い出したそうだ。

 

「クソッ、あの時にエリゴールの名に気付いていれば…!」

『確か暗殺系の依頼ばかりを遂行している人物で、ついた渾名が“死神エリゴール”……でしたね』

「暗殺!?」

「本来、暗殺依頼は評議会の意向で禁止されているのだが鉄の森(アイゼンヴァルト)は金を選んだ。

 その結果、6年前に魔導師ギルド連盟を追放。しかし彼等は命令に従わず、活動を続けている」

「……私、やっぱり帰ろうかな…」

 

エルザさんの話を聞き、ダラダラと冷や汗を掻くルーシィ様。

一体どうしたのでしょう?そう珍しい話でもないと思うのですが…。

 

「不覚だ!もっと早くに気付いていれば、全員血祭りに上げて何をするのか白状させたものを…!」

「恐ッ!?」

「成る程。鉄の森(アイゼンヴァルト)はそのララバイで何かしようとしている。どうせロクでもねェことだから食い止めたい、と」

「そうだ。ギルド1つを相手にする以上、私一人では心許ない。だからお前たちの力を借りた」

 

そう言うと、エルザさんは一度言葉を止め、窓の外を睨みつけた。

 

鉄の森(アイゼンヴァルト)に乗り込むぞ!」

「面白そうだな」

「あい!」

『久々の大暴れですね』

「来るんじゃなかった…!」

 

しかし、評議院のギルド間抗争禁止条約とやらは良いのでしょうか?

あれは確か正規ギルドだけではなく、闇ギルドとの抗争も禁止されているハズでしたが…。

 

『(まぁ要はバレなければ良いんですよね。全て残らず潰せば問題ありません)』

 

もしルーシィにルーツの心の声が聞こえたのならこう言っただろう。

やっぱりこの人もフェアリーテイルの魔導師だ、と。

 

 




うーん、思ったより長くなりました。
ムダな場面が多すぎましたね。次からは省くことにしましょう。

シャンティエンが綺麗過ぎてヤバい。
何がヤバイかって私の血液が不足しそうなくらいヤバい。
けど私は諦めない…!

君がッ 落ちるまで ラブアタックを やめないッ!

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