FAIRY TAIL~龍と妖精~   作:雲珠

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手元にフェアリーテイルの漫画がなく、仕方なくアニメ沿いで進めようと動画を見ていた結果、いつのまにか100話近くまで見過ぎてしまっていた作者こと雲珠(うず)です。
近々漫画を買いに行きたいです。そして寝不足で眠い。


第六話 物語は始まりへ

私がフェアリーテイルに入ってから、実に半年が過ぎました。

ギルドの雰囲気にも大分慣れ、偶にですが他のメンバーと一緒に依頼へ行くこともあります。

 

あぁ、そうだ!

最近フェアリーテイルに新しい仲間が入ったそうです。

名前は確かルーシィ様、でしたね。

まだお会いしていませんが、会うのがとても楽しみです。

噂では何でもバルカンを素手で19匹も倒したのだとか。

 

……しかし、バルカンですか。

似ても似つかないですが、私は違うバルカンを想像してしまいますね。

まぁ私が想像したのは龍の方ですが。

 

『ただいま帰りました』

「んだとこのタレ目野郎」

「なんか言ったかツリ目野郎」

「あぁ?」

「やんのかコラ」

 

ギルドに着くと、ナツさんとグレイさんが恒例の喧嘩をしていた。

あの二人は毎度毎度よく飽きませんね。

 

「お帰りなさい、ルーツ。依頼はどうだった?」

『古代文字の解読でしたからね。特に問題はありませんでしたよ』

「そう。良かったわ」

 

問題どころか依頼主様と意気投合して他の古代文字を解読しまくった結果、依頼料を増加して貰ったんですよね…。

こちとら軽く100世紀以上は生きてますからね。

文字という文字は見慣れてますよ。

 

「わ、白くて綺麗…」

『?ミラさん、こちらの女性は…?』

「新しく入ったルーシィよ。今はナツとチームを組んでるの」

「あ、あの!初めまして!」

 

あぁ、この女性が噂の…。

それにしてもあのナツさんとチーム、ですか。

気苦労が絶えなさそうですね。

 

『初めまして。ミラ・ルーツです。ルーツと呼んで下さい』

「ルーツ……もしかして、白銀のルーツ!?」

『白銀?あぁ、見た目がですか?ふふっ、雪が降ったら擬態出来ますね』

「いえ、そういう意味ではなくて…」

『あはは、冗談です。私の異名でしょう?』

 

ちらほら自分でも耳にしますからね。

たまに依頼主様からも言われますし。

 

「ってことは本物の…!」

『はい。今度、是非一緒に依頼に行きましょう』

「え?私と?」

『色々と噂は聞いてますよ』

「聞きたいような、聞きたくないような…」

 

複雑そうな顔をして呟くルーシィ様。

バルカン19匹を素手で、という噂でしたが、大分尾ヒレが付いてますね。

見たところ星霊魔導師のようですし、流石に素手は無いですね。

 

「テメェはいつも暑苦しいんだよ!」

「変態バカに言われたくねェよ!」

「鳥頭!」

「サラサラ野郎!」

 

ナツさん、サラサラは悪口じゃないですよ。

どちらかというと褒め言葉です。

というか何時までやってるんですか…。

 

流石にこれ以上続けさせておくと物理的な喧嘩になりそうなので、そろそろ止めに入りますか。

 

『ナツさん、グレイさん。いい加減に…』

「大変だァ!!エルザが……帰って来た!」

 

バタンッ!!と大きな音を立て、ギルドに入って来たロキさん。

その瞬間、ギルド内に雷のような衝撃が走る音を聞いた。

ナツさんとグレイさんもその例に漏れず、蒼白な顔をしている。

 

「エルザさんって、前にナツが言ってた…」

「今のフェアリーテイルでは、最強の女魔導師と言っても良いわ」

 

独特の金属が擦れ合う音が一定間隔で聞こえてくる。

珍しく静かなギルドの中で、その音がやけに大きく聞こえる。

 

「エルザだ…」

「エルザの足音だ」

「エルザが戻ってきやがった…!」

 

皆さん、隠しもせずに心の内が駄々漏れですね。というより露骨すぎです。

私は嬉しいですけどね。久々の再会ですし。

 

「このリアクション、エルザさんって本当に凄い魔導師なんだ…」

 

何を想像したのか、対面していないルーシィ様までブルブルと恐怖で震えていた。

一体何を吹き込まれたんでしょう?

 

そしてついにエルザさんがギルドに着いた。

何故か片手で巨大なツノを持ち上げている。

ツノを置いた瞬間、地面が大きく揺れた。

 

「今帰った。マスターはおられるか?」

「おかえり。マスターは今、定例会よ」

「そうか」

 

エルザさんはミラさんに対してそう返すと、次にギルド内を見渡した。

その鋭い眼光に、ほとんどの人がギクリと身体を固まらせた。

 

「お前達!旅の途中で噂を聞いた。フェアリーテイルがまた問題ばかり起こしているとな!マスターが許しても、私が許さんぞ!」

 

そう言って、エルザさんの説教タイムが始まった。

 

「カナ!なんという格好で飲んでいる!」

「ビジター!踊りなら外でやれ!」

「ワカバ!吸殻が落ちているぞ!」

「ナブ!相変わらずリクエストボードの前をウロウロしているだけか?仕事をしろ!」

「マカオ!」

「!!」

「……はぁ。全く、世話が焼けるな」

「何か言えよ!」

「今日は何も言わずにおいてやろう」

 

一人だけスルーされたのが悲しかったのか、ツッコミを入れるマカオさん。

取り敢えずある程度は言ったのか、エルザさんの説教はここで止まった。

 

「ナツとグレイはいるか?」

「あい!」

 

ナツさん達の方を見ると、そこにはダラダラと冷や汗を掻きながら両肩を組んでいる2人。

いつ見てもエルザさんを前にした2人は面白いですね。

それと顔、凄い引き攣ってますよ。

 

「や、やぁエルザ。俺たち今日も仲良く…やってる、ぜ?」

「あ゛い゛!」

「ナツがハッピーみたいになったー!?」

「そうか。親友なら時には喧嘩もするだろうが、私はそうやって仲良くしている所を見るのが好きだぞ」

「いや、親友って訳じゃ…」

「あ゛い゛…」

 

グレイさんが弱々しく反論するが、どうやらエルザさんには聞こえていないようですね。

ナツさんに関してはもう壊れているとしか表現のしようがありません。

 

「こんなナツ、見たこと無いわ…」

「ナツは昔、エルザに喧嘩を挑んでボコボコにされちゃったのよ」

「あのナツが?」

「グレイは裸で歩いてる所を見つかってボコボコに」

「ロキはエルザを口説こうとしてやっぱりボコボコ。自業自得だね」

「やっぱそういう人…」

 

ルーシィ様はロキさんの女好きに対して呆れているようだ。

私はロキさんの行動、見ていて楽しいですけどね。

よくあれほど沢山の女性と付き合いながら、仕事と両立出来るものですね。

素直に感心しますよ。

 

「こん中で被害に遭ってないのはルーツくらいだな」

「あぁ、それは分かる気がする」

『運良く見つかっていないだけですよ』

 

うんうんと頷くルーシィ様に対し、私は静かに言葉を返す。

私はあまり討伐系の依頼は受けませんからね…。

どちらかと言えば珍しい依頼を受けることが多いので、表沙汰になっていないだけでしょう。

 

「ナツ、グレイ。それからルーツ。頼みたいことがある」

「「えっ?!」」

『なんでしょう?』

「仕事先で厄介な話を耳にした。本来ならマスターの判断を仰ぐところだが…」

『そうも言っていられない状況、ということですね?』

「あぁ。私は早期解決が望ましいと判断した。力を貸して欲しい」

 

エルザさんほどの実力者がそう言うのなら、かなり重要かつ危険度が高いものなのでしょう。

最近はあまり身体を動かす依頼はしていなので、運動には丁度良いかもしれませんね。

 

『分かりました。出発はいつですか?』

「話が早くて助かる。出発は明日、準備をしておいてくれ」

 

明日、ですか。

エルザさんの事ですから、今すぐに出発だ!と言われると思ったのですがね。

流石に討伐依頼の後ですし、万全の状態で事に臨みたいのでしょうね。

私も明日に備えて【曉】の手入れでもしておきましょう。

 

「エルザとナツとグレイ、そしてルーツ……」

 

ナツさんとグレイさんが睨みあっている中、ミラさんが固唾を飲みながら言った。

 

「考えた事無かったけど、これってフェアリーテイル最強のチームかも…」

 

 

 

 




原作に入る前に色々と中間の話をいれようと思ったのですが、特に思いつかなかったので時間をすっ飛ばすことにしました。
想像力の欠片も無い情けない作者ですみません。

空の王者(笑)を陸に叩き落としてきました。
やっぱり白ミラさんじゃないと手応えが…ね。
え?拡散祭り?そんな楽し……ゲフンゲフン!……酷いことはしません。
熱意を伝えるにはやはり至近距離からではないと。

感想でシャンティエンとか言われてなんだか段々と滾ってきたので、次は彼(彼女?)に猛烈アッタク!いくぜ、捨て身の特攻!

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