FAIRY TAIL~龍と妖精~   作:雲珠

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最近この小説のことばかり考えているお陰か夢にまでミラルーツさんが出てきて嬉しいのか悲しいのかよく分からない作者こと雲珠(うず)です。
何で悲しいのかって?喰われかけるからです(´・ω・`)


第五話 ルーツvsナツ

 

「ルーツ!俺と勝負だ!」

『え…』

 

他の方との自己紹介もそこそこに、突然龍の子に勝負を挑まれた。

断ろうとしましたが、そのやる気に満ちた顔を見ていると断れず…。

 

何故かギルド前の広場で戦う事になっていました。

人のノリほど恐ろしいものはありませんね。

しかも審判がマカロフ様ってどういうことですか?

 

『………』

「お前さんも頑張れよー」

 

今ならまだ引き返せるとマカロフ様に助けを求めるも、凄く良い顔で親指を立てられた。

えぇー…止めて下さいってばー。これは諦めろって事ですか?

 

「それではナツ対ルーツ、始め!」

「燃えて来たー!火竜の鉄拳!」

『!』

 

炎を手に纏い、私に向かって来る龍の子。

いえ、マカロフ様が言うにはナツ様、でしたね。

私はその攻撃を避けながら、注意深く観察した。

 

「おりゃー!」

『(炎の属性に加えて、龍の属性も混じってますね)』

 

身体の方も人間をベースとした龍の属性変化。

つまりナツ様は純粋な龍ではなく、人から龍へと身体を変化させた。

私たち龍が人へと変身するのとほぼ同じ原理ですね。

 

ふふ、これは面白いです。

 

「火竜の鉤爪!」

『おっと、』

「だー!避けんなー!」

『そんなこと言われましても…』

 

炎の属性だけならまだしも、流石に龍属性を纏った攻撃になんて当たりたくありません。

やっと怪我が治ったのに冗談じゃありませんよ。

 

「こうなったら、火竜の……」

『!』

「咆哮!!」

 

あの技は、先程の…。

私は小さく息を吸い、背負っていた剣を抜いた。

身の丈以上もある、優に2mを超えている巨大な剣。

一切の不純物もなく、ただ白く輝いている。

 

「な、なんだあの大剣」

「つかデカッ!?」

「あんなデカイの扱えんのかよ…」

 

周りがざわめいているが、今は勝負に集中しなくては。

私はその大剣【(アカツキ)】を自分の前に突き立て、炎の咆哮を防ぐ。

そして【曉】は傷も汚れの1つもなく、炎をやり過ごした。

 

『(流石は私の牙と爪、そして鱗で出来た剣ですね)』

 

そう。この大剣【曉】は全て私の身体の一部から作られた物だ。

え?どうやって作ったのか、ですか?

それは勿論、自分の身体で一度融合し、加工したんですよ。

色んなハンターの武器を食べたり取り込んだりしましたからね。

長年生きていれば色んな知識が身につくものです。

 

『次はこちらから行きますよ?』

 

私は【曉】を()()で持ち上げ、薙ぎ払うように振るった。

リーチが長いですからね。この距離からでも十分届く。

本来ならハンデとなる重量も龍の腕力に掛かれば軽い軽い。

 

「うお!?危ねェ…!」

 

攻撃を避けたナツ様は、少し大袈裟に私から距離を取った。

どうやら【曉】の危険性を本能的に察しているようですね。

龍の素材から作られた【曉】は、いとも容易く龍の身体を傷つける。

 

『随分と距離を取られてしまいましたね…』

「火竜の咆哮!」

『っと、』

 

二度目の咆哮。

私は先程と同じように剣を盾にして攻撃を防いだ。

 

「火竜の鉄拳!!」

『!成る程…』

 

咆哮は目くらまし、ですか。

 

隙を突いて私の後ろへと回り込んだナツ様は、そのまま直接私に攻撃する。

剣での防御は間に合わないと思った私は、攻撃を素手で受け止めた。

 

「なっ…!」

『ッ、流石に熱い…ですね』

 

受け止めた手からシュウゥゥと嫌な音がしている。

確実に焼けてますね、これ。

うっ、自分の肉なのに美味しそうな匂い…。

 

って違いますよ!私!

いや確かに食欲をそそる……じゃなくて!今は戦闘中!

 

『はっ!』

「!!」

 

ナツ様に向かって【曉】を振り下ろすが、当たるより先にナツ様が身を引いた。

これまた【曉】のリーチが届かない微妙な距離。

配置取りが上手ですね…。

 

「………」

 

じりじりと動きながら、私の隙を探すナツ様。

私も馬鹿ではありませんので、二度同じ手は通用しませんよ?

 

『(このままでは均衡状態が続きそうですねー)はい』

「!!?」

 

そう考えながら、私は持っていた【曉】をナツ様目掛けてぶん投げた。

そんなことをするとは思っていなかったのか、酷く驚いた様子で【曉】をかわすナツ様。

よく避けましたけど、まだ【曉】の攻撃は終わっていませんよ?

 

「あっぶねぇ…」

『そこ、範囲内ですよ』

「は?」

 

私の手元から離れた【曉】はバチバチと音を鳴らしながら、紅い雷を放電した。

 

災厄紅雷(さいやくこうらい)

「ギャアァアァ!!」

 

雷に直撃したナツ様はそのままバタリと倒れ、口から黒煙をプスプスと吐き出した。

え……ど、どうしましょう?一応それなりに威力は押さえたのですが…。

心配になって駆け寄ると、どうやら致命的なダメージはないようだった。

良かった。気絶しているだけですね。

 

「そこまで!勝者、ルーツ!」

「あのナツが負けた!?」

「おいおい、嘘だろ…」

「ナツー!」

 

マカロフ様が勝負の終了を告げると、周りが騒ぎだした。

その中から青い……生物?が羽をパタパタと動かしてナツ様に近付いた。

私が知るのとは少々違いますが、もしかして猫…でしょうか?

 

「ナツー、大丈夫ー?」

「う、うーん…」

 

青い猫が指でつんつんとナツ様の頬っぺたを突くも、目を覚まさず唸り声のみ。

 

『それほどダメージは無いので、大丈夫ですよ』

「そっか。ルーツって強いんだね」

 

私の言葉にあっさりと頷く青い猫。

純粋に褒められる事はあまり無いので、少々照れますね。

 

『えっと、名前をお聞きしても?』

「オイラはハッピーっていうんだ」

『ハッピー様ですね。どうぞよろしくお願いします』

 

目線の位置まではしゃがめませんでしたが、なるべく腰を低く降ろし、握手を交わした。

ぷにぷにとした肉球が気持ち良く、何となく離し難かった。

今度頼めば触らせて貰えるでしょうか?

 

「あい。でもオイラのことはハッピーでいいよ」

『……ではハッピーさんと』

「呼び捨てでいいのに…」

『すみません。勘弁して下さい』

「なんでそこまで必死に!?」

 

土下座する勢いで(しませんでしたが)許しを請うと驚きと一緒にツッコミを入れられた。

むしろ逆に何でアナタ方は呼び捨てをさせようとするんですか。

基準ですか?呼び捨てが基準装備なんですか!?

 

『取り敢えずナツ様を中に運びましょう』

「全員に様付けなんだね。ナツもきっと様なんて要らないとか言うよ」

『……なんてハードルの高い世界なんでしょう』

「何のハードル!?」

 

本日2回目のツッコミを貰いながら、私は小さく溜め息を吐いた。

 

 

 




やっと戦闘シーンらしきモノが書けました!
見ている人に伝わるかが心配ですが、そこは皆さんの素晴らしい想像力でカバーして下さい。お願いします。

相変わらず白ミラさん超カッケー。超キレー。
でもあんまりアタックし続けると面倒だと思われるので、たまには違う方にアタックしてきます。
空の王者よ、待っていろ!

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