FAIRY TAIL~龍と妖精~   作:雲珠

27 / 28
異動なんてっ、異動なんてもう嫌だぁあああぁぁあああぁ!!!!!

怒りと悲しみと絶望に全身を震わせ、激しい風に吹かれた柳の如く髪を乱れさせている精神状態が破滅的な作者こと雲珠(うず)です。
どうも皆さん、お久し振りです!あまりに久しぶり過ぎて忘れていらっしゃる方が多数いるとは思いますが、ようやく更新することが出来ました!
本来ならば5月に更新する予定だったのですが、随分と遅くなってしまい、申し訳ありません。

5月どころかもう6月じゃねーか!つか6月ももう終わるわ!というツッコミは先ほどセルフで入れましたのでご容赦下さい。



第二十七話 龍、負傷

『さて、ナツさん』

「お、おう…」

 

喪失感のある手を握り、ナツさんに振り向く。

若干引き気味なのは気のせい……ではさそうですね。

確かにやり過ぎた感はありますが、あれぐらいで引き下がるような相手でもなさそうですし、別に後悔はしていません。

 

『殴り込み、行きましょうか?』

 

親指でファントムのギルドを指さし、笑顔を浮かべる。

顔を引き攣らせたナツさんも私の言葉を聞き、犬歯を見せた。

 

「おう!ハッピー!」

「あいさ!」

 

ハッピーさんの(エーラ)でファントムのギルドに向かって行くナツさん。

私は近くに居た仲間に重症のエルザさんを頼み、カナさんに話しかける。

あれで終わりでないみたいですからね。

 

『カナさん、ギルドをお願いします』

「分かってる。さっきのはジョゼの魔法【幽兵(シェイド)】。人間じゃない」

 

カナさんの言葉を肯定するように、霧散した黒い靄が元の形に戻りつつある。

結構な威力で撃ったのですが、復活が早いですね。

少々自信を失くしてしまいそうです。

 

「ジュピターのことはアンタとナツに任せたよ」

『はい。承りました』

 

肩を軽く叩かれ、私もファントムのギルドに乗り込んでいく。

どうやらナツさんはハッピーさんと一緒に砲台の方に行かれたみたいですね。

ならジュピターの方はナツさんに任せて、私は下の方から潰していくとしましょう。

あまり強い方を相手にすると、手加減に困りますし。

 

 

「おい!来たぞ!」

「白銀のルーツだ!」

 

ファントムに乗り込むと、さっそく敵がぞろぞろと集まって来た。

向こうから来て下さるなんて好都合ですね。

 

『言っておきますが、手加減はしても容赦は致しませんので』

 

どうぞそのつもりで。

 

私は静かに笑みを浮かべ、身一つで敵の中に突っ込んだ。

そしてただ純粋な力のみで彼等に拳を振るった。

 

「ぐあッ!」

「クソ!やっぱ化け物かコイツ!」

『ふふ、いい加減言われ慣れて来ましたね…』

 

飛んでくる魔法を素手で返しながら自嘲を浮かべる。

全くもって慣れとは恐ろしいものですね。

私が言えたことではないのですが。

 

「死ね!白銀!」

「今度こそくたばりやがれ!」

 

私を囲むように、八方から魔法が次々と放たれる。

力で勝てないなら数で勝負、とでも思ったのでしょうね。

無い知恵を絞り出して考えたのなら評価するべきなのでしょうが……それは少し、私を嘗め過ぎてはいませんか?

 

『……、…』

 

その場で微動だにせず、私は立ち尽くした。

直後、耳元で魔法が爆ぜる音と共に黒煙が視界を覆った。

 

「よし、当たった!」

「流石の白銀も、あの魔法をくらって無事に済む訳がねェ!」

「このまま畳みかけるぞ!」

「「「おぉー!!!」」」

 

勇猛果敢な鼓舞が煙越しに聞こえてくる。

このまま黙っていても良いのですが、今の私は優しくないですからね。

 

『その程度ですか?』

 

笑顔を張り付けたまま、煙を腕一本で薙ぎ払う。

開かれた視界には驚愕した表情の敵が映った。

本当に「信じられない…」という顔をしていますね。

 

「……マジでバケモンか、こいつ」

 

いい加減聞き飽きましたよ、その台詞。

たまには違う言葉でも使ってみてはどうでしょう?

 

『今度は私の番です』

 

片手で服についた汚れを払いながら、もう片方の手を相手に向ける。

所々に紅い光と鋭い音を出現させて“それ”は徐々に広がっていく。

肌を逆なでするような感覚を感じ取ったのか、何人かは私から後退し距離を置く。

そんなことしても、もう遅いんですけどね。

 

『災厄紅雷』

 

空間に満たされた、微弱に放電された電気。

その電気の威力を一気に上げた瞬間、周りは閃光に包まれた。

悲鳴は豪雷の音にかき消され、光が収まった後に残されたのは口から黒い煙を出している数多の人間。

確認のために周辺を見直し、死人が出ていないことに安堵の息を吐く。

……良かった、全員気絶しているだけのようですね。

 

『お、っと…?』

 

不意に地面が大きく揺れ、僅かばかり体勢を崩した。

そのままどうなるかと様子を伺っていると、振動はすぐに止んだ。

地震、という割には少し変な揺れ方でしたね…。

 

『少し急ぎましょうか』

 

何となく嫌な予感に駆られ、廊下へと続いているであろう扉を開ける。

そして廊下に足を踏み入れようとした時、ゾクリとした悪寒が全身を襲った。

 

『ッ…!ぁ、く…!?』

 

思考するよりも早く、体が本能的にその場から離れる。

徐々に戻ってくる理解と感覚に、私は混乱せざるを得なかった。

 

右肩から感じる鋭い痛みの熱はゆっくりと広がり、服を真っ赤に染め上げていた。

 

 




小説書くのが久し振りすぎて自分の書き方を忘れている…!
これは酷い。

6月中にもう一本くらいは更新したいです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。