FAIRY TAIL~龍と妖精~   作:雲珠

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更新が遅くなって皆様に忘れられていないかと内心ヒヤヒヤの作者こと雲珠(うず)です。
理由という名の言い訳は活動報告にて…。

遅くなってすみませんでしたー!!


第二十六話 反撃

「あれは…!」

 

ファントムのギルドの入り口部分が開き、そこから砲台のような物が出てきた。

先端部分から酷く濃縮された高魔力が集まっていますね…。

 

「魔導集束砲だ!!」

「ギルドを吹っ飛ばすつもりか!?」

 

あれほどの魔力を一点に撃たれたら、ギルドの破壊だけでは済みませんね。

それ以前にこちら側の命も結構危ないのですが。

 

『皆さ「全員伏せろォオオォォオ!!」

 

攻撃を受け止めようとした私の言葉を遮り、エルザさんがタオル一枚で身体を隠して出てきた。

……取り敢えず、服を着てから出てきて下さい。

そして、彼女はそのままの恰好で前に飛び出た。

 

「エルザ!」

「どうする気だ!?」

 

エルザさんは走っている途中で鎧を換装させ、砲台の前に立ちはだかった。

あの鎧、かなりの硬度を誇っていますね。一体何の素材を使っているのでしょう?

 

「ギルドはやらせん!!」

「金剛の鎧!?」

「まさか受け止めるつもりじゃ…」

「いくら超防御を誇るその鎧でも…!」

「よせ!エルザ!死んじまうぞ!」

 

だが全員の言葉を受けてもなお、エルザさんの意志は揺らがない。

ファントムの前に悠然と立ち、魔導砲を睨みつけている。

私も前に出ようとしたが他の人達に止められた。

 

「エルザ!」

「ナツ!ここはエルザを信じるしかねェんだ!!」

 

ナツさんの方もグレイさんに羽交い締めにされ、止められている。

さて、どうしましょうか…。私の見立てでエルザさんが受け止めきれる確率は五分五分。

ファントムの攻撃は土台が安定している分、いくらか有利でしょうか?

けれど私が出ていける雰囲気でもありませんし……ここはグレイさんが言った通り、エルザさんにお任せしましょう。

 

「ふせろォ!」

 

エルザさんがそう言った瞬間、ファントムの魔法が発射された。

轟音と共に一点に集束された魔法が海を裂き、大地を砕く。

その攻撃にエルザさんの前に魔法陣が発動し、お互いの魔力の削りあいが始まった。

最初こそは堪えていたエルザさんも、その足を徐々に後ろへ下げられていく。

 

「ぐああぁあぁあっ!!」

 

鎧の罅割れる音とエルザさんの叫び声。

それらを全て飲み込むように魔力が弾け、暴煙が舞った。

 

「エルザー!」

『エルザさん!』

 

煙が晴れるのも待たず、匂いだけで彼女の所へ向かう。

どうやらナツさんの方も向かっているみたいですね。

 

そして煙が晴れた時、私達の後ろにあるギルドは堂々とその姿を見せた。

 

「エルザ!おい、しっかりしろ!」

 

ナツさんの方が私より早く着き、彼女の肩を支えていた。

これは……大分、不味いですね。外傷も酷いですが、魔力もほとんど無いに等しい。

早くどこかで休ませないといけませんね。

 

《マカロフ……そしてエルザも戦闘不能》

 

ファントムのスピーカーから声が聞こえてくる。

痛手を負ったこちらに、追い打ちをかける気でしょうね。

 

《もう貴様等に凱歌はあがらねェ。ルーシィ・ハートフィリアを渡せ。今すぐだ!》

 

けれどフェアリーテイルに、そんな揺さぶりに屈する人は誰一人としていない。

 

「ざけんじゃねェ!」

「仲間を敵に差し出すギルドがどこにある!」

「ルーシィは仲間なんだ!」

「そーだ!帰れ!」

「ルーシィは渡さねェ!」

 

声に反応したのか、エルザさんが地面に伏したまま顔を上げた。

 

「仲間を売るくらいなら死んだ方がマシだッ!!!」

「俺達の答えは変わらねェ!!お前等をぶっ潰してやる!!」

 

近くにいた私は、エルザさんとナツさんの怒声に痛いくらいに肌を刺された。

鼓膜まで破れそうなほどの、ビリビリとした感覚。

私は少しばかり驚き、小さく笑った。

 

『これだから、人間というものは…』

 

愚かで、哀れで、浅はかで、卑しくて………美しい。

圧倒的な絶望を受けてなお、人はそれでも立ち上がる。

そんな人間が、私は愛おしくて堪らない。

良いギルドに入りました。良い仲間に巡り会えました。

 

私も、ルーシィさんも……ね?

 

《ならば更に特大のジュピターを食らわせてやる!!装填までの15分、恐怖の中で足掻け!!!》

 

その言葉の直後、ファントムのギルドから黒フードを被った奴等がぞろぞろと出てきた。

魔力は感じますが、生きた匂いがしません。人ではないみたいですね。

……人で無いなら、手加減の必要はありませんよね?

 

『ふふ、上等ですよ』

 

ゆらりと立ち上がり、背中の【暁】を抜く。

魔力を籠めるごとに亀裂が広がりますが、どうせ壊れるならいっそ清々しいくらいに散らせた方がスッキリします。私が。

 

災厄紅雷(さいやくこうらい)

 

【曉】を振り、視界に見える敵を一掃する。

それと同時に魔力に堪え切れなくなった【曉】が音もなく砕け、粒子のごとく消え去った。

若干の喪失感が手に残りますが、また作れば良いだけの話です。

今はそれよりも……

 

『どちらが喰われる立場か、ハッキリさせましょうか』

 

口角を上げ、足が2本ほど無くなったファントムを睨みつけた。

 

 




更新が遅くなったくせに文章自体は短いっていうね。
何この負の連鎖。恐い。

………よし、スランプのせいにしよう。←

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