FAIRY TAIL~龍と妖精~   作:雲珠

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ミラルーツの設定を投稿したかったが文字数が足りずに挫折しかけたところ「あ、前書きに書けばいいんじゃん」と安直な思いで書いたらお次は「やべ、本文も書かなきゃいけないじゃん」と焦燥感に駆られ「じゃあ第二話の時にぶち込めばいいや」ともはや全てが面倒になったトチ狂った作者こと雲珠(うず)です。

という訳で登場人物、もといミラルーツの設定を前書きにぶち込みました。
別に見なくてもいいや。という方は飛ばして下さい。





名前:ミラ・ルーツ/ミラボレアス(亜種)
性別:♂
年齢:不明(人間時の見た目:20代)
身長:180cm(人間時)
性格:何故か誰に対しても“様”を付け、丁寧口調で話す。
   大抵の事は許容出来るほど器が大きいが、一度キレると手を付けられない。
   おおらかに見えてかなり気性が荒い。
外見:綺麗な顔立ちをしており、色白。白銀の長髪に瞳。
   古代の服を着ている。
一人称:私/我
備考 ・正体不明の黒い渦によってこの世界に来てしまった。
    本人の考察曰く「未来に来た、もしくはそれに近い世界に来た」とのこと。
   ・人間に変身出来るが、全てのスタータスが半減する。
    だが元々が龍なので変身後も強靭な体を誇る。



はい、終わり!
次から本編行きます!



第二話 龍、人間へ

「いやー!あの怪物を退治して下さり、本当にありがとうございます!」

「礼には及びません。それに、連れを看病して頂いて…」

「いえいえ!あの怪物を退治して下さったのです!お連れ様の一人や二人、いくらでも看病致しますぞ!」

 

人間達がそう話しているのを、私は横たわりながら聞いていた。

一人は私が先程会った人間だ。もう一人は知らないが、この村の人間だろう。

それから二言三言話し、先程の人間がこちらに近付いてきた。

 

「調子はどうだ?」

『回復速度は遅くなりましたが、翼が無い分、足の治りに集中出来そうです』

「そいつは良かった。しかし、あん時は驚いたぜ」

 

人間はそう言うと、近くに会った椅子に座った。

私はベッドの上で少し身動ぎし、顔をそちらに向けた。

 

『そうでしょうね。龍達の間でも古き龍しか方法を知りませんし』

「すると、お前もかなり古いのか?」

『私は祖龍。全ての龍の祖であり、起源です』

「……マジか。いや、最初見た時も半端ねェ存在だとは思ったがよ…」

 

人間は私の言葉に素直に驚いているようだった。

私が知る人間と随分と反応が違いますね。

彼らだったら嬉々として私を素材として剥ぎ取るだろう。

 

『先程から気になっていたのですが、貴方はハンターではないのですか?』

「ハンター?俺は魔導師だ」

『魔導師?魔法が存在しているのですか?』

「………あぁ、お前祖龍って言ってたモンな」

『え、何ですかその“大昔の知識で止まってるのも無理はないな”的な目は』

 

そう言ったものの、よくよく考えれば今の私の状況にも説明がつく。

この世界にはあまり龍の気配がしない。何らかの理由で滅び、数が少なくなったのだろう。

 

恐らくここは私がいた時代よりも未来、もしくはそれに近い世界。

これは推測にすぎないが、私は正体の分からない黒い渦によって時空を超えたのだろう。

……我ながら面白いことに巻き込まれたものだ。

 

「って、話がズレたな。いつまで人間に変身出来るんだ?」

『私が術を解くか、死ぬまで継続出来ますよ』

「そりゃ便利だな」

『そうでもありませんよ。パワー、スピード、体力、その他諸々、全て半分以下になりますから』

「確かに、初めて見た時ほどの威圧感は無いな」

 

それは単に龍の姿に対して威圧を感じていただけですよ。

戦闘の時ならまだしも、普段威圧なんて出していませんし。

 

『そう言えば、助けて頂いたのにまだ名乗っていませんでしたね』

 

私はゆっくりと身体を起こし、人間の顔を正面から見た。

 

『我が名はミラボレアス。人の間ではミラ・ルーツと呼ばれていた。此度の件、心より感謝する』

「俺はギルダーツだ。さっきの言葉は訂正するぜ。その姿でもスゲェ威圧だ」

『いやだから出していませんって!』

 

そう突っ込むと「どっちが素だよ…」と呟かれた。

どっちも素ですよ。まぁ「我」っていう時は相手に誠意を見せる時ですけどね。

 

『そうそう、ギルダーツ様は依頼を終えたのでしょう?帰らないのですか?』

「まだ他にも依頼が残って……いや待て、様ってなんだ」

『え?様は様です。人間も人間同士で“さん”や“ちゃん”をつけるでしょう?』

「竜にとってはそういう感覚なのか…?」

『何故か龍の子達に様を付けると凄く畏まった様子で「止めて下さい!」と泣きながら土下座されますけど』

「それが当たり前の反応だ!自分の親に様付けで呼ばれたらそうしたくもなるわ」

『そうなんですか?私、親がいる感覚がよく分からなくて…』

 

初めから一人でしたからね。

友達や仲間と呼ぶ存在はいましたが、親なんて存在しませんし…。

初めて子が出来た時も、無償の愛に戸惑いを感じたのは良い記憶です。

 

「親を知らずに親になった訳か」

『えぇ』

 

頷くと、空気がしんみりとしてしまった。

その雰囲気を変えるように、ギルダーツ様が口を開いた。

 

「所で、その様付けはいつ知ったんだ?」

『これは友達からえすえむぷれい?の一環だと…』

「お前の友達には悪いが、そいつ頭大丈夫か?」

 

真剣には真剣ですが、少し呆れが混じったような顔。

何故そんなことを聞くのでしょう?私の友達は皆良い子なのに…。

 

『良い子ですよ?いつも大勢の人から跪かれて女王様って呼ばれてましたし』

「それ跪いてるんじゃなくて跪かせてんだよ」

『違いますよー。皆さん、凄い嬉しそうでしたし』

「調教済み、だと?」

 

全く、ギルダーツ様も結構冗談を言う人なんですね。

 

『でも何故か私が女王様と言ったら泣きながら踏んで下さいって言われたんですよね…』

「そうか(コイツ絶対Sだな)」

『あ、ちゃんと断りましたよ?友達を足蹴にするなんて出来ませんからね』

 

ニコリと笑いながらそう言うと、ギルダーツ様が不意に私の肩に手を乗せた。

そして何かをする訳でもなく、そのまま複雑そうな顔で言った。

 

「とりあえず様付けを止めろ」

『何でですか!?』

 

というか、いつからそんな話に!?

話の脈絡ありませんよね?無かったですよね!?

私が聞いていなかっただけですか…?

 

「祖先の自覚があるならまず止めろ」

『じゃあ何と呼べば!?』

「普通に呼び捨てで良いだろ」

『そ、そんな!ハードルが高すぎます!』

「様付けの方がハードル高いだろ!まず俺のことを呼び捨てで呼んでみろ」

『え、う…ぎ、ギルダーツ………さま』

「最後にボソッと付けんな!はいもう一度!」

『…ぎ、ギルダーツ!……さん!』

 

・・・・・・・・・。

 

「………」

『………』

 

お互いの間に沈黙が流れる。

様が無理ならさん付けしかない。

いきなり呼び捨ては無理です。

友達や仲間にも様付けで呼んでるのに…。

 

「なぁ、一人称を我で俺の名前言ってみろ」

『?別に良いが、我でも変わらんと思おうぞ?ギルダーツ』

「………」

『………』

 

二度目の沈黙。

次に沈黙を破ったのは私だった。

 

『あ、言えましたね』

「おい!?なんだその猫かぶ…いや、龍被りは!」

『被ってませんよ。素です』

「嘘つけ!」

 

嘘じゃないんですけどね…。

 

『まぁ言えたんだから良いじゃないですか、ギルダーツさん』

「元に戻ってるぞ」

『……いつか出来ますよ。うん。いつか』

「人間と龍の時間を考えろ」

 

そのままくだらない話が続き、時間は過ぎていった。

人間と話すのは本当に久し振りでしたから、楽しかったですねー。

 

 

 

 

 




今こうして書き終えると「何がしたかったんだ、自分…」と嫌悪感に苛まれています。
いや本当に何がしたかったんでしょう?

取り敢えず、私としては「書き終わったからもういいや」という悟りを開きます。


……さて、白ミラちゃんと合コンでもしてきますか。
 

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