FAIRY TAIL~龍と妖精~   作:雲珠

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前話の後書きで長くなるとか書いておきながら結局短くなってしまった駄作者こと雲珠(うず)です。
やっぱりオリジナルって難しい…。



第十七話 ミオナ町

 

『ん、やっと着きましたね』

 

ミオナ町の最寄駅に着いた私は、グッと腕を伸ばす。

流石に長時間座っていると疲れますねー。

ラクサスさんはそんな私を無視して、スタスタと町の方へ歩いて行った。

 

『置いて行くなんて酷いですよ』

「のんびり突っ立ってる奴が悪い」

『ふふ、それはすみません』

 

お互い冗談を交えながら、ある程度舗装された道を歩く。

人が来ることはあまりない町ですが、シーズンになると観光客で賑わうそうですよ。

あとはたまに写真家や作家の方が来るそうだとか。

確かに景色も良いですし、良いアイディアが浮かびそうな所ですね。

 

『ラクサスさん、』

「分かってる」

 

私が穏やかな表情のままなのに対し、ラクサスさんは怪訝な顔で周囲を見ている。

まぁ私も内心、警戒はしてますよ。

だってあまりにも平和すぎるんですよ、ここ。

 

受けた依頼はS級のもの。それも討伐です。

それなりの規模の被害を予想していたにも関わらず、森は平和そのもの。

小鳥やそれ以外の小動物もちらほら見かけます。

普通、動物は自分よりも驚異の存在がいたら逃げるものです。

 

『私達の勘違いなら、それで良いですけどね』

「フン」

 

むしろ勘違いであって欲しいものです。

疑り深いのも考えものですし、ね。

 

―――「キャアアァアアァッ!!」

『「!!」』

 

不意に誰かの叫び声が聞こえ、私達はその方向へ駆け出した。

 

それにしてもラクサスさん、雷を使うだけあって速い速い。

初めて見ましたが、私の紅雷と相性が良さそうですね。

 

<ウホ!ウホオ!>

「いや…!こないで!」

 

森を抜けると、そこには魔物に襲われている女性。

あの魔物は確か森バルカン、でしたか。

全く、最近はバルカンという名につくづく縁がありますね。

 

「オラ!」

<ウホホォォオォ!!?>

『おっと、逃がしませんよ』

 

ラクサスさんの先制攻撃を受けた森バルカンは鳴き声だか悲鳴だか分からない声を上げ、森の方へ逃げ出した。

私は森へ入られる前に【曉】を抜き、その身体を一刀両断した。

流石に女性の視界に入れるモノではないので、死体はすぐに森の中に放り込みましたが。

あとは森の生物たちが処理してくれることでしょう。

 

『大丈夫ですか?』

「は、はい…。あの、貴方たちは…?」

 

周りを警戒するのはラクサスさんに任せ、私は地面に座り込んでいる女性に声を掛けた。

掠り傷はありますが、それ以外で目立った傷は無さそうですね。良かった。

 

『私達は依頼を受けた妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導師です』

「貴方達が…!お願いです!町を守って下さい!」

『勿論です。町に案内してもらえますか?』

「はい!」

 

襲われかけていたにも関わらず、女性はスクッと立ち上がった。

手が少し震えているので恐怖が無くなった訳ではなさそうですが、強いですね。

必死に自分を保っているのでしょう。

 

「こちらです!」

 

私達はその女性に案内され、町へと移動した。

町は噂に違わず色どりに溢れた花に囲まれ、胸一杯の香りに包まれている。

いやー、花粉症じゃなくて助かりました。

 

「村長ー!」

 

町に着くと、女性はある人物に駆け寄って行った。

ふむ。ガタイがしっかりとした人ですね。

お陰で身体中に巻かれている包帯が酷く痛々しいです。

 

「イナ!無事だったか…」

「あの方たちのおかげです!」

「あの方たち…?」

 

女性に言われ、村長さんが私達の方を見た。

そして女性に一言二言話して帰らせると、こちらに近付いてきた。

村長と言われる割には、随分と若いですね。30代そこそこ、でしょうか?

 

「イナを助けて下さって感謝します。魔導師殿」

『ミラ・ルーツと言います。こちらのラクサスさんの助手として同行させて頂いています』

「助手…ですか」

『はい。なので依頼の詳細は彼にお願いします』

 

私はそう言うと、ラクサスさんの半歩後ろに下がった。

今回、私の役割はサポート。依頼に関してどうするのか、その決定権はラクサスさんだ。

方針が決まるまでは黙って情報を集めることに徹するまで。

 

「分かりました。詳しい話は私の家でいたしましょう」

 

真剣な眼差しで頷く村長さんに、私達も頷き返した。

 

 




うがァー!(荒ぶる鷹のポーズ)
早く話し進めろよとか思ってるのは私自身である。

文章の批判コメについてはソフトにお願いします。
作者の心はプラスチックのように硬く、紙のように破れやすいです。
そして発泡スチロールの如く崩れ落ちます。

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