FAIRY TAIL~龍と妖精~   作:雲珠

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買い物に行ったら何故か梅干しと白菜の漬物の間にジャムが置いてあったことに疑問を感じる作者こと雲珠(うず)です。
種類が沢山あったら別に良かったんですが、1種類しかなかったんです。ちなみにユズです。
他のジャムはパン類の所にありました。……何で1つだけ仲間外れ!?

更新が遅くなってすみません!


第十話 解除魔導師《ディスペラー》

 

「キミ!一体中で何を…」

『お借りします』

「あ、ちょっ…!」

 

駅の外に出ると、野次馬からの好奇心の目が突き刺さる。

注目してくれているのなら好都合ですね。

私は駅員の方から拝借したメガホンを口元に当てた。

 

『この駅は闇の魔導師達によって占拠されています!そして彼等はこの街を滅ぼす魔法を発動させてようとしている。出来るだけ遠くに避難して下さい!』

「ほ、滅ぼすだって!?」

「早く逃げないと…!」

「おい邪魔だ!どけ!」

 

事態を飲み込めず、混乱を見せる住民の人達。

それでも一人が逃げる姿勢を見せれば、次々と彼等は駅から離れて行った。

 

「おいキミ!なんてことを言うんだ!そんなパニックになることを…」

『事実を隠しても仕方がありません。それより、貴方達も早く避難して下さい』

「え?」

『ここは危険です』

 

真剣な顔でハッキリと言えば、どうやら彼等も事の重大さに気付いてくれたようだ。

困惑した様子でしたが、彼等も避難を始めた。

……あぁ、メガホンを返し忘れてしましました。後日、届けることにしましょう。

 

「よぉ、白銀のルーツ」

『エリゴール…。まさか貴方の方から姿を現してくれるとは思いませんでしたよ』

 

避難する住民たちを見守っていると、目の前にエリゴールが姿を見せた。

私が【曉】を構えるとエリゴールは可笑しそうに笑った。

この余裕、一体何でしょう?

 

「テメェとは女王様共々、一度戦って見たかったが…」

『では望みが叶いますね』

「残念だ。今は相手をしてる暇はねェ!」

『!』

 

エリゴールが何かの魔法を発動すると同時に、私の身体は後ろに吹っ飛ばされた。

いえ、正確には吹っ飛ぶと言うよりも“中に引き込まれた”でしょうか?

体勢を整えて顔を上げると、そこには風の壁が駅全体を覆っていた。

 

『これは、風の結界…?』

「それは魔風壁。無理に外に出ようとすれば、風に身体を切り刻まれるぜ」

『成る程。それはまた、面倒ですね』

 

私はそう言って、風の中に腕を突っ込んだ。

流石の私でもちょっと痛いですね。

ですが、多少無理を通せば出れなくはありません。

 

「化け物かコイツ…」

『酷い言い分ですね。そう言われたのは2回目ですよ』

 

一度目は勿論ギルダーツさんです。

あの時は龍の姿だったので、仕方ないと言えば仕方ないのですが。

まぁその後に綺麗と言ってくれたのでチャラにしましたけど。

 

「チッ、テメェ等の所為で大分時間を食っちまったが……俺はこれで失礼させてもらう」

『待ちなさい!』

 

しかし私の声も虚しく、エリゴールは消えた。

目的は分からず仕舞いですし、早くここから出なければ…。

 

『くっ……ッ…』

 

耐えられるとはいえ、痛いものは痛い。

龍の身体なら未だしも、人間ですからね。

 

「ルーツ!これは一体…」

『エルザさん…』

 

様子の変化に気付いたのか、エルザさんが此方に近付いてくる。

そして、つい気を抜いた瞬間、再び身体を吹っ飛ばされた。

くっ、油断しました。けれどこれで何となくの感覚は掴めました。

次こそは……

 

「やめろルーツ!その腕では無理だ!」

『え?……あぁ、気付きませんでした』

 

エルザさんの言葉に腕を見ると、そこには赤い筋が何本もあった。

どうやら痛覚の方が麻痺してある程度の痛みを遮断していたようですね。

ですがこれくらいの傷、30分もあれば完治するでしょう。

 

「あまり無理をするな」

『……それ、エルザさんとナツさんには言われたくないです』

「ん?ナツがどうかしたのか?」

『いえ、何でもありません』

 

下手な事を言って被害を受けたくはありませんからね。

沈黙は金とは、人間も便利な言葉を作ったものです。

 

「しかし、これでは外に出れん……」

『先程倒した鉄の森(アイゼンヴァルト)の方たちに聞いてみる他ありませんね』

「そうだな」

 

私達は一度駅の広間に戻り、魔風壁の解除方法を彼等に聞いた。

エルザさんが彼等を縛っておいてくれたため、聞くのにそう時間は掛からなかった。

まぁ、返事は全員もれなく「知らない」でしたが。

 

「吐け!魔風壁の解除方法はなんだ!」

「し、知らねェって!」

『エルザさん、本当に知らないみたいですよ』

 

さて、全員知らないとなると困りましたね…。

手がない訳ではありませんが、あまり気乗りはしません。

 

「エルザ!ルーツ!」

「グレイ…。ナツは一緒じゃないのか?」

「二手に分かれた。つか、それどころじゃねェ!」

 

グレイさんの焦りようからして、何か分かったのでしょうか?

何にせよ、穏やかに済むようなことではありませんね。

 

鉄の森(アイゼンヴァルト)の本当の目的は、この先の街だ!」

『この先?確か次の駅はクローバー駅、でしたね』

「クローバー……ッ!定例会か!」

 

エルザさんの言葉に、私もハッと息を飲んだ。

成る程、クローバー駅に行く方法はこの駅のみ。

唯一の交通手段を遮断し、自身は風の魔法で移動する……という算段ですか。

 

「だが、この駅には魔風壁が…」

「あぁ。さっき見てきた。無理矢理出ようとすればミンチになるぜ」

「経験済みのヤツがそこにいる」

 

チラリとさり気なく私を見るエルザさん。

ちょっ、そこはスルーする所ですよ!?

 

「なっ、ルーツ!お前、その腕…」

 

ほらー!気付かれたじゃないですか!本当にもう何でもないのに…。

今はもう痛みすらありません。痛々しいのは見た目だけです。

だからそんなに心配そうな目で見ないで下さい。私の良心的ダメージが…!

 

『大したことはありません』

「嘘つけ。ボロボロじゃねェか」

『本当に大丈夫です。こんなの舐めておけば治ります』

「治るか!!」

 

いや、治りますよ。龍の治癒力を嘗めないで下さい。

……今は人間ですけど。

 

「しかし、こうしている間にもエリゴールはマスターたちのところへ近付いているというのに…」

『何か解除方法が分かれば良いのですが』

「…っ!そういえば、鉄の森(アイゼンヴァルト)の中にカゲという奴がいたハズだ。確か奴は、ララバイの封印をたった一人で解除した!」

「ディスペラー……解除魔導師か!それなら魔風壁も!」

「探すぞ!カゲを見つけるんだ!」

「おう!」

『はい』

 

そう言って、私達はカゲを見つけるために走り出した。

そして偶然にも、鉄の森(アイゼンヴァルト)の不吉な会話が耳に入ってきた。

 

『(……これは、急いで見つけた方が良さそうですね)』

 

仲間を始末するなんて、そんな事、誰にもさせたくない。

 

 

 

 




思った以上に長いィィィー!
え、何で駅から抜け出すのにこんなに長いの?
書いてる私の方が疑問です。
文才が無いからだって?……はい、その通りです。

アオアシラさん、すみません。正直アナタには飽きました。
だからクルペッコの所で出てこないで下さい。
こやし玉投げつけますよ…?

(現在、MHP3の村クエ中)

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