初めての投稿で未だに手が震えております。
誤字・脱字がありましたら、どうぞ生温かい心でご容赦下さい。
数多の飛竜を駆逐せし時 伝説はよみがえらん
数多の肉を裂き 骨を砕き 血を啜った時
彼の者はあらわれん
土を焼く者
【くろがね】を溶かす者
水を煮立たす者
風を起こす者
木を薙ぐ者
炎を生み出す者
その者の名は ミラボレアス
その者の名は 宿命の戦い
その者の名は 避けられぬ死
喉あらば叫べ
耳あらば聞け
心あらば祈れ
ミラボレアス
天と地とを覆い尽くす
彼の者の名を
天と地とを覆い尽くす
彼の者の名を
彼の者の名を
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「こりゃスゲェな」
ハンター達に討伐されかけた私は、必死の思いで逃げてきた。
逃げる途中、訳の分からない黒い渦に飲み込まれた私は、塔から森へと場所を移していた。
最初こそ混乱したが、傷を治すために森で休んでいる内に環境に適応した。
うん。だって塔に居たのも静かに寝たかっただけだし。
別にここがどこでも構わないという結論に落ち着いたのだ。
『・・・?』
だが何故か、今日に限って私の所に人が来た。
えー、戦闘態勢バリバリじゃないですかー。
隠れる場所……は、無い。私の身体より大きい木が無い…!
なんかメッチャ目が鋭いんですけど…。
「怪物退治の依頼が来てたが、本物の化け物が相手とはな…」
これ絶対に言葉が分からないと思って言ってますよね。
私ちゃんと人間の言葉分かりますからね!主にハンター達との戦闘中で覚えましたから!
……言ってて悲しくなってきました。
なんか向こうは襲い掛かってこようとしてますし、こちらから話しかけますか。
『…私に何か用ですか?』
「!!お前、言葉が…」
『理解出来ますし話せますよ』
「…そうか。なら聞きたいことがある」
『何でしょう?』
人間の男は少し安堵した顔で私に問いかけてきた。
一体何を聞かれるんでしょう…?
「俺はこの村の依頼でお前を討伐しに来た」
『討伐、ですか』
「そうだ。だが大人しく出て行くなら、何もしない」
『それは無理です』
真剣な眼差しで言う人間に対して、私はあっさりと断った。
人間は少しばかり怪訝そうな顔をして私を見上げた。
「何故だ」
『私は怪我を負い、ここで身体を癒しています。動くことは出来ません』
「そんなに重症なのか?」
『足と翼が特に酷いですね。回復するには少し時間が掛かります』
「それは困ったな…」
難しい顔で悩みだす人間。
討伐すればいいだけ話なのに、どうしてしないのだろう?
今の私を倒すことなんて造作もないのに…。
『私を狩らないのですか?』
「村を襲ったり、人に危害を加えた訳じゃねェんだろ?」
『そんなことしませんし、出来てもやりませんよ。人は愚かで脆いですが、それ故に美しく気高い』
何らかの理由で襲ってくるなら話は別ですが、そうでない限り、私から手を出すことはありません。
「だったら俺も戦わない。別の方法を探す」
『珍しい人間ですね』
「それに、勿体無い気もするしな。折角綺麗なんだからよ」
人間はそう言うと、静かに私の鱗に触った。
私自身は色のないつまらない鱗だと思いますが、褒められるのは嬉しいですね。
『ふふっ、私が雌だったら口説き落とされてましたね』
「てことはお前、雄か。中性的な声だから外見じゃ分からんな」
そうですかね?龍達からは性別を間違われたことなんてありませんけど…。
人間の感覚というのは分かりませんね。
まぁ、その感覚の違いが面白といえば面白いのですが。
「さてと、どうするか…」
再び悩みだした人間。
なら、私は素直に助けを求める事にしよう。
『……近くに、村があると言いましたよね?』
千文字が意外と辛い。
早くも投稿したことに後悔し始めてきました。
こうなったら塔に拝みに行こう。よしそうしよう。