黒子のバスケ〜努力の天才   作:マニック

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今回の話は瑠璃と青峰はほぼ空気です笑


第18Q

第3Qが始まった。

 

両チームの予想していた通り、瑠璃と青峰というエース同士の戦いは一時中断となった。ゾーンの乱発は体力と精神力を大きく使う。つまりこの第3Qの戦いに求められるものはチームとしての地力の強さ。

 

灰崎は先ほどの瑠璃と青峰の戦いを思い出しながら、静かに準備運動をしていた。

 

灰「(俺が越えるべき壁。越えなきゃならない壁。どこまでも俺の上をいく人だな。瑠璃さんは。)」

 

そして静かに自分のマークについていた若松を見る。

 

灰「てめえには悪いが、今の俺の敵じゃねえ。」

 

若「ああっ?なに生意気言ってやがる、クソガキ!!」

 

ボールは桐皇からである。

 

今「さて。互いにエースは温存と。ほんならこうするしかないわな。」

 

今吉は若松にパスをだす。

 

若「しゃあ!!」

 

若松はボールを受け取ると、センターの動きで灰崎からみるみるポジションをとっていく。

 

灰「(くっ。こいつっ。パワーだけなら中学の時の紫原と変わんねえじゃねえか。)]

 

若松はそのままゴール下からシュートを決める。

 

石「なっ!?」

 

その様子を見ていた石田は驚きを隠せなかった。灰崎は福田総合の中でも屈指の実力者である。さらに元キセキの世代である。瑠璃や他のキセキの世代に負けることはあってもその他の選手に負けることなどないと思っていた。この時までは。

 

今「何驚いとるんや?悪いがうちの若松は強いで。うちで最も才能があり強いのは青峰やが、最も努力し青峰に近づこうとしているのはあいつや。おかしなやつでな。普通、青峰と一緒にプレーしたら次元が違うことが分かって努力することやめるんやけどなあ。」

 

石「いい選手だな。あの動きを見ただけで相当な努力家だと分かる。」

 

今「やろ?だから勝つのは、」

石「それでも、勝つのは灰崎だ。」

 

石田が今吉に被せるように言う。

 

石田はリスタートされたボールを受け取り、再び今吉と対峙する。

 

石「さっきの続きだけどな?俺はこの半年間。毎日毎日ひたすら努力をしている選手を知っている。目の前の偉大な選手にあこがれ、届くことのない努力をしている選手を知っている。」

 

石田は急加速をして今吉を抜き、灰崎にパスを出す。

 

石「だからお前は瑠璃以外には負けない!!行け、灰崎!!」

 

灰「うす!!」

 

灰崎は頭の中で若松に勝つ方法を模索していた。

しかし、灰崎という男は考えるという行為自体が苦手なのである。

だからやめた。考えるいうことを。灰崎はただ体が動くままに任せた。

 

若「なっ!?この動きはっ。まさか!?」

 

灰崎がした動きは基本の動きの1つであるダックイン。黒金瑠璃が得意としているダックインである。毎日毎日ただ努力を重ねた。目の前にいる偉大な選手に近づくために。その結果がこのダックインである。そしてそのままミドルシュートを決めた。

 

青「おいおい。瑠璃さん。あいつあの技奪ってんぜ?」

 

瑠「あれは奪ったんじゃねえよ。体にしみついたものをそのまま出しただけだよ。」

 

青「どういうことだ?」

 

瑠「灰崎っつうやつはよ。俺を越えたいらしくてよ。いっつも練習の後に俺に1on1を挑んでくるんだわ。さすがに毎日同じ動きみたら真似はできるよな?あいつはその動きをずっと練習してるんだよ。奪うんじゃなくて、自分のものにするために。だからあの技は俺から奪ったもんじゃねえ。あいつ自身の技だ。あいつの成長速度は半端じゃねえ。」

 

今「若松っ!!」

石「灰崎っ!!」

 

若松が入れれば灰崎が入れかえす。

灰崎は入れれば若松が入れかえす。

まるで第2Qの再現である。

 

灰「らちがあかねえな。おめえ強えよ。だから”本気”でいくわ。」

若「もう本気だろうがよ!」

 

瑠「青峰。一つ言い忘れていたよ。」

青峰は首をかしげる。

瑠「灰崎がどこまで成長しているかはもう俺でも分かんねえんだ。」

 

 

灰「”俺に勝てるのは俺だけだ”」

若「っ!?」

若松がいつも聞いている台詞。エース青峰大輝がいつも言っている台詞。

それを灰崎が口にした。

灰崎はまるで青峰のようなストリートのドリブルをして若松を抜く。

あまりの切り返しの速さに若松は尻餅をつく。

 

客「ア、アンクルブレイクだー!!すげーぞ、あいつ!!」

 

灰崎はヘルプについた桜井もかわし、ダンクを決めようとする。

しかし

 

青「調子こいてんじゃねえぞ!!」

 

青峰がブロックをする。

 

青「てめえ如きが俺の技を奪う?ありえねえんだよ。今のお前の動きはせいぜい俺の60%なんだよ。」

青峰は焦っていた。

60%とはいえ、自分の動きを真似された。

 

そんな経験はいままでなかった。キセキの世代である黄瀬にすら完璧な模倣をされたことはない。このままいくと灰崎は近い将来必ず自分の動きを奪う。青峰の直感がそう告げる。

 

灰「まあ。まだ無理だわな。安心しろよ。お前の今日の相手は俺じゃねえ。瑠璃さんだ。」

 

ピー-!

第3Q終了。




すいません。個人的に桜井嫌いなんで出番なしです笑

あともう一つ。
インターハイの福田総合の試合をキセキの世代の観戦中のコメントとかを書くの忘れてました泣
明日までに修正しますので、もう一度読んでくれたら幸いです。

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