瑠璃と修造、2人が会場につくとそこには驚くべき光景が広がっていた。
虹「51対30!?なんだ、この数字は!?」
今、試合を行っているのはキセキの世代を要する秀徳高校と桐皇高校。試合は本来ならば、拮抗するはずであった。
瑠「一体どうなってるんですか、石田さん!?」
瑠璃ですら、焦らざるを得ないこの状況。石田は静かに口を開く。
石「緑間が、いや。秀徳がすごすぎるんだ。秀徳の得点はほぼ全てがスクリーンをかけてからの緑間の3Pだ。もはやあれは神業の域だ。」
それを聞いた瑠璃は納得したように笑う。
瑠「はは。そういうことか。お前らしいぜ、真。」
虹「どういうことだ、瑠璃??」
虹村はいまだ状況がつかめないでいた。
瑠「真は昔からまぐれとか運とかそういう類のものを嫌っているのは知ってるよな?」
緑間はけっしてまぐれを肯定しない。そんなものを勝利とは呼ばない。その答えがあの超高弾道3Pである。
虹「それは知っているが。」
虹村はいまだ納得できずにいた。
瑠「真はおそらく、すでに“ゾーン”に到達している。だが、“ゾーン“はいつでも入れるわけじゃない。タイミングとトリガーが必要になる。だから真は、あえて“ゾーン“を捨てた。」
一瞬、虹村が目を見開く。
虹「つまり、不安定な“ゾーン”よりも確かな仲間との連携を選んだってことか?」
瑠璃はいままでで一番の笑顔を見せる。
瑠「まあ、そういうことだろうな!!」
…
緑「まったく疲れる奴なのだよ。この連携に“俺達“がどれだけの時間を使ったことか。そろそろ諦めるのだよ、青峰!!」
コートの中央でポジション取りをしながら青峰に言う。
青「はっ。あいにく俺もいろんなもん背負ってるからよ。負けられねえわ。つか、はやく俺の相手しろよ。」
緑間は青峰にボールが渡ると、全力ではDFをしない。そうすれば、青峰は“ゾーン”にはいれない。なぜなら、青峰の“ゾーン”のトリガーは。
緑「するわけないのだよ。貴様のゾーンのトリガーなど百も承知。強者とのギリギリの闘い。光栄に思って欲しいのだよ。俺はこの試合、個人のプライドを捨て確実に勝ちにいっているのだよ!!」
ピ―――
ここで第2Qが終わる。
今「ほんまあかんわ。個人プレイのように見えてあんなん、完璧なチームプレイやないか。」
緑間1人にシュートを打たせるために秀徳が行っているのは、献身的なまでの自己犠牲。
バスケットをするものは本能的にシュートを決めたがる。それはどんな状況であってもだ。
その本能を押し殺すのは鋼の精神。そして、絶対的なエースへの信頼。
青「ああ。そろそろまじでやべえわ。だからよ、てめえらの力かせよ。」
そう言って桜井と若松の顔を見る。
若「やっとかよ。言うのがおそえんだよ、てめえは!!」
桜「すいません、すいません!!役に立てるかわからなくてすいません!!」
そう言い2人、いや3人は立つ。
今「あとは若いもんにまかせるで?わしらを引退させんでくれよ?」
ここからだ。
ここから桐皇高校逆転劇が始まる。
お気に入り、高評価お願いします‼︎