瑠「ここが本場かあ。」
瑠璃はさらに、自分の実力を上げるためアメリカにきていた。
帝光の留学システムを使い、高校までの半年間をこちらで過ごすことになったのだ。
そこは瑠璃にとっては人生で最大の満足を得た場所であった。皆が上を目指して努力を惜しまない。才能がありながら、努力を惜しまない者達が大勢いる。
当然、瑠璃もそこでバスケに没頭した。
…
瑠「どうですか?コーチ?」
瑠璃は現在、コーチに練習を見てもらっている。アメリカでも選ばれた人間しか得ることができない好待遇である。
コ「エクセレントだ、ルリ!!ソノチョウシデガンバッテクレ。」
瑠「はい!!」
練習が終わり、日も沈む頃
コ「ン?」
瑠璃が練習を終え、寮に帰る時コーチが異変に気づいた。
コ「ルリ、ナゼアシヲヒキヅッテイル?」
瑠璃自身、気づいていなかった。自分が足を引きずって歩いていることに。
なぜか?
それは“それがあの病気”の怖いところだからだ。
場所は移り、アメリカで開業している日本人ドクターのもと。
ド「これは、関節結核だね。」
聞いたこともない病気、それゆえ瑠璃ですら動揺を隠せない。
瑠「それは、どういう病気なんです?バスケはできるんですよね!?」
ドクターは下を向き、静かに口を開く。
ド「隠してもしかたないから言うことにする。君はこれからバスケっとがどんどんできなくなっていく。持って3年。それ以上は体が動かなくなる。」
瑠璃は病室を飛び出し、1人気の済むまで泣いた。
…
時は戻り、現代
虹「お前にそんなことが。だからか?そこまでキセキの世代に勝つことにこだわるのは。」
昔からそうだった。瑠璃はバスケット選手である前に先輩として彼らと接していた。面倒みがいいと言えばそれまでだが。
瑠「あいつらはいずれ世界を相手にして戦う。だけど、あんなプレーじゃダメだ。俺は見たいんだよ。あいつらが世界を獲るところを。」
この男は自分が望む景色がみたい。ただそれだけで動いている。だから
虹「お前は強いんだろうな。」
ポツリと虹村は呟く。
瑠「だから、“修造“。お前は俺の夢に手を貸せ。世界の頂辺獲りにいこうぜ!」
そこから虹村は瑠璃の夢の一旦を聞いた。
虹「そんなこと普通、思いつくか!?いつからだ?いつからそんなこと思い描いていた。」
虹村が驚愕する瑠璃の夢。それは。
瑠「断片的に思ってたのは、二連覇したあたりかなあ。俺は、全日本の監督になってそのチームで世界を獲る!!」
たとえバスケットを自分の体でできなくても、夢を見ることはできる。
俺にはあいつらがいるのだから。
2人が話していると、突如会場から歓声が聞こえだした。
もう一つの準決勝が始まっていたのだ。