黒子のバスケ〜努力の天才   作:マニック

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第53Q

瑠「ここが本場かあ。」

瑠璃はさらに、自分の実力を上げるためアメリカにきていた。

帝光の留学システムを使い、高校までの半年間をこちらで過ごすことになったのだ。

そこは瑠璃にとっては人生で最大の満足を得た場所であった。皆が上を目指して努力を惜しまない。才能がありながら、努力を惜しまない者達が大勢いる。

当然、瑠璃もそこでバスケに没頭した。

 

瑠「どうですか?コーチ?」

瑠璃は現在、コーチに練習を見てもらっている。アメリカでも選ばれた人間しか得ることができない好待遇である。

コ「エクセレントだ、ルリ!!ソノチョウシデガンバッテクレ。」

瑠「はい!!」

練習が終わり、日も沈む頃

コ「ン?」

瑠璃が練習を終え、寮に帰る時コーチが異変に気づいた。

コ「ルリ、ナゼアシヲヒキヅッテイル?」

瑠璃自身、気づいていなかった。自分が足を引きずって歩いていることに。

なぜか?

それは“それがあの病気”の怖いところだからだ。

場所は移り、アメリカで開業している日本人ドクターのもと。

ド「これは、関節結核だね。」

聞いたこともない病気、それゆえ瑠璃ですら動揺を隠せない。

瑠「それは、どういう病気なんです?バスケはできるんですよね!?」

ドクターは下を向き、静かに口を開く。

ド「隠してもしかたないから言うことにする。君はこれからバスケっとがどんどんできなくなっていく。持って3年。それ以上は体が動かなくなる。」

瑠璃は病室を飛び出し、1人気の済むまで泣いた。

… 

時は戻り、現代

虹「お前にそんなことが。だからか?そこまでキセキの世代に勝つことにこだわるのは。」

昔からそうだった。瑠璃はバスケット選手である前に先輩として彼らと接していた。面倒みがいいと言えばそれまでだが。

瑠「あいつらはいずれ世界を相手にして戦う。だけど、あんなプレーじゃダメだ。俺は見たいんだよ。あいつらが世界を獲るところを。」

この男は自分が望む景色がみたい。ただそれだけで動いている。だから

虹「お前は強いんだろうな。」

ポツリと虹村は呟く。

瑠「だから、“修造“。お前は俺の夢に手を貸せ。世界の頂辺獲りにいこうぜ!」

そこから虹村は瑠璃の夢の一旦を聞いた。

虹「そんなこと普通、思いつくか!?いつからだ?いつからそんなこと思い描いていた。」

虹村が驚愕する瑠璃の夢。それは。

瑠「断片的に思ってたのは、二連覇したあたりかなあ。俺は、全日本の監督になってそのチームで世界を獲る!!」

たとえバスケットを自分の体でできなくても、夢を見ることはできる。

俺にはあいつらがいるのだから。

 

2人が話していると、突如会場から歓声が聞こえだした。

もう一つの準決勝が始まっていたのだ。

 

 

 


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